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人間とポケモン〜一緒に居たい〜

著編者 : 窮爽

4つ目  船で事件発生!

著 : 窮爽

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「すみれさん!いい加減あきらめてください!」
「嫌!絶対船まで逃げ切ってみせる!」
町の中を走る4人の影。すみれの後をありか、勇騎に仁が追う形となっていた。時間はまだ夜明け前。
「まさか、朝1番の船に乗ろうとするとは思わなかったね。すみれらしいや。」
勇騎は微笑みながら言う。それに仁はため息をついた。そんな仁を見て、勇騎は言った。
「仁、手伝ってやれば?サーナイトのサイコキネシスとかでさ。」
「…そういう君も手伝ってはどうだい?ギャロップのスピードで。」
「あ、すみれがフーディン出した。…残念だったね。」
「はぁ…はぁ・・・」
激しい息切れをするありかに2人は駆け寄る。
「はぁ…はぁ…逃げ…られた…はぁ…はぁ・・・」
「まぁ、いいんじゃないかい?あの3人も嫌がってたみたいだしさ。」
「…まあ、確かにティランス地方については3人がいてくれたら助かるけど…絶対道中で何かありそうだよね。」
「それも…そう・・・です…ね…」
「…少し休んだほうがいいよ。」
「は、はい…そう…しま…す…」
「じゃ、おぶるよ。」
「あ、ありがとう…ござい・・・ます…」
「・・・ありかさんって、こういうときってすごいあきらめないんですね…」
「まぁ、そういうときもあるってこと…かな?」
こうして、ありかは仁におぶられ、3人は基地に戻って行った。その時、空に朝日の光が広がっていた…

「ふう…間に合った。予定通り30分前。チケットはあるから、このまま船に乗り込んでいけば大丈夫ね。…それにしても、ありかは本当に気付くの早いわ…こういう時、ちょっと苦労するかも。」
すみれは、1つため息をつくと船に乗り込み、しばらく船旅になるため、自分の部屋に荷物を置き、甲板から海を眺めた。すみれは、頬に潮風を感じた。海鳥ポケモンたちの鳴き声が静かに聞こえる。すみれは、6匹のポケモンを出した。エンペルトは海に飛び込み船と一緒に泳ぎ、ムクホークは船の上を飛び、ゴローニャは近くの壁のほうにおり、ゲンガーは暗いところに潜み、フーディンは体を休め、ジュカインはすみれと海を眺めていた。
「朝は本当にあわただしかったな…」
「まあ、とにかく船に乗れて良かった。明日にはティランス地方に着く予定。段取りはもう昨日のうちにやってノートにまとめたし、今日はとりあえず、やることはないわね。」
「そうだな。今日は特にない。」
ジュカインと話しながら海を眺めていると…
「きゃーー!!」
「うわーー!?」
船内から叫び声が聞こえた。甲板にいた人たちもそれに驚き、ざわめいていた。船内で何かあったのか。
「船内で何かあったらしいわね。…警戒しながら入って行きましょう。皆、戻って。」
すみれはポケモンたちを戻し、腕のスタイラーの確認、周りの電波の状況を確認、中へとはいって行った。中の廊下や部屋の中には誰もいなかった。ただ、船長室から相談する声が聞こえてきた。すみれはコンコンとノックし、中へと入った。
「…?あなたは?」
「すみれというものです。レンジャーと、フェンドルという警察のようなものをやっています。」
「あぁ・・・知っているよ。そのチームは有名だからね。私はこの船の船長、カムイ。…あなたに見込んでお願いが。」
カムイが言おうとしたその時!ヂリリリリン!電話が鳴った。カムイは電話に出る。
「…先ほど、テレポートで甲板の人間たちも会場に閉じ込めた。さぁ、早くあれの在処を教えろ。」
「そんな物は知らないと言っているだろ…!」
「…ならおかしい。」
「お、おい!」
プー・・・相手は電話を切ってしまった。その場にいたものは顔を下に向けた。
「・・・コホン。すみませんでした。あの、お願いというのはお分かりのように今、お客様たちがステージ会場に閉じ込められているのです。犯人はある物を差し出せと言っていて―…」
「・・・わかりました。お客様たちは助けだします。ですが、行って、本当に返してもらえるかわからない。だから、上のダクトを取って行こうと思います。」
「…そうですか・・・ありがとうございます。」
そうして、すみれは上のダクトに入った。すみれはスタイラーをチェックした。もしかしたら、休みを利用してこの船に乗っているレンジャーがいるかもしれないと思ったからだ。しかし、可能性は低い。捜索システムの結果―2つの反応があった。それは、ステージ会場だった。すみれは、音のならないメールを2つのスタイラーに送る。そして、送った後、ダクトをくぐりぬけていった。そして、会場では騒ぎがあった。フローゼルとムクホーク。その2匹が相手のポケモンと戦っていた。ポケモンはライチュウとサンダース。どちらにも不利だった。フローゼルとムクホークは苦戦しているようだった。すみれはフーディンを繰り出した。すみれはタイミングを見図っていた。相手が余裕の笑みをし、油断し向こうを見たその時!すみれはダクトから素早く飛び降り、フーディンのテレポートで捕まっていた全員を甲板へと送った。すべてすみれの計算通りだった。フローゼルとムクホークはレンジャーのポケモンだったのだ。あくまでも、レンジャーのパートナーポケモンは手助け。バトルになると不利なのだ。2人のレンジャーは初めは反対したが、すみれの説明により、かけてみることにした。それは、人間の心理を突いたものだった。人間は自分より弱いものとは本気で戦おうとはしないことが多い。その中でも、このようなことをする人間は馬鹿にし、油断するのだ。その油断の中にすきがある。それをすみれは利用したのだ。すると―そこにふっと犯人の5人がいた。4人はスーツを着た部下のようで、1人は違う服を着、リーダーのようだった。
「…そういうことか。人間の心理を利用したか。」
「…えぇ。」
その言葉にすみれは冷たく無表情で返す。
「…シャイも名乗ったなら俺も名乗るとするか。俺は、リュウ。おい、お前は知っているか?風のハープを。」
「風の・・・ハープ…」
すみれは小さい頃、まだ両親が生きていたころにこんな話を聞いていた。

