哀れ人
15人目 この手を共に空へと伸ばして
著 : 窮爽
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俺達は静かにギャロップから降りる。俺はギャロップをボールに入れて、フランと向き合った。
「…フラン、あの…」
「……」
俺は途切れ途切れに声をかける。フランは俺と目を合わせようとしない。
すると、フランはこんな事を言いだした。
「…殺りたかったら殺れば?僕は逃げも隠れもしな『殺らねぇよ!』」
俺はフランの言葉を遮って叫んだ。…遮ってばっかっだな…
一瞬そんな考えが浮かんだが、すぐに振り払って話す。
「俺はお前の味方だ!俺は狩り人をさっき辞めた!…お前等の事、分かってやろうとしなくて……でも、分かったんだ。お前等も俺達も一緒の人間だって。…単純な事なんだけどな。何を今更って感じだけど……自分のことしか考えてなかった。だけど、一回周りを見てみれば色々と気づけるもんだったよ」
「……」
俺の話にフランは黙って静かに聞いていた。俺は静かに息を吸ってゆっくり吐き出し、話を続ける。
「…分かりあえる…いや、話し合いする事も難しいかもしれねぇ。でも、俺はお前等も狩らずに済む世界にしたい。…あと、部外者…他の所から来た奴も狩らずに済むようにな。…チャンスが来るまで俺はお前等を少しでも多く助ける。…それが、俺が決めたこれからの目標っ」
「……」
俺は胸を張って言いきった。フランは俯いていた顔をゆっくりと上げて、俺を見る。
俺は真剣なまなざしをフランに送った。そこからまた再び沈黙が続く。
…そんな時、フランは突然苦笑しながらこう言った。
「ハハ……でも、それだとセルアはこの国の敵になっちゃうよ…?」
「別に問題ない!納得してくれる日がいつかきっと来るって信じてるから!」
俺は笑顔でそう答えた。フランは今度は目に涙をためて言った。
「……そっか……ありがとう。……ゴメン。…ゴメン…ゴメン…ゴメン…!我儘でゴメン…!」
「…大ジョーブだ。皆、我儘でいいんだ。限度を超えるのは駄目だけどなっ…」
フランは俺に縋り付いてグスグスと泣きだした。俺はフランの頭を優しく撫でる。
…よし。
「…フラン」
「…何?」
「…これから『居たぞ!!』」
俺が要件を言おうとした時、そんな怒鳴り声が聞こえてきた。
俺は舌打ちを打って振り返る。向こうには数人の狩り人がいた。
ウゲー…KYな奴らだ…
「せ、セルア…?」
「…フラン、一気に行くぜ」
「…?…うん!」
俺がニヤリと笑って言うと、フランは首をかしげていたが、意味を理解したのかコクリと頷いた。
俺はギャロップを出し、フランと一緒に乗る。
「よぉ!お前等!御苦労さん!俺はこれからフランと旅に出るぜ!…な?」
「え?……うん!」
「んじゃ、お前等ー!ヒバに伝えといてくれー!adieu!」
俺はそう言ってギャロップを走らせた。
後ろから『裏切り者ー!』という声が聞こえてくる。だけど、違うぜ?
『革命者』と呼んでくれ!
