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ポケ物語

著編者 : Cynothoglys

第三レポート ジムで飯を食うんじゃない飯を!

著 : Cynothoglys

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 ざっと見たニビシティの風景ってのは・・・岩石地帯がそのまま街になったって感じだ。
 まぁ、近くに山もあるらしいから登山家みたいな男がうろついてたりする。
 さーて、街の外はどういう構成になっているのやら。
 勝利後の時にスイスイ進めるようにしないとな〜。
「あ、きみきみ。」
 知らないおじさん・・・子供だが、突然声をかけてきた。
「なんだよ。」
「ニビジムには挑戦したのかい?」
「してないけど。」
「今のタケシさんなら勝てるから挑戦しなよ。
 ジムまで案内するからさ。」
「いや、別に・・・」
「遠慮しないでホラホラ。」
 腕を掴まれジムの位置まで直行させられる俺。
「ゆ〜かいだ〜〜〜!」
 とか叫んでもよかったかもしれんが面倒事は避けたいのでさすがにやめた。
「はい、ここがニビジムだよ。じゃあ頑張って。」
 強引に連れられ勝手に帰った。迷惑極まりない。
 なんなんだアイツは。と疑問を抱きつつもう一回街の外に出ようとした。
 だが・・・
「あれ〜君、タケシさんに挑戦してないでしょ。怖気づいちゃだめだって。
 ほら、また案内するからついてきなよ。」
 なんなんだコイツは!出れんのか、俺はこの街から出れんのか!
「はい、ここがニビジムだよ。じゃあ頑張って。」
 数秒前に同じセリフを聞いた気がするぞ!
 しゃーない。手っ取り早く倒して街から出よう。
「えーと・・・たのもー!」
「何をだー?」
 ジムの中から声が聞こえてきた。
「え・・・じゃあラーメン炒飯セット餃子つきで。」
「はいよ。少し待ってな。」
 ・・・は?
 しばらく経つとジムの中が開いて
「はい、ラーメン炒飯セットで餃子つきだったな。」
「あ、いくら?」
「八百五十円だ。」
「あ〜ハイハイ。って何だこれ!」
「ん?頼まれた品じゃないか。」
「いや、そうだけども!ここは何だ、中華料理屋か!ニビジムだろここ!」
「あ〜チャレンジャーだったのか。すまんすまん。」
「ったくよ〜。あ、ただ飯食ってからね。うまそうだなオイ。
 しかもラーメンセットメニューで八百五十円って安過ぎだろ。」
「安い!早い!うまい!が俺のジムのモットーだからね。」
「んぐっ・・・ジム・・・うめぇ・・・関係・・・んぐんぐ・・ねぇじゃん。
って・・・んぐんぐ・・・俺の・・うま・・・ジム?」
「食うか喋るかどっちかにしてくれ。」
「んぐ・・・ぷはぁ!ごっつぉさん。俺のジムってなんなんだよ。」
「あ〜俺がジムリーダーのタケシだ。よろしく。」
「なんつーか・・・グリーンとは大違いだな。」
「君・・・トキワジム行ったの?結果は?」
「完敗。」
「あ、ははは。まぁ彼は強いからね。」
「知ってんのか?」
「ああ。カントーのジムリーダーの中でグリーンを知らない奴はいないだろうね。」
 やっぱり地方最強のジムリーダーってのは何かと有名らしい。
「じゃ、ジム戦始めたいんだけど。」
「じゃあついてきな。」
 言われるがままにジムの中について行った。
 ジムの中はというと・・・別にグリーンの時とは違って床も普通だし、な。
「なんつーか・・・別に床は普通だな。」
「・・・あぁ。そうかトキワジムに行っていたんだったな。
 ジムギミックの事は知らないんだね?」
「何それおいしいの?」
「おいしくないよ。」
