ポケモンノベル

ポケモンノベル >> 小説を読む

dummy

ポケモン不思議のダンジョン〜光の医療団〜

著編者 : Cynothoglys

僕の十歩目〜悪意と真実〜

著 : Cynothoglys

ご覧になるには、最新版の「Adobe Flash Player」が必要です。 また、JavaScriptを有効にしてください。

僕とルマニクスさんがギルドに到着して見たもの・・・
それは未だに土煙を吹いているガレキの山。
そしてそれに攻撃を続ける・・・フィーナの姿。
そしてフィーナの綺麗だった紫の目は・・・白く染まっていた。
「フィーナ・・・一体、何を?」
「あら、来たのねラック君。」
そこにいたのは・・・サーナイトさんだった。
「サーナイトさん!一体これは・・・?」
「凄いでしょ、これがフィーナちゃんの力よ。」
そう言ってサーナイトさんが言葉を続けようとした時・・
「ウガァァァァァ!」
「危ない!」
間一髪で僕を助けてくれたのはルマニクスさんだった。
「ありがとうございます・・・」
「理性を失ったかのような攻撃、そしてあの眼の色・・・
 あんた、「忘我」を覚醒させたのか!?」
「ええそうよ。だって元々フィーナちゃんが望んだのよ?ポケモンを傷つけないくらい
 強くなりたい、そう願ったの。だから私が願いを聞き入れてあげたのよ。」
「・・・何を・・・言ってるんですかサーナイトさん・・・?」
「あなたもよく転がってくれたわ、私の掌の上で・・・」
「サーナイト・・・さん・・・?」
「・・・まだ気付いていないのか!」
僕にそう言ったのは・・・ルマニクスさんだった。
「もうとっくに、こいつの魂は滅びたって言うのにな・・・」
・・・何を言っている?サーナイトさんの・・・魂が滅びたって・・・
「ま、でも本当のことを知らない方が楽に逝けるんじゃないかしら?」
「まったくだね。」
ルマニクスさん・・・?サーナイトさん・・・?
僕を・・・僕達を・・・だましていたの?
「でもねラック君、ギルド長として最後に言っておくけど・・・」
そう言ってサーナイトさんは力を手に凝縮しはじめた。
「他人、って信じちゃだめなのよ?」
サーナイトさんは笑っていた。その笑いの裏に隠されていた・・・
悪意が。
「オラァァァ!」
黒く拡散する球体・・・ナイトバースト!?
「飲まれんなラック!」
ルマニクス・・・さん?
「何をしている!」
これは・・・もう、サーナイトさんの声じゃない。
「なぜそいつを助けるネフィチェ!」
ネフィチェ・・・?もう、誰のことなんだよ・・・
「ネフィチェ?・・・あぁ、あのデオキシスの名前、ネフィチェって言うのかい?
 まぁ、あたいと対等に闘う力だけは認めてやれるが・・・心理戦に弱過ぎるね。」
デオキシス・・・?あの伝説のポケモン・・・?
「ネフィチェがお前に倒されただと・・・」
「正体を出したらどうだい?はっきり言って今のままじゃ気持悪くてねぇ。」
「・・・よかろう。」
そう言ってサーナイトさんは姿を変えた。
黒い体色に青い目、白色で揺れる頭・・・どこかで見たことが・・・
「ダークライ、それがあんたの正体だったわけか。あの時の恨みを晴らさせてもらうよ。」
ダークライ?ポケモンに悪夢を見せるという幻のポケモン!?
「我が名は『ソピア』・・・世界を・・・終わらせるもの。」
「まぁ、この分じゃレニメントもクーラも・・・あんたにやられたんだろうけど。」
「レニメント・・・って?
「あたいらの仲間のドンカラスだ。今は「ゆうやみのもり」にいるらしいが・・・」
「ひょっとして・・・あのドンカラス!?」
「ん?おや、会ってんのかい?そうだよ、あたいらはチームだったんだ。」

ある依頼であたいらは「ゆうやみのもり」に行った。
「ゆうやみのもり」の噂を聞いてね・・・
そしてそこの最奥部で実験をしていたポケモン・・・それがダークライだった。
その時は名前や姿を知らないから、どんなポケモンかも分からなかったがね。
そしてクーラもレニメントも、あいつにやられた。
実際、あたい自身も奴の放ったダークホールに飲まれたんだ。
だけど、あたいの常にラムのみを口に入れておく癖が幸いしたんだよ。
あたいだけは悪夢から覚めていた。
だが、アブノルメは一向に悪夢から覚めることはなかった。

