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残り24時間。

著編者 : ダンゴムシ

ラストバトル 中編

著 : ダンゴムシ

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ヒロトの2匹目は、プテラだった。
高速なグリーンさんのポケモン達に対抗するために、ヒロトが化石から復元させて育てた、超高速アタッカーだった。

早速、サインを出しピジョットに突っ込ませた。
ピジョットも逃げようとしたが、プテラがとてつもなく速かったことと、ゲンガー戦で思ったより体力を消耗してしまったのもあり、あっけなく捕まった。
そして、雷の牙がピジョットに炸裂し、ついに地面に落ちた。
それを追ってプテラがもう一発当てようとした。
「ピジョット!力を絞り出せ!暴風だ!」
地面に仰向けになって倒れているピジョットが、暴風を繰り出した。どこにそんな体力が残っていたんだと言わんばかりの、凄まじい強風がプテラを直撃する。
ここで、サイン変更。一回プテラは、ピジョットから少し離れたところでその技の準備を始めた。
グリーンさんはそれを確認して、ピジョットに羽休めを命じた。ピジョットも辺りを警戒しながら、回復に入った。

刹那。

ピジョットの下の地面から、鋭角な岩が飛び出してきた。
プテラの得意技、ストーンエッジだった。
岩に突き上げられたピジョットは、そのまま弱々しく落ちていった。戦闘不能だった。
「へへ、やるじゃねぇか!」
「はい!、、、グリーンさんに勝つためだけに、皆を鍛えて来たので。」
ヒロトがそう言うと、グリーンさんは驚いた表情をした。
「なるほどなぁ、、、なら、余計負けられねぇな!」
そう言って、二匹目のポケモン、サイドンを繰り出した。


ヒロトはすぐさまプテラを引っ込めた。プテラはサイドンに対抗できる技を持っていなかったからだ。
「そんな簡単に交代していいのか?」
「いいんです。きちんとタイプ相性は基本に忠実に行きたいんです。」
ヒロトの1回目の交代。繰り出した3匹目は、スターミーだった。
言わずもがな、サイドン対策のポケモンだった。

グリーンさんのサイドンは、言わずもがな圧倒的に不利だ。でも、グリーンさんは変えなかった。交代権は後半にとっておくつもりなのだろうか。
グリーンさんの真意は不明だったが、何はともあれ有利対面を作ることができた。

ヒロトはスターミーに、ハイドロポンプのサインを出した。
そして、サイドンにハイドロポンプが放たれる。
サイドンは遅いポケモンだ。このスピードでやってくる水流を避ける手段なんてない。
直撃した!、、、と思った。

次の瞬間、ハイドロポンプを受け流しているサイドンの姿があった。
尻尾をうまく使って体の軸をずらし、うまく勢いを逃がしていた。
グリーンさんは、物凄いドヤ顔をしていた。
なんて育て方をする人なんだ。弱点をカバーするために、そこまでの体術を身に付けさせるなんて、、、。やっぱりすごすぎる人だ。

「サイドン!地震だ!」
と、グリーンさんが指示すると、サイドンは地面を思いっきり踏みしめた。
そして、バトルフィールド内は、地獄と化した。トレーナーとフィールドが繋がっていないのは、こういうことが起こるからなのかと、いま気づいた。
スターミーは、倒れながらも必死に場外になるのを堪えていた。サイドンはそんなスターミーを仕留めるために、ゆっくりと近づいていた。

ここで、ヒロトは閃いた。
「スターミー!自分自身にサイコキネシスだ!」
スターミーは、自分に念力をかけ、自分の体を浮かした。これで地震の影響を受けなくなった。が、サイコキネシスに集中して、避けてばかりいると、体力負けしてしまう。
そこで、ヒロトはあるサインをスターミーに出した。
すると、スターミーは自分の体を浮かせたまま、高速でサイドンの周りを動き回った。サイドンの錯乱のためだった。

一方のサイドンは微動だにしなかった。
スターミーは遠距離で攻撃はしない。近距離の一撃で仕留める気だ、と確信した。
だから、その近づいてきたターゲットを一発で仕留めるよう、精神を集中させていた。

そして、来た。
背後。気配を感じる。
振り返ってからの、角ドリル。
ハイドロポンプ準備中のターゲットに直撃。
そして、ターゲットは倒れ、消えた。

消えた!?

