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ポケモン不思議のダンジョン〜光の医療団〜

著編者 : Cynothoglys

私の八歩目〜感情の解放〜

著 : Cynothoglys

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「フィーナちゃん、コレが最後の修行よ。」
サーナイトさんから言われたこの言葉、
だけど・・・それ以前に今までの修行が不可解すぎるのが、
私に疑問以外の物を浮かばせなかった。
「そもそも・・・今までの修行はなんだったんですか?
 私に見せたあの幻覚の世界のようなものは一体・・・」
「あなたにはね、ある力があるの。」
「力・・・?」
突然の言葉に私は自分の耳を疑った。
「でも、それは喜ばしい力じゃないの。」
「一体、私にどんな力が・・・?」
「あなたのもつ力の名前は「忘我」。文字通り、自分の理性を吹き飛ばして
 攻撃能力・防御能力・瞬発力・動体視力・反射神経・状況判断力
 戦闘において必要な力が全て研ぎ澄まされるの。
 ただ・・・そうなってしまったが最後、自分の理性を取り戻すことは・・・
 ほぼ、不可能なの。
 仮に取り戻せても今までの記憶を失ってしまうでしょう。」
「そんな・・・」
「私があなたにした修行、それはその「忘我」を発動させないようにするためのもの。
 「忘我」は行きすぎた感情、つまり激情が生み出す産物。
 あらゆる場面での感情に対応できなければ「忘我」に飲まれてしまうのよ。」
「・・・だから・・」
「それで、最後の修行・・・それは「忘我」の発動よ。」
「え・・・!」
「意外そうな顔ね。確かに「忘我」は危険なものよ。激情が生み出した「忘我」は
 ほぼ100%の確率で自身の記憶を壊してしまうわ。
 でもね、「忘我」は操ることも可能なの。」
「どういうことですか?「忘我」は自分を忘れている状態・・・ってことなんですよね?」
「そう、そのとおりよ。でもキチンと制御された「忘我」というのは・・・
 状況に左右されない、感情に左右されない力を得る、ということなの。」
「・・・よくわかりません。」
「それはどういうことか、「忘我」は頭で考えるものではない、
 本能で直感的に行動する力を得るの。あなたの意志が強く心に刻んであれば「忘我」は
 あなたにとって最高の力になってくれるわ。」
「・・・わかり・・・ました。」
はっきり言って、その時あったのは恐怖以外の何者でもなかった。
確かに制御できれば有用な力になれる。でも・・・失敗したら・・・
「大丈夫、失敗する直前で気絶させて止められるから。」
そんな私の心配を見透かしていたように、サーナイトさんは言った。
そして・・・ギルド長室にある妙な機械に私は繋がれた。
「じゃあ、行くわよ。」
サーナイトさんがスイッチを押した。
瞬間!
「きゃああああああああああ!」
ものすごい電気が私の中で駆け回った。
もう・・・何も考えられない・・・
「耐えて!自分を失ったら終わりよ!」
あぁ・・・・もう・・・ダメ・・・
「終わり・・・ね。」
 ドガーーーーーーーン!!!!!!!!!!

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2012.5.4  17:06:36    公開
2012.5.4  17:11:54    修正


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