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残り24時間。

著編者 : ダンゴムシ

時を戻そう 前編

著 : ダンゴムシ

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「レッサー、行くぞ!俺たちが世界を救うんだ!」
主は、何事も前向きに考える人。どんな時も諦めることを知らない、真面目な少年。
だから、今日のニュースをポケモンセンターで聞くと、エイパムの僕に向かってそう言って、ウバメの森へと駆けていった。

何をするためか。そう、
主は、隕石を止めようとしたのだった。

子供ながら、主は隕石の大きさを聞いて、自分たちの力ではどうすることも出来ないことは理解していた。サイコキネシスで衝突を止めたり、一斉攻撃で破壊しつくせることは、誰が考えても出来ないことだった。
だが、主は思い出した。ある伝説を。

それはただの神話だった。誰も見たことがないし、体験したこともない。
でも、昔からジョウト地方で語り継がれている、あるポケモンのお話。
その名は、時渡り。
幻のポケモン、セレビィだけが使うことが出来る、謎に包まれた技。
その光に包まれたものは、過去や未来に行くことが出来る、というもの。

主は、この最後の日に、その伝説が実在することに賭けた。
本当に存在するかどうか分からないセレビィのために、今日一日を使うことを決めた。
明日も明後日も来るようにするために。
なんとかして、隕石が衝突しない未来を創るために。

運よく僕たちは、コガネシティのポケモンセンターに泊まっていたので、ウバメの森はすぐに着いた。そして、森の奥の方にある、ボロい祠の前に辿り着いた。
この祠に、セレビィが奉られているらしい。主は一心に祈り続けた。僕もそれを見て祈ることにした。
僕自身、本当にセレビィが存在するかなんてわからない。
でも、主は、本気で祈っている。この世界を救うために。
なら、僕もやるだけだ。
両手と、お尻についている大きな手も合わせて、3つの手で祠に祈った。


お願いします。セレビィさん出てきてください。
過去に戻って、隕石をなんとかしたいんです。
明日も明後日も、主と一緒に冒険したいんです。
どうか、お願いします。


しかし、神様は皮肉だった。

僕たちは昼も食べず、ただ祈り続けた。
が、なにも起こらなかった。
ずっと僕たちのことを不思議そうに見ているパラス以外、誰も何も現れなかった。

辺りは、だんだんと薄暗くなっていった。
でも、主は諦めていなかった。
とりあえずおなかが空いたので、主を揺さぶって一回ポケセンに戻ろうと催促をかけてみたが、
「レッサー、ここはやらないといけない時なんだ。ここで諦めちゃダメなんだ。」
と言って、カバンの中の木の実を差し出して、また祈りを始めようとした。
僕も、その木の実を食べようとした。

「ねぇ、キミ達。僕の祠の前で何やってるの?」

目の前から、そんな声が聞こえた。
「ずっといるけど、そんなにお願い事されても、僕は叶えられないと思うんですけど。」
黄緑色の体のそいつは、ため息をつきながらテレパシーで言い放った。

そう、幻のポケモンしか使えないと言われている、テレパシーで。

「、、、君は、セレビィ、、、だよね。」
「え?当たり前じゃん。ていうか、僕のこと知らない方がおかしいでしょ。」

僕と主は顔を見合わせ、互いに抱き合った。
「やったー!やっぱり信じて良かった!」
本当にそうだ。
僕たちは、第一の関門にして、一番の難関を乗り切った。

「、、、あの〜。お取込み中恐縮だけどさ、キミ達なにしにきたの?」
そうセレビィが言って、僕たちは我に返った。

「あの、セレビィさん。僕たち、過去に行きたいんだ。」
「へぇ、何しに行きたいの?」
「、、、隕石を止めるため。」
「はいはい隕石をね、、、は!?隕石!?」

セレビィの声は、この広い森の隅から隅まで響くような声だった。

「ちょ、あんたらどういうこと?隕石って、まさかあれのこと!?」
と言い、空に光っている赤い星を指さした。
「あ、あれだ。あれが、明日の朝この星に落ちて、僕たちみんな死ぬんだ、、、。」
「え!?マジで言ってる!?」
「ここで嘘つく意味なんてないでしょ、、、。ほんとだよ。」

セレビィは祠の前であたふたし始めた。
森のポケモン達も、隕石が落ちてくることを知り、ウバメの森はパニック状態になっていた。

「えぇ、じゃあ、明日行こうと思っていたショッピングもできないってことか!えと、じゃあ今日中に行くか、いやでももう遅いか、だっt」
「そこで、過去に行って、あれを止めたいんだ!」
と主は言った。
セレビィの顔は明るくなった。が、すぐに暗くなった。

「、、、過去に行ってどうする気だ。」
「偉い人に会って、何とかしてもらう。」
セレビィはそれを聞いて、がっくりとした。そして、
「キミな、大人ってのは、融通の利かない奴らばっかりだぞ。キミ一人が、未来に隕石が落ちるから止めてください、なんて頼んでも、何も起こりやしないよ。」
と言った。辛辣な言葉だったが、それもまた事実だった。

「そんなの分かってるよ。」
主が言った。
「そんなの最初から知ってるよ!それでも、それでも行動を起こさないといけない時ってあるでしょ!それは今じゃないの!?
 セレビィさん、行かせてくれ。これしかないんだ、、、。」
「、、、、、、」

セレビィは黙り込んでしまった。その後、こっちに向かってこう言った。

「時渡りは、使用者が亡くなってしまったら、そのときに時を飛んでいる人も死んでしまうんだ。だから、キミ達のタイムリミットは、こっちの世界に隕石が落ちるまで。
 頑張って。キミ達が最後の希望、、、なのかもね。」
そう言って、セレビィは祠の前で合掌を始めた。
すると、僕たちの前に、エメラルドグリーンに輝く光の渦みたいなものが現れた。
その光の中にセレビィが入って、こっちに手招きをする。
それに導かれ、僕たちも入っていく。

ついに、過去に行くことが出来た。

さぁ、僕たちが世界を救いに行くんだ。

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2020.5.11  15:08:08    公開
2020.5.21  19:36:57    修正


■  コメント (4)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

KOHAKUさん
コメントありがとうございます!
この窮地をなんとかできる唯一の存在がセレビィなのです。なので、二人は最後まで粘ったんですね。
果たして次回は少年漫画のような展開になるのか?
地球を救うことは出来るのか?
乞うご期待です!

20.5.13  13:07  -  ダンゴムシ  (tailback)

ついに救世主?が現れたのですね…!
セレビィが結構気さくなタイプで好みです…!笑
少年漫画のようにワクワクする展開になってきました…!
次回も楽しみにしています!(`・ω・´)

20.5.13  12:14  -  KOHAKU  (sian331x)

LOVE★FAILYさん
コメントありがとうございます!
HGSSを舞台にしたのは、セレビィを出したかったからというのもあります。
さて、無事に過去に戻れた二人はこれからどうするのか、、、
次回も頑張ります!

20.5.12  13:49  -  ダンゴムシ  (tailback)

もうじき隕石が迫り来る中、遂にはセレビィの力を頼る事になりましたか。
セレビィの力で何とか過去に遡る事ができれたレッサーと主は、残り時間が限られている中で無事に世界を救う事ができるのでしょうか……
次回も楽しみにしています!

20.5.11  19:15  -  LOVE★FAIRY  (FAIRY)

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