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哀れ人

著編者 : 窮爽

3人目 少年は風の様に

著 : 窮爽

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「あー、失敗は仕方ねぇよ。次会った時に仕留めればいい話なんだからな!」
「まぁ、それは分かってる。それよりも、リーダーにばれるのが嫌なんだよッ」

本部に戻った後、食堂で夕飯を食べていると俺の先輩にあたるヒバ・アーレントって奴に声を掛けられた。
ヒバは俺が逃した浴衣野郎の話をすると気楽にカバーする様に言った。
俺は率直に思っている事を口にした。
俺達狩り人のリーダー…ギラ・カーソンって奴はハッキリ言ってうぜぇ。偉いからって威張り散らしやがって…あぁーうぜぇ…
失敗したらこってり絞られるって言うか、キツイ事言われるらしい。だからばれるのが嫌なんだよッ。
ヒバは苦笑しながら俺の肩にポンッと手を置き、

「まー!頑張れ!」
「チェッー…人事みたいによッ」

俺は口を尖らせてそう言った。
その後、夕食を済ませて自分の部屋へと戻り、眠りに就いた。

                     ○●○

「昨日の奴居ねぇかなー」

次の日、昨日と同じように俺はギャロップに乗って哀れ人とか部外者が居ないか見回っていた。
出来れば昨日会った奴見つけてケリつけてぇトコなんだけどなー…
そう思いながら周りを見渡す。

「……街に行ってみっか」

俺はふと向こう側にあるクリュウタウンを見て呟いた。
ギャロップに街へと走らせ、入口の所で止める。ギャロップをボールに入れ、両手をポケットに街へと歩いて行った。
クリュウタウンは噴水や広場、ゆっくり出来そうな所が多い。そしてイベント事なんかもこの町で行われることが度々。
今日も賑やかなこった…
そう感じながら俺は街を歩いていた。すると、ふと3人の男と少年が目に入った。
…絡まれてるな?

「金持ってんだろ?」
「い、いえ…」

あー…金分捕る気だな?
俺は何となく男達のやろうとしてる事に予想がついた。
俺はそいつ等の方に向かって歩き、声をかける。

「なーにやってんだ?」
「あぁ?」

男の一人が声を出して振り向く。俺は余裕の笑みを見せながらポケットから狩り人の証明書を見せた。
それを見た男達はサァッと顔を真っ青にして叫びながら逃げて行った。
…逃げ足早ぇなぁ…
そう思いながらも少年の方を見る。キャスケットを被り、金髪だった。
…まさに、ショタ顔少年。
俺は少年に声をかける。

「なぁ、大丈―」

ダッ!
少年は何も言わずに走り去ってしまった。
…礼も言わねぇのか…ってか、俺達狩り人ってそんなに嫌われる必要あるか?
今更だけどさ。

「…まー、いっか」

俺はそう呟き、両手にポケットを入れてまた歩き出した。
俺は心が広いからな。
…浴衣野郎…出てこねーかなー…
未だにそんな事を考えながら俺は道を歩いていた。

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2011.8.29  18:03:27    公開


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