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ポケモン不思議のダンジョン〜光の医療団〜

著編者 : Cynothoglys

依頼・ゆうやみのもりの攫い屋

著 : Cynothoglys

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「・・・ハァッ。」
「ど、どうしたのラック?そんなため息ついて。」
「・・・依頼ないかなぁ・・・」
「そ、そうだね今のところないけど・・・大丈夫?」
「もう・・・バイト嫌だ。」
う・・・うつになってる・・・
「なるでしょ。ここまでバイト三昧だと。」
「それはそうだけど、でもないものはないし・」
「ちょっといいかしら?」
「はーい、何のご用でしょうか?」
「ここが探検隊、サンムーンの住処って聞いたんだけど・・・あなた達がそう?」
「あ、はい・・」
「そうですそうです!その通りです!」
「依頼があるのだけれど・・」
「ではこちらに!」
ラックの目が輝き始めた・・・これはもう止まらないかも。
「私の名前は『きさらぎ』です。あなた方は?」
「僕の名前はラック!サンムーンのリーダーです!」
「私の名前はフィーナ、副リーダーです。」
「ふ〜ん、夫婦?」
「え・・・いや、その・・・」
「そのような・・・そうでないような・・・」
「ふふっ、いいわねそういうの。昔を思い出すわ〜。」
「あ・・あ、あの・・・依頼って言うのは?」
「実はね・・・私の娘が・・・攫われちゃったのよ。」
「攫われた!?」
「ええ。攫い屋キリキザンって知らない?」
「あ、最近号外で名前が載ってるポケモンですね。」
「え・・・そうなのフィーナ?」
「うん。その・・・小さな子どもやメスのポケモンを攫っては地方に売っているっていう極悪非道の男。
 そういう風に記事に載ってたよ。身代金請求してお金だけ持って、
 かつ人質も売っちゃうっていうのがけっこうあるらしいしね。」
「ひどいな・・・」
「それで・・・こういう手紙が私に届いたの。」
『お前の娘は預かった。返してほしくば100000ポケもって、ゆうやみのもりに来い。
 お前一人で来い。でなければ娘の命・身柄は保証しない。
                            byキリキザン』
「・・・なるほど。」
「だから一人で行かなきゃいけないんだけど・・・」
「不安なんですか?」
「いえ、この件でキリキザンが捕まれば・・・あの子のような犠牲者が出なくなるわけだから・・・
 そのための犠牲だったら・・・やむないものだと思っているわ。それは娘だってそう思ってる。」
「わかりました。引き受けます・・・その覚悟、簡単に根絶やすわけにはいきませんから!」
こうして私達はゆうやみのもりに赴くことになった。


・・・ということで再びゆうやみのもりに訪れたわけだけど・・・
「どうしたのフィーナ?」
「あまり、いい思い出がないの。ここ。」
「そ、そうだね・・・」
医療団として初めての依頼と共に初めて失敗した場所でもあるここは・・・ある意味私のトラウマ。
「で、どうすれば?」
「本当ならあなた達が影で見守ってくれた方がいいのだけど・・・」
「ここで、ですか。」
確かにここは光が差さない森。そんな場所で隠れていたら自分達が迷ってしまいそう。
どうすれば・・・
「おい、おい。」
「おまえたち、おまえたち。」
「何しに来た、何しに来た。」
え・・・この声・・・ヤミカラス?
「あ・・・ドンカラスの取り巻き三匹だ。」
「失礼なこと言うな!」
「まったくもって失礼だ!」
「失礼だ!」
「ドンはもういない。サーナイトに連れられ旅に出かけたのだ!」
「俺達も行きたかったのだ!」
「おいしいもの食べに・・」
 ドガッ!
「ドンを追いに・・・」
一番最初に聞こえちゃった本音は聞かなかったことにするわ。
「ははっ、悪い悪い。・・・待てよ・・・お前ら、後でお礼するから協力してくれないか?」
「・・・お礼の内容次第だ。」
「ふしぎだま十個セット。」
「マジで!?」
「やるやる!」
「やったるわーー!」
・・・単純ね。

