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ポケモン不思議のダンジョン〜光の医療団〜

著編者 : Cynothoglys

依頼・強者の苦痛〜後編〜

著 : Cynothoglys

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もうだいぶ深くまで入ってきたはず・・・
といってもケーシィとのダメージがかなりある。
「気をつけろ。」
「はぃ!?」
もう、この中でその手の言葉は聞きたくない。・・・このダンジョンにおける『危険』が
通常のダンジョンの危険とまったく次元が違う言葉だからだ。
「・・・何が、出るんです?」
「ボマーが出る。」
「ボ・・マー?」
「いわゆる、・・・爆弾魔だ。」
「爆・・・・!?」
「この場所から出て指名手配犯にまでなった危険な奴だ。
 しかし・・・爆弾が強力すぎて見た奴も吹き飛んでいなくなっている。
 そして・・・監視カメラも吹き飛んでいるからな・・・正体が分からんのだ。」
「そんな奴が・・・」
「まぁ、遭遇する可能性は高くはないだろう。だが、用心に越したことはない。」
「は・・はい。」
出会いたくないよ・・・そんなの。
「くっくっく〜、聞いちゃったぜぇ?今の会話。」
「誰!?」
「噂されちゃってた爆弾魔のブーバーだよ〜〜。」
「爆弾魔!!?」
最悪だ。なんでこんなところで・・・
「そ〜し〜て〜、さらなるショータァィム!!」
「いっ!!!?」
フォ・・・フォレトスが一杯降ってきた!!!!?
しまった・・・ここ、モンスターハウスか!
「俺の犯行凶器が不明な理由・・・分かるかな〜?」
うぐ・・・なんか予想出来てきた。
「こいつを使ってきたからだよ!吹っ飛ばせフォレトス!!!」
「おー。」
「おー。」
「おー。」
「おー。」
四匹のフォレトスが一斉にこっちに向かってくる。
・・・やることは一つ。
「じばくだぁ!!」
「おー。」
「おー。」
「おー。」
「おー。」
 ドーーーーン!
 ドーーーーン!
 ドーーーーン!
 ドーーーーン!
綺麗に爆発音が四連発・・・か。
「ま、・・・まもるでどうにかできるんだけどね。」
「あぁん!?」
「ラック・・・お前、いつの間にまもるを・・」
「さっき『わざマシン』を拾った。そしたら偶然まもるが入ってたから。」
「ちぃ・・・だが、俺の有利には変わりは・・!」
「無・理。どこに、何をすると?」
「あぁ!?」
あやしいひかりぐらいは気付くべきだったね・・・
「まぁ、今回の依頼はあなたの討伐ではないので捕まえはしません。
 ただ・・・暴れられると邪魔なのでしばらく幻影の中にいてください。」
・・・というか捕まえるような余裕もないです。
今は攻略で必死。
「・・・そろそろ、だな。」
「そろそろ・・・最下層が、ですか?」
「いや・・・」
「・・・久々だな。フォルテ。」
突然声が聞こえてきた!?
「何年振りか・・・インヴィ。」
・・・フォルテにインヴィと呼ばれたそのポケモンはカポエラー。
何か・・・因縁でもあるのか・・・
「簡単に・・・いや、お前をジラーチ様に会わせるわけにはいかない。」
「・・・やけにジラーチにご執心だな。」
「はっきり言っておく。ジラーチ様を除けば・・・この洞窟で最強は俺だ。昔とは違ってな。」
「俺の攻撃に耐えることもできずにビービー泣いていた奴がよく言う。」
「・・・昔とは違う。そう言ったはずだが?」
「じゃあ見せてみろ。・・・ラック、フィーナ。手は出すな。」
「フォ、フォルテさん。一人でやるつもりですか!?」
「ああ。・・・これは、俺のけじめだ。・・・」
フォルテさんは僕達にそれ以上語ろうとはしなかった。
「ラック・・・いいの?」
「フォルテさんに任せよう。」
元々これはフォルテさんの依頼。・・・依頼主が手は出すなと言っているのに、
それを無視するわけにはいかない。
「行くぞ!」
最初に駈け出したのはフォルテさんだった。
両手の甲に力を溜めている。・・・シザークロス。
もう、即座に決着をつけるつもりだ。
「読めてるぜ、フォルテ!」
なっ・・・フォルテさんのあの速さの攻撃を・・・かわした!?
そして・・・カポエラーが・・・足を光らせた・・・?
「トリプルキック!!」
 ドゴォ!ドゴォ!ドゴォ!
「ぐっ・・・」
「言ったはずだ。お前をここから先には行かせない。俺はお前より強くなった!」
「・・・強くなったのは認める・・・だがな・・・」
「!!!」
「締めが甘いのは変わらんな。」
「・・・てめぇ・・・」
何だ・・・何が起きてるんだ!?
「いつの間に・・・俺に・・・かまいたちを・・・」
「お前が吠えている間にだ。お前は話をし始めると余裕からか、周囲に目が行き届かなくなる。
 昔からの悪い癖だ。・・・拷問ならともかく、戦闘中にそんな余裕は見せぬことだ。」
「くそが・・・」
「悪いが・・・先にいかせてもらう。」
「待て!・・・待ってくれ・・・フォルテ・・・」
・・・口調が・・・変わった?フォルテさんに・・・頼む、というか本気でやめろと言わんばかりの目・・・
「・・・ラック、フィーナ。・・・もう、このダンジョンの主はすぐそばにいる。」
「え!?」
「すぐ・・・そば?」
『いらっしゃい・・・いえ・・・おかえりなさい。フォルテ。我が最強の戦士。』
・・・僕たちの目の前に・・・突然現れた・・・ジラーチ。
なんというんだろう。・・・何か愛おしく・・・何か・・・神々しい。
「俺は・・・もう、ここの戦士ではない。」
『・・・あなたの願いは分かっています。・・・ですが・・・』
「この二人、か?」
『ええ・・・』
「僕達が・・・どうかしたんですか?フォルテさ・・・」
 ドゴッ!ドゴッ!
「フォル・・・テ・・・さん?」
フィーナも・・・倒れてる。・・・どういうことだよフォルテさん・・・フォルテ・・・さん・・・







