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物語の先〜探し物〜

著編者 : 窮爽

第十六希望 ドシャ降りの紙芝居

著 : 窮爽

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「……」

暇ですねぇ…
ポケセンの窓から外を見つめながら僕はため息をつく。
……取り敢えず言えるのは…

「絶対僕は悪くないですねぇ。何が気に入らなかったのかさっぱりですよ」

そう悪態を口に出す。
…その時だった。
バァン!
そんな銃声の音がネジ山方面から聞こえて来た。
あぁ…なんだ、銃声か……ん?銃声…

「…ネジ山の中だったら聞こえないはずなんですがねぇ…」

という事はネジ山の外だろうか。
……

「はぁ…仕方ないですねぇ…様子を見に行ってあげましょうかねぇ…」

僕はそう呟き、その場を離れる。
そして、ポケセンを出た瞬間、何かが僕の前を通り過ぎて行った。

「!?」

僕はその通ったモノを思わず二度見した。……それは、自分の憎くて大嫌いな姉だった。
その他にも2人ほどいたが、僕の眼中にはなかった。
…何故…

「……」

釈放されたのだろうと予想はつく。…それよりも『何故こんな所に?』という疑問の方が大きかった。
……
そいつはネジ山方面へと走っていた。

「……向かう場所はほぼ同じ…という訳ですか…」

ため息交じりで呟く。
この時、『行きたくない』という気持ちが加わった。
…憎くて…大嫌いで……見たくもない相手。
……だけど、そんな我儘を振りのけ、僕はネジ山方面へと向かった。
雨…いや、大雨が体をすり抜けていく。…同時に雷が鳴っている。
…暫くして、藾達に追いついた。藾達の後ろには眠っている紅兎が居た。…そして、目の前には怪しげな笑みをこぼしている彪の姿があった。

「まさか、突然君達が走ってきて立ちはだかるとは思わなかったよ♪特に縟派はね?」
「………どうするつもりだった?」
「どうするつもり?決まってるじゃん♪まずは、ポケモンどもを殺して〜、その後にその持ち主も…ね?」
「ふざるなよ!!そんな平気でしかもへらへらしながら命を奪えるなんてひどすぎるじゃないか!」

…夏厭さんでしたかねぇ?
夏厭さんはピエロの様にヘラヘラしている彪に怒鳴りつけた。

「あのさぁ?僕思うんだよね。人間ばかりが悪いって言われるのおかしいってね」
「は?」

彪は急に困ったような表情を見せて言った。藾が一番早く声を出す。

「…人間はポケモンハンターとか、悪の組織でポケモンを利用してるとか…そういう話を聞くけどさ…ポケモンだって同じじゃないか」

             ○●○
過去―
〜彪編〜

…悪いのは人間だけじゃないじゃないか…

「ねぇ…村はどうなっちゃうの?お家は?皆は?」
「……」

…突然の事だった。僕が幼いころ住んでいた村にポケモンの群れが襲ってきた。
僕には母さんに父さん、兄さんが居たんだよね。…兄さんは母さんと。僕は父さんと逃げていた。
父さんは僕の質問に答えず、だんまりしていて、ただ僕の手を引っ張って走っていた。
…だけど突然父さんの足首に一本の弦が巻き付いた。それで父さんは転び、僕も転んだ。
見ると、それはマダツボミの弦だった。…父さんは苦しみ紛れでこう言った。

「…逃げろ」

その一言だけだったね。僕はそれを拒んだけど、父さんに思いっきり怒鳴られてさ…
僕は泣きじゃくりながら走ったよ。森をただひたすら。
僕は背が小さかったから茂みに上手い事隠れながら逃げ切れたよ。
…その後は保護施設に保護されたさ。…だけど、三人と会う事はなかった。
後で聞いた話だけどさ、何故暴れたのか…それは。
『興奮して暴走していたから』
…だってさ。専門家によるとだけど。勝手な話しだよねぇ?
その暴走に僕等が巻き込まれるなんてさ?中には食料目当てで襲ったポケモンも紛れ込んでたらしいけど。僕は無性に腹が立ったね。
そして誓ってやったのさ。

『ポケモンに復讐してやる』…ってね。

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2011.7.19  16:34:13    公開


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