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人間とポケモン〜一緒に居たい〜

著編者 : 窮爽

20個目  ドールの目的

著 : 窮爽

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ルイの言葉にすみれ以外の4人は驚いた。しかし、そのあとすぐに身構え、警戒した。
「・・・今日は質問に答えようかと思っただけですよ。なんだか、すごく気になっていたみたいですからね。」
「そんなえらいさんがわざわざ答えに来るなんてな。」
そんなルイにダズルはぶっきらぼうに言う。ルイは微笑み、こう言った。
「確かに。わざわざ答えるなんて不自然すぎる…ですが、よく考えてみてください。僕達は僕達で困るんですよね。所々で邪魔をされ、探りまわられるのが。ですから、答えに来たんですよ。こちらも少しは楽になりますし、あなた方も情報が入る…まさに一石二鳥ってところですね。」
ルイは少し笑顔を作りながら説明する。それに対し、5人は話していた。
「どうします?」
「情報はほしいわよね…」
「でも、あいつのいってることが全部うそかもしれないぜ?」
「…それが本当か確かめればいい。」
「…そうね。話に乗ってみることにしましょう。」
そういうと、すみれはルイのほうを見て言った。
「…乗った。」
「そうですか。では、あなた方が知りたいことを僕は知っています。それを説明していきます。」
ルイはポケットに手を入れ、言った。ルイが知っているのはやはり力だろう。力で自分たちの知りたいことが見破られたに違いない。そして、ルイは説明していく。
「まず、3人方の安否ですが…無事です。傷はつけてません。後、あの装置の正体は…「TKS」…時、奇跡、心理…それぞれの力の言葉を合わせたものです。どういう装置かは…分かってらっしゃいますよね?・・・そして、僕達の目的…それは―」
ルイが言おうとした瞬間―ピリリリ!ルイの懐から携帯の着信音が聞こえた。ルイは電話に出る。
「・・・もしもし、…ちょうど連絡の時間でしたね。どうです?そちらのほうは。…何やら騒がしいようですが。」
ルイは落ち着いた様子でたずねる。すると、すみれたちも聞こえるような大声で相手は言ってきた。
「それが…!アルミア地方のユニオンを襲っていたら、突然フェンドルのメンバーが現れ、押されている状態です!!」
「ユニオン!?」
「おい!どういうことだ!」
「すみれは何も聞いていないの?」
リズミは驚いた様子でおり、ダズルはルイに怒鳴り、レイトはすみれに尋ねた。
「…いいえ。聞いてない。ボイスメールは?」
「来てない。」
「とにかく、状態異常などにして有利に進めてください。以上です。」
そう話していると、ルイはそう言い、携帯を閉じた。
「おい!どういうことだ!」
ダズルはルイにもう一度怒鳴った。
「…まず、襲いやすい人たちから狙おうと思ったんですよ。だって、そのほうがやりやすいではないですか。…あなた方には失礼ですが。…まさか一番警戒すべき人たちが来るとは思いませんでしたが。」
「お前…!」
「待て、とにかく落ち着け。」
「そうよ。」
そんなダズルに2人が落ち着かせる。すると、プロロロン!レイトとダズルのスタイラーにボイスメールが入った。
「おぉ!やっと繋がった!わしじゃ!シンバラじゃ!」
『シンバラ教授!』
3人はそう声を上げる。
「電波のせいじゃろうか・・・なかなか繋がらんでな。襲われていると、大都君じゃったろうか・・・その子が偶然アルミアに来ていてな!チームの仲間に連絡してくれたんじゃ!それで、何とか持ちこたえておる。しかし、状態異常が多くなってきた……レイト、ダズル、いったんユニオンにも戻ってくるのじゃ!リズミは看護役で頼む!看護役が足りんのじゃ!」
『了解!』
そうして、ボイスメールは途切れた。3人はすみれに頼んだ。
「頼む、フーディンで送ってくれ!」
「わかってる。…後、そのままフーディンに協力してもらって。ゲンガーも。この二匹は全体攻撃が得意だから。」
「悪い!」
「じゃあ、行ってくる!」
「・・・すみれたちも気をつけて!」
そういい、3人はフーディンのテレポートでユニオンに向かった。そして、携帯が鳴る。
「すみれさん。報告が遅れました。今、ユニオンのほうで捜査チームの一部の方々が戦っています。」
「…知ってる。…報告がなかったのは緊急事態だったから仕方がない。…残ってるのは?」
「勇騎さんと仁さん、礼菜さと他のメンバー、そして3人です。」
「…分かった。何かあった時は連絡するから。」
「はい。」
すみれはオペレーターにそういい、携帯を切った。そして、ありかとうなずき、ルイのほうを向く。
「・・・まさかのハプニングでしたね。…本題に戻りましょうか。…僕達の目的―それは、世直しです。」
「世直し?」
ありかは首をかしげた。ルイは少し微笑みながら説明した。
「…人間は愚かな生き物です。いろんなものを支配し、自分たちが主の世の中を作って行った…自分たちはひ弱なくせに。自分たちそれぞれが一番だと決めつけ、そのためには人を傷つけるのも苦ではない…だからこの世に悪というものが生まれるのです。…そんな人間たちを一気に立て直すにはどうすればいいか?それは…一番人間たちが頼りにしているポケモンを奪えばいいだけの話です。」
「ポケモンを奪う?」
またありかは首をかしげる。ルイは続けた。
「ポケモンは力を持った生き物です。そのポケモンを支配しているから人間たちは自分たちは強いのだと勘違いする…そこで、ポケモンたちを奪い、逆に僕達がポケモンと共に人間たちを立て直していく―ポケモンを持つのが許されるのは僕達だけ―…よく、耳にする“ポケモンとの絆”…それは本当でしょうか?人間たちがそう思い込んでいるだけでは?…本当のポケモンとの絆は一ミリ程度です。…いや、もしかしたらそもそもないのかもしれない……先ほどの思いこんでいるだけ…これは、大昔、ポケモンと人間を引き離そうとした組織の言葉なんですよ?知ってました?…関係なかったですね。…TKSを作ったのもこのため…モンスターボールさえ使えなければひ弱な人間です。」
「でも、なぜ私とすみれさんがつながりが深いんですか?」
ありかはルイを睨みつけるようにして尋ねる。ルイはふっと笑うと、答えた。
「…あなた方もよくご存じのポケモンだけの世界…これで分かるのでは?」
「人間がいる世界のポケモンをポケモンだけの世界に送り込み……人間だけの世界を作る…」
すみれはそうつぶやいた。ルイは不敵な笑みをこぼし、言った。
「・・・その通りです。ですが、数え切れないほどの世界中のポケモンを送り込むのは不可能に近い―だから、伝説の扉…孤界門を召喚するのです。」
「孤界…門?」
ありかは首をかしげた。すみれもさすがにこれを聞いたことはなかった。
「孤界門…それは、分離するために編み出された門…つまり、ポケモンを向こうの世界に吸い込む―…しかし、送りたくないポケモンがいる場合は想像すればいい話ですが…そレでやっと、理想の世界を組み立てることができる…その召喚方法は…希望の3楽器である音楽を奏でる…いつも奏でている音楽ですがね。」
ルイはそういうと、ラッパを奏でた。
パパパパパ〜 パパパ〜 パーパーパパーパパー(ポケダンの時の海を越えて)
そんなメロディが砂漠中に響き渡る。
「…後、もうひとつ教えておきましょう。何故、パートナーポケモンのいない僕が力を使えるのか?」
『……』
「…僕にはパートナーポケモンがいないともうわかっていたでしょう。そして、心を読むにはその人に触れなければならない。・・・それは、願いをかなえてもらったんですよ。」
「願いを?」
すみれは警戒しながら尋ねる。
「…それは僕がまだ幼いころだった―」

