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私のトレーナー

著編者 : 窮爽

16ターン目 出発日の唖然

著 : 窮爽

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「…うーん…」

次の朝、私は静かに目を覚まし、スイッチがすでに入っているボールから出て伸びをした。
窓の方を見るとカーテンの隙間から日が差し込み、晴れだと言う事を印象付ける。
想現真の方を見るとまだ眠っていた。すると…
カタカタ…
ペンドラーのモンスターボールが小さく揺れていた。

「…そんなに外が好きなの?貴方は」

私は呆れ気味でため息をつくと、モンスターボールを銜えて窓から外に出た。
朝の森はスッキリする様な空気が流れ、木漏れ日が所々で揺れている。
…ここら辺でいいかしら。
私は広さのある場所を確認してボールのスイッチを押す。そして、そこからペンドラーが待ってましたと言わんばかりに出て来た。

「サンキュー♪」
「貴方、この館から出発するとき、『一緒に歩く』とか言い出さないでよ?」

私がそう忠告するとペンドラーは『分かってるって!』と苦笑しながら言った。
ペンドラーはふと空を見上げた。多くの枝で隠されているけど、空は少し見えていた。

「あーあー…俺も時葉に頼んでフシデにしてもらえば良かったなー…」
「貴方、もし想現真が言葉を分かっていたとして、その眼の前で言って御覧なさい。即効『辞めとけ!』って言われるわよ」

遠い目をしながら羨ましそうに言うペンドラーに私は苦笑しながら言った。
ペンドラーは『確かに!』と爆笑しながら言う。
…まー、その後はペンドラーをボールに入れて屋敷に戻った訳で、後はこれと言った事は特にねぇ…
朝食食べて、『さぁ行きますか』みたいな感じ。

…で、今は屋敷の前に立っている。

「ニョホッ♪それじゃ、行ってらー♪そして、バイちゃー♪」

オーベムは笑顔で手を振りながら私達を見送った。瀘慧は小さく手を振って、想現真はため息をついて、私は尻尾を振りながら歩き始めた。
まー、静かよ。だ〜れもしゃべらないから、無言。
…あ、私が出てるのは瀘慧をリラックスさせるためよ。…って、私が何か喋らないといけないのかしら……そうだ。

「ねぇ、瀘慧」
「…ん?」

私は瀘慧の横に来て声をかけた。瀘慧は小さく微笑んで首をかしげた。
私は想現真に聞こえないぐらいの声で尋ねてみる。

「想現真の事、どう思う?慣れた?」
「…どうだろう……まだ…ちょっと……」

瀘慧も私に合わせて小さな声で答えた。
うーん…簡単には慣れないのね…
すると、想現真は瀘慧に尋ねた。

「と言うか今、どの街を目指してるんだ?」
「…えっと……ソノオタウン…です…最終的にはミオシティを……」

瀘慧はまた小さくなって途切れ途切れで答える。
すると、それに想現真は小さくため息をついて

「…別に、そんな小さくならなくてもいいと思うんだが…」
「…えっと……はい…」

そんな言葉にもかかわらずやっぱり瀘慧はまた小さくなって答える。
…時間がかかりそう…
そう思った私はため息をついた。

瀘慧は森に慣れているだけあって、すぐにハクタイの森を抜ける事が出来た。
そのあと、まっすぐな道を歩いて橋を渡り、そしてソノオタウン。
入ってすぐに花の香りが漂ってきた。そして、どこもかしこも花だらけ!
…花粉症の人にはきついかもね…

「まずはポケモンセンターか?」
「…は、はい…」

瀘慧は頷き、歩いて行く。その後を私と想現真がついて歩く。
ポケセンの中に入っても花が飾られていた。
…ちょっと待って。

「瀘慧、貴方ジョーイさんは大丈夫なの?」
「…が、頑張ってみる…」

部屋を取るならジョーイさんと話さなければならない。人が苦手な瀘慧には大変な事。
…想現真が行けばいいのだけど、まー…今のこの姿じゃねぇー…
瀘慧は自信なさげな表情で頷き、歩いて行く。
すると、想現真はため息をついて言った。

