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ポケモン不思議のダンジョン〜光の医療団〜

著編者 : Cynothoglys

僕らの三歩目・後編〜闇と負〜

著 : Cynothoglys

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ドンカラスの縄張り突破後、
サーナイトさんのおかげで一時間足らずで最奥部直前まで着いた。
「・・・僕らがいる意味が皆無な気がするよ。」
「あら、他の戦いを見るのも勉強のうちよ?」
つぶやいたつもりが聞かれてた。
「で、依頼のビードルはこの辺りにいるのね?」
「依頼書ではそう書いてありますね。ただ・・・」
「さっきの、ドンちゃんの言葉?」
そう、さっきの戦いでドンカラスが言った言葉
「最近ここを通ったのはお前の後ろの小僧共だけだ。・・・って
 要は私達だけだってことだよね。じゃあこの依頼は・・・」
「考えてもしょうがないわ。考えるよりまず行動に移さなきゃ。」
サーナイトさんに軽く問題を吹き飛ばされると
周囲の探索に取りかかった。
救助依頼を要請されたポケモンは、大方他のポケモンたちに襲われるか
ポケモンたちを恐れてどこかに隠れているか、
つまり前者なら急がないと行けないけど、見つけるのは比較的簡単。
後者ならそこまで急ぐ必要はないけれど、隠れている分見つけるのは容易じゃない。
サーナイトさんは一人、僕はフィーナと二人で探索に向かった。

そして、一時間後・・・
「見つかりました?」
「いえ、全然よ。そっちはどうだった?」
「こっちも全然でした。どういうことでしょう。」
「とりあえず、今日は最奥部まで行ってみましょう。
 これからどうするにしても今日はもう戻れないんだから。」
導きの階段は上るか下るかしたら消えてしまう。
つまり一回階段を使ったら後戻りはできないんだ。
最奥部まで行ったらワープポイントがあるけど・・・
「じゃ、黒い光の調査、始めるわよ。」
「はい。」
そう言って、僕たちは最奥部に向かった。

