今回はダブルバトルの補完です。
最近(正確にはちょっと前から)に増加したスカーフバンギラスについて考察していきたいと思っています。バンギラスは前々から書かなくてはと思っていたのですが、どうせ書くんなら環境に即していたほうがいいだろうと。。。
一応テンプレはヨプその他のバンギだと思うので、必要がありましたら投稿したいと思います。
- バンギラスについて
600族ですが、特性で自身の特防を1.5倍にしているので実質はそれ以上のスペックを持ちます。種族値詐欺。
ダブルバトルではスタン構築の物理アタッカーや雨パの対策、砂パ始動役として絶賛大活躍中です。
一致噛み砕くや高い特殊耐久でダブル環境からラティオスを駆逐した張本人です。
火力や耐久力はカビゴンと大差はないものの、特性の天候変化が非常に優秀でカビゴンの役目を奪いました。
サブウエポンにけたぐりを用いるので4世代厳選環境が必要、クレセリアやラティオスと共に、ダブルは資産ゲーと呼ばれる所以となっています。
「岩雪崩」や特性「砂起こし」で『まひるみ砂ガブ』なんて糞戦術をダブルに持ち込みました。
罪深いやつです。
- スカーフバンギラスについて
スカーフを巻くことで不安定なSラインを抜け出し、最速115族までを抜けるようになります。
単純にSが上がっているので行動を制限されることが少なく、安定感を得ているのが特徴です。採用率の高いカポエラー、Sラインが近いニョロトノ,キングドラ,水ロトム,シャンデラ、ミラーや最速バンギ抜きのポケモンからの被弾前に行動できるのは、従来のバンギラスと比べ非常に画期的です。
また、潰し性能が向上しているのも特徴の一つです。
ラティ,ボルト,ガブ,マンダ,デラン,ガモス,サンダーとのS関係が逆転しており、序盤の潰し,及び終盤の打ち合いの際に有利になっています。特にS種族値90~110辺りのポケモンが多い現環境ではラティオスの圧力が強くなるため、一方的に殴られる状況を回避できるスカーフが重宝されています。
デメリットは特性の発動順が引きあがることと、柔軟性が失われることでしょうか。
特に前者は型バレや天候奪取能力の低下が問題ですが、元々先発バンギは弱点の数や威嚇の影響から安定感に欠けていたので割り切って後発に置けばいい話ですね。むしろ、後発受けだしからの性能が向上しているのでスカーフバンギは後発安定の場合が多いです。
- 採用理由
・霊,超,炎,飛,氷への打点
・(軽い)流星群受け
・対ラティオス(などの特殊ポケ)
- 配分
・性格:陽気
・個体値:31-31-31-×-31-31
・努力値:108-108-28-0-12-252
・実数値:189-168-134-×-122-124
・H-B…A187メタグロスのコメットパンチ確定耐え
・H-D…砂込みC161キングドラの珠ハイドロポンプ確定耐え
・S…最速 スカーフ込み最速115族抜き
・A…155-101ラティオスを噛み砕くで乱数1(14/16)
有名な配分をコメント欄の指摘を元に改良したもの。
Sはスカーフユキノオー等も意識して最速。
H,B,Dは動きやすさという点を重視して、苦手なグドラ,グロスに合わせます。繰り出す際に最低限一発は耐えられるようになっています。格闘ポケの前には出て行かないので切っています。
残りAですが、役割対象のラティをしっかり見られるようになっています。
コメントでも配分を複数上げていますが、最終的に確定欄の配分を採用した理由は、D耐久の効率が最も効率がよく、特殊技に出て行くときの負担を出来るだけ抑えることが出来たためです。
Hを191にすると定数ダメージ効率がよく、
Aを170にするとラティオスが噛み砕くで15/16になります。
- 特性考察
・砂起こし
バンギラスの採用理由でもある優秀な特性。場に出たターンから永続で天候を砂嵐に変えます。
