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人間とポケモン〜一緒に居たい〜

著編者 : 窮爽

15個目  たとえ、どんなに情けなくても

著 : 窮爽

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[すみれの悪夢]
すみれはとりあえずあたりを探索することにした。どこまかしこも闇。すると―
「お父さん…お母さん…必ず・・・!」
そこには幼き頃のすみれがいた。その顔は憎しみで満ち溢れていた。
(・・・あの時、私は奴らに復讐しようと誓ったんだ…でも…そこから周りの人たちも憎く感じていったんだ…)
すみれはそんなことを思い出す。そこから頭に過去の出来事が高速で流れ込んだ。
「あんたは最高の殺し屋だ。」
「いやー、君に盗みの依頼を頼んで正解だった!」
「あなたの心は美しい闇で染まっていて素晴らしい。」
「まさに天才だ!」
そんなほめ言葉をすみれは浴びせられ、育ってきた。しかし、そのほめ言葉は決して嬉しいものではない。そして、途中でそれは途切れる。すると、そこは覚えのある場所だった。
(たしか…ここであいつと出会ったんだ…)
この場所はすみれが勇騎と初めて出会った場所だった。いつもそこには勇騎がいて、すみれのことを見ていた。
(・・・そして…そこから私の人生は変わったんだ…)
すみれはその時の様子を思い出す。詳しくは暗黒の世界編の小説で見てほしい。そして、すみれが声をかけるところまで来た。
「…何?」
「君を消しに来た。」
(・・・セリフが違う…?)
すみれはその光景に驚いた。そこから何日も早く変わっていく。
「君は、残酷だ。言葉ではほめられているのに、中身はすごい憎しみであふれている。…君は、いてはいけないんだよ。君がいるから、この世界の人たちは苦しむ。…君が罪を犯すせいでね。」
「…!」
バン。その場に過去のすみれは倒れた。周りは赤く染まっている。
「…これは…」
「残酷だよね。褒められることって。」
驚くすみれに勇騎が話す。
「ほめられて、それで成長する…確かにそうだけど、君の場合は犯罪だよね。それをほめられれば、だんだんエスカレートしていく。」
「……」
「君はたくさんの人を苦しめた。君は悪魔のような存在なんだ。」
「……」
「だから…君はいてはいけないんだ。」
周りには人々がいる。すみれはしばらく黙りこんだ。そして、口をひらいた。
「確かに、私はたくさんの人を苦しめた。悪魔のように。でも、そこで終わるわけにはいかない。そこから変わっていかないといけない。そして、いろんな人たちを助けていく…それが私の償い。償っても償いきれないけど…でも、少しでも…いや、いろんな人を助けていかないといけない。変わって、そこからどうしていくか・・・それが大切なことだと私は思う。」
そして、すみれはためて叫んだ。
「人の過去を…勝手にのぞいて…勝手に変えるんじゃない!」
そこで目を覚ました。見ると、ありかが立っている。手を差し伸べるリュウに応えようとするありか。すみれは立ち上がり、ありかの手をつかんだ。
「ありか!!」
すみれは叫んだ。ありかはこちらを振り向く。
「……」
「……」
しばらく二人はお互いの眼を見つめていた。するとリュウはため息をつき―
「…まさか、俺のムウマージの悪夢から脱出するとは…」
「…ありか。」
「……」
すみれはリュウの言葉など気にせず、ありかに話しかける。ありかはすみれを睨みつけるように見ていた。すると時空の叫びが起きた。頭にありかの見た悪夢が流れ込んだ。すると―
「……!」
ありかはすみれの手を振り払う。そして、モンスターボールを構える。
「…やるか・・・」
リュウはそんな様子を見てつぶやく。
「…ありか…」
すみれはそういいながらモンスターボールを構える。そして、ありかはミロカロスを繰り出す。すみれはジュカインを繰り出した。ミロカロスは驚いた様子でありかを見た。ありかはそれを全く気にしない。ミロカロスはすみれのほうを見る。
(…大丈夫。ミロカロス、しばらく・・・)
すみれはそう思いながらミロカロスを見る。ミロカロスは眼をつぶり、うなずく。
「冷凍ビーム。」
ミロカロスは冷凍ビームを繰り出した。
「かわしてリーフブレード!」
ジュカインはかわし、追いつけないほどのスピードでリーフブレードをミロカロスに浴びせる。
「…絶対零度。」
ミロカロスは絶対零度を繰り出した。
「ジュカイン、ジャンプして、ソーラービーム!」
絶対零度をジュカインはジャンプしてかわし、ソーラービームの準備をする。しかし、霧で集まりにくい。
「…冷凍ビーム。」
ミロカロスは着地地点に冷凍ビームを放つ。ソーラービームはなかなか集まらない。
「落下速度を上げて!」
ジュカインは体勢を変え、落下しやすい体制になる。そして、冷凍ビームが来る直前に着地し、素早くジャンプしてかわす。そして、チャージが終わり…
「ソーラービーム、発射!」
ソーラービームが放たれた。ソーラービームはミロカロスに向かう。
「…冷凍ビーム。」