上。影に気づいて見上げた時には、激水流が放たれていた。
4倍弱点。サイドンの意識は飛んでいた。

スターミーの身代わりから、サイドンの真上でサイコキネシスを解除。そして、渾身のハイドロポンプという、見事なコンビネーションだった。

グリーンさんはあっけにとられていた。
状況処理が間に合わなかったことに、驚きを隠せていなかった。
が、切り替えて3匹目のポケモン、ナッシーを繰り出した。


ヒロトはスターミーを戻した。2回目の交代。俺の肩に手を置き、
「行ってくれ、リザードン!」
そう言って、4匹目に俺を送り出した。
後のことを考えて、ここは人数有利にしたいところ。一瞬で方をつけよう。
ただ、相手も強力だ。ナッシーのサイコキネシスに捕まったら、それこそ、こっちが一瞬で片付けられる。普通は慎重に立ち回るべきなのだ。
が、こっちはとっておきの秘策がある。自信しかなかった。

ヒロトは火炎放射→大文字のサイン。俺はナッシーに炎を吐いた。が、それはサイコキネシスで跳ね返された。
「今度は、今さっきみたいに簡単には破られねぇぜ!ナッシー、サイコキネシスだ!」
サイコキネシスが俺を襲う。体が宙で止められて、地面に叩きつけられる、、、
前に脱出し、ナッシーに大文字を浴びせた。
サイコキネシス中だったナッシーに、それをかわす手段は無かった。
炎技が直撃し、体力を根こそぎ持っていく。
ナッシーはなんとか体制を立て直したが、もうその時には俺の翼が奴を襲った。
燕返しが当たる。ナッシーは後ろに倒れて、動かなくなった。戦闘不能だった。
「、、、そうだった。お前にその回避術を教えたのは、俺だった。」
グリーンさんの方を見て、ヒロトと俺はにっこり笑った。

俺が今したのは、グリーンさん直伝のサイコキネシス回避法だった。
サイコキネシスを当てられる直前に、舌を口にはさんでおく。そして、逃れたいところで舌を思いっきり噛んで、全身の痛覚を舌に集中させる。その瞬間に、一瞬自分にかかっている念力が一瞬弱まるから、、そこで抜け出し、技を出す。
というちょっと強引な技だが、実際その効果は絶大で、ヤマブキのジムリーダーもこれでほぼほぼ封殺できた。
「あなたに、これを教えてもらったのを使いたいと思って。」
「ほんと、つくづく厄介な奴だな!」
そう言って、ナッシーを戻した。


グリーンさん4匹目に繰り出したのは、、、ウインディ。
このポケモンも相当やばい。正面から見た雰囲気は、ウインディというより、伝説の炎ポケモン、エンテイという方が正しい気がした。
それほど、オーラから別格なのが分かるポケモンだった。

「リザードン戻れ!」
ヒロトはそう言い、ヒロトの元へ戻った。
これで3回目の交代。そうしてまでも、ヒロトは数的有利を取りたかった。
「いいのか?最後だぞ?」
「、、、いいんです。リザードンは最後の砦なので。ここで死なせるわけにはいきません。」
「なるほどな。で、誰を出すんだ?」
とグリーンさんが言うと、ヒロトは5匹目にギャラドスを繰り出した。
凶暴な威嚇がウインディに入る。
が、ウインディもグリーンさんも、それを見て不敵な笑みを浮かべていた。

背筋が凍る感覚。
非常に嫌な予感がした。

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2020.5.14  14:42:26    公開
2020.5.14  18:24:30    修正


■  コメント (4)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

KOHAKUさん
コメントありがとうございます!
グリーンのドヤ顔は、ほんと【ドヤァ】としてると思います!(多分)
サイコキネシスの回避法は、後編でも説明しますが、一試合に1、2回くらいしか使えない(舌の耐久度的に)とっておきの戦法なので、まぁ、、、大目に見てください(笑)
私もまだまだバトル描写初心者なので、そのような言葉をいただき光栄です!
さて、次回で決着するのか、、、
乞うご期待ください!

20.5.15  13:06  -  ダンゴムシ  (tailback)

グリーンの物凄いドヤ顔が気になって!!笑
見たすぎる…!笑
リザードンのサイコキネシス回避法は痛そうだけど、実際にポケモン達はこういう努力を重ねて戦ってるのかも知れませんね…!
バトルをポケモン視点で読んでいるからか、さらに臨場感に溢れていて素晴らしい(`・ω・´)!
バトル描写は難しくて読むのも苦手だけど、ダンゴムシさんの文章はスピード感が相まってサクサク読めました!
次回も楽しみにしています!

20.5.15  12:28  -  KOHAKU  (sian331x)

LOVE★FAILYさん
コメントありがとうございます!
二人とも高度なバトルをするものですから、作者のスキルが追い付かなくて追い付かなくて、、、
グリーンがこの後、ヒロトをどのように追い詰めていくのか、、、
次回も頑張ります!

20.5.14  21:00  -  ダンゴムシ  (tailback)

ジムリーダー戦であるとはいえ、巧みに攻防を繰り広げるヒロトとグリーンによるポケモン勝負はますますヒートアップしていく展開にまで発展しておりますね……
果たして、2人の勝負の結末はどちらが勝つのか、次回も楽しみにしています!

20.5.14  19:30  -  LOVE★FAIRY  (FAIRY)

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