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「…面倒臭くなっちゃったな。…終わりにしようか」
「ふん！テメーに殺られる程やわじゃねぇよ！」

縟派は静かに言い、懐から銃を取りだした。
紅兎も言い返しながら銃を取り出そうとした。その時だった―

バン！

何処からか弾が飛んできて…
グラエナに当たった。グラエナは『キャンっ！』と鳴き、赤い液体を流して倒れた。

「グラエナ！」

紅兎は慌ててグラエナに駆け寄った。グラエナを掻き抱えると縟派を睨みつけた。

「…僕じゃないよ。…彪（ヒュウ）さ」
「！？」

縟派の彪という名に紅兎は驚いた様子で居た。

「アハっ♪死ーんじゃったね♪」
「テメー…！」

そこにグライオンに乗って気楽な声を出しながら黒髪の少年が現れた。
紅兎はキッと睨む。
…あれが彪なのだろうか？

「あわわ〜。そんなに怖い顔しないでよ♪僕って優しいでしょ？自分の死様を見られなくてさ☆」
「テメーふざけてんじゃねぇぞ！！」

紅兎はそう怒鳴りつけ、銃を放った。
だが、グライオンは素早くかわし、弾は不発に終わる。

「さーて…僕は人間を殺る気はないから？頼んだよ〜♪」

少年はそう言ってグライオンと共に飛んで行った。

「…という事。…言ったでしょ。…じゃあね。…元親友」
「…っ」
「！何してるんです！？早く逃げるんですよ！！」

ボーっとしている紅兎に僕はそう叫んだ。
だが、紅兎は動かない。
縟派が銃を放とうとしたその時だった。
ビリリ！

「！」
「ラーイ…」

電撃が縟派の銃を撃ち、手から離れた。
そこにライチュウがやって来る。

「ったーく、紅兎の話聞いて心配して来てみれば…なーんだ？」
「レキ…！」

そこに現れたのはレキだった。彼も同じ殺し屋…とは思えない気楽さだ。

「俺は、あんた等の組織がどういうのかしらねぇが…気に喰わねぇな」
「…お初だね」

レキに対し、縟派は静かに呟く。

「なぁ？お前も気に食わねぇよな？」

レキは後ろを振り向いて言った。
僕と紅兎は後ろを見る。

「…まぁ」
「まぁってなんじゃそりゃ！？」

そこに居たのはすみれさんだった。
静かに歩いてくる。

「…厄介だな。…オニドリル」
「ライチュウ、十万ボルト！」

縟派はオニドリルを繰り出した。逃げるつもりなのだろう。
ライチュウは十万ボルトをオニドリルにぶつけた。
オニドリルはその場で倒れる。
すると、警察数人がやってきて、縟派を逮捕した。レキはどこかへと行ってしまい、すみれさんは警察と一緒に去って行った。
…その後、グラエナはタワーオブヘブンに葬られた。
ホドモエのポケセンに着き、３人から尋ねられ、さっきとは大違いで元気良く答えた。
それに３人は暗い表情を見せたが―

「気にすんなって！な？」

…と、紅兎は笑顔で言った。
それから４人はいつものように過ごし、眠りについた。

「……」
「……」

その夜、僕と紅兎は黙り込んでいた。
そして、紅兎は口を開いた。

「…テメーに言い訳つけねぇトコ見られたからなぁ……この際言うよ」

紅兎はそう言って、語り始めた―