ミロカロスは冷凍ビームを繰り出す。二つの技がぶつかった。相性ではミロカロスが有利だが、威力ではジュカインが上だった。そんな関係があり、発展がない。2匹はお互いに威力をあげる。そして―
ドン!そこで爆発した。そして―
「リーフブレード!」
ジュカインは煙の中からミロカロスに向かってリーフブレードを繰り出した。リーフブレードはミロカロスにヒットし、ミロカロスはその場に横たわる。さっきの爆発でか、ダズルとフローゼルが目を覚ました。
「なんだ?」
「フロ?(うん?)」
お互い状況がつかめない様子だった。その時。
「ムウマー!(終わりよ!)」
ムウマージはジュカインにシャドーボールを放った。不意を突かれ、かわしきれないと思ったその時!
「アブソル、かまいたち。」
かまいたちがシャドーボールに当たり、その場で爆発した。すると、ムウマージに…
「カメックス、ハイドロポンプだ!」
ハイドロポンプがムウマージにヒットした。ムウマージは急所にあたり、地面に降り立つ。そして、霧が晴れた。その時、すみれはありかに向かっては走り出し、抱きついた。
「大丈夫…って言うか、だれがそんなこと言った?私、言った覚えないんだけど?」
「……」
「…一人一人には必ず一つは役割がある。その役割は自分がいないといけない。…存在しなくていい人…いや、生き物はいない…」
「……」
「そのために一人、一匹一つには才能がある。ありかの才能は力じゃない。…人一倍人を信じて、人一倍人にやさしくできる…それが、ありかの才能。」
「……」
「当たり前の事かもしれないけど、当たり前じゃない。なかなかそれを実行するのは難しい。…そんな才能をありかは私に使ってくれた…あの時、氷のように冷たい私に才能を使ってくれた…」
「……!」
ありかはある記憶を頭によぎらせた。ある日の何げない時にすみれはつぶやいた。今と同じ言葉を…ありかはしばらく黙りこみ、言った。
「そんなすみれさんの才能は…他の人を助け出すってことですね。」
「…それ、前にも聞いた。」
「すみれさんだって、それ前にも聞きました。」
ありかはそういい、ほほ笑む。すみれは手をはなし、微笑み返す。すると、突然現れた大都と玲が駆け寄ってきた。
「ふぅ〜!間にあった〜!」
「どうして、分かったんですか?」
「…すみれたちの位置情報が動かなくて、何かやってるのかと思ったんだ。それで、俺たちが来た。…この馬鹿と行かないといけなかったのが残念だ。」
「聞こえてんだよ!」
「こんなところでやらない。」
「サンキューな!おかげで霧が晴れたし、ムウマージが倒れたら急にリズミとレイトもふって表れたし。」
「…後は…」
すみれがそういうと、一同はリュウのほうを向いた。
「…お仲間の登場か・・・…どうにも心理を突こうともいつも失敗する…その理由が今わかった。お前がそいつらの心に言葉をかけるからだ。」
リュウはそういいながらすみれを見る。
「…確かにそうかもしれないけど、それ以上に仲間がいるから。だから、希望が持てる。」
すみれはそういい、ジュカインと眼を合わせる。そして、リュウを見る。
「…やりたい気持ちは山々だが…無意味なバトルはしない主義でな。…」
リュウは現れたスリーパーのテレポートで去って行った。そして、次の街、コルンタウンのポケモンセンターでは…
「じゃ、俺らは明日帰るから。」
「…やっと馬鹿と一緒にいなくて済む。」
「だから聞こえてんだ!こっちは!」
「やめなさいよ。みっともない…」
「なんだか、すみれのチームって賑やかそうね!」
「にぎやか過ぎて困るっていってたっけ?」
「そう。」
「なんだか、すっげえ盛り上がってそうだな〜。」
「想像以上ですよ?」
「ありがとうね。助けてくれて。」
「ありがとう。」
「いやいや、いいんだ!」
「…お前の考えてることはだいたいわかる。」
「ストップ。」
「あの…すみれさん…」
「ん?」
「あの時は私…疑ってしまって…ごめんなさい…ミロカロスも。
「いい。大丈夫。」
「ミロ。(えぇ)」
「…ありがとうございました…」
そうして、その日を終えた。そして、大都と玲は帰って行った。すみれたちはコルンタウンを回ることにしたのだった―

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2011.3.13  16:08:48    公開


■  コメント (3)

※ 色の付いたコメントは、作者自身によるものです。

一回頭脳的なキャラを作ってみたかったんですよねぇ。敵キャラで。
ユランさん、コメありがとうございます!しかも、こんな大変な中!

11.3.13  23:06  -  窮爽  (monoraru)

こんばんは〜
流石すみれ、やっぱり前回みたいな事なんて言いませんよね〜
アハハハ^^;(騙されていた人
リュウは恐ろしいというより卑怯ですねぇ(怒
記憶を勝手に変えるなんて・・・
では、続きを楽しみに待ってます〜^^

11.3.13  22:55  -  papiko  (papiko)

連続で更新です。奇跡か!?これは!!

11.3.13  16:09  -  窮爽  (monoraru)

 

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