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ポケモン不思議のダンジョン〜光の医療団〜

著編者 : Cynothoglys

依頼・むじこくのあな〜あとち〜

著 : Cynothoglys

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マグマのあとちの依頼から3日後・・・
・・・僕達のバイト生活は続いていた。
「・・・これで5000ポケですね、はいちょうどお預かりします。
 お待たせしましたこちらになります。ありがとぉございましたぁ!」
「オッケー、ラック君もうあがっていいよ。じゃ、これ今日のお給料700ポケ。」
「ありがとうございます。では。」
「じゃ、また明日よろしく〜。」
・・・ハァ・・・何をやっているんだろう。
でも僕達の生活たてるにはこれくらいしないと・・・
「!」
反射的に僕の顔はこわばってしまった。
いや、だって・・・自分の家の前にバンギラスが立ってたら・・・誰だってそうなるよ?
「・・・ん?」
う・・・こっち気付いた。そして寄ってくる。
「あんた、サンムーンのリーダーさんかぃ?」
「へ・・・はい、そうですが・・・」
「ちょっと・・・依頼があってきたんだが・・・」
「あ・・・はい、わかりました。中でお話し伺いますので、どうぞ。」
「すまないね。」
・・・なんだろう、元気がないみたいだな。
「申し遅れたね。私の名前は、バスラだ。」
「あ・・・チーム『サンムーン』リーダーのラックです。・・・で、依頼というのは・・・?」
「あんたが・・・あのダークライを倒してくれたんだろ?」
「・・・ソピアのこと・・・ですか。」
「名前は知らないがね。」
「でも・・・なぜそれを?」
「私は吸収されていたんだよ、あいつにね。」
「なっ・・・!」
「それでいつの間にか解放されていたんだ。うっすらと奴の記憶も私の中に残っていた。
 あんたがアイツを倒すっていう記憶が・・・ね。」
「そうだったんですか・・・」
「でも・・・私達は住処を失った。」
「住処・・・?」
「むじこくのあな・・・」
「あ・・・」
ソピアとの戦いが終わった後、あの穴は見事なまでに崩れ去った。
いまだにそこを住処にしていたヨーギラスとかが見つからないとか・・・ん?
「ひょっとして依頼って・・・」
「私の息子を探してほしいんだ。」
「息子さん・・・ですか。」
「ヨスラって言うんだけどね・・・あの子、というかヨーギラス達は全員、
 吸収されずに時間を止められてしまったんだよ。でも・・・動き出せたころには・・・もう・・・」
バスラの鋭い瞳に涙が流れた。
「わかりました。お引き受けします。・・・それで・・」
「報酬かい?私の持つ5000ポケを渡すよ。」
「マジですか!?」
「あの子を助けられるなら安いもんさ。」
こうして僕達は「むじこくのあなのあとち」に行くこととなった。

「なるほど・・・崩れてるな。」
もともと深い洞窟だったけど・・・もう影も形もない。
「で、ヨスラ君はどこにいたんですか?」
「洞窟の中心部くらいで遊んでいたんだけど・・・そこで止まってしまっていて・・・」
確かに中心部じゃ逃げようもないか。
「・・・一応この周辺を探索しますか。バスラさん、案内よろしくお願いします。」
「任せときな。」
『帰れ!』
「ん?」
「何・・・この声?」
『帰れ!』
「お前は何者だ!」
『帰れ!』
「・・・こっちの話は聞く気がないらしい。でも退くわけにはいかない、進もう。」
こうして僕達はむじこくのあなのあとち周辺を探索し始めた。
『・・・クソ、ここに入られてしまったら・・・まぁいい。迎え撃ってあいつらも同じ運命をたどるだけさ。
 ・・・この・・・モルモットども同じ運命をな!』

