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私のトレーナー

著編者 : 窮爽

5ターン目 時の神の気まぐれ

著 : 窮爽

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私達はポケモンリーグの想現真の部屋で集まっていた。
…と言っても2人と私と時葉だけなんだけど。
ま、皆はボールの中で話を聞いているって事。私はベットの上に寝転び、話を聞く。
…他の人から見ればまるっきり猫なんでしょうけど。
時葉はコホンっと咳払いをして、事情を話し始めた。

「まず、僕の事を離すとね、僕、あの森に昔から住んでたんだよね。それで、今日はちょっと森の中を散歩してたんだ。と言っても深いところだけど。…そんな時、男が僕を捕まえようとヘルガーを連れてやってきたんだ。僕は必死で逃げたよ。でも、男のヘルガーはとても早くて目の前に立ちふさがれたんだ。ヘルガーは僕に火炎放射を打ってきた。すると、水柱が火炎放射を打ち消したんだ。所謂ハイドロポンプ。ヘルガーは男の傍へと戻っていった。するとそこへ、エンペルトを連れた女の人がやってきたんだ。それで、レパルダスが来て一緒に走ってきたんだ」
「女?女ってどんな奴だよ」

時葉の話しに想現真が質問をする。
私の言葉を時葉に訳してもらえばいい話なんだけどね…正直、面倒。
時葉は思い出しながら答える。

「えっとね…黒髪のポニーテールで、赤い服を着ていて…右手に機械みたいなのを付けていて…あ、そう言えばレパルダスって知ってるの?」
「知ってるわよ」

時葉は突然私に尋ねて来た。私は頷く。
そんな中、想現真と摩瑠は考え込む。

「…というか、その条件に当てはまる奴が居るんだが…」
「すみれさんっスよね」
「へぇ。あの人すみれって言うんだ」

2人の話に時葉は勝手に納得したような表情になる。
…というか、もっと気になる事があるんじゃないの?
私は時葉に思い浮かべた事を質問する。

「時葉、何で狙われてたのか分かる?」
「分からないよ。男も知らないし」

時葉は困った様な表情をして答えた。
…なるほどねぇ…

「その男って、多分最近動いてる組織の奴じゃないのか?」
「あー、あり得るッスね」
「?僕、そう言うのはよく知らないよ」

2人はそう言って頷く。時葉は首をかしげていた。
…あー、あったわね。ニュースでも言ってたし…想現真の従兄も言ってたしね♪

「ま、いいや。あのさ、暫くかくまってよー。頼れるの、僕にとってはレパルダスぐらいなんだってー」
「お前、あんまり勝手言ってると燃やすぞ」
「えー、そこは『良いよ♪』って言うべきだと思うんスっけど」

時葉の頼みに想現真は呆れた様に返した。それに対して摩瑠は時葉の頭を撫でながら言った。
…私ってそんなに頼られてるのかしら?

「ならさー、レパルダスに聞いてよ。僕が頼ってるのは君達じゃ無くてレパルダスだから」
「聞いてもいいけど、お前。通訳ちゃんとしろよ。『嫌』って言ってるのに『良いよ』って言ってるとか嘘吐くなよ」
「僕、嘘つかないもーん」

疑いの目を送る想現真に時葉はニッコリ笑顔でそう言った。
想現真はため息をつき、私の方を向いて尋ねた。

「で、お前自身はどうなんだ?」
「うーん…別にいいわよ?頼られてるのって中々嬉しいじゃない?」

私は爪を舌でなめながら答えた。そして、私は通訳する様にチラッと時葉を見て合図した。
時葉はコクリと笑顔で頷く。

「別にいいってさ♪頼られるのって中々嬉しいって♪」
「…マジか?」

時葉の言葉に想現真は少し驚き気味で私を見た。私はコクリと頷く。
想現真はため息をついて言った。

「ったく、仕方ねぇな…」
「わーい♪レパルダス、アリガトー!」
「良いのよ。別に」

時葉は私の周りを飛び回った。私はフッと笑って言う。
すると、摩瑠はニヤニヤしながらこう言った。

「想現真さん、こんな事言ってるけど本当は大歓迎なんスヨね〜?なんせ、ツンクーデレっすから♪」
「むしろその逆だ!?というか、いい加減それ辞めろ!?クーデレって意味分かってんのか!?女って意味含まれてんだぞ?!なぁ!?」
「あ、じゃあツンデレだったらいいんだ?」
「良くねぇよ!!」

