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ポケモン不思議のダンジョン〜光の医療団〜

著編者 : Cynothoglys

世界の命運・九歩目〜友と別れ〜

著 : Cynothoglys

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・・・僕がソピアの光になる。そのためには・・・ただ倒すだけじゃダメだ。
ソピアの・・・ソピアのすべてを僕が受け止める!
「・・・来るんだ・・・ソピア!」
僕は防御の構えを取った。
「私の攻撃を・・・全て受けきる気か・・・?」
「君の痛み、苦しみ、悲しみ・・・全てを技にして僕にぶつけるんだ!」
「・・・ならば・・・」
ソピアはきのみを取り出した・・・あれは・・・
「ヒメリのみ・・・パワーポイントを回復させるきのみだ。」
「パワーポイントを・・・?」
「私はダークホールで吸収したポケモンの技をすべて使える。
 今まで吸収した数は150・・・どういう意味かわかるか・・・?」
「つ・・・つまり・・・」
吸収したポケモンが150匹。そして普通のポケモンが使える技の数は4つ。
ダブりを考えないで計算すれば技のバリエーションは600!?
・・・いや、全てのポケモンを吸収しても技の種類は現段階では554種類しかない。
そして技のパワーポイントを平均して20と考えて・・・554×20で・・・
「い・・・11,080・・・!」
「およそ、だがな。それに全てが攻撃技ではない・・・では、始めようか。」
く・・・来る!
「今はまだ身構える必要はない・・・」
そう言ったソピアの体は・・・いきなり七色に光った。
「な・・・なにを・・・!?」
「私のすべてを受けるというのなら・・・私の持つ力を最大限にまで引き出す・・・
 引き出した力で出す技が・・・私のすべてだ!」
「・・・ってことは・・・まさか・・・!」
「私の全ての能力、こうげき・ぼうぎょ・とくこう・とくぼう・すばやさ・かいひ・めいちゅうの
 七つの能力のすべてを上昇させた。・・・そして次は・・・おまえだ・・・!」
俺・・・?一体何を・・・?
「・・・その動きを止めるか・・・ハァッ!」
!!!!!!!
な・・・なんだ・・・?足が震えて・・・止まらない。
「グランブルから奪った『こわいかお』だ・・・もう一発・・・!」
「ぐぅっ・・・!!!」
「もう一発だ!」
「・・っ・・・・!」
「これでお前の『すばやさ』は消えたも同然だ。次は・・・」
ギィィィィィィィィィ!
「ィィィィ!?」
な・・・なんだこれぇ・・・?うるさい・・・うるさいぃぃ・・・
「ビリリダマから奪った『いやなおと』だ・・・これも・・・」
ギィィィィィィィィ!
ギィィィィィィィィ!
「ぎゃひ〜〜〜〜!」
耳が・・・いかれる・・・
「次は・・・これだ!」
「ん・・・?」
ちっこいダークライが一杯・・・?
「なーなー。」
「きゃっきゃ。」
かぁわぃぃぃぃぃ。
なんかダークライが俺に飛びついてくる・・・これって・・・
「・・・感情の神、エムリットから奪った『あまえる』・・・使いたくはなかったがな・・・」
理由は分かる気がする・・・あまえるの効果で俺も口から出てしまったものの・・・
あんまり可愛くなかった。
「これも当然・・・三発ずつだ・・・!」
かぁわぃぃぃぃぃ。
かぁわぃぃぃぃぃ。
・・・オエッ。
「次は・・・」
ギィギィギィギィギィギィギィ。
「ぎゃああああああああああ!」
いやなおと・・・とは違った耳障りな音・・・これは・・・
「きんぞくおん・・・ギギギアルから奪ったものだ・・・」
ギィギィギィギィギィギィギィ。
ギィギィギィギィギィギィギィ。
「ぎゃああああああああああ!」
もう・・・音の技は勘弁して・・・
「すばやさ、こうげき、とくぼう、ぼうぎょを下げた・・・残りは・・・ハアアアッ!」
 カッ!!
「・・・ガハァッ・・・」
ぼうぎょもとくぼうも下がっている上にソピアの能力は最強状態の今・・・攻撃技の威力は異常だ。
「バークアウト・・・特殊攻撃だが攻撃の後に『とくこう』を下げる。
 パワーポイントは15・・・受けてもらうぞ!」
やばい・・・これ受けきった時には・・・多分死んでるな・・・
どうすれば・・・・・・
『諦メルノカ?』
この声・・・ヴェンデ!?
『フンッ、奴メ・・・』
え、何・・・?
『奴ハ既ニ・・オ前ノコトヲ認メテイル。』
え・・・?
『ダガ・・・奴ヲ縛ル過去ガ邪魔ヲシテイルノダ。』
そうなのか・・・
『・・・安心シロ、コノ光ニ包マレテイル限リ、オ前ノ体力ハ0ニハナラン。』
・・・でもそれじゃ・・・
『勘違イスルナ。0ニナランダケダ。常ニ体力ハ1ダケ残る。
 当然痛ミハ来ル上ニ下手ヲスレバ・・・ショック死ノ可能性モ否定デキナイノダ。』
・・・なるほどね。
『コノ力ヲ与エタノハ・・・オ前ノ生死ヲ恐レテデハナイ。オ前ノ言葉ノ責任ヲ果タサセル為ダ。』
責任を・・・?
『オ前ハ、ソピアニ向カッテ言ッタナ。自分ガソノ痛ミヲ、苦シミヲ、悲シミヲ、全テ受ケキルト。
 ・・・受ケキル前ニ死ンデシマッテハ・・・ソレハ奴ノ嘆キヲ理解シタコトニハナラナイ。』
・・・わかった・・・ありがとう。ヴェンデ。
「・・・来い!ソピア!」