「いや突っ込んでくれよ。」
「あ〜ボケたのか。ごめんな、その辺疎くて。」
「・・・で、ジムギミックってなんなんだよ?」
「簡単に言うとジムに仕掛けてある装置とかのことだ。
 トキワジムでは変な床があっただろ?あれは移動パネルでね。
 踏むとその方向に直進するんだ。制御パネルを踏まないと止まれない。
 要はそのギミックを乗り越えないとジムリーダーとは戦えないんだ。」
「で・・・何で俺は何のギミックも超えていないのにジムリーダーと戦おうとしてんの?」
「全ての地方に一つ、何のギミックもないジムがあるんだ。カントーではここ。
 これは初心者トレーナーにもジムに来てもらうための配慮だね。」
「ふ〜ん。つまり他のジムの攻略は・・・」
「簡単には行かない。ってことだね。」
「なるほどな。まぁいいや。じゃあ始めようぜ。」
「ああ!始めるぞ!」
 それが合図なのかいきなり審判らしきおっさんが現れ・・・ん?
「あんた・・・トキワにもいたよな?」
 そう、現れたのはトキワジムにもいた無駄に熱い男。
「ん〜なんのことだぃ!ひょっとしてブラザーのことを言っているのかなぁ?」
「ブラザー・・・兄弟?」
「俺たち解説四十兄弟は全国各地のジムにならどこにでもいる!
 そう、俺たちは四十つ子なのさ!」
 お母さんどれだけ大変だったんだ?
「ではぁ!これよりジムリーダータケシ対チャレンジャーフロストのバトルを開始します!始めぃ!」
「行け、イシツブテ!」
「イッシ!」
 岩に手が生えたようなポケモンが現れた。
「行くぜ!ゼニガメ!」
「ゼニゼニ〜」
「なるほど・・・相性を突こうというのか。」
「たいあたり!」
「ノーマル技か。まるくなる!」
「イッシ!」
 ゴンッ
 鈍い音と共にあったのはゼニガメの痛がる姿だった。
「ゼニゼニ〜・・・」
「まるくなるはポケモンの防御を高める技。加えてイシツブテは岩タイプ。
 ほとんどダメージはないよ。」
「くそ・・・たいあたり以外の技・・・何かないのかよ!」
 悪あがきをするように図鑑でゼニガメを調べる・・・すると
「あっ・・・あった。」
「ん?何があったのかな?」
「行けゼニガメあわ攻撃!」
「ゼニ〜!」
 ゼニガメの口から多数の泡が出てイシツブテにぶつかり始めた。
「イシッ、イッシ!」
 イシツブテの嫌がるところを見るとかなり効果があるみたいだ。
「水技を持っていたか・・・当然と言えば当然だが。
 巻き返せイシツブテ!たいあたり!」
「イッシ!」
 タケシの指示でイシツブテはゼニガメに向かってきた。
「もう一回あわ攻撃!」
 ゼニガメのあわ攻撃をイシツブテは至近距離で喰らってしまい・・・
「イッ・・・シ〜・・・」
「イシツブテ戦闘不能!ゼニガメの勝ち!」
「やるな〜、ごくろうさんイシツブテ。」
「よし!このままニビジム突破だ!」
「そう簡単にはさせないよ。イワーク!」
「イワーーク!」
 巨大な岩が繋がった形。それはまるで蛇のようだった。
「これが俺のエース、イワークだ。こいつが倒せたらバッジを渡そう。」
「よし!ゼニガメ、あわ攻撃!」
「喰らってすぐにしめつける攻撃!」
 なんとイワークはゼニガメのあわ攻撃に向かってきた。
 そして泡を全て喰らった後ゼニガメを長い胴体でしめつけてきた。
「ゼニ〜・・・ゼニ〜・・・」
「ゼニガメ!」
「振り放していわおとし!」
「イッワーーー!」
 しめつけていた状態からいきなり解けたためゼニガメはよろけてしまった。
 そこに大きな岩が降ってきて・・・ゼニガメは下敷きになった。
「ゼニ・・・ゼニ〜・・・」
「ゼニガメ戦闘不能!イワークの勝ち!」
「タイプ相性だけじゃジムは突破できないよ。それなりのレベルもなきゃ。」
