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人間とポケモン〜一緒に居たい〜

著編者 : 窮爽

8つ目  屋敷の謎。

著 : 窮爽

イラスト : 窮爽

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「…すみれさんもいろいろ大変ですね・・・」
「大変というより、気がもたない。」
ポケモンセンターで昨日のことを連絡していた。すみれはため息交じりに話し、それに対しありかは苦笑しながら聞いていた。
「では、頑張ってくださいね。」
そうして、電話は途切れた。そして、4人はポケモンセンターから出て、森を歩いた。
「ここからアリエシティまでは距離はあるから野宿でしょうね。」
「アリエシティって、小さなのどかな街でしょ?」
「えぇ。漁なんかも多く行われていて、海が有名な町って書いてある。」
すみれはガイドブックを見ながら言った。ふと見ると、フローゼルは尻尾を振っており、嬉しげな顔をしていた。
「フローゼル、海が楽しみみたいだ。そうだろ?」
「フロー!(楽しみ!)」
「水タイプのポケモンにとっては嬉しい場所だろうね。」
そんな会話をしながら4人は森を歩いていた。すると―ポタ。すみれの肩にしずくが1つ落ちた。すると、ポタ、ポタ。しずくがどんどん降ってきた。雨だ。しかも、大雨で、雷も鳴り始めた。
「きゃっ!雷?」
「とにかく、雨宿りできる場所を探しましょう。洞窟なんかもあるかもしれない。」
「あるといいんだけど。」
「とにかく今は行くしかないだろ。」
4人は駆け足で雨宿りできる場所を探した。森は木がたくさん生えている。雷が鳴っている時に木がたくさん生えているところにいるのは危ない。早く雨宿りできる場所を探さなければいけないのだ。走っていると、屋敷が見えた。4人は屋敷に向かって走った。そして、扉の前の屋根の下で止まった。
「ふぅ…見つかってよかった。」
「…でも、この屋敷ってだれも住んでいないようだけど…ガイドブックにも載ってないし。」
「とにかく入ろう。」
「そうだな。雨にも濡れるし。」
そうして、4人は屋敷の中へと入った。中は、暗く、クモの巣がところどころ張っており、シャンデリアも割れ、カーテンなどの家具もボロボロだった。
「なんだか、薄気味悪いわね。」
「そうだね。約1名、すごくこわがってる人がいるけど。」
「は?こ、怖くなんかねぇよ!」
リズミとレイトの言葉にダズルは強がっていた。
「まぁ、出るとしてもゴーストタイプのポケモンだろうし、特に害はないと思うけど。…まぁ。過去に害があったこともあったけどね。」
「とりあえず、雨がやむまで屋敷の中にいましょ。」
「そうだね。」
「あ、あぁ。」
そうして、4人はしばらく屋敷の中にいることにした。寝室らしき部屋を見つけ、4人はそこで待機することにした。
「…これは、明日までやまないわね。仕方ない、今日はここに泊まりましょう。」
「え、マジかよ・・・」
「…苦手なものは相変わらずってことか。」
「え?昔っからそうなの?」
「そう。昔、肝試しを何回かしたんだけどさ、ダズルは僕にしがみついてきた。」
「それ、昔の話だろ!?」
「でも、歓迎肝試しの時でもあんたの叫び声、すっごい聞こえてきたわよ?すみれも知ってるわよね?」
リズミは笑いをこらえながらすみれに振り返った。すみれはこれ以上言ったら、ダズルは意地を張って何かしでかしそうだと思っていたので、こう言った。
「まぁ、そうだけど…そういえばさ、苦手なものってある?」
すみれはそう話題を変えた。
「苦手なものかぁ・・・私はイトマル、アリアドス、バチュル、デンチュラとかのクモ系のポケモンかな。」
「僕は…」
「ザングースだよな。」
「…あのさ、先に言うのやめろよ。…実は、小さいときにザングースに襲われたことがあって、入院したんだ。それっきり、ザングースが苦手になったんだ。…でも、ポケモンレンジャーをやってるんだけど。」
レイトは苦笑しながら話した。
「すみれは苦手なものってある?なんだか、なさそうに見えるんだけど。」
リズミはすみれに問いかけた。
「見るとびくってくるものってことよね?」
「別にそういうのじゃなくていいから。」
「…2歳から9歳ぐらいの子供。」
『へ?』
すみれの答えに3人は唖然とした。
「どこがダメなの?」
「だめというか・・・接しにくいのよね。どう接すれば分からないし。」