僕は、一人で森を歩いていました。…僕には友達がいませんでしたから。何気もなく歩いていると、ある水晶のようなものを見つけました。・・・その森は昔願いの森…と呼ばれており、願いをかなえるポケモンがたびたび水晶の姿で見つけられたからだそうです。僕はそれを親に秘密で持って帰りました。そして、しばらくしてとうとうその時はきた。そして、僕は言いました。
僕の力を…何も頼らず…近づかなくても…発揮できる力にしてほしい…
すると、そのポケモンは僕の願いをかなえました。それから、僕は遠くにいる人でも心を読むことができました。

「…今、僕を悲しい人だと思いましたよね。…僕にはそれが理解できない。」
ルイは暗い顔をし、すみれに言った。ありかはすみれのほうを向く。
「すみれさん?」
「…人は確かにひ弱。人は人同士で協力する。何かに頼らないと生きてはいけない。ポケモンは確かに力を持ってる。…でも、ポケモンも人間と同じようにポケモン同士で協力する。そして、自然に頼っている。…人間は確かに間違ったことをする。…言ったわね?自分たちが支配していると思っているから悪は生まれると…でも、悪は初めからある。ポケモンだってそう。…いきもの全部そう。…そんな生き物同士だからこそ共に生き、共に協力し、支え合えなければならない。…人間とポケモンとの絆は…ある。私が保証する。だから、手を貸す気にもならない。」
「すみれさん…」
「…それがすみれさんの答え・・・ですか…」
その時のすみれのまなざしは覚悟を決めている、何か決意をしているそう思わせるようなまなざしだった―

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2011.3.17  21:26:41    公開


■  コメント (3)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

問題無いですよ(^−^)
ルイのような敵キャラは結構後々怖いですよ・・・どんなふうに怖いか今後に残しておきます!
ジュカイン「おい、この回で俺が出るのはまずくないか?」
…大丈夫さ。次回を見てくれればみんな理解してくれすはずさ☆(キラッ

11.3.17  23:02  -  窮爽  (monoraru)

こんばんは〜
コメント遅れて超すみませんでしたっっっ;;
何だか一気に重大な言葉がでてきましたねぇ〜
願いの森 願いを叶えたポケモン そして人間の絆と、悪。
ルリとすみれの考えは大きく違っているようですね!
私はすみれの意見に賛成ですよ(^・。・^)でも
ルイが言っている事も一理あると思いますが(どっち
では、これから頑張ってください。影ながら応援しております><

11.3.17  22:17  -  papiko  (papiko)

ドールの目的が暴かれました。すみれの思いは?…次回考え中でーす

11.3.17  21:27  -  窮爽  (monoraru)

 

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