「くっ・・・行け!ヒトカゲ!」
「カゲー!」
「今度はほのおタイプか。イワーク、いわおとし!」
「ヒトカゲ、喰らった後にひのこ!」
 タケシが先ほどゼニガメの攻撃を喰らったのは攻撃後のわずかな隙を狙ったためだろう。
 なら俺も同じように隙を突けば・・・
「カゲッ?カゲ〜!」
 だが、俺の考えは甘かった。イワークのそれなりの防御力があってこそあの芸当はできたのだ。
 ヒトカゲの薄い防御力でできた芸当ではなく・・・
「カゲ〜・・・」
「ヒトカゲ戦闘不能!イワークの勝ち!」
「くっ・・・」
「どうだい?これが俺のエースの実力だ。」
「ちっ・・・これが俺の最後のポケモンだ・・・フシギダネ!」
「ダネ〜」
 前回はナッシー相手に完全にデオチした。
 簡単にいえばこれが最初のちゃんとした実戦てことだ。
「ポケモン図鑑・・・何かないのか、フシギダネが使える技・・・」
 たいあたり・・・なきごえ・・・つるのムチ・・・・
 ん?つるのムチ?
「イワーク、しめつける!」
「つるのムチだ!」
「ダネダネダネ〜!」
「イワッ、イワー!」
「イワーク!」
 つるのムチの連続攻撃をもろに喰らってイワーク。
「イ・・・ワ」
「大丈夫かイワーク!しめつける攻撃!」
「イワー!」
 つるのムチのダメージを振り切ってフシギダネをしめつけ始めた。
「ダネ、ダネ〜」
「姑息かもしれないが・・・これで全ての体力を削りきってやる!」
「フシギダネ・・・なきごえだ!」
「ダネフシ〜」
「イワッ?」
 なきごえには相手の攻撃力を下げる能力がある。そのせいかイワークのしめつけの威力が弱まった気がした。
「まだだ、なきごえを続けるんだ!」
「ダネフシ〜ダネダネフシ〜ダネフシシ〜」
「イワッ、イワー」
「いまだ、抜けてつるのムチだ!」
「ダネフシ〜!」
「なっ、しまった!」
「イワッ、イワー!」
 二度目のつるのムチの連撃にイワークは耐えれず・・・
「イワ〜・・・」
「イワーク戦闘不能!フシギダネの勝ち!よって勝者フロスト!」
「イワーク・・・ごくろうさん。ゆっくり休んでくれ。」
「やった・・・やったぜ!」
「いや〜、まいったよ。強いな。」
「しかし、もうつるのムチを覚えてたなんて。」
「え、ひょっとして知らなかったのかい?」
「だから図鑑見て調べてたんですけど・・・」
「てっきりイワークを調べてるんだと思ってたよ。」
「だけどフシギダネにはいい経験だったよ、初の試合がジム戦なわけだから。」
「え・・・そのフシギダネってオーキド博士にもらった奴だよね?」
「そうだけど?」
「あれ・・・最初にもらえるポケモンには二つしか技はないはずなんだけど・・・」
「マジ・・・すか?」
「あ、でもジム戦が取り消しになるわけじゃないから安心して。」
「よかったぁ。」
「じゃあここにニビシティジム公認、グレーバッジを渡します!」
「よっしゃあ!」
 これが俺の、最初のバッジゲットだぜ!
「で、君はどこに行くんだい?」
「近いジムに。」
「ここからだと・・・ハナダシティだろうね。近いのは。」
「じゃあハナダシティで。」
「ま、ハナダシティには『おつきみやま』を通らないといけないんだけど。」
「じゃあそこ通ります。」
「・・・ずいぶん適当な旅だね。」
「ま、ジム制覇が目的なだけだからなぁ。」
「しかし、有望な子が多いなぁ。昨日来た子も強かったし。」
「ふ〜ん。」
「ま、道中気をつけてな。」
「んじゃ、またどこかで。」
 他愛のない締めでタケシと別れた。
「さて、行きますか『おつきみやま』!」
 と、その前に。
 テンテンテレレ〜
「さて、行きますか『おつきみやま』!」
 数秒前に同じこと言ったような気がする。
