冴えない僕が色を失った世界を救う
チャプター0 シーズン2 色を失った世界
著 : Aゼリー
ご覧になるには、最新版の「Adobe Flash Player」が必要です。 また、JavaScriptを有効にしてください。
どれくらい眠っていただろうか。僕は生きていた。でも、あの時の強盗はいないしなんだったらスーパーマーケットですらない。ここは草原のようだ。僕は体にペチペチあたる葉にうんざりして目を開けた。すると、そこには白い世界が広がっていた。白一色の世界で影もなく、色彩豊かとは正反対を物理的に表しているようだった。
「僕はどうしてこんなところに来たんだろう?僕が息たえるところまでは夢にあったけど、こんな世界は知らないよ?夢じゃなさそうだし・・・。もしかして、あの夢には続きがあった?」
知らない世界に困惑している僕だったけれど、いつまでもこうしていたらなんの生産性もない。色がないだけで形はある。草や森や町や・・・え?町!?僕はこれ以上ない美しい二度見をして、町に向かった。
やっぱり、街も色を失って白い建物が立ち並んでいた。その時だ。人やポケモンを見つけた。やっぱり、色はなく楽しそうな様子さえない。華やかさを失ったようだった。
「おや?君は?」
「僕は七色秀です。こことは別の次元?世界?で撃たれて気がついたらこの世界に・・・。」
「なるほど、あなたはこの世界の住人ではないんですね。少しお話ししてもよろしいでしょうか。この世界は、もともと色がなかったわけではないのです。ですが、ある時を境に全ての色が突然消え去ったのです。時間が流れ、人やポケモンは色を忘れ華やかさを失いました。そのうちに、色は伝説のものとなりドラゴンや宇宙人と同じような存在になってしまったのです。そして、とある者は大きな力が舞い降りてその力を自我と共存できずに崩壊し、暴走したのです。今ではこの街がこの世界唯一となりました。」
「そんなことが・・・。ところでなんですが、僕がこの世界に来た理由って?僕って、これといった特技もなく、冴えない人間なんですが・・・。」
「何を言うんです?あなたは成績は学年ダントツのトップでほとんどの競技で全国優勝しているではないですか。」
僕は、この時思い出した。周りからは期待され、それに応えられるような努力もして、結果も残した。でも、心も体も限界をとっくに超えていて、冷え切った心は大きく閉ざされた。
「七色さん、この世界を救ってください!」
「・・・は、はい。」
僕は、その場の流れに流されて軽い気持ちでうなづいてしまったが、ことの重大さを振り返った時、少し後悔を感じた。
こうして、僕は色を失った世界を救うことになった。
2023.12.25 16:32:45 公開
2024.1.23 21:59:50 修正
■ コメント (0)
コメントは、まだありません。