「・・・フォルテ・・・さん・・・フォルテ・・・さ・・・ハッ!!」
目覚めるとそこは、自分の家だった。
「スースー。」
横ではフィーナが寝息を立てている。
でも・・・いない・・・フォルテさんが・・・
ふと横を見ると・・・
「置き・・手紙?」
『Dear Rack』
僕・・・宛て?・・・『By Forte』って書いてある。
フォルテさんから・・・僕に・・・・?

『・・・ラック、フィーナ。・・・まずは・・・すまない。
 俺に協力してくれたお前達に・・・こんな手荒なまねをして。
 だが・・・お前達が俺の願いを聞けば、お前達は必至で止めにかかるだろう。
 それだけは・・・阻止したかった。どうしても、だ。
 俺の願い・・・それは・・・

 俺自身を・・・この世から消すことだ。

 俺は・・・もともとあの場所、ねがいのどうくつで生まれたポケモンだった。
 俺には戦いの才能があり、純粋な戦闘能力なら他のポケモンに追随を許さない。
 それくらいの実力の持ち主だった。
 だが、俺は・・・実戦闘では勝つことはできなかった。・・・俺に、情があるからだ。
 倒れゆく敵を可哀そうと思い、傷つく敵を見ることができなかった。
 そこで俺は・・・ジラーチに願った。
 俺を・・・実戦闘で勝てる兵士にしてくれ・・・とな。
 そして得た力・・・それが、今の俺の力だ。
しかし、その代わり・・・俺は・・・ある指令を命じられた。
・・・その、得た力を使って・・・他のダンジョンのポケモンを壊滅させよと。
当然私は拒んだ。・・・内心は、だ。
だが・・・私が受け取った力が・・・それを許さなかった。
その力は・・・手にした者を蝕み、力を譲渡した者の命令に忠実な兵士とする。
俺は・・・ジラーチの命令に逆らうことが出来なくなったのだ。
  そしてその指令によって・・・俺は・・・一つのダンジョンを壊滅させ、一万匹のポケモンを抹殺した。
  ・・・そしてそれが後に、『ペイン』と呼ばれる者の陰謀だと分かったのだ。
 俺は・・・他のポケモンと協力し、ペインを討った。
だが・・・操られていたとはいえ・・・俺は罪を犯し過ぎた。
  この俺の命一つで、一万に上るポケモンの魂を静めることなどはできないだろう。
  しかし一万とは言わずとも、静まる魂があるというのなら
  俺は喜んでこの命をささげる。
 ・・・騙すようなことをしてすまなかった。
この『はがねのジュエル』『むしのジュエル』が今回の報酬だ。
  本当にありがとう。そして・・・さらばだ。』

・・・あの時、インヴィが必死になってフォルテの行く手をふさいでいたのは・・・こういうことか。
・・・ちくしょう・・・
「ちくしょうがあああああああああああ!!!!!」
僕の大声でキャモメ達が一気に飛び去っていく。
「ど・・・どうしたのラック!?」
フィーナも起きてしまったようだ。
「・・・なんで・・・なんでなんだよ・・・」
フォルテ・・・お前の罪はわかる・・・
だけど・・・だけどさ・・・・
死ぬなんて、おかしいだろ!!
死んだポケモン達が望んでいるのは、決してお前の死じゃない!
お前が・・・自分達の分まで生きること・・・・
それが、死んだポケモン達の願いだろ!!
違うとしても・・・過去は過去だ!
今とは関係ない!
償えばいいだろ・・・生きて・・・生きることによって・・・









ということで・・・雨ガモスさんからの依頼でした・・・
・・・沈みました。見事に。潜水艦ですね。
なんというか・・・フォルテの願いってなんだよ・・・って考えて・・・
出した結果がコレです。・・・なんという鬱エンド。
最後のラックの・・・フォルテへの言葉は
僕自身の、死に対する思いです。
人に死に対して、自分が死ねばいいとは・・・・僕は思えません。
・・・なんというか・・・
最後の依頼前にこんなヘヴィな展開にしてすみません・・・

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2012.6.8  22:39:09    公開


■  コメント (2)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

やっぱり常識をくつがえさなきゃ人生じゃねえ(?
さぁて、最後の依頼、力かけなきゃ
これに負けてしまう。

12.6.8  23:10  -  Cynothoglys  (JACK0119)

まさかのジラーチ悪役!
ラックとフィーナには、フォルテの分も含めて
最後の依頼、そして騎士団でも頑張ってもらいたいです!!

ありがとうございました!!

12.6.8  23:00  -  不明(削除済)  (1996921)

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