必死に抗議する想現真に時葉もニヤニヤしながら言う。
何処行っても同じ立場よね。想現真って。まぁ、そう言う所も面白くて飽きないんだけど♪
すると突然、時葉は「あ、そうそう」と言って笑顔で言った。

「そう言えばさっき、お詫びするって言ってたよね♪僕」
「いや、お前のお詫びは全然期待できねぇよ」
「そー言わずにさ☆」

想現真は回転椅子を動かし、机を右側にして、左手で頬杖をついて言った。
時葉はそんな様子にもかかわらず、少し上に浮かぶ。

「それじゃ、行くよー♪」
「「「へ?」」」

時葉の『それじゃ、行くよー♪』…の意味が分からず、私達は一斉に声を出す。
行くよー♪…って何をするの?
そうこう考えている内にあたりは白い光に包まれた。
…どれだけ目をつむっていただろうか。そっと目を開ける。
…特に変化はな…い…?

「ふぅ…びっくりしたっスヨー。ホント」
「そうだな」
「…ん?想現真さん、ちょっと声高くなってないっス…か…?」
「そうか?…って何だよその眼」
「ププッ…」

摩瑠は想現真の方を振り返った瞬間、呆然状態となる。
想現真は『気持ち悪い目で見るな』的な目で見ている。
時葉はその様子を見て吹き出していた。
………

「…鏡…」
「鏡ぃ?何か変な物でもついてる……」

摩瑠はそっと懐から鏡を取りだした。想現真は鏡を覗き込んだ瞬間、固まった。
そして、声を上げる。

「何だこれはぁぁぁぁ!!!!!!!!????」

想現真の声が部屋中に響く。恐らく、この部屋以外に居る人たちにも聞こえているだろう。

「何だこれ!?おい!!」
「お詫びだよ〜♪謝罪の気持ちを込めて☆君って見たときから※ショタ顔だなって思ってたけど、子供だともっとショタ顔だね♪」
「お前ふざけんなよ!?」

※ショタ顔・・・大人になっても幼げな顔の事。幼い顔。

そう。想現真が7歳ぐらいの子供になっていた。
服やズボンはぶかぶかで袖から出ている腕は半分しか出ておらず、ズボンも足が見えていない。
椅子で足をぶら下げている状態だ。

「僕さ、時を操れるから子供に戻したりー、年を取らせたりー、物を新しい頃にしたり、古くしたり、時を渡ったり出来るんだよ☆イェイっ!」
「イェイッ!じゃねぇぇぇ!!!さっさと元に戻せよ!!」

楽しそうにしている時葉に対し、想現真は怒鳴り散らしている。…が、全然迫力が無い。
声もさっきより高くなっていて、単に子供が友達との喧嘩で怒っているって感じだった。

「ヤダよー☆暫くそのままでいなよ?可愛いじゃん♪」
「これから色々仕事あるんだぞ!?お前からもなんか言え!」
「……」

想現真の言葉に摩瑠は黙り込んでいた。そして、口を開く。

「…マジで可愛いじゃないっスか!?」
「はぁ!?」
「大丈夫っス!キャンセルにすれば問題なし!」
「ふざけんなぁぁ!!!」

摩瑠はそう言うと、早速仕事の予定だった所へとキャンセルの電話をかけた。
しかも凄いスピードで。凄い、いつもよりウキウキしてると言うか…
…ロリコン??まさかの。あ、ちなみにロリコンって言うのは自分より年下が好きって意味よ♪
…ま、確かに可愛いけど。
私はフッと笑う。そんな時、コンコン。
と、部屋の扉をノックする音が聞こえて来た。

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2011.8.5  22:11:38    公開
2011.8.5  22:29:59    修正


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