裂け目の向こう
第6章 私のいない世界
著 : キノコ13
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「そういえば最近ウルトラホールっぽいものが各地で出てるらしいよ。」
「ヘェ〜そうナンダ」
私は遠くにある地方から来たというキノガッサと話をしていた。
「じゃっまたね。」
「じゃあネ。」
私は家へ帰った。そしてベッドに乗るや否やすぐに眠ってしまった。寝ている時に何かが歪む感覚があったような気もしなくもなかったが気のせいということにした。
朝起きたときなぜか私の家ではなく森の地面で寝ていた。
「え?何で?」
周りを見るとそれは私の家があるところで間違いないが、なぜか家がない。とりあえず
友達と相談しようそうしよう。
しばらく歩いてると昨日のキノガッサがいた。
「おはよう」
「ん? 初めマシテ。」
え?初めまして?昨日あったばっかりなのに
「ボクはエメルってゆうンダ。キミはベイリーフカナ。」
名前もしゃべり方も同じだ。
「あっ私の名前はリエンなんだ。」
エメルは「ジャ、またどこかで」とだけ言って去っていった。
あれからしばらくの日数がたった。
私が今いる世界と私がもともといた世界とおそらく違う世界で寝ている間にウルトラホールらしき何かに入ってしまったのだろう。
そしてこの世界のもともといた世界の違いはほとんどないが今のところ2つ見つけている。
一つはウルトラホールっぽいものが発生していないこと。
もう一つは私がいない。
つまり友達がいない。住む場所もない。
しかしそれでも世界は進み続けている。私は本当に必要なモノなのだろうか?
私がここでいなくなっても誰も困らないのだろうか?
私は、私の知ってる限りの高い所から飛び降りた。誰も困らなかった
2023.5.27 02:50:06 公開
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