ミルホッグは一番高い種族値が攻撃の85、次いで素早さの77。
それ以外は70にも満たないというあまりにも低水準なステータス。
ラッタと比べても素早さは圧倒的に低く、攻撃もさほど差がありません。
しかも攻撃技はラッタの方が優秀であり、攻撃型をやってもラッタに個性をすべて奪われてしまっているという始末。
ラッタと比べてる時点でものすごく底辺の争いですが、攻撃型として使うとそのラッタにさえ負ける……もう絶望的です。
今回の育成論は使用ポケモン自体の実用性がメジャーなポケモンと比べて低く、差別化だの劣化だのいう言葉をはねのけられない可能性があります。
そのため、ガチ環境においての実用性は保証できませんのでご了承ください。
それでもミルホッグの限界を追求していこうと思います。
・性格
やんちゃ
さみしがりでもかまいません。
攻撃を上げてタスキの発動率を上げるために防御能力を下げます。
・特性
するどいめ
はっこうは戦闘中に効果が無い為除外。
隠れ特性であるアナライズは解禁されていないため除外。
消去法でするどいめです。
タスキ+じたばたを考えるとアナライズが理想なだけに残念。
・努力値
攻撃252 素早さ252 特攻6
抜ける限りは抜きたいため最速で。
タスキの発動率を確実にするため+じたばたの威力を出す為に攻撃に。
あまりはタスキ意識で特攻にでも。
・持ち物
きあいのタスキ
一撃死が無くなります。耐久の低さをこれで補います。
連続技は耐え切れないので注意。
・確定技
いかりのまえば
相手の現HPを半分にします。
火力のないこの子で最も最大ダメージを期待出来る技です。
ただ、この技でとどめをさすことは出来ません。
でんじは
相手を麻痺状態にします。
麻痺状態は素早さが四分の一になり、素早さ極振りのこの子ならまず抜けるようになります。
また、25%程度の確率で相手が動けなくなることもあり、足を奪うという表現がピッタリな技。
混乱やメロメロと違って交換しても残るため、麻痺をどれだけばら撒けるかが鍵となります。
また、催眠状態にかけたのち、交代を読んで交代先にでんじはを置くのもありです。
さいみんじゅつ
命中難、かつ麻痺との両立は不可能です。
麻痺と違ってハイリスクハイリターンなため安定性に欠けます。
ローリターンではないので充分一考の価値はあります。
というか命中率60%なのに、実質1〜3ターンで目が覚めるという見返りの少なさもでんじはより「状態異常にかける」という観点でいえば安定しません。
ただし、眠らせてしまえば確実に1ターン以上を行動停止にするのは非常に強力。
この子を使う時点で安定性も何も無いので、ハイリターンを望める技も多いにアリです。
・選択技
いばる
相手の攻撃ランクを2段階上昇させ、混乱させます。
攻撃力が2倍になるため混乱の自滅ダメージも強烈ですが、自滅しなかった時はその火力がこちらへ向く為物理アタッカーに使うのはとても怖いです。
混乱で行動を制限することで交換を誘うのが主な役割。
麻痺と重複可能で、混乱を乗り越えても麻痺で動けないなんてことも。
ひかりのかべ
5ターンの間特殊ダメージを半減します。
無駄の無い安定行動ですが、メロメロが異性に限定するならこちらは特殊に限定します。
どちらも状況や相手によっては無意味になりますが、特殊に対する牽制と言う意味ではこちらのほうが便利。
メロメロ
異性をメロメロ状態にします。
同性には失敗するのが難点ですが、いばるとちがってデメリットが無いことが決定的な違い。
また、麻痺と混乱の二つと重複します。
メロメロになって混乱して麻痺にもなったら動ける可能性がかなり低くて交代しないとまともに何も出来なくなりかねません。
♂比率の多いポケモンが多いため、♀のほうがメロメロを使える機会は多いです。
三重にステータス異常にかければ早々動けません(そううまくいかないけど)
催眠術で1ターン止める確率が60%なら、こちらは50%。
相手を選ぶので採用は難しいかも。
じたばた
いかりのまえば、もしくはいばると選択で。
タスキ発動時でタイプ一致で威力300もの攻撃力になります。
いかりのまえばと違い防御無視ではないものの、この子で倒せる可能性が生まれます。
攻撃に振ることで予想外の火力を発揮します。
候補技では最有力候補。
・繰り出し性能
ゴースト技読みか、死に出しのどちらかです。
後にとっておいてもしょうがないので、早いうちにこの子を出してしまう方がいいです。
・運用方
運用に入る前に、ミルホッグを出すことで相手がどう思うかの考察を。
実際の使用を踏まえた考察なので、環境により多少違う可能性もありますがご了承ください。
見ての通り種族値は低く、攻撃技もラッタに劣り、特に素早くも無い為補助もまわせないと非常に弱い部類に入ります。
ミルホッグなんて雑魚だし、今のうちに態勢を整えよう……と積みの起点にしたり回復に走ったりととにかくあらゆる起点にされやすい。
この子を対戦で出すと、6段階積もうと試みたりもうほんと大変。
ようするに決定力から何まであらゆるものを誘いやすい。
そんな色々と誘いやすい『弱さ』に着目しての今回の技構成です。
自分より早い相手 でんじはorさいみんじゅつ→いばる
自分より遅い相手 さいみんじゅつorいばる→でんじはorいばる
