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私のトレーナー

著編者 : 窮爽

10ターン目 水平線の向こう

著 : 窮爽

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〜ラプラス〜

「うぅ…何処が何処だか分からない…」

私は気の失っている想現真さんを背に海を漂っていた。
大爆発に吹き飛ばされたようで、ボールの中に居た私は何があったのか分からなかった。
すると、一瞬にして外の景色が海に包まれた。偶然、私のボールのスイッチが岩か何かにぶつかって膨らんだ。私はそれを機に外に出てみた。
すると、そこは海の真ん中で私の近くで想現真さんが気を失って浮いていた。
私は下にもぐって背中に乗せ、ただただ北がどっちかカントーの陸がどこか分からない状態でとにかく泳いでいた。

「せめて、ウォーグルさんかサザンドラさんのボールのスイッチを押す事が出来れば…」

私はため息交じりで呟いた。
空を飛べる2匹ならどこかに陸が無いか見てきてもらえるんですけど…

「うぅ…私って頼りないですね…」

自分の頼りの無さにウンザリしていた。
バトルだってそんなに得意な訳じゃない。…イッシュでのゴローニャさんとのバトルだって、相性は私が有利だったのに完敗でしたし…
唯一出来る事はこうして海を漂うぐらいだ。
そんな事を考えながら泳いでいると、突然目の前に水しぶきが上がった。

「ひゃぁっ!!」

私は驚いて間抜けな声で叫んでしまった。
数秒程すると、海面から凶悪な顔が出て来た。…キバニアさんですか…うぅ…怖い…
キバニアさんは一匹だけでなく、周りを囲う様にしてキバニアさん達が顔を出した。
目の前に居るキバニアさんは私を睨みつけながら言った。

「おぉい。テメー、なーに勝手に俺等の領域のは入ってんだぁ?」
「す、すみません…えっと…この近くに陸はありませんか…?」

私は謝り、何とか情報を聞き出そうと尋ねた。
すると目の前に居るキバニアさんは少し表情を緩めて答えた。

「あぁ、それならこの先をずっとまっすぐ泳いで行けば陸があるぞ」
「あ、ありがとうございます!では、早速行ってみますね!」

あぁ!このキバニアさん、いいポケモンです!ポケモンは見かけによらないってこういう事なんですね!
私の表情は今、とても晴やかなのだろう。
私が泳ぎだそうとすると、急にキバニアさんは『ちょっと待て』と言って私を止めた。

「この先に行きたいんなら…俺達が売る喧嘩、買っていきなぁ!」

その言葉に他のキバニアさん達は戦闘態勢に入った。
えぇぇぇ!!!?無理無理無理ですよぉぉ!!!

〜レパルダス〜

「ここら辺だよー」
「…誰も居ないわね…」

私はペリッパーに連れられて海のど真ん中であろう場所に来た。
そこには誰も居なかった。…泳いで行ったとして…ラプラスは速く泳いでもそんなに遠くには行っていないはず…

「ペリッパー、向こうに行ってくれる?」
「OKー」

私の頼みにペリッパーは頷いて更に向こうへ飛んだ。
…ん?

「ねぇ、向こうに誰かいるけど」
「んー?あー、本当だー」

向こう側に誰かが居るのが私の眼に入った。
段々近づくごとにその正体が分かってきた。
!ラプラス達!というか、キバニアに囲まれてるじゃない!

「ペリッパー、急いで!」
「OKー」

ペリッパーはこんな状況にもかかわらず、悠長とした声で頷き、飛ぶスピードを上げた。
そして、丁度真上ら辺に来て私は叫んだ。

「ラプラス!」
「!レパルダスさん!」

そう答えるラプラスの背には想現真が居た。

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2011.8.11  14:59:45    公開


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