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哀れ人

著編者 : 窮爽

12人目 声が聞きたくて

著 : 窮爽

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「……」

夜、昼間に降っていた大雨は止み、空には夜空が広がっていた。
夕方頃に止んだのでそこらへんの木の枝で牧になりそうなものを拾ってライターで火を付け、焚き火を作っていた。
焚き火の炎は小さい火の粉をチラチラを見せながらパチパチと音を鳴らして揺れる。
俺はボーっとその焚き火を見つめていた。
そんな静かな空間で突然携帯が鳴りだした。
俺は黙って携帯に出る。

「…もしもし」
『セルア、ヒバだ。どーかしたのか?帰ってこないし、テンション低いし…』
「…どーかした」

ヒバからだった。俺は力の無い声で答える。
ヒバは心配そうな声で何があったのか尋ねてくる。
俺は答えるかどうか迷っていた。
…俺の仲良かった奴が哀れ人だって言ったとして…この事実はどうにだってできない。
俺が暫く黙っているとヒバはため息交じりでこう言った。

『…まぁ、言いたくなかったらいい。…じゃ、切るぞー』
「あ…ちょっと待ってくれ…」
『ん?何だ?』
「……話す」

俺は切ろうとするヒバを引きとめて、事情を話す事にした。
…理由は簡単。…単に誰かと話していたかったから。なんだか寂しかったから…
俺はヒバにこれまでの事情を話す。すると、ヒバは考え込むような様子で話した。

『うーん…そうだなぁ…突然「哀れ人でした♪テヘッ☆」…なーんて言われたら困るよな…』
「…俺、真剣なんだけど」
『わ、悪いっ』

俺が低い声で指摘すると、ヒバは申し訳なさそうに謝り、気を取り直して言う。

『まぁ…難しい問題だよな…俺達は狩り人…それに、哀れ人の肩を持つって事は国を敵に回すも同然だしなぁ…でも、その仲いい奴を裏切りたくない……究極な選択だなぁ…』
「……」

そこから暫く沈黙が続く。俺がふと口を開く。

「…お前だったらどーする?」
『知らね』
「は!?お前いい加減ふざけるのもいい加減に『ふざけてねぇけど?』」

俺が指摘しようとするとヒバは少し低い声で言葉を遮った。
俺が呆然としているとヒバはゆっくりと呆れた様に話し始めた。

『…だってな?俺、そういう体験したことねぇもん。そんなの聞かれたって分かりませーん。…口では言えるけど、実際そういう立場になったら違う事になるかもしんねーしな。そんな無責任な事言えねぇ。答えられんのはお前だけだろ?俺の答えを参考にすんじゃねぇ。自分で考えやがれっ』
「…そっか。アリガトな」
『おう。明日には帰って来いよー』

こうしてヒバとの通話は終わった。
俺は携帯を懐に直して、立ち上がった。伸びをして外に出る。
夜空には何個かの星が輝いていた。そして満月が優しい光を放って夜を照らしていた。
俺はふぅ…と苦笑しながらため息をつき、夜空を改まって見上げた。

「…どーしよっかなー…」

俺はそう呟いた。すると、ガサッ!
向こうの茂みが動く音が聞こえた。俺はハッ!と振り向く。
すると、出てきたのは近くの街の男だった。
男は恐る恐る尋ねてくる。

「あのぅ…狩り人の方ですかい…?」
「ん?そーだけど?」
「…すっ、すみませんでした!!」

俺が頷くと、男はそのまま逃げる様にして走り去って行った。
…なーにがすみませんだよ。

「”狩り人は怖い人”って決めつけてんじゃねーよッ。俺は優しくて友好的なんだよッ!ったく………?」

…待てよ…?
俺はふとある考えが頭に過った。暫く黙りこみ、考える。

「………そっか……そーいう事か…」

俺はそう呟いた後、ハハっ…と苦笑いして笑顔で独り言を言う。

「なーんだ。すげぇ単純な事じゃねぇか!そーかそーか!よしっ、明日…!」

俺はそう言って洞窟の中へと入り、焚き火を消して適当にそこらへんにゴロンと寝転んで眠りに着いた。
案外早く見つかったぜ…俺の答え!あの男の野郎にも感謝だなっ!
この時、俺の心は晴れ晴れとしていた。


〜ヒバ〜

「…あいつの事だし…大丈夫だろうなぁ…」

俺は電話を切った後、そう呟く。
俺は廊下にある公衆電話で電話していた。携帯って何か使いにくいんだよなー…
そう感じていたその時だった。

「何やら興味深い会話をしていたようですが」
「…あ」

突然そんな声が後ろから聞こえてきた。振り返るとそこにはギラが冷たい目線を俺に向けて立っていた。

「…会話の内容は…どういうものでしょうか?私にも教えてください――」

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2011.9.5  22:00:05    公開
2011.9.6  20:36:45    修正


■  コメント (2)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

ユランさんへ
こんばんは〜^^宿題ですかww私のクラスでも結構居残りしそうな子が…ww
テストの点数、私も終わりました\(^o^)/

まさかの事実ですよ。そんなのにも関わらずに空気の読めないヒバ君(蹴られ
ヒバ「うっせーよ^^」
セルア「でも、俺、お前を紹介する時に絶対「KY」って紹介してるぞ?」
嫌な紹介だなおい(汗
ちょwww皆www
セルア「あぁー…そこの問題は分かんねぇ。…晩飯はハンバーグがいいと思うぜb…どっちがエコかは分かんねぇ」
何故お前が答える(汗
お、落ち着いて^^;
セルア「あ、オムライスをあの威張メガネに喰わせてやれb『お前、とてつもなく失礼な事言ったぞ』窮爽
コメありがとうございました!それでは!

11.9.6  19:59  -  窮爽  (monoraru)

こんばんはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!やっとPCできたぁぁぁあsかcdbぎ((ry
もう昨日今日と大雨だし夏休みの宿題の残りと自由研究で・・・テストの点数終わりましたp^p^

哀れ人だったんですよね・・・フラン・・・ってかヒバwwww
楓「あ、案外明るい人なのね・・・^^;」
貝「うっしゃああああああ!!!100円拾ったぁぁ!!」
ロズレイド「嘘おっしゃい」
貝「・・・いや、辛い時はテンションを上げた方がいいかと」
お前どんなアドバイスしてんだwww
自分で考えやがれ・・・かぁ・・・
オド「ルリ〜、この問題分かる?Xって何なの?」
慧瑠「ねぇねぇ、今日の晩御飯ってハンバーグと納豆ジュース。どっちがいいと思う?ルリ!」
マリ「扇風機1時間つけるのとエアコン温度27度で30分つけるのと・・・どっちがエコなんじゃかの、ルリお兄ちゃん?^^」
ルリ「頼む。お願いだから全部自分で考えてくれ」
お前等ふざけんのやめろしw
ギラてめぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!((怒るなしw
貝「その耳の穴に火炎放射ぶちかましてやるか!!あん!?それとも、めんぼうで鼓膜突き破ってやっか!!」
想竜「まー貝、落ち着いてーなー・・・とりあえず落ち着いた場所で話すために、私ん家来な!とっておきのオムライス、あげるで?^^」
ちょ、待て想竜。その誘いは止めるんだ。うん(汗)
それでは、続き頑張ってください!!!

11.9.6  19:48  -  papiko  (papiko)

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