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午前5時32分、いつものように東の空に太陽が現れた。
その反対方向を見ると、隕石が近づいていた。
もう、この星から見える太陽の大きさの何倍も大きく見えた。
あれがこの星に落ちるまで、残り約1時間半。
もう、この星が朽ちるのも秒読みだった。

それぞれがそれぞれの方法で、最期の時を迎えようとしていた。

家族といる者。
主人に寄り添っている者。
友達といる者。
好きな人といる者。
パートナーといる者。
寝ている者。

家にいる者。
外にいる者。
まだ、仕事をこなしている者。
帰りたくても帰れない人。
寝ている者、、、。

再会の喜びに浸っている者。
いつも通りの幸せを感じている者。
最高の体験をした者。
後悔をしている者。
やっぱり寝ている者、、、。

みんな、昨日という時間を大切に生きた。
そして、大切な人と最期の時を過ごしている。
この信じがたい事実を、すべて受け入れるために。


隕石が近づくにつれ、気温は上昇していった。
朝の時点で、摂氏40度を超えていたといわれているが、どんどん暑くなっていった。
氷の抜け道も、氷が溶けて水浸し洞窟と化しているのではないかとも思われたが、誰も確認に行けないので真相は分からない。

日の出から、1時間後。
あまりの暑さに、海が干上がってきていた。
どこかの地方も、一度過度な日照りのせいで海が干からびる危険性があったとかないとか言われているが、これほど酷くは無かっただろう。
さっきまではちらほらと外にいた人たちも、建物の中に入っていった。
みんな、宇宙ステーションの乗組員が撮影している隕石の映像をかじりついて見ていた。

そして、予想到達時間10分前になる。

一面の空を、隕石が覆う。
明るかった夜とは反対に、暗い朝が訪れた。

ほとんどの家は、窓から隕石を視認することが出来た。
そして、そのまま誰もが目を離せなくなっていた。


予想到達時間5分前、、、

予想到達時間4分前、、、

予想到達時間3分前、、、


来る。滅びの時が。


予想到達時間2分前、、、


予想到達時間1分前、、、、、、。





この星に住む全員が、事実を迎え入れる時だ。

人も。

ポケモンも。

神様が放った裁きの礫を、

我々が受けた、この残酷な運命を。





9月14日午前7時０８分、この星に大型隕石が落下。


超大型地震。

地殻変動。

大噴火。

巨大津波。

ありとあらゆる自然災害が、生きとし生ける者を襲う。


喜も、
怒も、
哀も、
楽も、

愛も、

すべてを奪い去っていった。




隕石の衝突の約5分後、


この星は、消滅した。