これがこの子の基本的な立ち回りとなります。
自分より早い相手にはまずタスキで耐えてからでんじはで素早さを下げる。
次のターンにはこちらが先手を取れるため、更に妨害する技で行動を制限します。
相手が連続技で攻撃とか出ない限りタスキで耐えるため無駄死にもなく、また交換して起点にしようとしてもそこに電磁波がささるので味方へつなげやすくなります。
さいみんじゅつは相手の素早さに関係なく使えます。
相手の特性や状況などにあわせて眠りか麻痺か混乱かを選んでください。
また催眠術が成功して機能停止になれば入れ替えることも少なくなく、眠らせることに成功したら今度は交代先にでんじはなどをあてていけます。
とにかく相手の足を可能な限り奪い、続く味方を有利にしてください。
二体以上を麻痺に出来たり、二体以上をHP半分に出来たりすれば充分な成果です。
相手の足が鈍っているため、残りのメンバーを安定して動かしやすくなっているはずです。
相手が素直に殴ってくる可能性も充分ありますが、でんじはやさいみんを置いた死に出しサポートにはなります。
・じたばたのダメージ計算
※威力は200、タスキ発動後を前提としています。
※レベル50、こちらの攻撃努力値252、互いの個体値は31を想定しています
HP6振りウルガモス
割合: 123.6%〜145.9%
回数: 確定1発
HP6振りアーケオス
割合: 65.5%〜77.4%
回数: 確定2発
威嚇込みHP6振りギャラドス
割合: 66.6%〜78.9%
回数: 確定2発
(威嚇なしなら確1、自信過剰も解禁されているため一応)
HP6振りガブリアス
割合: 79.8%〜94.5%
回数: 確定2発
HP6振りサザンドラ
割合: 91.6%〜108.9%
回数: 中乱数1発
HP6振りヒヒダルマ
割合: 124.8%〜147.5%
回数: 確定1発
HP6振り スターミー
割合: 117.6%〜139.7%
回数: 確定1発
HP6振り サンダース&コジョンド
割合: 149.6%〜177.3%
回数: 確定1発
HP252振り ハッサム
割合: 40.1%〜47.4%
回数: 確定3発
HP6振り オノノクス
割合: 101.3%〜120.3%
回数: 確定1発
HP6振り ビリジオン
割合: 110.1%〜129.9%
回数: 確定1発
HP252振り フリーザー
割合: 72%〜85.2%
回数: 確定2発
HP6振り アルセウス
割合: 61.7%〜73.4%
回数: 確定2発
※ただの目安です。
HP252振り ナットレイ
割合: 30.9%〜36.4%
回数: 中乱数3発
やはりタイプ半減以下は突破できません。
種族値的とタイプの両面で岩と鋼には前歯の方が通りそうです。
しかし攻撃種族値85とはいえタイプ一致は馬鹿に出来ないようで、タスキカウンターのように打ち返すことも出来そうです。
この子より素早い、極振りの種族値77を抜いてくる速度の相手は耐久に振ってないことも多く驚くほど意表をつくことも可能です。
カウンターと違ってはスターミーやサンダースといった特殊型も返り討ちに出来るのが利点でしょうか。
仮に相手を返り討ちにしたあと、相手がHP1のこの子を起点にしようとしても電磁波や催眠術があるため積む隙を見せづらいのも利点でしょうか。
ミルホッグを使う上で、タスキ+じたばたは欠かせないものとなりそうです。
まとめ
どうしても運要素が多くなりがちですが、連続技を喰らわなければ最低でも一度は行動のチャンスがあり、そこからは運次第でどんどん相手に嫌がらせをしていけます。
といってもそれは運がよければの話。
基本的にはいばるで流し、催眠術や電磁波で足を止め、壁やメロメロでさらに流しやすさを助長するのであって『運要素は付加的』なものです。
……まあそれでも運要素が抜け切らないのは確かです。
催眠術60%だし、相手がまっすぐ殴ってきたら3ターンもたないし。
でもポイントはミルホッグ自身が弱いことで相手が余裕を見せやすいこと。
積んだり回復に走ったり……そんな余裕を見せたら最後、行動ががんじがらめに縛り取られます。
この種族値ですから何も出来ないだろう、なんて思ってくれればしめたものです。
とはいえ、相手プレイヤーと運に負担する部分があるため安定してるとは言いがたいです。
麻痺をまくだけならでんじは覚える子にタスキを持たせるだけでいいわけですしね。
それでもミルホッグの行動において「無駄死に」するリスクは極限まで減らし、またいかりのまえばを組むことで個性は出したつもりです。
一番怖いのは真っ直ぐに攻撃されることかもしれません。
でもそれも、じたばたで結構返せるためあまり気にならないかも。
どちらにせよ低種族値ポケモンゆえに対策されづらく意表をつきやすいのは確かです。
うまくいけば伝説ポケモンさえこちらのペースに引き込めるかもしれません。
そしてそれが成功した時の嬉しさは格別です。
うまくいかないことも多いのですけどね;
不遇なミルホッグだけど、種族値の割には結構がんばってくれますよ!
実際ランダムマッチでは流れる(もとい起点に変える)ことは多いですので。
逆にミルホッグを見たら油断せずキッチリ叩き潰しましょう。