「悪夢・・・って、どういうことですか?」
「あのダークライには、ダークホールで悪夢を見ている者に憑依できる。
 そして憑依した相手は時間がかかるが、ダークライに飲まれていくんだよ。」
「そんな・・・ってことは今までのサーナイトさんは・・・」
「俺が乗っ取った後だ。そいつに合わせて俺自身も演技をしていたんだ。」
「・・・」
「そしてあんたの相方が修行をしたいと申し出たのをチャンスと思い、
 あんたの相方は自分の手で暴走させ、おそらく・・・あんたは
 あたいに化けていたデオキシスに殺されていただろうね。」
「ご名答、というところだな。寸分の狂いもない。」
「そりゃありがとさん。」
「まぁ、彼女が修行をしたいと言ったのも
 ツィオーネがあのゴミ虫を消してくれたおかげだがな。」
「その時にはもう、サーナイトさんの魂は消えていたのか・・・」
「その通りだ。お前は俺の手で踊らされていただけなんだよ。」
「ウソ・・・だろ?」
「あぁ、ウソだよ。奴の言葉は大ウソさ。」
不安でいっぱいになった気持ちを、砕いてくれたのはルマニクスさんだった。
「どういう・・・ことですか?」
自分でもわかるくらい、声が震えてしまう。
「だって、そうだろ?あいつは実際はあんたを殺そうとしていた。
 でも、少し考えたらわかるだろ?今、あんたは生きているじゃないか。」
「・・・」
僕の眼から涙がこぼれた。こんな極限状態の心に、ルマニクスさんの言葉が嬉しかった。
「くっ・・・」
「作戦失敗だねぇ。」
「だが、もういい。フィーナは「忘我」を発動し、もう止められない。
 そして「忘我」には力を増幅させるほかに、さらなる効果がある!」
「さらなる・・・効果?」
「忘我の発動後数時間たつと忘我の発動者の体が耐えられなくなり、爆発するのだ!
 お前は愛したものの死にざまを、何もできずに呆然とみるのだ!」
「なんだって!?」
「残り二時間程度、といったところか・・・せいぜい楽しむんだな。」
「フィーナ!」
僕は駈け出した。フィーナのもとに・・・
「・・・くくっ。」
「何がおかしい、ゾロアーク。」
「あんた、分かってないねぇ。」
「何がだ。」
「あいつはね、あの子のために強くなり、あの子のために頑張っていたんだ。
 その力があれば、あんな暴走すぐに止めてくれるよ。」
「バカが、攻撃せずにどうやってあの力を止められるというのだ。」
「ふん、見てればわかるだろう。」

フィーナ・・・つらいだろうね。
君はこんなことをするために、力を得たんじゃない。
大丈夫、君を助ける。絶対に。
僕は・・・そのために強くなった!
もうフィーナを傷つけない!そして、周りのポケモンも傷つけない!
フィーナ、少し待ってて。
すぐに、助けてあげられる!

⇒ 書き表示にする

2012.5.5  16:25:56    公開
2012.5.5  18:49:45    修正


■  コメント (2)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

次回、悲しみの戦い、
ラックVSフィーナです。
いよいよ物語はクライマックスに突入します。
残りの回もお読みいただければ幸いです。

12.5.6  18:56  -  Cynothoglys  (JACK0119)

ようやく過去と繋がりましたね
サーナイトが敵だったとは・・・
ソピアとネフィチェ・・・
しかしもう一匹居る筈・・・
ラック頑張れ!!
盛り上がりが凄いです
クライマックスでしょうか
では連載頑張ってください

12.5.6  14:57  -  不明(削除済)  (02090036)

パスワード:

コメントの投稿

コメントは投稿後もご自分での削除が可能ですが、この設定は変更になる可能性がありますので、予めご了承下さい。

※ 「プレイ!ポケモンポイント!」のユーザーは、必ずログインをしてから投稿して下さい。

名前(HN)を 半角1文字以上16文字以下 で入力して下さい。

パスワードを 半角4文字以上8文字以下の半角英数字 で入力して下さい。

メッセージを 半角1文字以上1000文字以下 で入力して下さい。

作者または管理者が、不適切と判断したコメントは、予告なしに削除されることがあります。

上記の入力に間違いがなければ、確認画面へ移動します。


<< 前へ戻るもくじに戻る 次へ進む >>