- 役割論理はネタなのか?
今になってはあまり見かけなくなりましたが、
「役割論理=ネタ」
のように勘違いされている方もいらっしゃるかと思われます。
そもそも役割論理は、それ自体が役割理論から派生した論理であり、コンセプトも全く間違っていません。
役割を持つためのH振り、決定力を持たせるためのAorC振り、基本交換戦なのでS無振り。
100歩譲ったとしても、「あり得ない発想」ではないはずです。
特に、この「決定力を持たせるためのAorC振り」という概念は、第四世代の役割理論ともろ被りになる内容です。ダメージレースに勝たなければ勝負に勝てません。
そして、第五世代
益々役割論理が有効な論理となる環境が整いましたね。少し前まで見られたナットゲルは、今や減少傾向にあります。そう、受けの崩壊ですね。この流れを読んでいたという方は多いのではないでしょうか?種族値データを見渡せば、Sインフレや種族値上での火力インフレの多発、シャンデラのC145に思わず目を疑った方も少なくないはずです。
格闘インフレにより、第四世代の要塞とも言えるブラッキーも遂に消滅に追い込まれてしまいました。
オノノクスやコジョンドと言った偽役割の範囲でパーティー半壊を目論むポケモン達にはどのように対処すればいいのでしょうか・・・?
今こそ、役割論理の時代です!!
オノノクスやコジョンドは、狙い通りのタイミングで出されると二進も三進もいかなくなるポケモンです。しかし、この手のポケモンに例外なく言える事があります。それは、
耐久が低い
と言う事です。
どれだけA(orC)が高くても、二倍以上で無ければ1確にはさせない!!
これが役割論理型のポケモン、所謂ヤケモンです。そして、その低い耐久に一撃を以て撃沈させる力を持つのもヤケモンであるといえるでしょう。例えば、Bが微妙にあるウルガモスを1確で持っていけるのもヤケモンだからこそです。
- コメントで頂いたQ&A+α
Q.何故H振りなのか?
A.最下部の耐久力指数をご覧になれば分かる通りですが、このパターンが役割的に良い指数だからです。物理を2確・乱2〜3確にし、特殊を3確〜4確に出来ます。
圧倒的火力と神読で一気にけりをつける積りならばAB振りでも良いですが、役割的に無駄がある上、上級者向けであるとも言えます。役割に特化させるならAD振りでしょうね。しかし、B指数について、HA振りとの差である6000は、2確か3確かの分かれ道になるため注意が必要です。
Q.補助技を使わないのは何故か?
A.無償降臨を許すだけだからです。
これはネタ発言ではなく、こいつの場合本当にその通りになってしまいます。
眠る・鈍い・欠伸この辺りが候補になるのでしょうか?
眠るの欠点は矢張り一回しか使えないという点にあります。更に、鉢巻を持たせられないため、攻撃が2/3となってしまいます。指数の関係上、絶対にあってはなりません。これ(bw/700)をご覧になって下さるとよくお分かりになられるかと思います。耐久力指数60000を有するポケモンを確実に2確で狩るためにはどうしてもこの数値が必要なのです。
鈍いは論外でしょうね・・・物理ATに多い技はズバリ格闘技です。私は66を一回もやった事がないので大きなことは言えませんが、鈍いは66には適していたとしても、63、殊に今世代の63では絶対にあり得ません。
欠伸、これは確かに優秀な補助技でした。こいつとの相性もかなり良い技でした・・・、第四世代までは。今では、状況は一変しています。
欠伸で流せない
ということです。重複催眠が可能なため、流し性能が劣り、カビゴンがそのまま狩られてしまう可能性が高くなりました。当然、没です。
拘れない事自体がきついのに、これらの補助技を入れるという利点が私には思いつきません。
ここからは役割論理に対して、予想されるQと、それに対するAです。
Q.高速ATにどう対処するのか?
A.後出し等で普通のパーティーと何ら変わりなく対処できます。
どれだけ高速で火力が高いポケモンであっても、殆どのポケモンを1確では落とせません。それも、仮令拘っていたとしても、です。フーディンやゲンガーなど、これらが珠持ちであっても、矢張り等倍以下では落としきれない事が多いです。ついでに言うなら、眼鏡でも同様の事が言えます。ですから、きちんと技を読んで後出しをすれば確実に狩る事が出来ます。
Q.まもみがやLv.1系無限等、これらをどのように対処するのか?
A.基本的にはみだれづきなどの連続技で対処します。
尚、連続技が覚えられないヤケモンばかりでヤーティーを構成した場合は、この場合のみLv.1系無限を処理するための変化技を使用します。ただし、これはまずあり得ない話なので、決して真に受けないで下さい。
例として、
・ロトム 控えめHC@プレート水
ドロポン/雷/めざ氷or炎/(スペース)
があります。
このスペースには悪の波動か影玉が入りますが、どちらも四倍弱点をつけない上、仮想的を考慮すると、ドロポンの方が威力が上になります。次の候補が「ねごと」ですが、ガッサならタネ爆弾、キュウコンならエナボ・ソラビと、こちらを打たれる事になり、上手く機能しません。仕方がないので耐久ポケ対策の鬼火を選択、という流れになります。
ここまで考えた上での技選択なら文句はないでしょう。しかし、逆に言えばこの位の考察を行った上でしか、変化技を入れてはいけません。矢張り、基本は連続技での対処となります。具体的にはヤラクロスのみだれづき、ヤサイドンのロックブラスト等です。
Q.サイクルの回っている序盤には強そうな印象だが、終盤はどうするのか?
