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哀れ人

著編者 : 窮爽

2人目 狩る者と狩られる者

著 : 窮爽

イラスト : 窮爽

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バン!

キン!

そんな銃声と鉄に何かが当たるような音がとある町の道の真ん中から聞こえてきた。
そこには赤髪の銃を持った青年と浴衣を着て刀を持っている青年が立っていた。
周りには誰一人居ない。先ほどの音は浴衣の青年が赤髪の青年の放った銃の玉を刀で防いだ音だろう。刀のその当たった場所には傷がついていた。
傷がついただけと言う事はこの刀はかなり丈夫に出来ているのだろう。
浴衣の青年はフッと笑って言った。

「ボクはさぁ、喧嘩は嫌いなんだよねぇ?そこ、分かって貰えるかなぁ?」
「そーゆー割にはそんな物騒な物持ってんじゃねーか?」

赤髪の青年もフッと笑ってそう言った。
浴衣の青年は余裕の笑みを見せて刀を戻し、巾着袋からモンスターボールを取り出す。

「君が言える義理ではないと思うけどねぇ。じゃ、僕は色々と忙しいから♪」

そう言ってモンスターボールからサーナイトを繰り出し、テレポートで去って行った。
残された赤髪の青年はチッと舌打ちを打ち、充を懐に直す。
すると、携帯が鳴りだした。赤髪の青年はポケットから携帯を取り、電源を入れて耳に当てる。

「ハイ、セルアです」
「こちらリュト。アルテラタウンの方で哀れ人が出現した。そっちの狩りを頼む」
「了解」

セルアと呼ばれた青年は携帯の電源を切り、再びポケットの中にしまった。
そして、ボールからギャロップを繰り出し、背中に跨る。

「んじゃ、頼むぜ」

ギャロップは大きな鳴き声で鳴き、走りだした。
セルアが去った後、街の人々は待っていたかのように出てきて、また賑やかに過ごし始めた。

セルア・カーター。それが彼の名前。

               彼は狩り人なのだ。


〜セルア〜

「ストーップ」

俺はそう言ってギャロップを止める。俺は目の前にあるアルテラタウンを見て

「哀れ人も懲りねぇなぁ…」

と、苦笑しながら呟いた。そこからギャロップから飛び降り、ボールに戻す。
そして、両手をポケットに入れて街へと歩き出した。
人々が賑やかに過ごし、歩いている中、俺は眼を凝らして哀れ人を探した。
哀れ人の特徴って中々見えにくい所にあったりする時も希にあるからだ。
…市場に居るかもしれねぇな…
俺はそう考えて市場の方へと歩き出す。
俺の経験上、哀れ人は人のよく集まる場所によく居た。恐らく、人混みの中なら見つからないとでも思っているのだろう。
市場へと突き、更に眼を凝らす。

「……」

ふと、俺の眼に入ったものがある。
人々の間から見えている腕。その腕は長袖を着ていたが、一瞬見えたのだ。
…草の先端が。
俺はニィっと笑って呟く。

「見つからねぇとでも思ったのか…?」

俺は表情を変えずに銃を取り出し、少しずつその腕に近づいて行く。
その腕の持ち主が段々見えてきた。俺は銃を静かに構える。
…哀れ人がなぁ…

バン!

「のーのーと歩いてんじゃねーよ」

引き金を引いたと同時に俺はそう言い放った。
そいつに見事ヒットしたようで、そいつはバタッと横に倒れてしまった。
周りの居た奴等はそれに驚き、『狩り人が来たぞ!』とさっさかと非難して行ってしまった。
俺達狩り人の使った武器が庶民にあたって死んじまうことが多い。だけど、そんなのは素人が多いからだ。俺は命中率に自信がある。…まー、たまーにミスったり、かわされたりして当たっちまう時もあるけど。街の奴等はそれを恐れて俺達狩り人が来たら非難する。そこに残ったそいつに俺は近づき、しゃがみ込む。そいつの胸部あたりから血がドロドロと出ていた。そいつの服に血がしみ込んでいる。

