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ポケ物語

著編者 : Cynothoglys

第二レポート 序盤に「どくけし」を購入する人、手ぇ挙げて。

著 : Cynothoglys

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 町の人間って森に憧れるらしい。
 周りにはない景色を味わいたい、っていうのが理由の大半だな。
 後、緑の恵みを感じたい的な意見も結構ある。
 だが、現実に来てみれば分かる。・・・死ぬ。
「だああああああ!」
 あまりの苛立ちに俺は思い切り声をあげた。
 道をふさぐ大木。鬱陶しいくらいに並ぶ草木。
 虫の糸だらけの狭い道。オマケに暑い。
 こんな悪状況の下に数十分もいれば誰でもストレスはフルにたまるものだ。
「ゼニガメ〜、水〜。」
 投げやりな理由でゼニガメをボールから出す。
「ゼニゼニ〜・・・」
 暑さですでにダウンしてやがる。
「みずでっぽぉ〜。」
「ゼニ〜・・・」
 まだ覚えてない技を出せと無茶ぶりをゼニガメに押し付ける俺。

「そっち行ったぞ!」
「捕まえろ〜!」
 急に聞こえた声。まだ声変りもしていないような若々しい声。
 ふと見ると虫取り網と籠をもった少年が六人くらいいた。
「捕まえたぞ!」
「やったぁ!」
 彼らが捕まえていたのは二種類。
 一匹は芋虫みたいな奴でもう一匹は尺取虫のような奴。
 あ〜こういう時のための図鑑か。まず芋虫から。
『キャタピー・いもむしポケモン・むしタイプ・
 目立った能力は特にないが進化するがかなり速い。』
 はぁ・・・じゃあ尺取虫。
『ビードル・けむしポケモン・むし・どくタイプ
 キャタピーと同じく目立った能力は特にないが進化が速い。
 また、レベルアップで使える技どくばりは
 たまに相手を毒にすることができる。』
 毛虫なのか、あれ。
「あれ、兄ちゃんのそれポケモン図鑑?」
「ん、ああ。」
「じゃあトレーナーなの?」
「そうだけど。」
「じゃあバトルしようよ。」
「メンドイから嫌だ。」
「じゃあここ通してあげないけど。」
「・・・脅迫て、どんな教育受けてんだよ。」
「やってくれる?」
「分かった分かった。」
「オイラの名前はカンタだ。兄ちゃんは?」
「俺はフロスト。」
「分かった、フロスト兄ちゃんだね。よーし、行けビードル!」
「ビー」
 変な鳴き声と共にビードルが動き始めた。
「行け、ゼニガメ・・・はダウンしてるんだった。
 しゃーない、行け、ヒトカゲ!」
「カゲー!」
 いつになく元気なヒトカゲ。炎天下はこいつのベストな天候なのかもな。
「行け、ひっかく攻撃!」
「カゲカゲカゲー!」
 ビードルの体を思いっきり引っ掻いた。
「ビ〜」
「やったな〜。どくばり攻撃だ!」
「ビー!」
 突然頭の針がヒトカゲに飛んできた。
「カゲー!」
 ヒトカゲはもろに受けてしまったようだ。
「クソ!まだだ、ひっかく攻撃!」
「カゲカゲカゲー!」
「ビ〜〜!」
 もう一度会心のひっかくが炸裂し、ビードルは倒れた。
「あ、オイラのビードル!」
「これで通してくれるな?」
「まだまだ〜、行け!キャタピー!」
「・・・」
 あ、鳴かないんだ。体をモゾモゾさせたりと愛くるしい動きを見せている。
 でも、お前芋虫なんだよなぁ。
「行けキャタピー、いとをはく!」
 プシュー
 キャタピーの口から出た糸がヒトカゲに絡みついた。
「カゲッカゲ〜!」
「絡まってはいるが・・・あんなのに威力があるのか。
 どんな技なんだ?図鑑で調べられるのか・・・?」
 登録ポケモン・トレーナーID・・・技図鑑、これだ。
『いとをはく・絡ませて素早さを下げる技』
 じゃあ別にくらっても大丈夫なんじゃ?
「カゲッ・・・カゲ〜」
 なのに段々ヒトカゲが苦しそうになっていく。
 どうなっているんだ?
「ヒトカゲ、おまえならそんな糸抜けられるから落ち着くんだ!」
「フロストお兄ちゃん。そのヒトカゲ、さっきビードルの毒針を受けたよね。
 その時に毒になったのかもしれないよ。」
「うっ・・・確か図鑑にあったな。」
『たまに相手を毒にする。たまに。』
「うるせえ!」
 急に図鑑が喋ったよ。しかも「たまに」を強く言いやがって。
「毒になったら徐々に体力が削られていくよ。」
「クソ、時間稼ぎのための糸かよ。」
「キャタピー、たいあたり!」
 ノソノソと動き始めたと思ったら突然ヒトカゲに飛んできた。
「ヒトカゲ、負けるな!負けるんじゃない!」
「カッ・・・ゲー!」
 その瞬間、ヒトカゲの口から炎が出た。そこまでの大きさではないが。
「ヒトカゲ・・・何だ、何を覚えた?」
『ひのこ・体から炎を出して攻撃する。たまに火傷を負わす。』
「やった・・・ひのこを覚えたんだな!」
「カ・・・ゲ・・・」
「ってあれ?」
「毒が体に回っちゃったみたいだね。しばらく戦えないよ。」
「やっべ、後フシギダネぐらいしか・・・」
「何言ってんの?キャタピーはもう・・・」
 カンタの指差した方を見ると黒こげになったキャタピーの姿。
「へー、効いたんだな。あのひのこ。」
「ひょっとしてお兄ちゃん、相性のこと分かってないの?」
「ん、相性って?」
「だからポケモンには相性があってそれも考えなきゃだめなんだよ。」
「ってことはキャタピーはむしポケモンだからほのおタイプのひのこにやられた。と。」
「そーいうことだね。」
「なるほど・・・相性か調べなきゃな。」
「まっ、負けたから道は開けるよ。早くヒトカゲ連れてってあげて。」
「ああ、分かってる。サンキューな。いい経験できた。」
「じゃあねー。また勝負しよう。」
 実はこのときの勝利の原因はタイプだけではなかったんだ。
 ポケモンのもっているもう一つの能力、それを俺が知るのはこれから先の話になる。

