Cruel world
#002『連鎖』
著 : トーカ@浮上停止
ご覧になるには、最新版の「Adobe Flash Player」が必要です。 また、JavaScriptを有効にしてください。
「レ…ク…ト…?」
信じられなかった。さっきまで元気だったのに。
悲しみより先に沸いてきた感情はー
怒り。そして
憎しみ。
「誰がこんな酷いことを…!」
その時、野次馬の中から一人のポケモンが姿を現す。
「ギル、落ち着きなさい。」
「じいちゃん!」
出てきたのはコータス。街の長みたいな人物で、みんなからは「じいちゃん」などと呼ばれ慕われている。
「落ち着けるかよ!?友達が殺られたんだ!黙ってられるわけが…」
「ギル。悲しいのも、悔しいのも、みんな一緒じゃ。」
「けど…!」
「みんな、心して聞け。恐らくこれは他殺じゃ。レクトを殺した者がまだ近くに潜んどるかもしれん。あんまり外は出んようにせい。」
じいちゃんはそう言ったが、みんな不安を隠しきれていない。
その後、レクトの死体はじいちゃんが何とかするといい、事態は収まった。
「犯人…誰なんだろ」
セレンが呟いた。
「…お前は、誰の仕業だと思う?」
「誰、というか…。街に住んでるポケモンの誰かだと思うんだよなぁ」
「…街のみんなを疑うってことか?」
「そういうわけじゃない。けど、そうしか考えられねぇだろ」
事件が起きた次の日。
また、悲劇が起こった。
ロゼリアのセロ、カチコールのイクム、コロトックのヒラギスがそれぞれ殺されていた。
「嘘…だろ…?」
これには流石のじいちゃんも驚いていた。
「なんと言うことじゃ…」
セロは体のパーツがバラバラの状態で発見され、イクムは池で溺死しており、ヒラギスは焼け死んでいた。
「何…何なの…?」
クララは今にも泣きそうだ。
「っっっ!!!」
俺は思いっきり地面を殴った。
石が手に刺さる。
「ふざけんなよっっ…!!!誰何だよ!?こんなことするクソ野郎はっ…!」
「…」
じいちゃんも、街のみんなも、黙って下を向いたまま。
それから
一日に
三人ずつ
殺されていった。
最初の事件が起きてから一週間。
21人が殺された。
もともと住人の数が多くなかったこの街。
今はもう住人の数が半数を切っている。
それから、事件は止まることは無くー
「クララッ!!!」
セレンが叫ぶ。
殺されたんだ。
目を閉じて、眠るように死んでいる。
「クララッ……!」
「外傷が見当たらねぇ。毒殺…か、窒息死か?」
首が切り落とされた者、体がズタズタに刻みこまれた者、焼死した者、溺死した者、窒息死した者…、毒殺された者…。
みんな、苦しみながら命を落とした。
そ し て
「じいちゃん…。後、生き残ってるのって…。」
「…わしと、お前ら二人…ギルとセレンだけじゃ」
「…!」
「ギル。私達が殺されるのも、時間の問題ね…」
「お前はそれでいいのかよ!?俺は…このまま死にはしない!」
「方法があるの?」
「それは…」
そんな話をしている時ー
「がっ…」
じいちゃんが急に倒れだした。
「「じいちゃん!!」」
「おい、しっかりしろよ!!」
俺はじいちゃんの体を揺さぶった。せめてじいちゃんだけでも…
「ギル…セレン…よ…く…聞け…
わしは…もう…死ぬ……。お前達だけでも……生き残れ……。そして、この最悪な事件を……終わらせて…く…れ……。」
そこまで言うと、じいちゃんは動かなくなった。
「じいちゃん!!!」
「…ギル…。死んだよ…。窒息死だ…」
「あと、この街にいるのは…俺とセレンだけか…」
「うん……」
「…セレン!」
「…?」
「俺は…何があっても生き残る!!じいちゃんの想いだけじゃねぇ。レクトやクララ…。死んでいったみんなのためにも俺は必ず生き残る!そして…犯人を見つけ出して終わらせるんだ!この事件を!!」
「…ええ、そうね。みんなのためにも、ね…。」
幸せの連鎖は訪れない。
連鎖するのはー
“絶望”
2016.8.26 10:23:17 公開
■ コメント (2)
※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。
16.8.31 10:25 - トーカ@浮上停止 (0914) |
トーカさんこんにちは、あすぺふです。 え!? 2話でもう生き残りは2人ですか!? 想像以上に殺してくな……。 あと、#002とかってことは100話は続くんですか!? それでは、次回も頑張ってください! 16.8.26 13:40 - (rev01cni) |
展開が早すぎたと自分でも後悔…。でも正直ここはそんな時間かけるとこでもないんでw
ああ…タイトルを3ケタにしてるのはただキリがいいからですw頑張るか飽きなければ100話までいきます笑(そこまでの気力が無い)
それでは!