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ポケモン不思議のダンジョン〜光の医療団〜

著編者 : Cynothoglys

最後の依頼・未来へ〜後編〜

著 : Cynothoglys

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「・・・これは・・・まずいな。」
「この状況が、かな?」
「それ以外に・・・何があると?」
・・・油断したわけじゃない。
油断したわけじゃないけど・・・囲まれた。
この部屋の出入り口を全て封じられた上に僕の後ろにあるのは壁と壁。
とてもじゃないが・・・逃げられない。
「・・・四体、か。」
パラセクトとカゲボウズ、そしてモルフォンが2体。
「・・・」
「ひょっとして、君はこう思っているんじゃないのかな?このポケモン達のステータスなら勝てる、と。」
パラセクト・・・見抜かれているな、僕の心。
「でも、そう思っているというのなら考え直した方がいい。そんな考えで倒せるほど僕達は弱くない。」
「・・・」
「試してみるかい?」
「どっちにしたって・・・でしょ?」
「その通りだ!」
パラセクトの背中が揺れる・・・ヤバい!
「キノコのほうし!!!」
「まもる!!!!」
まもるでどうにかできたけど・・・なんて広範囲の攻撃だ・・・
もう、部屋は胞子で一杯になっている。
「さすがにここまで来ただけはある。でも・・・そのまもるも、いつまで続くのやらだ。」
「くっ・・・」
その通りだ。仮にキノコのほうしを全て防ぎきっても相手の体力は減らない。
そして僕のパワーポイントにも限界が来る。
この『まもる』が適用されている状態のうちに・・・どうにかしないと!
「・・・そろそろ切れてしまうよ?」
「・・・今だ!!!!」
パラセクトが見せた一瞬のすきを、僕は見逃さなかった。
「どくどく!!」
「ぐわああああああああああ・・・・」
「え・・・?」
パラセクトが・・・笑った?
「効かないよ?僕、毒タイプ持っているから。」
「・・・っ!!」
凡ミスだ・・・まもるも切れてしまった上に隙だらけ。
「絶体絶命だね!!」
「!!」
見つけた・・・・勝利への活路!!
 ガチャガチャガチャ・・・
「ん?」
「ふぁっ・・・」
「あぁん!?」
「みがわり!!」
「なっ・・・なんだって〜・・・zzZ」
「パラセクト!!」
「てめえ、パラセクトに何した!!」
「これだよ。」
僕が見せた箱・・・それは「れんけつばこ」。使えば一瞬で自分の技を連結させることができる箱。
「これで『あくび』と『みがわり』を連結させた。」
「だからか・・・あの技の速度。」
連結をすれば技と技の間に生じる隙は出ないからね。
「許さねえぞ!てめえ!」
「ご勝手に。でも、僕の目的はお忘れですか?」
「あぁ・・・!!」
「あなた達の目的が僕を倒すことでも、僕の目的はあなた達を倒すことじゃない!」
「待て、てめえ!」
しかし・・・難しいな。この調子で奥に進めるのだろうか。


「・・・ブイ。一体どこまで行ったんだ?」
もう97階、まだ・・・ブイはいない。
「奥地にまで行ったのか・・・?」
仮にそうだとしたら・・・すごいことだよ。・・・普通のポケモンは50階ぐらいが限界だもの。
「・・・そこの旦那。」
「うっ・・・」
目の前にいるのは・・・プテラ。
高速移動での超速バトルや並はずれた攻撃力を持つ化け物ポケモン。
まずいな。・・・逃げ道はあるけど。高速移動でスピードが上がったらシャレにならない。
「何・・・かな?」
「お探しはこいつかい?」
プテラが翼から取り出した茶色の物体・・・あれは・・
「ブイ!!」
「くっく・・・ここまで来たんだけどね。彼も。俺に・・・いや・・」
「!!」
「俺達にやられたんだよな〜。」
パラセクト・・・モルフォン・・・くそ、道をふさがれた!
「さっきは面白いことしてくれたね、ブラッキー君。お返しに見せてあげたいものがあるんだ。」
げっ・・・よりにもよって、さっきのパラセクトかよ・・・!
「僕達の本当の力をね!!」
「行くぞてめえら!!」
「キノコのほうし!!」
「やばっ!!まもる!!!」
「へっ・・・避けやがったか。だが・・・オラオラオラーーーーー!」
高速移動!!?このタイミングで・・!!!
「そろそろ・・・切れるんじゃないのかな?」
「はっ・・・!」
「ぎんいろのかぜ!」
「ガハァッ・・・!!」
タイプの相性もあって・・・このダメージは痛すぎる。
「おいおい、俺達は高速移動で通常の4倍速のスピードを得てんだぜ?」
「はっ・・・まさか!!」
またぎんいろのかぜが来る・・・その前に・・
「キノコのほうし!!!」
「ぐっ・・・!」
体がしびれて・・・動けない・・・
「逃がしませんよ?ここで逃がしたらまぬけでしょう?」
「ぎんいろのかぜ!!」
「グフッ・・・」
「これが俺達のコンビネーションだ!」
なる・・・ほどね。普通の冒険者ならパラセクトがキノコのほうしを浴びせ、
プテラの高速移動で皆の行動速度を上げ、そしてモルフォンがぎんいろのかぜ。
「でも・・・負ける・・・わけに・・は・・・」
「ヒャーハッハッハ!膝が震えてるぜ兄ちゃん?」
「くそ・・・」
負けるわけには・・・いかないのに・・・
「負けるわけには・・・いかない・・・」
「その状態でそんなことが言えるとは・・・すごいですよ。君は。」
「楽にしときな。すぐに命尽きるからよ。」
・・・終わった・・・か・・・