・・・僕は受けきった。ソピアの技を。いや、ソピアの技だけじゃない。
サイコブレイク・せいなるほのお・エアロブラスト・ミストボール・ラスターパージ
はめつのねがい・サイコブースト・ときのほうこう・あくうせつだん・シャドーダイブ
マグマストーム・にぎりつぶす・シードフレア・さばきのつぶて・かえんだん
クロスフレイム・クロスサンダー・らいげき・あおいほのお・こごえるせかい・・・
伝説と呼ばれるポケモンたちの技をも・・・受けきった。
「これで・・・」
「・・・まだだ。」
・・・・え?
「まだ俺の闇は・・・晴れてねえ!」
「ぐっ・・・っ・・・!」
もう・・・たつのも限界なのに・・・
何が・・・何が足りないんだ・・・
『・・・ナルホド・・・ナ。』
ヴェンデ・・・?なに・・・が・・・っ・・・なるほどなんだ・・・
『奴ノ心ノ闇ハ・・・払イキルコトナド不可能ナノダ。』
なに・・・!?
『オソラク・・・・モット根本的ナ部分。奴ノ心ニ染ミツイタ闇ソノモノヲ消サナイ限リ・・・』
でも・・・・どうすれば・・・?
『・・・力ヲ貸ソウ。オ前ノ・・・オ前達ノ望ムヨウニ・・・奴ヲ傷ツケルコトナク・・・』

闇を、かき消せる力を・・・!

・・・僕の体は光っていた。
さっきのソピアが見せた七色の光とは全然違う。
全ての闇を喰らい尽くし、浄化する・・・そのための力、そのための光。
『行クゾ・・・ラック!』

「クリア・・・・ハート!」
強大な光が僕とソピアを包み込んだ。
そして・・・伝わってくる。ソピアの・・・ニンゲンとしてのソピアの・・・心の闇。

始まったのは・・・一つの会話からだった。
「おい、お前!」
「え・・・何?」
「俺知ってんだぜ〜、お前の父ちゃん泥棒なんだろ?」
「なっ・・・」
「お前の父ちゃんがお前ん家出てからどこ行くか後つけたんだよ。
 そしたら知らねー人ん家入って、しばらくしてポケットぱんぱんにして出てくるとこ、俺見たぜ。」
「ウソだ!お父さんが・・・そんな。」
悪い噂ほど、本人の抵抗なんて空しく広がってしまうものだ。
先生につれていかれるだけで、
「あ、あいつ何やったんだと思う?」
「誰かのシャーペンぱちったんじゃね?なんたってアイツの父ちゃん・・・」
『泥棒だもんな〜。』
先生は先生で・・・
「・・・この子が消しゴムなくなったって泣いているんだぞ。なんで正直に話してくれんのだ・・・?」
「僕は・・・僕はやっていない!」
「お前以外で誰がこんなことするんだ?正直に言いなさい!
 この子がかわいそうだと思わないのか!?」
なんで・・・なんで・・・?
家に帰って父に尋ねた。
「お父さん・・・」
「どうした?」
「お父さんって・・・泥棒なの?」
「!」
父はこわばった顔して・・・すぐに
 パンッ!
非常に強い平手打ちの音が部屋いっぱいに響いた。
「俺の稼ぎで喰っていけてんだろ・・・?黙っていやがれ!」
翌日・・・
「いってきまーす。」
力のない声で家を出た瞬間・・・
 ガンッガンッ!
たくさんの小石を投げられた。・・・名前も知らない近所の子供に・・・
「泥棒だ、泥棒だ!」
「来るな来るな〜!」
「アッハハハハハッ!」
街を歩く・・・それだけで声が聞こえる。
「あれ・・・あの子・・・?」
「あぁ、今噂の泥棒の子?」
「警察通報した方がいいかな?」
「ふふっ・・・」