「…さすがに死んでるか」

俺は呟いてそいつのそでを捲り上げた。そこには大きく、長い草が腕から生えていた。
…多分、この草は…ジュプトルの哀れ人だろうな。ジュカインも生えてるけど、草の形で見分けはつく。…ふーん…オス…か…
顔とかでオスとかメスとかは判断できるからそこは問題ない。
哀れ人は人間じゃない。ポケモンでもない。化け物と書いて哀れ人…とも言われている。
だから、男とか女じゃ無くてオス、メス。数え方だって一人、二人じゃない。一匹、二匹なのだ。

「さーて…そろそろ帰るか」

俺はそこから再びポケットに両手を入れて立ち去った。
死体の処理は基本、街の奴らに任せている。墓を造る所もあるし、そのまま倉庫に入れちまうところや、放置、焼いちまうところもあるけど、そんなの俺達の知ったこっちゃない。
俺達の仕事は『狩る』ことなんだからな。
俺は町から出た後、ギャロップを繰り出し、跨る。

「んじゃ、帰るぞー」

ギャロップはまた大きな鳴き声で鳴き、狩り人の本部の方向に向かって走って行った。

「あー…さっき会った、部外者…あいつ逃がしちまったなー…」

俺は今日の出来事を思い出し、呟いた。

紅色の空が向こうまで限りなく広がっていた。

2人目 狩る者と狩られる者

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2011.8.28  19:39:14    公開
2011.8.29  12:24:03    修正


■  コメント (2)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

ユランさんへ
まさかの防御方法ですよ^^;というか、スパイダーマンww
セルア「んー、まー似てんじゃねーか?同じ類だと」
いや、違ぇだろ(汗
貝wwwって諒輝、エジプト好きなの?ww
セルア「どーだろー。…対象に何のかなー?知らねぇや。…エジプト…」
お前、何最後真剣に悩んでんだ(汗
打たれ…ちょww狩るww
セルア「でもなー、狩り人になんの試験とかあるぞ?まー、優秀な俺は楽勝だったけど!というか、いろんな奴等が居るんだなー」
自画自賛すんなし。ってか、納得するな(汗
カッコイイですか!?ありがとうございます!何だか手書きの方が書きやすいんですよねww
コメありがとうございました!それでは!

11.8.29  15:59  -  窮爽  (monoraru)

こんにちは〜!
銃VS刀・・・ってか銃弾防ぐなんて凄!?(゜д゜)
貝「わ、わぁあわわわ・・・私達の入れる域じゃないね・・・さすがの私も入り込めない激しい戦い!!」
諒輝「でもカッコいいよね!なんかスパイダーマンみたい^^」
貝「それはまた次元が違うような気が・・・」
スパイダーマンは違うだろ;
セルア。ですね^^記憶し・・・狩り人!?
貝「あれ。待てよ・・・私の場合ってそもそもその世界の住人じゃないし、そうだとしてもポケモンの技使えるし・・・どっちにせよ狩り人に狙われる!?」
楓「残念だけど、貝はあっちの世界には行けないわね・・・」
諒輝「大丈夫だよ!エジプトのみんz『どんだけしつこいんだテメェ!?byユラン』
う、撃たれた・・・ジュカイン・・・
未威也「哀れ人は撃たれる運命なんだナ・・・」
歩孤「・・・俺は、哀れ人を狩るその人を狩る人になる・・・((短刀取り出し」
オド「・・・っていう無茶ぶりをしようとしている人を狩る人に僕はなる・・・((思念のづつき用意」
マリ「っていう奴等を、わらわはのんびり見学するとでもしようかの^^」
おい最後、何言ってんだw
挿絵のセルアさんカッコいいですね>▽<b
PCと手描きで比べると、手描きの方が個人的にはいいんですよねw
それでは、続き頑張ってください!!!

11.8.29  15:30  -  papiko  (papiko)

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