「ねえ、このお話に出てくる氷のフルートってこのおうちにあるんだよね?じゃあ、風のハープって言うのもあるの?」
「このおうちにはないけど、どこか、遠いところにあるのよ。」
「へぇ〜。私、お母さんが吹くフルートも好きだけど、風のハープって言うのも聞いてみたい。」
「ふふ…そうね。お母さんは見たことがあって、聞いたこともあるの。とてもきれいだったわ・・・」
「…いつか、この世界がきれいに生まれ変わったらいつか皆で一緒に探しに行こうな。」
「うん!約束だよ?」

「…知っているようだな。でも、詳しくは知らないようだな。…まあ、いい。撤退だ。部下はバリヤードを繰り出し、5人はどこかへと行ってしまった。そして、数時間後船はまた安全に動き出す。すみれの部屋では―
「ったく!いきなり戦えって言われても困るっての!」
「でも、失敗するよりはいいじゃない。」
「まあ、あの時は僕もびっくりしたよ。あ、はじめまして。僕はレイトって言うんだ。」
「私はすみれ。」
「こんなところですみれに会うなんてびっくり!私たち、昨日自分の家に戻ったの。で、ティランス地方に行かない?ってなったの。すみれは?」
「仕事で。」
そこにいたのはリズミ、ダズル、そして、レイトと名乗るレンジャーだった。レイトは過去でサトシたちがあったハジメに似ているが、小柄で表情も冷静そうだった。すみれは3人に事情を話した。
「そうだったのね。…私たちも協力したいな。」
「一回、教授に連絡するか?」
「…まあ、手伝ってくれたら嬉しいんだけど…」
「いいよ。もう、暇で十分休めたし…」
「レイトはこの前すっげえ不機嫌だったじゃねえか。」
「それは、あいつが悪いんだろ…」
「もう!そんな場合じゃないって!連絡するわよ!」
「…ありがとう。」
そうして、3人はユニオンに連絡した。すみれは窓際の景色を見ながら少し微笑み、そして、どこか遠くを見るようなどこかさみしげな顔をしていた―

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2011.3.1  18:26:43    公開
2011.3.17  20:00:30    修正


■  コメント (1)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

はい、レンジャー組出ました。これからどうなっていくかは…まあまあ期待していてください。

11.3.1  18:27  -  窮爽  (monoraru)

 

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