裂け目の向こう
第5章 出会いと別れ2
著 : キノコ13
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「ラオス...」
グラノは呟いた。今すぐラオスらしきフライゴンを助けようとしてもドドゲザンたちには、とうてい勝てない。しかも助けたところで生きている保証はない。しかしグラノにはそんなのは関係ない。
「ちょっとまって!!!」
私は叫んだがグラノは戻ってこない。
「お前はこいつの仲間か?」
ドドゲザンが言ったのが聞こえる。グラノはうなずいた。
「じゃあ正々堂々戦おうじゃないか」
ドドゲザンの言葉に少々驚いたように見えたがグラノはまたうなずいた。
しかしこのドドゲザンが正々堂々と戦うはずがない。
「後ろ!」
私は叫んだが遅かった。
「うっ」
グラノの断末魔が周囲に響いた。後ろにいたキリキザンが刺したのだ。
「じゃあ帰るか」
ドドゲザンが言った。私の怒りは頂点に達した。私はとっさに蝶の舞をした。そして
「うおぉぉぉ!?」
私はドドゲザンたちに暴風を撃った。もはやこれで十分だった。ドドゲザンは大きく吹っ飛んだ。ついでに近くにいたキリキザンも吹っ飛んだ。そしてドドゲザンは捨て台詞を言い、どこかへ去ってしまった。私はすぐにグラノの所へ行った。しかしもう息をしていない。
「そんな...」
しかしぐずぐずしてる暇はない。私は次にラオスの所へ行った。
「大丈夫?」
すぐに返事は来なかった。しばらくしてラオスが口を開いた。
「だ..じょ...ぶ...」
とりあえずほっとした。
「グラ...どこ?」
なんとなく言おうとしてることは分かる。私はかつては生きていたシザリガーを指した。
「え...」
ラオスの残っている目から涙がでた。
2023.5.20 21:27:44 公開
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