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夢を叶えるために…スペシャル短編集!

著編者 : トーカ@浮上停止

2,自分の

著 : トーカ@浮上停止

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「フィース、いる?元気?」
「もし元気じゃないって言ったら?」

「え、元気出させる」
「なにそれ」

ダイアが旅立って、はや1ヶ月。私も、いろいろ変わったものだ。

友達…も他にできたし。

『ダイアの代わりを努めること』それが今の私の役目だ。

「遊ぼうよー」

エクリは相変わらず遊びに誘ってくる。こいつ暇なの?

「何して?」

「んー、おにご?」
「疲れるのヤダ」
「えー」

エクリがむうっと唸り、頬を膨らませる。

「エクリがやっても可愛くないね」
「酷っ!!」


「おーいエクリ、フィースの邪魔ばっかしちゃダメじゃーん。」

「あ、リラ!丁度良かった!遊ぼうよ!」

「あんた話聞いてた?」


やって来たのはメロエッタのリラだった。彼女は歌が上手い。私もリラの歌は好きだ。

「フィースも大変だね、色々」
「うん。まー、さっきもトラブルとかあったしね。たまーに時空の歪みとか起こるし。これも私の仕事なの?ってもんまであるからさ。」

「ふーん…。大変なのね。手伝おうか?私に出来ることがあったらするけど…。」

「んーん、大丈夫。ありがとリラ」
「いえいえ」


「え、じゃーフィースは今取り込みチュウ?」
「さっきからそう言ってんじゃん…」

「え、まじ」

本気で驚いたようにエクリが言った。

天然なのか馬鹿なのか……。


「じゃ、リラ遊ぼ。暇っしょ?」
「すぐ暇認定しないでよ…。まぁいいけど」

「やったー!」

エクリはダーッと駆けていった。

「子供みたい」

リラが苦笑した。

「…だね」


「じゃあ、私は行くわ。じゃーねフィース」

「ん、ばいばい」


「待てエクリ〜」と言いながらリラもエクリの後を追った。





「…さて、と…」


私はちゃんとダイアの代わりを出来てるのだろうか。

ふと、そんな疑問が頭をよぎった。


言ってしまえば、私のすることは『ただそれだけ』。

いつか、いつになるかわからないけども、ダイアが帰ってくるまでは頑張ろうって決めた。

じゃあ、帰って来た後は…?


私は、何者になるんだろうか。




ただ完璧に
1ミリの狂いも無く
彼女の代わりをする。


…でも、それで本当にいいんだろうか。


悪い事じゃないのはわかる。でも、何か違うって心の中で思ってた。






「うわーーーい!戻ったよー!」

突然の大声に驚く暇も無く、エクリが話しかけて来た。

「フィース!きのみ!とってきた!」
「…単語だけ並べないで。つか、遊びに行ってたんじゃないの?」

「きのみ取って来たの!」
「きのみ?なんで…」

私が問う前にリラが言った。リラもエクリも、手にたくさんのきのみを抱えている。

「エクリがね、“フィースが最近疲れてそうだから”って。」

「え、そうなの?」

エクリの方を見る。

「うん!本当はね、本人誘って食べに行こうかと思ってたんだー」

「あ、そうなんだ。なんか…ごめんね」

するとエクリは顔の目の前で手をブンブンと振った。

「いやいやそんなそんな!私こそ無理言ってごめんっ!」

「じゃあ、皆で食べようか。ちょっと、いくつかジュースにしてくるね」

リラが微笑して歩いていった。



「あー、お腹空いたなぁー」
「…」

私は、隣で目をキラキラさけながらきのみを見ているエクリに聞いた。

「…ねぇエクリ」
「ん?」


「私、ってなんなんだろ」


「え、どしたの急に」


「ああ…ごめん、えと…なんていうか…私ってさ、ホラ、今ダイアの代わりを一時的にしてるだけであって、帰って来たらそこまでだし、完璧にダイアの代わりをすることが大事なんだろうけど…なんか足りないっていうか…」