・・・血が・・・一杯だ。僕の腕。
なんなんだよ・・・この世界は・・・
誰も味方がいない。誰も助けてくれない。
僕は何もやっていないのに・・・僕は何もやっていないのに・・・
なんで人は・・・助けてくれないの・・・?
ポケモンだったら助けてくれたかもしれない。
だってポケモンなら・・・同じポケモンだったら助けてくれるから・・・
でも、人間は助けてくれない・・・どうして?
・・・そうか・・・『心』があるからか・・・
心があるから・・・僕はのけものにされるんだね。
心は人間にとって・・・すべての生物に対しての・・・『凶器』なんだね。

「・・・っ・・・!」
『ナントイウ過去ダ・・・』
「俺の苦しみはこれだけではない・・・!」
「・・・・!」

なんだ・・・ここは?俺の体・・・これは、ダークライ?
そうか・・・神様が・・・願いをかなえてくれたんだ。
僕はポケモンになれた。
これで・・・これで皆と仲良くできる・・・
と、すぐそこにキルリアがいる。話しかけてみ・・・
「きゃーーーー!ダークライよーーー!」
え・・・?
「ダークライだと!?」
「きゃーーーー!私達に悪夢を見せに来たんだわ!」
僕は・・・・何も・・・?
「出て行けーーー!この町に二度と来るなー!」
・・・なんで・・・?ポケモンは・・・同じポケモンなら助けてくれるんじゃないの・・・?
やっぱり・・・くくっ・・・くくくくくっ・・・やっぱりなぁ・・・
やっぱりそうだ・・・ニンゲンもポケモンも変わりはしねぇ!
『心こそが凶器だ!』

「・・・こんなことが・・・」
「これが・・・私の心の闇のすべてだ。これを見てまだ、私と打ち解けられるのか!?
 これを見て私と分かりあえるのか!!!!」
「・・・何言ってんだよ・・・!」
「ん・・・?」
「・・・・・・いるのかよ!」
「何を・・・」

『友達になるのに、大層な過去がいるのかよ!』

「!」
「苦しいのも、悲しいのも、楽しいのも、嬉しいのも、全部分け合えるのが・・・友達じゃねえのか!」
「私に・・・友など・・・」
「ここにいる!」
「なっ・・・!」

『俺が友達になってやる!友達になって、過去なんてどーでもよくなるくらい、今を楽しませてやる!』

「・・・」
「!」
ソピアの・・・心の闇の禍々しさが・・・消えた?
「・・・この私と・・・友になってくれるというのか・・・」
「あぁ、ソピア!」
僕にはわかる・・・ソピアの心の闇が・・・消えていく。
そして・・・光が・・・ソピアの心を照らしていくのが・・・
「・・・ありがとう、ラック。」
「ソピア・・・」
「私は・・・その一言が聞きたかったのかもしれないな・・・その一言があれば私は・・・」
「過去なんて忘れなよ、一緒に・・・行こう。」
「・・・本当に、ありがとう。ラック。・・・だが、お別れだ。」
「!!」
ソピアの体から闇が消えていった・・・けど・・・ソピアの体から生気が消えていくのが・・・わかる。
「な・・・なんで・・・?」
「私は・・・過ちを犯し過ぎたのだ。全てのポケモンへの償いだ、ここで私の・・・生涯を閉じよう。」
「なんでだよ!過去なんて・・・過去なんて・・・」
「ラック・・・君と出会えて本当に良かった。」
「ソピア・・・・」

「・・・さよなら。」

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2012.5.28  20:31:47    公開


■  コメント (2)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

ソピアの過去は読み返しても
悲惨としか言えないです。
人間の無情とポケモンの無情
結局その無情を作り出しているのは
まぎれもない心なんですよね・・・

次回・最終回!乞うご期待!

12.5.29  07:21  -  Cynothoglys  (JACK0119)

あれ・・・?
涙が出てきた
人間ソピアが不遇だ
現ソピアも不遇だ・・・
世界は理不尽ですよね
では

12.5.29  00:38  -  不明(削除済)  (02090036)

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