「あいつ大丈夫か?」
「…確かに…」

私はそれに対してため息交じりで呟く。ま、想現真からすれば鳴き声なのだろうけど。
そんな事をしている内に瀘慧はジョーイさんの居るカウンターの前に来た。
ジョーイさんはニッコリ笑って

「どうしました?」
「…えっと…その…」

瀘慧はそう呟くばかりで中々『部屋を取りたい』って言いだせない。

「…へ……」
「へ?」

さすがにジョーイさんも困っている様子。
『仕方ねぇな…』と想現真は呟いて行こうとしたその時だった。

「ジョーイさん、コイツ、部屋取りたいみたいだぜ」
「え?そうなんですか?」
「…えっと…はい…」

瀘慧の横に金髪でブレザーの制服を着た少年が現れ、親指で瀘慧を指差しながら笑顔で言った。
ジョーイさんの質問に瀘慧は小さく頷く。

「なら、この鍵の番号の部屋を使ってくださいね♪」
「…は、はい…」

瀘慧は差し出されたかぎを受け取り、ホッと息をついた。
私達は瀘慧に駆け寄る。想現真は瀘慧に尋ねる。

「おい、大丈夫か?」
「…は、はい…」
「ん?なぁ、そのレパルダスってお前の?」

少年は私を指差しながら瀘慧に尋ねた。瀘慧は戸惑いながらも答える。

「…い、いえ…」
「んじゃぁ、誰の?」

…ん!?
ちょっと…似てるんだけど…似てると言うか…そのままなんだけど!?

「…なぁ、あいつ…イルカに似てないか…?」
「…えぇ」

想現真も同じ事を考えていたようで私の目を細めながら尋ねた。私は頷く。
そう。その少年、ルイにそっくりそのままだったのよ!髪の跳ね具合も色も似てるし。
…まぁ、性格とかは全然違うみたいだけど。
そんな風に戸惑っている内に瀘慧は答える。

「…えっと…この人の…です…」
「へぇー!何か結構鍛えられてて体しっかりしてるからさ……へー…」
「…何だよ」

目を細めて想現真を見てくる少年に対して、想現真はそう呟いた。
少年はニカッと笑いながら言う。

「いやいや♪まさか、こんなお子様がこんなに育ててるとは思わなくてさ♪」
「お子様言うな!」

想現真は気にしている事を言われ、キレ気味で怒鳴った。少年は『おー、怖いこった♪』と笑いながら言う。そして、少年は笑いながら言ってきた。

「そだ。こうして喋ったのもなんかの縁かもしんねぇし、自己紹介しようぜ!俺の名前は道川ルイ。所謂、ハーフだな♪よろしく!あ、記念にクッキーやるよ!」

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2011.8.19  13:22:55    公開
2011.8.19  13:28:28    修正


■  コメント (2)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

パジャマっ子さんへ
さてさて、前とはだいぶ違うドSがやってきました^^;
ルイ「何の事かしらねぇけど、よろしく!あ、クッキー喰う?」
お前、いきなりクッキーはねぇだろ(汗
あ、携帯ですか!いえいえ、気にする事はないですよ!^^
人見知り好きですか!私、控え目な子などが好きでして…(おい
さてはて、ドSではない(?)ルイはどんな行動を起こしていくのだろうか^^;
次回で暴走しちゃうかもです^^
コメありがとうございました!それでは!

11.8.19  16:40  -  窮爽  (monoraru)

ども^^
パジャマっ子です

ル、ルイ来たぁぁ!!!!(うるさい
でもなんか違う?
「気にしたら負けだぜ」
お、エルじゃん。どうしたの?
「窮爽さんのノベル読みに来た。それにしても…」
どうした?まさか漢字書けないとか?
「…その通り」
バカだなぁ、そんなの簡t…
すいません窮爽さん、書けません。携帯なんで…
とりあえず人見知りの子!
ボクはラプラスちゃんレベルに好きです!

ルイくんは何をしてくれるのでしょうか…
次回も楽しみにしてますね
では〜

11.8.19  15:51  -  不明(削除済)  (soccer)

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