スカーフを巻いているので砂パの天候始動としては安定しませんが、雨,霰対策としては非常に優秀な性能を誇ります。
襷消費やダメージ蓄積で火力補助もあり、砂嵐環境下ではバンギラスのDに1.5倍補正が掛かるので、バンギラスの単体性能を支えています。
夢特性の緊張感は特性の発動タイミングが素早さに影響されないのでスカーフバンギラスとはそこそこ相性が良いのですが、それ以上にスペックダウンが目に付くので採用はありえません。
- 技考察
- 確定技
・岩雪崩
タイプ一致の全体技。範囲と追加効果が優秀なので物理ポケのサブウエポンに良く用いられます。
火力は控えめですが、全体技で追加効果もあり、スカーフとは相性のよい技です。
186-95 ボルトロス 確2 61.3%〜72.0%
197-105 サンダー 確2 51.8%〜60.9%
171-100 ボーマンダ(威嚇) 確3 39.8%〜49.1%
136-110 シャンデラ 確2 72.1%〜85.3%
191-85 ウルガモス 確1 131.9%〜157.1%
198-127 ヒードラン 21.2%〜25.8%
・噛み砕く
こちらもタイプ一致技。ラティオス,シャンデラ,クレセリア等を上から殴れるようになり、使い勝手が上昇しています。
等倍範囲が広く、こちらもスカーフと相性のよい技です。
155-101 ラティオス 乱1(14/16) 98.1%〜116.1%
187-110 ラティアス 確2 73.8%〜87.7%
167-110 シャンデラ 確2 82.6%〜98.2%
225-165 クレセリア 確3 40.9%〜48.9%
185-151 メタグロス 確4 27.6%〜33.0%
- 候補技
・けたぐり
格闘技はメインウエポンとの相性補完が優秀で、順確定レベルの技です。
重さによるダメ変動はあるものの、対象ポケには多くの場合確定数が足りているので不自由はありません。
バンギミラーの際、相手のけたぐりは耐えることができませんが、Sで勝っているので3~4割削ることで安全に処理することが可能です。
198-127 ヒードラン 確2 60.6%〜71.7%
207-130 バンギラス 確1 114.0%〜135.3%
・馬鹿力
スカーフけたぐりは撃ち逃げが基本になるのでダメージが安定するこちらも候補です。
Sが高くなっているのでB下降が地味に痛いことも。
・冷凍パンチ
ガブリアス,ランドロス,ボーマンダ等を上から叩ける為是非採用したい技です。
処理が面倒でバンギラス自身も苦手なポケモンですので、先手で落とせれば非常に楽になります。
183-116 ガブリアス 乱1(7/16) 89.6%〜107.1%
169-111 ランドロス 確1 101.8%〜120.7%
・炎のパンチ
メタグロス,ハッサム,ナットレイ等鋼への打点となります。基本的にはけたぐりとの選択です。厄介な物理アタッカーに対して隙を作りません。
バンギラス,サザンドラ等への打点に欠ける事になるので他でしっかり厚くしておきたいです。
185-151 メタグロス 確3 34.6%〜41.1%
177-120 ハッサム 乱1(7/16) 90.4%〜108.5%
・ストーンエッジ
ボルトロス,サンダー,ウルガモス等を確定1にできるため、採用価値は十分あるかと思います。
- 相性がいいポケモン
スカーフを巻いている&火力が無いので横の相性は考慮しません出来ません。
・メタグロス ハッサム :bw/2560
ハサ,グロスにとっての障壁となるポケモンをこいつで処理or機能停止まで追い込むことで後続が不自由なく動く環境を作ります。これらが苦手な炎タイプや、サンダー,ボルトロス,ギャラドス辺りに有利なため共に組むことが多いです。
ハッサムはグロスなどのメジャーポケモンへの性能が高く、先制技での抜き性能が魅力。