『諦メルノカ?』

「え!!?」
「あぁん!?」
僕の体が・・・光ってる?それに今の声・・・
「ヴェンデ!?」
振り向いたけど・・・ヴェンデはいなかった。
「ヴェンデ・・・ありがとう。」
「・・・誰?ヴェンデって。」
「知りませんが・・・ただのハッタリじゃないですかね?」
「いや・・・あいつの体がすげえ光ってる。・・・あながちハッタリとは言い切れないかもな。」
「どうでもいいですね。・・・潰せばいいのでしょう!」
「待てパラセクト!!」
「オーバーライフ・・・」
「なっ・・・体が・・・熱い・・・・・・・」
「パラセクト!てめえ・・・何を・・・」
「安心してください。・・・体力が急激に跳ね上がった反動で気絶してるだけです。」
「体力がぁ・・・?何を言ってやがる。」
「頭の血下げてプテラ!あいつ、何をするか分からない!」
「ざけんな・・・俺達がやられるかよ!!!」
「プテラ!!」
「遅ぇよ・・・・」
この声・・・もしかして・・・
「フォルテ!?」
「何だ・・・このハッサムはよぉ!!」
「みねうち・・・」
 ザクッ・・・
「がはぁ・・・」
「フォルテ・・・?なんで・・・ここに・・・」
「諦めんな。・・・今までお前が培ってきたこと、思い出せ。」
「くっ・・・パラセクトも・・・プテラも・・・こんな奴に・・・・なめられてたまっかよ!!」
「無垢なる者よ、眠るがいい。」
「あぁ!?」
「ダークホール・・・」
「ソピア!?」
「な・・・なんだ・・・zzZ」
ぜ・・・全滅させた・・・
「ソピア・・・どうして・・・」
「全ては・・・フィーナの計らいだ。」
「フィーナの!?」
「お前は・・・フィーナが行った場所を知っているか?」
「い・・いや・・・」
「ねがいのどうくつだ。」
「ねがいの・・・どうくつ・・って・・」


お前がこのダンジョンを攻略している間、フィーナも一人で、ねがいのどうくつに行っていたのだ。
そもそも・・・フォルテと言ったな、・・・あのハッサムを復活させるためだったらしい。
そのダンジョンの奥にまで行った時、お前の依頼者のブースターから知らせを聞いたのだ。
お前が・・・この「きよらかなもり」にいると。
そしてフィーナは願いを変えた。「ラックに・・・仲間の光を与えてほしい」とな。
こうして俺達がお前のもとに来たのだ。

「フィーナ・・・」
「さぁ、そいつを連れて家に戻れ。・・・フィーナが待っている。」
「ソピア達は・・・」
「俺達は、あくまで願いの為に呼びだされた存在。いずれ消える。」
「そんな・・・」
「ラック、確かに・・・仲間の光は大切だ。」
「ソピア・・・」
「かつての敵も、いままで導いた者も、・・・その者たちが放つ仲間の光というのは凄まじいものだ。
 それは過去に遡れば遡るほどな・・・だが、その光に埋もれてはだめだ。」
「光に・・・埋もれる・・・」
「過去にすがるな。今を生き、未来を目指せ。過去にのみ縛られている者に、未来はない。」
「ソピア・・・」
「行け、ラック。お前の生きる今を・・・お前たちの生きる未来を・・・」



そうして・・・ソピアは消えていった。
僕は気を失っているブイを背負って、ダンジョンを抜けた。
そして・・・
「ブイ!」
「大丈夫、気絶しているだけだから。」
「・・・ラック。」
「フィーナ・・・」
「おかえりなさい。」
「・・・ただいま。フィーナ・・・」

僕達が生きる今、そして未来。・・・過去を振り向かない自信はない。
それでも・・・過去にのまれない・・・
今を生きるため、そして・・・
未来を、作るために。

                                                     END















ということで、最終回でした。AKSSTさん、雨ガモスさん。
お二方の依頼でこのラストを作ることが出来ました。
そしてコメント残してくれ方。
残さずとも呼んでくれた方。
本当にありがとうございました!!!!

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2012.6.10  18:30:13    公開


■  コメント (2)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

これまでお付き合い頂きありがとうございました!
星の騎士団は今までに挑戦したことない
謎解きになっていますので
読んでハラハラするものもありますが、
読んで解いて、っていうコンセプトも
あります。っていうかそっちのがメイン・・
星の騎士団、ラックとフィーナの出番は
・・・あるかな。それとも・・・ないのかな・・・

12.6.12  20:06  -  Cynothoglys  (JACK0119)

まず初めに
連載お疲れ様でしたっ

終わり方が『光の医療団』みたいで良かったです
ラック達はもう出ないのか・・・
なんか悲しいですね
しかし『星の騎士団』楽しみです

風邪でコメントできなかったです
ラックとフィーナに来て欲しかったですw
では『星の騎士団』でまた会いましょう

12.6.12  19:11  -  不明(削除済)  (02090036)

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