ということで、ラックの作戦が施行された。
この森を自由に移動できるヤミカラス達をそれぞれ
私とラック、茂みに隠れる二人の位置を見る、そしてきさらぎさんの位置を見る。
それで迷わずにきさらぎさんについていける。
「・・・いいかしら?」
「オッケィ。」
こんな小声でのやり取りが続く中・・・ついに現れた。
「・・・約束通り一人だな。金を渡してもらうぞ。」
「うちの娘が・・・しもつきが先よ!」
「・・・そんな口のきき方をして、娘がどうなってもいいのか?」
「嘘おっしゃい。もう、娘はいないのでしょ?」
「・・・そうか、そんなに目の前で惨殺されたいのか。」
「え・・・!?」
「まだお前の娘は売っていない。それをわざわざ自分から殺すとは・・・皮肉なものよ。」
「なっ、ちょ、待って!」
ダメだ・・・キリキザンの話術が巧み。さすがにきさらぎさんのあの心境じゃ・・・
どうすることもできない。
「なんだ?金を渡す気になったか?」
「払う、払うから娘を・・!」
そう言ってお金を出した瞬間!
 ズブッ・・・・
「な・・・・・・」
「悪いな、金はもらっていく。」
完全な不意打ちだった。きさらぎさんはその場に突っ伏した。
「待て!」
ラック!?ちょっと、まだ早い。
「・・・一人で来いという約束も破っていたか。やはり娘は惨殺確定だな。
 金は惜しいが、私の心を甘く見ている奴が多すぎる。」
「うるさい!きさらぎさんはどうしても娘を助けたかったんだ!
 その気持ちをお前は踏みにじったんだ!」
「なぜそいつの気持ちを俺が理解しなければならない?」
『そいつの理性がぶっ壊れたところで俺はどうにもならないんだぞ?』
「なっ・・・ふざけん・!」
ラック・・・ごめん。
「フィーナ・・・うん、分かってる。」
今回ばかりは・・・私は静観できない。
「他人の理性が壊れたところで知ったことじゃない?
 ・・・あんた、それをされたポケモンの気分、分かる?」
「あぁ?」
「理性が壊れたポケモンの末路を知ってるかって聞いてんのよ・・・!」
「知るわけねえだろ。」
「だったら・・・思い知らせてあげる!その末路が・・・いかに悲しいものかをね!」
「はっ、どうでもいいわ、消えろ!」
心を知らない風船のような刃じゃ・・・私は切れない!
「なっ!避けただと!?」
「あなたの技は物理が主軸。だったら・・・」
すばやさと引きかえに防御能力を高める・・・それだけ・・・
「のろい!」
一発だけじゃダメ、私のすばやさが削りきられるまで・・・
五発分の「のろい」これで攻撃を受けても耐えられる。
「ふざけやがって・・・いくら防御が高くても・・・受け続けりゃ消えるだろうがぁぁぁ!」
「そうやって突っ込んで切ろうとするだけ。単純で理にかなってる動き。読みやすいわ。」
私の作り出す空間で・・・さっきの動きがかなめになる・・・
「な・・・ん・・・だ・・・」
「トリックルーム。素早さが遅いポケモンほど早く行動できる技。」
「だから・・・のろいを・・・あれだけ・・・」
「みがわり!!」
私の身代りの人形、そして・・・これはラックのアイディア。
「かげぶんしん!!」
みがわり状態でのかげぶんしん・・・みがわりぶんしん!
当てなければダメージにならないし当ててもダメージにならない。
「な、どれだ・・・どれだぁぁぁ!」
「やっぱり・・・弱いのね。」
弱いのね・・・弱いのね・・・弱いのね・・・弱いのね・・・
キリキザンの頭の中はこの言葉で一杯でしょうね。
あやしいひかりが使えない私が相手を混乱させる手段・・・それがこの、
「いばる。よ。」
「てめええええええ!ぶっ潰す!」
「無駄よ。幻覚の中、プラスみがわりぶんしんの状態じゃ、まともな攻撃は当てられない。」
「どこだぁ!どこだゴラァァァ!」
「それが心が崩れる恐怖。私が体験したものとは程遠いけどね。」
そんな恐怖、誰も味わわなくていい。もう、二度と・・・

「アリガトウゴザイマシタ。指名手配犯キリキザン。確カニ承リマシタ。」
「お疲れ様です。」
「どこだぁ、どこだゴラァァァ!」
まだ叫んでる。当分、監獄の中で反省していなさい。
「ありがとね・・・君達。それで・・・しもつきなんだけど・・・」
「あ・・・」
しまった、しもつきちゃんのこと忘れてた!!
「実は・・・
 さらわれてなかったの。」
「へ?」
「え?」
ラックとほぼ同時に声をあげてしまった。
「倒れてて低い目線から見たら・・・しもつきがいたの。茂みの中に絡むように。」
「・・・」
「・・・」
言葉が出なかった。まぁ・・・それはそうなんだけどね。
「でも、おかげで攫い屋も逮捕されたし、一件落着よね〜。」
なんという楽観主義、終わりよければすべてよし・・・っていうことかな?
「じゃあこれ、報酬のみどりのジュエル。くさタイプの技の威力が上がるわ。」
「あ・・・ありがとうございます。でも・・・」
「なにかしら?」
「僕ら攻撃することはないんで・・・あっても・・」
「あら、これ自体はすごい価値があって10000ポケくだらないわよ?」
「マジですか!!!!!」
「うん。大マジ。」
「やったあああああああああああああ!」
ラックの嬉しそうな声が森中に響いた。
ふふっ、こんな嬉しそうなラック久々に見たかも。
でも、生活切り詰めるわけにはいかないから・・・
またアルバイト生活だよ、私の大切なパートナーさん♪







ということで雨ガモスさんからの依頼でした。
・・・あやしいひかりとどくどくが使えないということなので、
というわけではないですがフィーナの目線でストーリーは動きました。
といっても会話がほとんどでフィーナ目線あんまりなかったですが・・・
ご満足いただけたでしょうか?
まだ依頼の方受け付けているのでまたよろしくです!

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2012.6.2  20:03:01    公開


■  コメント (2)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

そうですね。フィーナの活躍の裏には
色々なアニメとかを見ていて
『空気』の存在がすごく気になったもんで、
「俺のキャラにはそんなことはさせん!」
とか息巻いたのがきっかけです。

12.6.3  18:47  -  Cynothoglys  (JACK0119)

ありがとうございました!

鈍いですか^^
最近フィーナの活躍がふえたような気がしてうれしいです!!

12.6.3  10:31  -  不明(削除済)  (1996921)

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