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・・・自分でもわかるくらい膝が笑ってる。
ソピアの放った技・・・耐えることはできたけどその威力は尋常じゃない。
というか・・・技の威力もその技を使ったソピアのステータスも異常だ・・・
「ときのほうこう・・・時間に歪みを生じさせ、時空軸とのブレにより爆発を引き起こす・・・」
「・・・ぐぅっ・・・」
でも・・・おかしい。ときのほうこうを使えるポケモンは一匹だけ・・・それは・・
「ディアルガ。時間を操る神と呼ばれしポケモンの一匹・・・
　ときのほうこうが使えるのはディアルガだけのはずなのに・・・」
「確かにそうだ。もともとこれはディアルガ専用の技。
　ミュウツーのサイコブレイクやギラティナのシャドーダイブ、私のダークホールと同じ・・・」
「だったらなぜ・・・！」
「奪ったんだよ・・・ディアルガからな！」
「奪った・・・だって・・！」
「私のダークホールに取り込まれたポケモンは私に憑依される。
　ルマニクスはこう言ったな・・・だが、それは少し違う。」
「・・・なんだって？」
「私の能力は・・・いわば『吸収』なのだ。私のダークホールに取り込まれたポケモンは
　私の一部となる。私の一部となったポケモンは・・・私が自在に扱うことができる。
　技も、姿も、言動、声質、特性、ステータス・・・全てを自在に扱える。
　いわば・・・『変身』だ。どこかの土地にいる『メタモン』というポケモンは
　もとよりその能力を授かっているらしいがな。」
「つまり・・・ディアルガも・・・」
「私に負け・・・私の一部となった。ということだ。」
「っ・・・！」
時の神と呼ばれるディアルガを・・・倒した・・・？
そんな奴に・・・僕が勝てるのか・・・
「・・・いい顔だ。絶望に打ちひしがれるその表情。それこそが絶望だ・・・」
「そんなに他人の絶望を見るのが好きなのか・・・？」
「もとより私がこの世界を滅ぼそうとしたのも・・・全ては一つの絶望から・・」
「一つの・・・絶望？」
「貴様・・・前世を信じるか？」
「は？」
唐突の質問に思わず声をあげてしまった。
「・・・私は・・・私の前世は・・・『ニンゲン』なのだ・・・」
「ニンゲン！？」

ニンゲンだった私は・・・いわゆる『非力』と呼ばれる類のニンゲンで・・・
毎日のように暴行を受けた。
私に暴行をしたのは親、友だった者、教師・・・挙句の果てに他人からも・・・
私の腕は・・・切り傷で一杯だった・・・
私は恐怖したのだ・・・ニンゲンにではなく・・・
弱き者を・・・異色の者を傷つける『心』に・・・
そして・・・ある日、私は高い建物から飛び降り・・・死んだ。

「自殺・・・」
「そうだ！その時、私が私自身に放った言葉はこうだ！心こそが凶器！そう言った！」
「心こそが・・・凶器・・・」
「そうして私は目覚めたら暗き場所にいた・・・そして体はダークライとなっていた。
　私は確信した！万物をつかさどる神が！私に全ての者の心を抹殺する使命を与えたのだと！」
「・・・違う。」
「なに！？」
「確かに・・・あんたの過去だか前世だかは酷いものだった。
　心と言う凶器を持っているのはニンゲンだけじゃないし、
　あんたの言っていることが間違いとは言い切れない。・・・でも・・・」

『心は凶器になるだけじゃない！心は・・・全てを救うための光なんだ！』

「・・・あくまで・・・私の確信を否定するというのだな・・・」
「確かに心は破壊すら起こしてしまう危険なもの・・・だけど心による救いもある！」
「ならば・・・立証してみよ！この私を倒してな！」

『ソピア・・・僕が君の心の闇を照らす光になる！』

その時・・・懐にあったホーリーオーブが、これまでにない光を放っていた・・・