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残り24時間。

著編者 : ダンゴムシ

ラストバトル 前編

著 : ダンゴムシ

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ヒロトは俺の上で、少し緊張を含んだ神妙な顔をしていた。
隕石が明日落ちてくる。そのニュースをグレンタウンで聞いたヒロトは考える間もなく、リザードンの俺に地元のトキワシティへと飛ぶようお願いした。
俺たちはこの旅の終着点へと、足を進めていったのであった。


あれは、約3年ほど前。俺が、ヒロトの家に来て間もないころの話。
トキワシティのジムリーダーが、ロケット団という悪い事ばっかりする集団のリーダーであることが発覚し、サカキと呼ばれるその男はトキワジムから追放されるという世間を大々的に騒がせた事件があった。
これによって、カントー地方にいるジムリーダーが一時的ではあるが7人になってしまい、ポケモンリーグ本部はすぐに代理のジムリーダーを探した。
と言っても、基本的に最後のジムとなることの多いこのトキワジムのジムリーダーが務まる者など、そうそう見つかるものではないと思っていた。
だが、その代理のジムリーダーは2週間もしないうちにやって来た。
しかもその人は、ヒロトと5歳ほどしか離れていない少年だった。
その名はグリーンと言った。

しかし、グリーンさんは本当にすごい人だった。
少しの間だけだがリーグチャンピオンだったという超実力者で、少年がジムリーダーになったと聞いて挑戦しにきたトレーナー達をばっさばっさとなぎ倒していった。
そんな実力者なのに、街の子供を集めて、バトルの講習会なんかを開いてくれたりもした。ちょっと高飛車で乱雑なところもあるけど、根はとても優しく、色々なことを教えてくれるいい先生だった。
「お前ら、強くなれよ!強くなって俺を負かして見せろ!俺を心の底から熱くさせるようなポケモンバトルが出来るようなトレーナーになって、またここに戻ってこいよ!」
と、ヒロト達によく言っていた。

ヒロトはグリーンさんを尊敬していた
そして同時に、いつかグリーンさんにバトルで勝ってみたい。とも思っていた。
ヒロトは、何回もグリーンさんの元へ通って、バトル術を教わった。
俺もグリーンさんのポケモン達から、色々な技や体術を教えてもらった。
そして、ヒロトが10歳になって旅に出るとき
「絶対グリーンさんを倒しに戻ってきます。覚悟しておいてください!」
「おう!首を長〜くして待ってるぜ!」
と、約束をして俺達は旅を始めた。

ヒロトは、非常に優秀なトレーナーだった。
色んなポケモンを捕まえては、そのポケモンにあった戦い方を模索した。そうやって、色々な戦い方を身に付けた俺達は、各地のジムを次々に突破し、なんと半年程で7つのジムを突破していた。
ヒトカゲだった俺も、幾多の激闘を乗り越えて、今ではパーティを支えるエースへと成長していた。
俺たちの実力は申し分なかった。
そして、今、約束を守るためにトキワへと戻っている。
感慨深い気持ちすら湧いてきていた。


マサラタウンを越えて、トキワシティに降り立った。約半年ぶりの帰郷を果たし物思いにふける間もなく、俺達はトキワジムに向かった。
するとジムの前には、ジムの扉に何か張り紙を張ろうとしている人がいた。
「すみません。俺、ジムに挑戦したい者なのですが、、、あれ?グリーンさん?」
その人は、グリーンさんだった。
「お前、、、ヒロトか?久しぶりじゃん!それにリザードンも。お前は大きくなったなぁ!」
相変わらず、明るい声だった。
「お久しぶりです!
 、、、グリーンさん、お持たせしました。約束を守るために戻ってきました。」
「約束?、、、、まさかお前!」
「はい。カントーのジムバッチ7つ集めてきました。、、、残るはここだけです。」
そう言って、グリーンさんの前に7つのバッチを差し出した。
「、、、ついに来たか。分かった。勝負しよう。」
そう言って、張ろうとしていた紙をびりびりに破いて、ジムの中へと入っていった。
俺達も、あとをついて行った。

ジムのバトル場に着くと、グリーンさんが振り返ってこう言った。
「あいにくだが、俺にもこの後事情がある。再戦は無し。一発勝負だ。」
俺達はうんとうなずいた。
「ルールは6対6のシングルバトル。あとポケモンの交代だけど、自分のポケモンが瀕死になったとき以外に交代するのは3回まで。
 こうしないと、永遠にじゃんけんを出し合う形になっちゃうからな。いいか?」
「はい!準備もばっちりです!行きましょう!」
「オッケー!んじゃ始めるとするかな!」
コートの端で互いに向き合って、お互い右手に1匹目のポケモンが入ったモンスターボールを取り出す。
「それでは、只今より挑戦者との6対6のポケモン勝負を始めます!」
その審判の合図に合わせ、二人ともボールを投げた。
ヒロトにとって、今までの旅の最終戦が始まった。