むじこくのあなにいたポケモンはボスゴドラ一派とバンギラス一派の進化過程計6種類。
どれも強力な岩技を使うっていうけど・・・
「気は抜くなよ、私がいるから他のバンギラスは話を聞いてくれるが・・・」
「ボスゴドラ一派は聞いてくれることはなさそうですね。・・・なおさら。」
「あぁ、あいつら未だにここに住み着いているからね。」
「・・・でも食料は・・?」
「近くの森から木の実を調達するんだよ。もともと私らもそうしてたしね。」
「そうなんですか・・・」
「だが、奴らはわざわざ木の実が生えている木に行って取るなんてことはしない。」
「え・・・それってどういう・・」
「奪うんだよ、森のポケモンたちからね。」
「そんな・・・!」
「ひどい・・・」
「それが奴らのやり口さ。・・・でも、奴らは強すぎて逆らえば
 自分が傷つけられた挙句に木の実が持っていかれるからね。
 木の実だけ渡した方が賢明って言えば賢明だ。」
「おうおう、いいように言われてるなぁ。」
「それはてめーらも似たようなもんだろバスラ?」
そこに現れたのはコドラ二匹。・・・っていうより、
「・・・知り合いですか?」
「ま、ボスゴドラ一派のちんぴらさ。」
「誰がだゴラァ!」
「どたまかち割んぞゴラァ!」
「やれるもんならやってみな。」
「てめぇ・・・許さねえぞ!」
「やろうぜ兄弟!」
コドラ二匹の頭が光りだした・・・遠距離だが分かる。・・・あれは・・・当たったらダメだ!
「もろはのずつきぃ!」
「もろはのずつきぃ!」
「まもる!」
「まもる!」
 ドオオオオオオオオオン!・・・ピキッ、ピキッ
「ま・・・まもるにひびが入った!?」
「なんて威力・・・!」
「おぉぅ、耐えやがったぜ。」
「それが自分の首を絞めんだよなぁ、兄弟!」
「もう一発だゴラァ!」
「もろはのずつきだゴラァ!」
「・・・いいけど、どこに?」
「あ!?」
「なんだぁ!?」
彼らの目にはもう、僕らが何十倍にもなって見えてるだろうね。
「な・・・なんだぁ!?」
「なんであいつらが一杯・・・?」
「頭に血が昇り過ぎて、僕のあやしいひかりを見たのも忘れちゃったんですかね。」
「なっ!?」
「あやしいひかりぃ!?」
「そしてそれだけの高密度エネルギー、発動後にそんなに保っている余裕がありますか?」
「は・・・」
「へ・・・」
 チュドォォォォォォォォォン!
「あぎゃーーーーー!」
「うぎゃーーーーー!」
自爆しちゃった。
「な・・・な・・・」
「どうしたんですかバスラさん。」
「なんて知将だ。」
「それがラック、私の大事なパートナーですよ。最高の状況判断力と即応性を兼ね備えています。
 そしてそれを最大限に活かすための実力ももっていますから・・・」
「ところでバスラさん、彼らが言った『お前らも似たようなもん』って・・・どういう意味ですか?」
「なっ・・・違う!私達はそんな強引なやり方は好まない!生きるためといえ他人を消してまで
 生きようとは微塵にも思っていないよ!」
「じゃあ何だったんだ・・・?」
 ガサッ・・・
「!」
「今の音は・・・?」
確かに聞こえた。草むらの中をくぐるような音・・・こっちだ!
「ヨスラ、ヨスラなのかぃ!?」
「・・・あぁ?」
そこにいたのは・・・一匹のヨーギラス。
「あ・・・ヨスラ・・・」
「じゃあ彼が・・・」
一安心・・・なのか?・・・おかしい。バスラさんの話だともう何日も消息不明だったというのに・・・
探検隊バッジから音が出なかった・・・?
探検隊バッジは助けを求めるポケモンがいれば音を出すはず。
それなのに音は出なかった・・・・まさか・・!
「ヨスラ・・・」
「近づいちゃダメだ!」
「え・・・?」
 ドゴォォォォ!
容赦ない一撃の音がこだました。そこにあったのはバスラの愛情に対してあからさまの・・・
「ヨ・・・スラ・・?」
「てめぇ誰だよ。」
悪意、だった。
「なっ・・・ガフッ。」
バスラさんは・・・倒れた。
「おい・・・」
「ぁんだよ?」
「お前、ヨスラ君じゃないな。」
「はぁ?何言ってんだ、俺の名前はヨスラだぜ?」
「確かにヨスラ君の体だ。声だ。でも・・・心は違う。」
「あぁ!?」
「君の心は・・・どこか遠くにある。いや、近くにあるけど・・・見えていない場所にある、って感じだ。」
「うぜぇ・・・くだらねぇことダベってんじゃねーぞ!」
そんな心のない・・・人形に僕は負けないよ。
「ハァッ!」
「なっ・・・まぶしい・・・」
即時戦闘用のフラッシュ、ここで役に立つとはね・・・
さて、しばらくは・・・
「て、てめえええええ!」
「あやしいひかり・・・」
幻影の中にいてもらうよ。
「ラック・・・ヨスラ君、様子が変だったよね・・・」
「うん、まるで心を操られているみたいにね。」
「え・・・?」
「多分・・・あなたは僕達の会話を聞いていたんでしょう。そして僕達がバスラさんに依頼されてきた
 探検隊、そしてバスラさんの息子の捜索に来た。それを聞いたんですよね?
 そして最初は僕達に帰れと警告音を鳴らした。まぁ当然聞き入れませんでしたけど。
 そこであなたは多分、僕達とバスラさん、ヨスラ君の関係を利用したんでしょう。
 あくまで僕達はバスラさんにヨスラ君の『救助』を依頼された探検隊。
 仮にそのヨスラ君がどんな子であれ、攻撃することはない。例え攻撃されたとしても・・・ね。
 でも・・・もとより僕達は相手を傷つけずに戦うやり方を熟知していますから。
 そういう作戦は効かないんです。・・・これが僕の推論です。合っていますか。
 どっかで僕達を監視している方。」
『・・・寸分の狂いもない。正解だ。』
「まぁヨスラ君は幻想の中ですからしばらくは大丈夫でしょうが・・・とりあえず
 あなたは今どこいるんです?」
『それを言うと思うか?』
「まぁ、だいたい分かってるんですけどね。」
『なに・・・?』
「僕は一度ここに来た。そして・・・一つだけ妙な場所を発見したんです。
 ・・・そこは画面がたくさんあって、洞窟とは言えないようなものがたくさんありました。
 というより、その部屋だけ崩れないようにシェルター形式になっていたのが印象的でしたからね。
 おそらくそれは・・・モニタールーム。当然、あなの中の監視カメラはつぶれたでしょうが・・・
 僕の記憶ではそのカメラは外にもあった。森の木々に取り付けたカメラがね!」
『・・・ぐぅ・・・いいだろう。来い。直々に相手をしてやる!』
僕とフィーナはモニタールームに急いだ。

