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ここはリバディガーデン島。人々から忘れ去られた島―

「ふわぁー…眠いー…」
「いい加減寝ぼけるな。冷凍ビームくらわせるぞ。」
「雪羽（セツハ）酷いー…」

私は雪羽に頬を膨らまして言う。
だって早いんだもん…

「痛っ！？」
「ほらみろ。ったく、初日からそんなんで大丈夫か。」

私は寝ぼけていて壁にぶつかってしまった。雪羽はため息交じりに言った。
うぅ…痛い…ちょっと眠気覚めたかも…
私は階段を下りる。

「おはよー。」
「おはよう。起きたか。」
「準備は大丈夫？」
「ＯＫー。」

出迎えるのは御父さんと御母さん。御父さんの横にはエンブオーの炎願（エンガン）。御母さんの横にはボーマンダの竜騨（リュウダ）。御父さんはビードロに選ばれていて、テラキオンの主。そして、族の長。
私は席について目の前にある朝食を食べる。雪羽は横で木の実を食べている。
はぅ…今日でこの朝食はお預けかぁ…

「ビードロは後で渡そう。」
「はーい。」

御父さんに私は返事をする。
今日はビードロ届けの旅。私は風人だから届けるのが仕事。…まぁ、その選ばれた張本人を探すのが大変なんだけどねぇ…
朝食を食べ終えた後、お父さんは地下からビードロを取ってきて、私に渡した。
色は白色で赤色の模様がビードロを彩っている。

「いいか？念のために言っておく。ビードロが選んだ人間を探すのはお前だ。その人間が近くにいればビードロはその人間の元へ行くはずだ。」
「うん。分かった。」

御父さんの説明に私は頷く。そして、私と雪羽は玄関の前でお父さんとお母さんに見送られる。

「気をつけてね。」
「しっかり旅をしてくるんだぞ。…雪羽、聖巳の面倒頼んだぞ。」
「あぁ。分かってる。」
「大丈夫だよー。」

そんな感じで私と雪羽は家を出た。そして、浜辺のラプラスの水那（スイナ）に話す。

「水那、お願いねー。」
「はい。２人とも乗ってください。」

私と雪羽は水那に乗る。水那はそのまま海へと泳ぎ出す。
確か、ヒウンシティって場所で降りるんだったよね。

「聖巳、落ちるなよ。」
「落ちないもん。雪羽のいじめー！」
「ははは。やはり御２人は仲が宜しいですね。」
「まぁねー。」

水那に言われて私は胸を張る。雪羽はため息をつく。

「う、うわぁぁ！？」
「よッ…！」

私は後ろ向きに海に落ちそうになった。それを雪羽は私の服を噛んで引っ張る。
私は何とか落ちずに済んだ。
あ、危なかった…
そうしてゆったりとヒウンシティを目指す。

「…着きました。」
「ありがとー。」
「すまないな。」
「いえいえ。僕も泳ぐのは楽しいですから。」

水那は笑顔で言う。
やっぱり水那は優しいなー…

「では、お気をつけて。」
「うん。またねー。」
「…またな。」

私と雪羽は水那を見届けると、顔を見合わせる。

「まずはポケモンセンターって場所に行こうよ。」
「お前…分かってるのか？場所。」
「んー？知らない。でも大ジョーブだと思う。」

雪羽はため息をつく。
そんなこんなに私と雪羽の旅は始まった―