上手く伝わったか、なんて心配はしなくてよかった。
エクリは話を聞くと真面目な顔ですぐ言った。

「完璧にしなくてもいいんじゃない?」

エクリはそう言った。私にはとても考えられなかった。

「え…?」

「だってさ、『ダイアの代わりを完璧に』なんて絶対ムリじゃん。誰だって完璧になんて出来ないよ。

フィースはフィースなんだからさ。自分のやり方でやればいいんじゃない?」

エクリからすれば、何気無い一言だったんだと思う。

だけど、私にとってはとてつもなく大きな一言で。


「ーって、ダイアなら言うと思うよー。ま、そんな深く考えなくてもいいんじゃない?」

リラー、ジュースまだー?と、マイペースなエクリ。

そうだ。エクリだって、自分らしく堂々としてるじゃないか。

エクリだけじゃない。皆そうだ。自分の中に、ちゃんとした軸があるんだ。

私には、それが無かっただけで。
一つのやり方に囚われてたんだ。


「エクリ」
「ん?」

「…ありがとね。いつも、助けてくれて」

「…ん?あ、どういたしまして…?」




“生き方”“やり方”“考え方”

何が正解か、なんてものはなくて。


自分らしく生きれたら
自分らしくやれたら
自分らしく考えられたら


きっと、それが正解なんだ。








ダイア、私はそう思うよーーー

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2017.1.15  18:38:47    公開


■  コメント (6)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

あすぺふさん、こんにちは!トーカです。

うお…やべぇ…←何が
伝えたいことが伝わってて安心しました…!ありがとうございます!まさにその通りでございます!

文章力はマジで無いですが、頑張ろうと思います!ありがとうございます!

17.1.16  15:34  -  トーカ@浮上停止  (0914)

LOVE★FAIRYさん、初めまして!トーカと申します。

おお…!ありがとうございます。
ぜひぜひ、夢かなシリーズの一番最初から読むことをオススメします!そうすれば、もっと楽しめると思います!

こちらこそ、宜しくお願いします。

17.1.16  15:30  -  トーカ@浮上停止  (0914)

猫耳ほっぺさん、こんにちは!トーカです。

フィースは初登場時はキャラはこんなじゃなかったです((断言
キャラ崩壊というよりキャラ忘れた←

はい!お互い頑張りましょう!ブログの方も見に行かせてもらいます。では!

17.1.16  15:23  -  トーカ@浮上停止  (0914)

トーカさん、こんにちは。あすぺふです。

他人の代わりを「勤める」のは、完璧に近くなければならないかもしれないが、他人の代わりを「務める」のは自己流でその役割を担うのが大切であることがよくわかります。
それはここでは具体的で限定的な状況で描写されていますが、それはもっと抽象的な意味も同時に含まれているところが素晴らしいです。

結局は、「自分らしく」生きることが最も大切なんですよね。「自分らしく」生きることは時に失敗や挫折を味わうこともあるが、その失敗や挫折を経験することが、より豊かに生きることができる糧となるんですよね。

さらに、何気ない一言が相手にとって重大なことである、ということはよくありますよね。良い意味でも悪い意味でも。だから気をつけなければいけないですね。

次回も頑張ってください!

17.1.15  21:17  -     (rev01cni)

アローラ!LOVE★FAIRYです。
トーカさんの小説が気になったので、見てきました。
まだ途中だから、内容が分からないですが、これからも宜しくお願いします。
あと、私の小説も宜しくお願いします。

17.1.15  19:31  -  LOVE★FAIRY  (FAIRY)

猫耳ほっぺです!また、見に来ました(*^^*)
フィースがダイアの代わりをしているのですね・・
トーカさん、これからもノベル頑張ってください!
ちなみにヤフーにて昨日、ブログ開始しました((宣伝するな、自分

17.1.15  18:57  -  不明(削除済)  (neko1234)

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