「これから何処に行くの?」
「今から行くのは…空港だ!遠いけど、逃げ切れば大丈夫!飛行機で他の国に行くんだ!」
フランの質問に俺は満面に笑顔で答えた。フランも笑顔で頷く。
すると、前方にあいつがサーナイトと現れた。
「ヤァ♪」
「あ!お前!!」
現れたのは美夜だ。美夜は笑顔で片手を上げて挨拶する。俺は驚いていた。
すると、美夜はサーナイトにボソリと何か言う。サーナイトは頷いて意識を集中させた。
そして、景色が一瞬にして変わる。
「…ん?…此処…空港!?」
「え!?」
場所は空港だった。空港が目の前にある。俺達はギャロップから降りてボールに戻す。
俺達はあたりをキョロキョロする。すると、美夜が目に入った。
俺は美夜に尋ねる。
「お前、手伝ってくれたのか?」
「ウウン。面白そうだったからねぇ…ちょっとした手助け」
「それ、手伝ってるって言うんじゃない?」
フランの突っ込みに美夜は『ソウカナ?』と笑っていた。
…いいトコあんだな…
すると、フランはニッコリ笑って俺に言った。
「ありがとう。僕を変えてくれて」
「ん?…あぁ、別に?…んじゃ、お前はシンデレラで俺は魔法使い…それと…」
俺はすぅ…吐息を溜めて言った。
「王子様だな!」
俺がそう言いきると、フランは微笑んでいた。美夜はニヤニヤと俺を見て言う。
「セルちゃんってさぁ、ショタコンなの?ショタコンの君がフラちゃんをホモに育て上げる訳?そして、挙句の果てには結婚する気ぃ?うわー、フラちゃん可愛そうっ!」
「ほぉ…?」
俺はそれに対してニッコリ笑って言った。
「俺はショタコンじゃないし、ホモに育てる気なんてねーよ♪…やっぱ、お前死んどけ☆」
「え!?セルア、駄目だよ!?」
「ウワーン、セルちゃんがボクを殺そうとするぅー!だからボクは避難避難♪」
美夜はニヤニヤしながらそう言ってサーナイトのテレポートで去って行った。
…ったく…
俺はフッと笑って、静かに目を閉じて笑う。…憎たらしいし、うぜぇけど…根はいい奴だな。きっと…
すると、フランが声をかける。
「ねぇ、何処の国に行くの?」
「そうだなぁ…よし!ホウエンって所に行こう!あ、日本語については問題ない!喋れるから!」
「うん!頼りにしてるよ!」
俺がニィって笑って言うと、フランは満面の笑みで言った。
ホウエン行きの飛行機へ乗り、新たな地へと俺達は旅立った。
俺はこの出来事を忘れる事はないだろう。
そして、彼との旅もまた…忘れる事のできないモノとなるだろう。
俺は変えてみせるよ。必ず、絶対…
here swear...
ここに誓って―――
えー、窮爽です!これにて完結です!
セルア「早いな」
そうなんだよね^^;
実はこの小説、アメリカを舞台にしていましたwそして、今までの会話は英語であって、和訳したものという事です(おい
次回作は決まってます!また連載を開始しますので!そちらの方もよろしくお願いします<(_ _)>
では!此処まで読んでくださり、ありがとうございました!それでは!
窮爽
2011.9.7 00:52:12 公開
2011.9.7 00:55:10 修正
■ コメント (2)
※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。
11.9.7 15:05 - 窮爽 (monoraru) |
ど、どもです・・・ コメントする時間が無くて気がついたら終わってしまっていました・・・ ゴメンナサイです・・・ ナルホド!!国外逃亡ですか〜 これなら追っ手も来ませんね^^ 美夜はホントに良いやつです!! ボクは大好きです!! てか、窮爽さんのノベルのキャラはみんな大好きです!! 次回作も楽しみにしてます!! では!!(ビックリマーク多いな・・・ 11.9.7 01:12 - 不明(削除済) (soccer) |
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勝手に完結させちゃいましたwこちらこそ急ですみません<(_ _)>
国外逃s『the☆国外逃走☆』セルア
それって私の言葉を遮ってまで言う言葉か!?(汗
さり気無くいい奴なのですよ^^;
セルア「たまにな、ホントにたまに」
美夜「エェ〜、普段からいい人じゃん♪パジャマっ子さんだってボクのこと大好きって言ってくれてるよ?」
おいおい、自分で言うなよ(汗
皆好きですか!!?ありがとうございます!!(T_T)
一同「ありがとうございます!」
次回作、今から投稿しますので^^
ではでは…
コメ&ここまで読んでくださり有難うございました!それでは!ノシ