メタグロスはバンギ等への性能が安定してるうえ、耐久力が非常に安定しています。
・ボーマンダ :bw/2653
バンギラスにラティオス,ユキノオー,ボルトロス,ガブリアス等の処理を任せることが出来るのでドラゴンタイプとは元々相性がいいのですが、最も組み合わされ易いのはこのボーマンダになります。特性威嚇や広い攻撃範囲で広い対応力を持つのでスタン構築に採用されやすく、タイプも被らない点で相性がよいです。
バンギラスの砂と組み合わせれば雨パの多くのポケモンを縛ることが出来るため、単純な天候パにならこの2体でもある程度対応することが出来ます。
・パーティ単位
スカーフを持ったことで、単体での動きやすさが上昇しています。
有利なポケモンにより強く立ち回れるほか、Sが引きあがったことによって縛り範囲も広がっています。よって、バンギラスが有利なポケモン(ラティオス,サンダー,シャンデラ,ウルガモスetc.)を苦手とするポケモンの行動が安定しやすくなります。それらを軸にする構築での採用が望ましいです。
デメリットとして、ヨプを持てなかったり拘ってしまったりして苦手なポケモンへの対応力は低くなっています。行動順も変わってしまうため、通常バンギのSサポ,威張るサポを受けて戦う立ち回りは不可能です。
- 使い方
スカーフを巻いているので中~高速ポケに行動を縛られにくく、動きやすさは感じやすいと思います。
反面、耐久が若干落ちているので急所や集中攻撃で出落ちする可能性も否めず、繰り出す際は注意が必要です。
具体的な使い方は三つ。
一つ目は、先発でスカーフ岩雪崩を連打して、後続のポケモンの技圏内まで相手を削る方法。
二つ目は、先発のポケモンで暴れてもらってから、スカーフの速さで場を制圧する方法。
三つ目は、雨パや霰パに対して天候を上書きしながら適宜技を打ち分け、アドを取る方法。
特に前者二つの動きはスカーフバンギのメリットを良く活かしており、恩恵を感じやすいと思います。しかし両者共に柔軟な動きが出来ず、そもそもの採用理由も遂行できぬままに機能停止する可能性が高い。特に役割対象の隣のポケモンに処理されがちなため、パーティ全体で如何に円滑に処理作業を進められるかが大切です。
- 被ダメージ計算
・物理
176 メタグロス コメットパンチ 確2 79.8%〜95.1%
〃 バレットパンチ 乱3 32.8%〜39.3%
200 ハッサム 虫食い 確2 82.0%〜96.2%
〃 バレットパンチ 確2 55.7%〜65.6%
170 バンギラス けた繰り 確1 122.4%〜146.4%
182 ガブリアス ダブルチョップ(単発) 16.9%〜20.2%
〃 地震 確2 62.3%〜73.2%
205 ドリュウズ 地震 確2 68.9%〜82.0%
〃 珠ドリルライナー 乱1(12/16) 95.1%〜115.3%
160 ナットレイ パワーウィップ 乱1(2/16) 86.3%〜102.7%
・特殊
182 ラティオス 珠流星群 確2 55.2%〜66.1%
〃 眼鏡流星群 確2 63.9%〜75.4%
161 キングドラ 珠ハイドロポンプ 確2 82.5%〜99.5%
〃 雨珠濁流 確1 112.0%〜133.3%
172 ロトム 眼鏡ハイドロポンプ 確1 102.7%〜122.4%
126 ロトム ハイドロポンプ 確2 50.3%〜60.1%
145 ボルトロス 10万ボルト 乱4 23.0%〜27.9%
216 シャンデラ 熱風 乱7 13.7%〜16.4%
144 ユキノオー 吹雪 乱4 21.3%〜25.1%
96クレセリア 冷凍ビーム 14.3%〜17.5%
ここまで見ていただきありがとうございます。考察は以上です。
コメント欄を有効活用し育成論の向上につなげたいので、分かりにくい点や不備がありましたら、コメント欄での報告をお願いします。