ヒロトの1匹目はゲンガー、グリーンさんの1匹目はピジョットだった。

グリーンさんのピジョットは要注意ポケモンだった。
なにがやばいってスピードとパワーが他のピジョットとは段違いなのだ。グリーンさんがここに来てから、ずっと使い続けている最強の一番手だった。
こちらとしても、いかに体力を削れるかが勝負だった。そこで、相手にすると厄介なゲンガーを初手に置いて、様子をうかがうつもりだった。

こちらの初手は打ち合わせ通り影分身。様子見だった。
だが、グリーンさんにとっては、対策済みのことだった。
「ピジョット!暴風だ!」
ピジョットは二つのたくましい翼から、物凄い強風を生み出した。暴風というか、もはや台風だった。
ゲンガーが出していた分身は次々に消えていき、ゲンガー自身も後ろへと吹っ飛ばされた。ゲンガーが壁に叩きつけられると、すぐさまゲンガーのもとにピジョットが急行した。
ヒロトは、ゲンガーが体制を立て直したのを確認して、サインを出した。
そして、ゲンガーはギリギリまでピジョットを引き付けると、10万ボルトを繰り出した。
10万ボルトが直撃したピジョットは、回避のために急上昇した。
「、、、粋な事するじゃねぇか。、、、これは久々に強敵だなぁ!」
グリーンさんの目が引きつった。俺たちはグリーンさんを本気にさせたのだ。

声で指示を出していると、グリーンさんはその指示を聞いてから行動できる。
グリーンさんの頭の回転の速さは尋常じゃないほどのスピードだ。なんと、相手の指示を聞いてからでも、その対策が間に合っていた。
なら、サインを出すしかない。そう決めた俺たちはサインで技を出すことを特訓した。
ただの不意打ちに終わるかもしれない。ただ、グリーンさんに不意打ちを一発入れることだけでも、至難の業なのだから、これは初手の流れをぐっと掴んだ。

と、思っていた。

「ピジョット、一回立て直そう。羽休めだ!」
そう言って、フィールド上空で回復し始めた。
しかし、こっちはゲンガー。浮遊でピジョットに接近した。
そして、ヒロトはサインを出した。その時だった。
「今だ!」
とグリーンさんが言うと、ピジョットは10万ボルトを急旋回でかわし、そのままもう一捻りして追撃の10万ボルトもかわした。
そして、白い光に身を包み、辺りに電撃を放っているゲンガーのもとに突撃した。
強烈な一撃を受けたゲンガーは、そのまま地面に叩きつけられ、戦闘不能になった。
ピジョットもその反動と、電撃を放っているゲンガーに飛び込んだのもあって、かなり自身の体力は削ったが、フィールド上空で飛んでいた。

これがグリーンさんのポケモンバトル。

分かってはいたことだったが、今までのトレーナーとは比べ物にならないくらい強い。
俺達はそう確信した。

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2020.5.13  18:30:56    公開
2020.5.14  21:20:04    修正


■  コメント (4)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

KOHAKUさん
コメントありがとうございます!
ついに既存キャラクターを使う時が来ました!
私もグリーンは、ライバルキャラの中ではかなり好きなキャラクターです!
もちろんイケメンです!(笑)
バトルは、ハイレベル同士の戦いをお届けできるよう頑張ります。
次回も頑張ります!

20.5.13  23:04  -  ダンゴムシ  (tailback)

LOVE★FAILYさん
コメントありがとうございます!
グリーンはHGSSでも、一番強いジムリーダーです。(ミュウツーで一掃できることは言ってはならない)
このお話でも、グリーンがどれだけ強いのかぜひ期待して待っていてください!
次回も頑張ります!

20.5.13  22:58  -  ダンゴムシ  (tailback)

グリーン出てきたああああ!
控えめに言って大好きです!(`・ω・´)笑
ダンゴムシさんの小説の中のグリーンも絶対イケメン…!
二人のバトルの後編、楽しみにしています!!

20.5.13  21:14  -  KOHAKU  (sian331x)

ヒロトの憧れでもある人物は何と、トキワジムに新しく就任したあのグリーンでしたか。
かつてリーグチャンピオンとして活躍していた彼の実力は、比べ物にならないくらい実に強いですね……
2人の勝負の行方の結末はどうなるのか、後編も楽しみにしています!

20.5.13  19:49  -  LOVE★FAIRY  (FAIRY)

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