 ま、行く前にそこら辺のトレーナーと戦ってポケモン育てようかな。
 そう思いながら街を出ようとすると
「あれ、まだタケシさんに挑戦してないの?だから挑戦しなよって・・・」
「したわ!勝ったわ!うっとうしいわ!」
 やっと言えたよ。このセリフ負けてたら言えないしね。
「ふ〜ん。なかなか強いんだね。」
「そりゃそう・・・」
「うわああああ!」
 なんだ!
「叫び声・・・向こうの方からだ!」
「あ、ジム前まで案内・・・」
「もういいつってんだろ!」
 しつこい子供を放置し叫び声の方向にダッシュする。
 そこにはボロボロのポケモンと共に跪くトレーナーたちがいた。
「もう・・・許してくれ。」
「負けた・・・もう負けたから。」
「やめて・・・やめてくれ〜。」
 このトレーナーたちの目からは、もう戦意はなかった。あったのは・・・絶望だけ。
 とりあえずポケモンセンターに連れて行こうとした時、
「弱者同士、傷の舐めあいかい?」
「あぁん?」
 振り向くとそこに立っていたのは青の髪をした男。
 そういえばポケモンセンターにいた奴が言ってたな。
「青い髪をした男」って。
「おまえ・・・何者だ!」
「僕の名前は・・・」
前髪を横に移動させるという、いかにもキザのやることをして男は名乗った。
「あああああだ。」
「・・・は?」
 ・・・聞き違い・・・だよな?
「もう一回、名を名乗れ!」
「だから言ってるだろ?あああああだ。」
「あああああ?・・・プッ。」
 思わず吹き出してしまった。
 だってこんなに格好良くて強そうなのに名前が超投げやりだから・・・
「何を笑っているんだい?そうか、美的センスがないのか。哀れな。」
「あああああ・・・クックック・・・あああああ・・・ププッ・・・あああああ。」
 もう笑いをこらえるのに必死になった。
「ちなみに、君の名前は?」
「俺か、俺はフロストだ。」
「ださい名前だね。君の親は随分と投げやりな人らしい。」
 おめーが言うな・・・ククッ。
「まぁいいや。名前はださいが、多少はやるんだろうね?」
「ったりめーだ。俺はさっきニビジムのジムリーダーを倒したからな。」
「あ〜、彼か。タケシって言ったっけ?よくある名前だね。個性がないよ。」
 だからおめーが個性ありすぎなだけだから。
「じゃあ、やろうか。安心したまえ、ポケモンセンターはこの先にある。」
「はっ!どっちのために言ってんだ?その台詞は!」
 俺とあああああの直接対決が始まった。
 ニビシティで聞いた、おまえが「強い」って噂が本当かどうか、確かめてやるぜ!

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2012.4.20  23:00:37    公開
2012.4.22  19:31:17    修正


■  コメント (2)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

棚引くすすきさん
初めまして、そしてようこそ。
そうですね。
メチャクチャは自覚してます(笑)
次回はあああああとの決戦です。
乞うご期待です。

12.4.22  18:42  -  Cynothoglys  (JACK0119)

始めまして。棚引くすすきと申します。
この小説、メチャクチャに見えてかなり面白いですね!(何その専門家口調
もう一つの小説の方も拝見させていただきました。
これからも頑張ってください!

12.4.22  13:32  -  不明(削除済)  (buizeru)

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