 トキワの森を無事に抜け、少し北に行くとそこにあったのは岩があちこちにある街。
 ニビシティだ。岩の町、ニビシティに着いた!
「っと、まずポケモンセンター行かないと!」
 テンテンテレレ〜
 いつもの音楽と共にポケモンは全快した。
「君はニビジムに挑戦するのかい?」
 ポケモンセンターにいた青年が話しかけてくる。
「そのつもりだけど。」
「ふ〜ん、あんまり強そうじゃないのにな。」
「うるせえ!」
「ま、今のタケシさんになら勝てるかもな。」
「タケシ・・・さん?」
「え、知らないの?ニビジムのジムリーダーだよ。通称『細眼のタケシ』!
閉じているような眼でバトルを見極め、自分のポケモンを勝利に導く。」
「ふ〜ん。で、何で今のそいつになら勝てるんだよ?」
「最近タケシさんスランプなんだよ。さっきもジム戦やってたけど
 新人トレーナーに負けてたんだぜ。しかも今日成り立ての。」
「どっかで聞いた話だな。俺は一日経ったけど。」
「見た目はすっげぇ格好良かったぜ。青い髪でさ。」
「いや、そいつの特徴はいいや。」
「あ、そう。でもスランプとは言えタケシさんは強い。油断しないこった。」
「わーったよ。ご忠告ありがとさん。」
 タケシ・・・ね。
 そんなことよりもこの街の探検だ!

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2012.4.19  17:47:26    公開
2012.4.22  19:26:41    修正


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