檻の中の物語
檻の中04
著 : トーカ@浮上停止
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「エーテルパラダイスに行きたい、だって?」
「あ、はい」
次の日。まだ完全に日が昇りきっていない時間帯、ボクはあるポケモンの元へ訪れた。
ペリッパーのアウィス。彼は姉が色々とお世話になっていて、ボクにとっても昔から馴染みのある人物だ。
「それまた何でだい?エリシアちゃん、あの島に何かあるん?」
「まぁ…」
「にしても、今日はチェリーちゃん一緒やないんだねぇ」
そう。今日は色々と面倒になる、何より彼のことを言う必要がなかったためチェリーは呼ばなかったのだ。というか多分、チェリーはまだ起きてないと思うし…。
「はい。ちょっと一人で用があるので…」
「ん、まぁいいよ!乗りな乗りな!『
アウィスは快く私を背中に乗るよう促してくれた。「ありがとうございます」と声をかけ背中に乗る。
アウィスはバサッと飛び立つと海の上を飛んで行った。
そしてあっという間に島へ到着した。
「それじゃ、ここで待っとくから用事済ましといで!」
「あ、どうもありがとうございます!」
誰かいるかも、と思ったが中へ入るともぬけの殻だった。どうやら明朝と深夜は従業員はいないみたいだ。ただ、深夜とは違って見回りが数名いる。
まぁ、地下の牢獄に彼がいたということは外部との接触を絶っていたワケで。話しても下へは行けそうに無いので見回りの目を盗んでボクはエレベーターへ行きさっさと地下へ降りた。
「クレア」
ボクは彼の名前を呼んだ。
すると彼は驚いたように目を見開きこちらを見た。
「…!?お前、何で此処に…」
「昨日、明日も来るって言ったじゃない」
「本当に来るヤツがあるかよ…」
クレアは呆れた顔ではーっと一つため息をついた。
「ボクが此処に来たのは君と話したいだけじゃないんだ。抜け道や出られそうな場所が無いか探してるの。地下から地上に繋がってる道もあるかもしれないでしょ?他にも方法は思案中だけど。」
「そうか…」
それだけ言うとクレアは宙を見始めた。何か考え事でもあるのか。
それとも、やはり外に出たいと願っているのか。
鬱陶しいと思われてるかもしれない。それでも、放っておけなくて。
「あのねクレア、ボクさー」
「それでね、前友達が…」
たくさんのことを話した。
「それじゃ、また来るよクレア」
「…」
その日クレアは無言で、こちらを見はしなかった。でもその横顔はどこか微笑んでいるように見えた。
その日からボクは毎朝早く、チェリーと会うよりも前に彼の元へ訪れた。アウィスは嫌味一つ言わず素直に許してくれた。
彼と、たくさん話した。
自分の街のこと、姉のこと、チェリーのこと、この地方のこと、自然のことー
慣れたのか、彼も「また明日」と返してくれるよえになった。
それがどこか、彼との心の距離が縮まった気がして嬉しかった。
チェリーには「最近なんか楽しそう」と言われた程だ。最近は彼と話すのが楽しみになっていた。
クレアも、そう思ってくれといるとーいいけど。
たくさんの話をするようになり、一ヶ月の月日が経った。その頃にはお互いはもう包み隠さずなんでも話せる仲になっていた。
「聞いてクレア!見つけてた道がもうすぐで通れそうなんだ!色々道具とか使って通れるようにしたの。だからもうすぐだよ、もう少しだけ我慢してて」
「ああ。
…期待しとくよ」
「じゃあまた明日ね、クレア!」
「また明日なエリシア」
ーずっと続くと思っていた。
ー私と彼の物語は。
「いつかここから出してあげるからね」
叶えたい願い。彼との“約束”。
物語が終わりを告げるのは、いつも唐突だ。
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更新遅くなりすみません!
前回のコメ辺まだでしたのでしておきます
2017.5.26 20:57:20 公開
■ コメント (4)
※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。
17.7.3 15:20 - トーカ@浮上停止 (0914) |
こーくんコメあり! 私もこういうNL好きなのというか私の理想を詰め込んだだけよ!おほほ!← ありがと!次も頑張る! あと指摘あざます〜 17.7.3 15:17 - トーカ@浮上停止 (0914) |
トーカさん、お久しぶりです。 続きがどんな展開になるのか気になり、見てみました。 クレアとの約束、いつか叶うといいですね。 17.5.26 23:30 - LOVE★FAIRY (FAIRY) |
ついったから来ましたぜ! なんかさ、こういうNLいいよね(#^^#)私こういうの好きだな〜 続き楽しみにしてるよ!! 追記:最後のコメ返のとこ漢字間違ってたよ 17.5.26 21:19 - 不明(削除済) (7777777) |
おお!そういってもらえると私も励みになります♪
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