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受け付け店〜希望を〜
16個の音色 休日
著 : 窮爽
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「お、夜侍っち、いい所に来たねぇ?」
「だからその呼び方は駄目だって…」
朝。
食堂に来るなり堅筮は唐辛子スープを啜りながら言ってきた。
僕はため息交じりで言う。暗雌は知らんふり。
「で、何でいい所に?」
「あー、そうそう。ネーイティオの話によるとね、今日はお客さんが来ないみたいなのさぁ。」
「それを知らせようって所に夜侍雫さんが来たんです。」
堅筮の話に続き堪楙さんは紅茶を啜りながら言った。
って事は今日は休みって事…?
「ハハ…僕等は仕事ですね…」
「そうですね。」
苦笑しながら言う勇騎さんに対し、堪楙さんは平然と答えた。
…僕は体を休めておこうかな…
と、その時。
プルルル!
「私のライブキャスターですね。」
堪楙さんはそういってポケットからライブキャスターを取り出し、ボタンを押した。
誰からだろう…
『もしもしー?姉ちゃん繋がってるっスカ〜?』
「それぐらい自分で考えろと言っているでしょう。」
そんなのんきな声に対し、堪楙さんは尖った口調で言った。
姉ちゃん…?弟かな…
「あの声は摩瑠さんと言って、カントーのチャンピオンのマネージャーをやっているんです。堪楙さんの弟さんでもあるんですよ。」
「へぇー…」
勇騎さんがそう説明した。
『自分だって好きで掛けてるわけじゃないっスカラネー?』
「だったら掛けないでください。じゃあ『この馬鹿!何やってんだ!?』」
堪楙さんが切ろうとするとその声が消えてしまうほどもの怒鳴り声が聞こえてきた。
『えー?だってっスネー…あー、分かったっスヨー。…自分でやればいいと思うんスケドネ?』
『お前、いい加減絞めるぞ。』
電話の向こうでそんな言い合いが聞こえてくる。
「怒っている方がカントーのチャンピオン、想現真さんです。いつもあんな調子なんで気にしなくてもいいですよ。」
またもや勇騎さんが説明した。
…短気ってことかな…?
『姉さん、ちょっと重要な話ッスンデ、ちょっと席を外してほしいッス。』
「はぁ…分かりましたよ。では、少しの間。」
堪楙さんはそういうと向こうの廊下に向かって歩いた。
そして何か話している。
暫くして―
「…失礼しました。では、勇騎さん。仕事に行きましょう。」
「あ、はい。」
堪楙さんの言葉に勇騎さんは立ちあがった。
そして2人は屋敷を出て行った。
…結局、何を話していたんだろう…
「まー、私達には関係ない話だから気にしなくていいよ?」
「何で堅筮がそんなこと知ってるのさ。」
「私には隠し事なんてできないのさぁ?」
「…なんだか、いっつも聞くわね。その言葉。」
堅筮の言葉に暗雌はため息交じりで言った。
…確かに。僕もそう思うよ。
堅筮は「そうかい、そうかい」と言って唐辛子スープを飲んだ。
「オレにも唐辛子スープよこせ。」
「何で私が用意するんだい?そもそもお前にやる私の好物達は無いんだよ。」
シャンデラがモンスターボールから出てきて堅筮に行った。
堅筮はローブの下の目を細めながら言った。
僕と暗雌は顔を見合わせてため息をつき、自分の部屋へと戻った。
僕はベットに寝転がった。暗雌はテーブルの上に丸まった。
「…今日は少しゆっくりできそうだね…?」
「…そうね。」
僕の言葉に暗雌はそう答えた。
次第に僕等は眠りに就いた―
2011.5.30 23:26:00 公開
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