「・・・こ、これは・・・!」
モニタールームに着いた僕達は驚愕した。
そこで見たものは・・・
「ウガァ!」
「ガァッ!」
「ガルルルルッ!」
おびただしい数のヨーギラス、サナギラス、バンギラス。
そしてそのほとんどに・・・理性というものが感じられない。
「ようこそサンムーンのお二方。」
「あんたは・・・」
パッと見はサマヨールだけど・・・
「私は、エマ。霊媒師と言う奴です。」
「霊媒師?確か霊を・・・」
「ええ、霊を自分の体に移したり他人の体に移したりと・・・まぁ霊と通ずる仕事ですね。」
丁寧な敬語の裏に、どす黒い気が見え見えだ。
「で、あなたはここで何を?」
「単純な話です。ここで朽ち果てたダークライの力を頂こうと・・・」
「なるほど・・・で、彼らは?」
「あぁ、実は霊媒師が降ろす霊と言うのは力が強いほど
 膨大なエネルギーを吸い取られてしまうのです。・・・単純な話、寿命が削られるんです。
 しかしそんな強大な力を吸い取ったのに寿命が間近に迫って1年程度しか力が使えない、
 そんなつまらないことは私はごめんですからね。ですから・・・ここにいる方々に協力してもらおうと、
 私の寿命の代わりとして彼らの寿命を使うことで私の寿命を削らずに力を手に入れようと、
 そういう考えです。」
「・・・なるほど、ね。」
「どうしてこんなにペラペラと喋ったと思います?」
「僕達もその生け贄になれと・・・」
「そういうことです。協力してもらいますよ。この秘密を知られたからにはなおさらね。」
「・・・で?あなたは何をするんですか・・・もう動けないのに。」
「なっ!?」
話が長いね。目の前に敵がいるのにそんなに夢中でしゃべるもんじゃないでしょ。
「くろいまなざしに映されてしまったあなたに・・・逃げ場はありませんよ。」
「くっ・・・」
「消えてもらいます!」
『ふ、バカめ・・・私のもつ「ふいうち」は相手の攻撃に反応して放たれる技。
 これであなたの攻撃を止めさせてもらいますよ・・・』
「ハァッ!」
「ふいうち!」
 スカッ・・・
「なっ!?外れた・・・」
「残念、はずれ。」
 ピカーーーーーッ!
強い閃光が辺りを照らした。
「が、眼が、眼がぁ!?」
「誰が何をしようと勝手ですが・・・死んだ身とはいえども、
 友の命をもてあそぶ奴を許すわけにはいかない!」
「なっ・・・待ってくれ、待ってくれー!!!」
 ピカッ!
「・・・な、なんだここは・・・」
「私の心の領域を犯した者よ・・・」
「な・・・!ダークライ!?」
「その罪、償うがいい!」
「あ、あああああああああああああああ!!!!!!」

