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檻の中の物語

著編者 : トーカ@浮上停止

檻の中03

著 : トーカ@浮上停止

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次の日。目を覚ましたボクは、窓の外を見てハッとした。一隻の小舟が見えた。

「あっ…誰かいる…。助け、来たのかも…!」

今はまだ日が昇りきっていないことの時間。今から出たらここの施設の者にも気付かれないハズだ。

なんだか勝手に泊まって勝手に出ていくのも変な感じだな…

そう思ったが、まぁ仕方無いと頭を軽く横に振った。


「…おい、行くのか」

いつの間に起きたのか、檻の中に居たクレアがボクに話しかける。


「あ、うん」
「…そうか」

「クレアはさ、」
「…ん?」



「外に出たい、自由になりたいって思ったこと、無い?」

ボクが君と同じように一人だったからこそ、たくさんの事を教えてあげたい。


「…自由になったとして、その先が俺にはわからない。だけど、
この世界の事を知りたいとは思うよ。」

俺はまだ何も知らないからな、とクレアが付け足した。



「なら…
ボクが君にこの広い世界を見せてあげる!
必ず、そこから出してみせる。

約束、するよー」

クレアはしばらく驚いたような表情で黙っていた。

「…お前が何で俺にそこまで干渉するかは知らないが…まぁ、勝手に知ろ」


ボクはそうして彼にまたね、と告げ建物の外へ出た。

そこに居たのは、街のポケモンであるタブンネのリフレさん。そして

「チェリー!無事だったの!?」

「エリシアこそ!」

焦ったようにチェリーは聞いてくる。

「ボクは大丈夫だよ。偶然、この島に辿り着いてさ…。チェリーは?」

「私はエリシアみたいに島に流されることは無かったわ。でも、沖で倒れていたみたいで…。そこをリフレさんに助けてもらったの」


「あ、ありがとうございます」

ボクはリフレさんに軽く頭を下げた。

「いいのよ!とにかく…エリシアちゃんも無事でよかったわ。運が良かったのね」

「あっ、はい、ホントに…。でも何故此処にいるとわかったんですか?」

「ううん、他の島も見てまわったのよ。ね、チェリーちゃん」

「そうそう。もーホント…。まぁ生きてて良かった!」

「ハハハ…」


ボクはリフレさんとチェリーの乗っていた小舟に乗り込んだ。
するとリフレさんはゆっくり船を漕ぎ始めた。

「そういえばリフレさん、この島と建物は何?」

チェリーが聞いた。


「ここはエーテルパラダイスと言ってね。人工的に造られた島なの。昔から、身寄りの無くなったポケモン達がここに住んでいるのよ。このエーテルパラダイスの代表さんがそんな状況のポケモンを連れて来てね。シェアハウスや孤児院みたいなものかしらね。」

「へぇ…」


それはボクも知らなかったことだ。身寄りの無くなったポケモン達を保護しているなんて…。


あれ?でもそれなら何で…

そんな場所でポケモンを造り出しているの?


怪しい疑問がボクの頭をよぎった。


「エリシア!おーい、大丈夫?」
「あ、うん、平気平気!」

「疲れてるかもしれないし、無理しないでよ?」
「あはは、それはチェリーもじゃん」

「そーだね!」

そうして二人で笑いあった。ボクは頭に浮かんだ疑問のことは忘れ、考えないようにした。

きっと何か理由があるんだろう、と。



そうしている間にも小舟は港に到着した。

「リフレさん!ありがとうございました!ホントに!命の恩人です!」

「いやいや、そんな…大袈裟よチェリーちゃん。街の方々も心配してたわよ。今日はもう遅くなるし、二人共家に帰るといいわ。送りましょうか?」

「いえいえ、此処からボクらの家までそこまで距離無いので…歩いて帰れますよ!」

「あらそう?それじゃ気を付けてね!」


リフレさんと別れたボクとチェリーは少し暗くなってきたいつも通りの道を二人で歩き出した。

「ねぇエリシア、あそこでどうやって一晩過ごしたの?」
「ああ、あの建物の中で勝手に寝させてもらったの」

「え、大丈夫だったの?」
「何が?」

「ホラ、警備とか職員とか…」
「んー、そんなんだけどさ…。一人もいなかったんだよね」

「え!?なんで!?」

「そりゃ夜だからでしょ…」


普通は住み込みでも無い限り誰もいないと思うんだよね。まぁボクも最初は驚いたけど。


「そっかぁ。災難だったね、エリシアも…」

「いや、案外そんなことも無かったよ」
「え?」

だってクレアに出会えたからー。

「なんでもないっ」

この事はまだチェリーには黙っておくことにしよう(面倒くさくなりそう)。


そうしてしばらく歩き続けるといつもの僕らが住む家が見えてきた。

「着いた!ようやく着いたね!それじゃまた明日ね、エリシア!」
「うん、またねチェリー!」

チェリーと別れ、ボクは家へ帰った。
ただいまー、と言うも当然返事は無い。

いつからだっけ。返事が無くなったのは。

「おかえりない」って言う、優しい姉の声が聞こえなくなったのは。

「あー!そんなこと考えてもどうしようもないって!…お風呂入って寝よ」


明日も行かなきゃ。
君の元へ。





ー*ーーーー*ーーーー*ーーーー*ー
更新遅くなってしまいすみません。次はもっと早k((

前回言い忘れましたが、ツイッター始めました。フォロー宜しくお願いします〜。
@noumu1225

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2017.4.5  20:57:53    公開


■  コメント (7)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

LOVE★FAIRYさんコメントありがとうございます!
エリシアとチェリー、そしてクレアの今後に是非とも注目してみてください!

更新頑張ります!

17.7.3  15:23  -  トーカ@浮上停止  (0914)

トーカさん、どーも!
こちらに来るのは始めてですね。

一通り読みましたが……ここからが本番、という感じでしょうか。続きが楽しみです、頑張ってくださいね。

エーテル財団さんかー、って、まだゲームで会えてない!早く進めよう。

それではー!

17.4.6  12:59  -  ハル  (bakatesu)

エリシアとチェリーが再開できて良かったです!
これもリフレに感謝ですね!
一方で、クレアはこの後、どうなるのでしょうね……

17.4.5  23:25  -  LOVE★FAIRY  (FAIRY)

あすぺふさん、どうも!トーカです。

作戦…んー、そこまで物騒なものにはしませんよ←
例えば檻を壊すとか…((

おっ、流石あすぺふさん!本当にその通りですよー。助け出すまでの話です。察し良すぎて怖い((

それでは!

17.4.5  23:21  -  トーカ@浮上停止  (0914)

江さん、ちっす!トーカです。

チェリーはモブじゃあないけどメインって程目立たない微妙な立ち位置のキャラなのでそう簡単には消えません←

エリシアとクレアはまだ出会って間もないから気になる程度の存在じゃね?←
まぁもとも恋愛物書きたかったわけだし…。

それでは!

17.4.5  23:18  -  トーカ@浮上停止  (0914)

トーカさん、こんにちは! あすぺふです!

無事でホント良かった!

しかし、エリシアの考えているクレアを檻の外へ出す作戦とはどのようなものなのかなぁ。外に出ちゃったら檻の外の物語だから、助けだすことがメインなのか?

ぼくも新しい小説を連載しなければ……。

次回も楽しみです!

17.4.5  22:13  -     (rev01cni)

チェリー大丈夫だったんだ〜よかったー。
エリシア···君、クレアのことが気になるのかい??

···恋のよかn(ry

17.4.5  21:24  -  不明(削除済)  (7777777)

 
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