その最奥部に・・・ポケモンが一体。
頭と尾に針を刺していて六個くらいの丸が繋がっている・・・あれはまさしく
「ビードル、だよね?」
フィーナの言う通り、あれはビードル。だけど、・・・
様子がおかしい。何やら黒い煙がビードルの周りを渦巻いている。
「・・・ん?」
こちらに気づいたようだ。そして何かをつぶやいている。
「・・・俺を・・・バカにしにきたのか?」
何を・・・言っているんだ・・・?
「また・・・俺をバカにするのか!ひよわだと!雑魚だと!
 もう・・・許さん、許さんぞぉ!」
そう言ってこちらに飛びかかってきた。
「はぁっ!」
掛け声とともにサーナイトさんがでんじはを繰り出した。
ドンカラスを倒した技、これならマヒして動けなく・・・
「キシャーーーッ!」
なってない!?でんじはに何の反応も見せずにサーナイトさんにかみついた。
「ぐっ・・・なんて威力・・・」
さっきの戦いで圧倒的な力を見せつけたサーナイトさんが跪いた。
それだけあの技の威力が半端じゃなく強いってことだ・・・
「あれは何の技なんですか!」
「あれはむしくい。むしタイプの技で威力はそんなにないはずなんだけど・・・
 でも、普通のむしくいとは威力が段違いね、まだ・・・立てない。」
「俺を、俺をバカにする連中は、連中は・・・」
黒い煙がさらに大きく渦巻いていく。
「全員消してやる!消え失せろぉ!」
そう言ってビードルが出したのは、巨大な渦。
それはドンカラスのつじぎりよりもどす黒く、
・・・それでいて、覆いきれないほど禍々しさがあふれ出ている。
「サーナイトさん!避けてください!」
「っ・・・無理・・・ね、さっきの傷が・・・深すぎる。」
「サーナイトさん!」
ガッ・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
「・・・さっきのお前さんの様子とはえらい違いじゃのぉ。」
その声・・・ドンカラス!?
「ドン・・・ちゃん。」
「・・・アブノルメ・・・いや、サーナイトよ。お前の力はこんなものか?」
「・・・随分優しくなったじゃない、ベスティア・・・ドンちゃん。」
アブ・・・ベス・・・サーナイトさんとドンカラスの間でのあだ名なのか・・・
訂正したのは・・・昔を、思い出したくないから・・・なのかな。
「・・・立てるか?」
「もう、大丈夫よ。ありがとドンちゃん。」
「・・・あれは、『闇の瘴気』と呼ばれるものだ。
 あれを帯びたポケモンは全ての技の威力が軽く三倍を超す。」
さ・・・三倍?しかもそれが、軽く・・・・
「・・・なぜ、あのタイミングででんじはを撃った?
 サイコキネシスで一撃で決めれるだろう。」
「この子たちとの約束なの。他のポケモンを攻撃しないってね。」
「・・・くだらん。それが自分がやられる理由にはならん。」
「そうかしら、自分を通しているんだもの、悔いは残らないわ。」
「・・・好きにしろ、わしは勝手にやらせてもらう。」
そう言ってドンカラスは羽を輝かせた。
「・・・消え失せぃ!」
輝いた羽はビードルの体に直撃した。そして、
「がああああああああああああ!いやだ、俺は、俺はぁぁぁ!」
そう叫んだビードルは倒れ・・・黒い煙に飲まれて・・・消えた。
「・・・っ・・・なかなかの体力だったわ。褒めてやるぞ小僧。」
「あ・・・あれは一体・・・?」
「ブレイブバード、ドンちゃんの第二の切り札よ。
 すごい威力があるけど、与えたダメージが少し反射して自分を傷つけちゃうから
 あまり多用できないけどね。」
「そ、それよりもビードルは・・・何でビードルは消えたちゃったの!?」
「・・・闇の瘴気ってのは簡単にいえば契約じゃ。
 誰かは知らんが契約を持ちかけるポケモンがいるらしい。
 そして多大な力を分け与える代わりに『敗北』の二文字を負った者は
 力を取り返され、挙句そいつ自身も力を奪われて消失する。」
「でも、ビードルは何でそんな契約を・・・」
ウソだ。もう、あのビードルの言葉で薄々分かっている。
「・・・契約を持ちかけるのは『負』の感情を持ったポケモンだけじゃ。
 さっきも叫んでただろう、たぶん弱者としてのコンプレックスがあったんじゃろうな。」
「で、でも黒い光と何の関係が・・・」
「・・・わしらが寝とったある深夜、急に禍々しい力が森を覆った。
 わしはその力に気づいて起きたが、その時に黒い光が差し込んどった。」
「つまり・・・黒い光は、闇の瘴気との契約・・・ってことかしら。」
「・・・おそらく、な。」
「一度ギルドに戻って皆に確認を取りましょう。
 黒い光を見た子がいたら場所を特定させて、
 闇の瘴気と契約したポケモンを探さないきゃ・・・」
「・・・わしも協力しよう、これ以上この森に面倒事はごめんじゃ。」
「とりあえず、今回の事件の全貌がはっきりしない限り、
 このことは他言無用よ、いいわね?」
「はい。」
「分かってます。」
「じゃ、ドンちゃんも違うところから情報収集してきて頂戴。」
「・・・あいかわらず他の者を動かすことしかせんのか・・・」
「何か言ったかしら?」
「・・・何でもないわ・・」
そうつぶやいてドンカラスは飛び去って行った。
「じゃ、私達もギルドに戻りましょう。」
そう言ってサーナイトさんは足早にワープパネルに乗った。
僕らが急いでワープパネルに向かったのは言うまでもないね。
闇の瘴気・・・一体なんなんだ?
この世界に、何が起きているんだ?

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2012.4.23  19:11:18    公開
2012.4.24  07:37:34    修正


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