・・・夢の続きはゆっくり見なよ、一人でね。
「さて、この理性を失っている彼らはどうすればいいのか・・・」
「朝日だ・・・」
「朝日?っていうかバスラさん!?大丈夫なんですか?」
「あぁ・・・子供にじゃれつかれたぐらいで、親は死なないよ。」
「で、朝日って一体?」
「私達の一派もボスゴドラの一派も、こうやって対立し始めたのは朝日が原因なのさ。」
「朝日・・・がですか。」

私達は名前もない岩山に共に暮らす、それは仲の良い種族同士だったんだ。
でも・・・ある日突然・・・日が訪れる場所と訪れない場所ができてしまったんだよ。
・・・その、私達の住処の中にね。
生き物にとって日の光とは不可欠なもの・・・
だから日の光を奪い合って・・・私達は対立したのさ。

「だから、その光を・・・朝日を見せれば・・・きっと・・!」
「あさひ・・・って言ったって・・・」
「あら、あたしはどんなポケモンなのかしら?」
「フィーナ・・・あ、そうか!」
「朝に訪れる恵みよ・・・生きる者たちに活力を与えよ!」

『あさのひざし』!!!

「ガルル・・ルル・・・・ん?」
「なんだ・・・ここは・・・」
「檻の中!?なんでこんなところに・・・」
「皆!!」
「バスラ!」
「・・・ありがとう。ラックさん、フィーナさん。これで仲間は救われました。」
「何を言っているんですか?」
「え・・・」
「依頼は終わってないですよ・・・この光を、息子さんに・・・ヨスラ君に見せてあげましょう。」
「・・・そうだね、ありがとう。」

こうしてヨスラ君もあさのひざしの力を受け、元通りになりました。
そしてバスラさんたちバンギラス一派はボスゴドラ一派に洞窟(残骸だけど)を空け渡し、
どこかに旅立ったそうです。
エマは・・・今は「いなずまのかんごく」にいるんじゃないかな〜
またひとつ、忘れられない依頼を達成することができました。
さーて、今日もアルバイトだ・・・ぐすん。





というわけでAKSSTさんの依頼パート2!いかがだったでしょうか?
今回は〆が雑な感じがしますが・・・気にしちゃ負けです!
・・・そして、一話でまとめようとするとこうも膨大な量になるんですよね。
ま、反省はしません。だって楽しいですから♪
ということで、・・・いえ、どういうわけでもありませんが・・・
まだまだ依頼は募集しております。気が向いたらまた依頼してくださいねー。

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2012.6.2  19:05:44    公開
2012.6.2  20:33:36    修正


■  コメント (2)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

5日までなら2つと言わず
いくらでも書きますぜぃ?
大概この量になりますが・・・
書いてて楽しく読んでもらって
楽しいと言われればそれでよし!
また依頼よろしくです!

12.6.2  20:31  -  Cynothoglys  (JACK0119)

読んでて楽し過ぎます
フィーナ朝の日差し使えたんだ
またしてもソピアの名が・・・
またしてもストーリーが凄いです
あの依頼がこんな凄い物語になるとは・・・

依頼は後二つ考えてますが
一つが鬼畜過ぎます
もう一つは本当に医療団な感じですね

12.6.2  20:16  -  不明(削除済)  (02090036)

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