A.特に問題点はありません。ヤケモンは、打ち合いにとても強いです。
今世代は初手ゲーでもあります。要するに打ち合いgということです。となれば、ヤケモンが大暴れできる、と、こういう構図になります。圧倒的火力と耐久力の両方を持っているヤケモンは、相手に積み技を許しません。テンプレを読んで積んでくるポケモンがいれば、更においしいですね。スカーフすり替え型のポケモンに鉢巻と交換されるという事もありましたwww
Q.ヤケモンは、奇形の一種なのでは?
A.確かにその通りですが、ヤケモンがテンプレのポケモンも存在します。
ゴルーグ・ドサイドン・サザンドラ・バンギラス・ジバコイル・ラグラージ…と、挙げればかなり存在します。奇形と言うと、ある1パターンの戦略が通るか通らないかが勝負の分かれ目、のような印象を受けますが、ヤケモンの勝ちパターンは1つどころではありません。多彩なタイプの攻撃技を有し、その圧倒的な火力によって、一匹で様々なポケモンに役割を持てます。故に、あらゆる状況に柔軟に対応出来、勝ち筋を見出しやすいのが特徴です。
それでは、育成論に入ります。
- 技
・おんがえし
指数は最大威力前提で40851です。
基本的にはこれを打つ事になります。
・じしん
指数は二倍前提で53400です。
グロス・ドサイなどに刺さります。捨て身タックルが効かない場合の次の手となる場合が多いです。
・ほのおのパンチ (旧作のみ)
指数は四倍前提で80100です。
ノオー・納豆や銅鐸と、打つ相手はかなり限定されていますが、必要な技ではあります。
・かみくだく
指数は二倍前提で42720です。
玄ピンポです。影玉読みや偶発対峙から狩るパターンです。これが彼への有効打となります。(気合玉は一回なら耐えます。)
ここからは候補技です。
・れいとうパンチ (旧作のみ)
指数は四倍前提で80100です。
ガブマンダピンポです。グライオンにも刺さります。
・ワイルドボルト
指数は二倍前提で48060です。
冷Bを受けた後水タイプに打ちます。反動に注意して下さい。すてみタックルを使用しない場合のみ有用性があります。すてみタックルと両立させる場合、ギャラピンポなだけになってしまいます。
・メガトンキック (FL・Eのみ)
指数は48060です。
恩返しの代わりに入れる事になります。
- 運用
1.基本的に、冷B・文字を受けて出ましょう。
2.有効打をそのまま打って構いません。
但し、ゲンガー・ブルンゲル・デスカーン等、ゴーストタイプの交換を読める場合は、地震か炎Pを打って下さい。その後、ゲンガー以外には打ち合えないので引っ込める事になります。
- 具体的な仮想的とそれらの確定数
与ダメ
・恩返し
図太いHBシャワーズ 53.1%〜62.4%
図太いHBヤドラン 46.5%〜55.4%
うっかりやCSボーマンダ 60%〜71.1% (威嚇込)
・地震
意地っ張りHAメタグロス 72.7%〜85.5%
意地っ張りADドサイドン 71.5%〜84.2%
・炎P
勇敢HAユキノオー 160.4%〜190.8% (1確)
慎重HDナットレイ 112.7%〜132.5% (1確)
・噛み砕く
臆病CSゲンガー 149.6%〜176.2% (1確)
被ダメ(HA振りの場合)
・図太いHBシャワーズの波乗り 20.2%〜23.9%
・図太いHBヤドランの波乗り 19.1%〜22.4%
・うっかりやCSボーマンダの珠流星群 52.4%〜61.7%
・ 〃 珠逆鱗 59.9%〜70.4%
・意地っ張りHAメタグロスのプレートコメパン 61%〜72.2%
・意地っ張りADドサイドンの鉢巻地震 78.6%〜92.5%
・勇敢HAユキノオーの吹雪 11.2%〜13.4%
・ 〃 ウッドハンマー 47.5%〜56.1%
・慎重HDナットレイのパワーウィップ 34%〜40.4%
・臆病CSゲンガーの珠気合い玉 61.4%〜73%
- 耐久力指数
B…56738 D…87743
D指数は相当高いです。通常、Hに振った程度では耐久力指数は50000程にしかなりません。B指数も、並以上あります。場合によっては物理技も乱2にまで出来る可能性があります。少なくとも、物理格闘技でもない限り1確にはならないでしょう。
他の振り方
・AB振りの場合
B…69030 D…77290 殆どのポケモンに対応させたいのならこうでしょうか。おすすめは出来ません。
・AD振りの場合
B…50150 D…95580 物理ATには対応できない耐久力ですが、問題は無いかと思われます。
- 考察は以上です。