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ポケモン不思議のダンジョン〜光の医療団〜

著編者 : Cynothoglys

番外編〜出会い〜 俺が踏み出した理由・前編

著 : Cynothoglys

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俺は最強だった。
他の奴らとは比べ物にならんくらい強かった。
そうだ、アイツが来るまでは・・・

ここは「ゆうやみのもり」常日頃から
強い光が差し込まないことで知られている森だ。
それどころか、大量の雲が太陽を覆い、光がまったく差し込まないことも珍しくなかった。
その日は珍しく雲が立ち込めることのない
あからさまの晴天だった。
俺は太陽が嫌いだ。見ているとイライラする。
いや、太陽と断定したが・・・本当は太陽から放たれる『光』が大嫌いなんだ。
「ん、どうしたんですか親分?」
部下のヤミカラス達が声をかけてくる。
「・・・なんでもねぇよ。異常はねぇか?」
「これといって誰も来ませんし、問題ないかと。」
「そうか・・・俺は寝る。ちゃんと見はっとけよ。」
「へい!」
俺がこいつらの長になれたのは偶然だ。
以前ここに来た奴らが落とした「やみのいし」に俺が一番最初に触れただけ。
そしたら進化し、攻撃力が格段に上がり、それが俺を長へと導いた。
進化の力、というよりも「ドンカラス」という種の攻撃能力は凄まじく、
またたく間に俺はこの森のナンバー1となった。
そんな過去を振り返りながら、俺は眠りについた。

「・・・zzZ」
「親分!親分!」
「・・・あぁ?」
そこにいたのはヤミカラス二匹、・・・一匹は傷だらけの。
「大変です!親分!侵入者です!」
「侵入者だぁ?てめぇらでなんとかしろ。」
「それが、我らがヤミカラス軍団の内二十匹が侵入者に向かって行きましたが・・・
 全員、やられました・・・侵入者に攻撃を当てることもできず・・」
「なんだと?それほどの上玉か、他の奴らには戦いに手出しさせるな。俺がやる。」
「親分、自らですか!?」
「おまえらが束になって襲ってもダメージ一つない奴か・・・興味あるぜ。」
その時の俺は、いわゆる戦闘狂だった。俺自身が最強と自負していた分、
強い相手と聞くとうずうずする。闘いたくなる。
そうして俺はアイツとであった。

そこにいたのは・・・一体のサーナイト。
「あら、今度はドンカラス?ひょっとしてさっきの子たちのボスかしら?」
「・・・お前がウチの若ぇのをやったのか?」
「ちょっと近隣の村から苦情がきてね、ヤミカラス達が深夜騒がしくて眠れないって。
 だからちょっと静めに来たの。あなたが先導者なら倒さなきゃいけないんだけど・・」
「・・・お前の読み通り、俺があいつらの先導者だ。悪いか?俺達は闇が好きなのさ。」
・・・ウソだ。実際は他のヤミカラス達が暴走して行ったこと。
だが、もし先導者でないと分かればこいつは闘うことすらしないだろう。
「じゃ、討伐決定ね。」
「かかってこい!」
「はい、おしまい。」
!!!・・・動けない・・・
・・・こいつ・・・いつの間に「でんじは」を撃った・・・?
「はいおしまい。ま、騒音被害というよりは任務の執行妨害ね。」
「・・・なん・・・だと?」
「だって、あなたじゃないでしょ?先導者。
 だったら派手にバトルする必要もないじゃない。」
「・・・なぜ・・・分かっている?」
「言っちゃだめかもしれないけど、あのヤミカラス達、私から見たら
 ただのならず者よ。まとまって、集団で動けるような子たちじゃない。
 それを統べることが力なんて、普通はないわ。」
「・・・違う、あいつらは俺の部下だ!」
「配下、の間違いじゃなくて?」
「!」
「あなたがやってることは統率じゃないわ、ただの支配。
 だからさっきの子たちは集団の力というものが戦闘に活かしきれてなかった。
 まぁ、これだけは覚えておきなさい。人になにかをやらされる時より、
 自分が何かをやる時の方が力って発揮できるものなのよ。」
・・・俺は・・・俺は・・・
「じゃ、帰るわ。さっきのあなたの口調からだと、多分あの子たちの独断でしょ?」
・・・俺は、こいつに勝てない。
力でも、知識でも、・・・・そして、統率者としても・・・
「・・・待ってくれ・・・」
「なにかしら?」
「・・・俺を・・・連れて行ってくれ。」
「い・や・よ。そんな自分勝手な人とチームなんて組めないし。」
そう言って振り返ることもせず、あいつは去って行った。

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2012.5.3  09:24:33    公開


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