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これは、数年前の話。
「私はチーム『コンクスタ』を解散します。」
私のこの言葉に、ストゥラは納得がいっていないようだった。
「あぁ！？なに言ってやがる！」
「まぁ落ち着きな。話には続きがあるんだ。続けな、ジュディカ。」
副リーダーのヌーベが、彼をなだめる。
「ありがと。解散、と言っても今のこの探検隊の方針を変えるってだけよ。」
「・・・そもそも、この探検隊の方針、って何なのよ。」
冷めた口調で、華麗な顔をこっちに向けたのはエレガンテ。
「私達のチーム名、コンクスタという言葉の意味は『討伐』。
　名前の通り、私達も指名手配犯の確保に全力を尽くしていたわ。」
「ああ！それが俺達の効率のいい稼ぎ方、そして世間様のため。
　お前はそう言った！俺を誘うときも言ったよな！
　俺の容赦ない心と強い力を借りたい、と！」
「落ち着け、って言ってんだ。頭に血ぃ昇らせた状態じゃ、話し合いなんてできないよ。」
「だまれ！俺はお前らの下でもなんでもないんだよ！」
「ごめん、ね。こんなこと突然言い出して・・・
　でも、もう私耐えられないの。指名手配犯は自業自得、と言えても・・・
　その指名手配犯が逃げていく場所には、いつも罪のないポケモンたちがいる。
　そのポケモンたちを倒さないと指名手配犯を捕まえられない。
　指名手配犯確保のため、ってだけで、私達も十分な犯罪者のようなものじゃない・・・
　私、もうそれが耐えられないの・・・」
「・・・もういい！軟弱な・・・俺を打ち負かした女が、
　こんな弱い奴だとは思わなかったぜ！」
そう言って・・・彼は背を向けた。
「どこ行くつもりだい？脱退するってんなら・・・」
「少し、風に当たりに行くだけだ・・・その間、その軟弱な精神を叩き直せ。
　俺が戻ってきてその調子なら、俺は脱退する。」
「・・・チッ、勝手にしろ。」
「フン・・・」
彼は、外に出て行った。
「気にすんな、突然の話に心の整理がついてないだけさ。」
彼女は私をなだめる。
「・・・いいの、私が悪いのよ・・・こんなこと、唐突に言って・・・」
「本当に、そうね。」
「エレガン！」
「だって、そうじゃない。そこまで切羽詰まってたんでしょ？
　ヌーベには言ったくせに、なんで私やストゥラには言わないわけ？
　確かにジュディにとってヌーベは最大のパートナーだけど、
　でもそこまでは行かなくとも私達だってあなたの仲間よ。
　私達には内緒で心に不安を負って、挙句の果てにいきなり解散？
　私はストゥラの反応が正しいと思うわ。
　私にもそれなりの血の気があったら怒ってどっか行っちゃってたでしょうね。」
「・・・そうね、ごめんなさい。でも、あなた達に負担をかけたくなかった・・・」
「バッカじゃないの！負担をかけあってこその仲間じゃない！
　あんたの重荷を私達も背負って、私達の重荷はあんたも背負う。
　それが本当の仲間の姿でしょ？甘えなさいよ！
　一人で背負うことが仲間を気遣うことじゃないんだからね！」
・・・私は、何も言えなかった。