「そういや、ロッコちゃんと出会ったとき、お前、後ろのほうで待機してたもんな。」
「…なんだか、意外だなぁ。」
そんな話をし、夕食を食べ、4人は眠りに就いた。その夜―外はまだ雨が降っており、雷も鳴っていた。そんな中―
ぐす・・・うっ・・・
小さな女の子の鳴き声がレイトの耳に聞こえた。レイトは眼を覚ました。見ると、リズミとダズルの姿が見えない。その代わり、フローゼルが眠っている。ムクホークもすやすや眠っている。疑問に感じながらレイトは部屋を出た。すると―廊下の向こうに女の子がしゃがんで泣いていた。
「どうしたんだい?どうしてこんなところに?」
レイトはやさしく言いながら女の子のほうに向かう。すると、女の子は泣きながら1番向こうの扉に入った。レイトは扉の前まで来る。ドアノブに手をかけようとしたその時!
「いけない!開けてはいけない!」
後ろからすみれの声が聞こえてきた。振り返るとすみれが立っていた。その横にムクホークとフローゼルが。
「え?」
「いいから、早くこっちに!」
すみれはレイトのところに来、腕を掴んで歩きだした。
「これは、どういう…2人は?」
「目を覚ましたら居なくなってた。探してたら、あなたがいて、嫌な予感がしたの。」
「でも、さっきの女の子―」
レイトが言おうとしたその時!
行かないでよ・・・?お兄ちゃん…?
さっきの扉の向こうからさっきの女の子の声がした。扉が静かに開いた。すると―
連れて…行くなぁーー!!
女の子は恐ろしげな顔をし、走ってくる。
「行くわよ!」
すみれはレイトの腕をつかみ、屋敷の上へと上がっていく。女の子はそのあとを追っていく。
「上に行っても、屋上だ!」
「だから、外に出られる!レイトは外にいて!」
「だったら、僕も一緒に―」
「1人のほうが私もやりやすい!だから、ムクホークで下に行って!」
すみれは強いまなざしでレイトに訴えた。レイトはそのまなざしに負け、待機することにした。そして、屋上―まだ、雨と雷はやんでいない。レイトはフローゼルとムクホークに乗り、下に降りた。すみれは、屋上に残っていた。すると―
…許さない…お前だけでも…いや、お前を必ず・・・!
女の子はすみれを睨みつけながら言う。それでも、すみれは冷静だった。
「仕方がない…いけっ、ゲンガー!」
すみれはゲンガーを繰り出した。ゲンガーは女の子を睨みつけながら言った。
「こいつ、すげえ怨念を持ってやがる。しかも、お前にうらみを持ってるみたいだ。いっちょ、俺が聞いてやるぜ。」
「お願い。」
ゲンガーはそういうと、女の子の方に近づいた。
「なあ、譲ちゃん。何であんなにもこいつにうらみを持ってやがるんだ?」
…時を・・・読む・・・者…
「は?それって、時空の叫びのことか?」
…それだけではない。…癒しを導くもの…心を読む者…どれも、恨めしい!
女の子は体中からオーラのようなものを放ちながら言った。
「なんでだ?こいつは、なんにもやってないじゃねえか。」
…奴らのせいで…私たちの望みは…消えうせた!
「は?そりゃあどういうこった?」
…だが、心を読む者は…今にしては協力者…
「だから、なんでだって聞いてんじゃねえか!」
ゲンガーはいらだち、怒鳴った。
・・・その者たちの先祖…そいつらが私たちの邪魔をした…だから…今度こそ成功するため…始末する!
「けどよぉ、こいつの仲間を巻き込んだのはいけねえんじゃねえか?」
…このもの達に最高の苦しみと痛みを…
「ちっ!すみれ、こりゃあ無理だぜ!?周りには大勢幽霊いるしよぉ、こいつは、やばいほどの怨念だ!いったん引くしかない!」
「ちっ…飛ぶわよ!」
すみれがそういうと、ゲンガーもすみれの後に続いた。すみれは駆け込み、飛び降りた。なんとか着地し、レイトたちと共に走って行った―

8つ目  屋敷の謎。

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2011.3.6  21:58:46    公開
2011.3.6  22:06:40    修正


■  コメント (1)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

今回はホラー系です。ちょっと、七不思議?みたいなのですね。この回は後々重要になってきますよ。

11.3.6  22:07  -  窮爽  (monoraru)

 

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