今回もマイナーポケモン、ゴルバットの考察をしたいと思います。
はじめに
複数催眠についてはマナーとしてはあまりいいとは言えませんが、それは個人のルールであり、戦術としては成り立つものです。ここでは、複数催眠が許されているという前提で考察いたします。
従って、複数催眠についての議論はここではご遠慮ください。
ゴルバットについて
毒・飛行という固有タイプ。バランスのいい種族値で、進化形にクロバットがいます。
飛行タイプが邪魔して格闘が持つサブウエポンのストーンエッジが2倍で入るのは痛いですが、半減以下のタイプも多く、良い複合タイプと言えるでしょう。
この考察での努力値振り+進化の輝石によって、補正有り攻撃種族値130族の威力100の弱点技を43.4%〜51.4%程度に抑えることができます(例:A特化ガブリアスのエッジ)。
また、A特化ガブリアスの逆鱗が38.2%〜46.2%なので、等倍ならばたいていの物理攻撃を2発耐えることが可能となります。
D方面は、補正有りC180振りサザンドラ@眼鏡の流星群を84%〜99.4%、特化サザンドラ@珠の流星群を76.5%〜91.4%、ラティオス@眼鏡の流星群を82.8%〜98.2%と、羽休め連打で流すことができるくらいの最低限の耐久は確保できています。(ラティオスはサイコキネシスを持っているのでダメージの参考として見てください。)
これだけ耐えてどうするのかについては後述します。
簡単にまとめると、見せ合い63バトルではダメージレースであるため、輝石を持たせる進化前ポケモンであっても、ある程度の高い打点が必要であるということです。
耐久を上昇させて、行動回数を増やし、相手に対して負荷をかける事こそが進化の奇跡を持たせる意味だということです。
しかし、ゴルバットはポリゴン2のように高い打点を打てるポケモンではありません。サマヨールやラッキーのように桁外れの耐久を持っている訳でもありません。
では、ゴルバットには何ができるのか
ゴルバットはあの最悪鬼畜コンボである「催眠術」+「吹き飛ばし」ができます。
本来、「催眠術」は命中率60%という不安定さから、何回か打って「当たればよし」という割り切った考えが必要な技です。同じような使い方をする技に「絶対零度」や「地割れ」等がありますね。
回数を打つこと前提での採用ですから、耐久が高い事が絶対条件となります。
同様に、進化の輝石をもたせることにより、耐久を上昇させて行動回数を増やすことで、催眠術の当たる期待値を高くしようという考えです。
一撃必殺技は命中率30%なのに対して、催眠術は60%もあるわけなのですから。
吹き飛ばし
眠らせた後は「吹き飛ばし」で吹き飛ばしましょう。それによって催眠ターンのカウントがリセットされて、次に場に出てから1ターンは確実に動けません。状態異常読みで身代わりを貼られた場合も吹き飛ばしで飛ばせば解除できるため、積みの起点になるのを防ぐことができます。
「でも、クロバットでも同じことができるし、先制で眠らせられるから、催眠術を当てる前提ならクロバットの方が優秀なのでは?」という声が飛んできそうですが、それについては以下のクロバットとの差別化を読んでください。
≪PLUTO様、ご指摘ありがとうございます≫
差別化
1. キュウコン、フシギバナとの差別化
タイプ相性の比較
【ゴルバット】
(×2)岩電超氷
(等倍)無霊竜鋼悪飛
(×0.5)毒
(×0.25)闘虫草
(無効)地
【フシギバナ】
(×2)炎氷飛超
(等倍)無岩地虫毒霊竜鋼悪
(×0.5)闘水電
(×0.25)草
【キュウコン】
(×2)地岩(水)
(等倍)無毒霊竜悪闘電(水)
(×0.5)鋼虫炎草氷
(1) 催眠術+吠えるを使えるキュウコンは「日照り」によって苦手な水を等倍あつかいにすることができるため、特殊方面にはほとんど弱点がありません。種族値をみても特殊方面には強いことが分かります。
反面、物理方面にはメジャーな岩・地面が弱点であることと、Bの種族値が低いことから、物理方面には弱いという特徴があります。しかし、「鬼火」を覚えることができるため、一概に物理に対して弱いとは言い難いです。
(2) フシギバナは半減できるタイプが非常にメジャーで、特に厄介な水ロトムに強い点が優秀です。また、「眠り粉」は命中率が75%なため、当たる確率が高く、黒いヘドロ、ギガドレ、宿り木の種によってダメージを与えつつ回復ができるという嫌らしいポケモンですね。
(3) ゴルバットは0.25倍と無効タイプが合わせて4つもあり、弱点が特殊技に多く、物理技に対する耐性が多いことが評価できます。また、「蜻蛉帰り」、「羽休め」による回復ができるため、眠らせた後の選択肢が広いです。
キュウコンとフシギバナとの差別化まとめ
キュウコンとの差別化としては、安定した回復手段「羽休め」の有無と物理方面への耐性、半減以下のタイプが多いことによる受けとしての性能が挙げられます。
フシギバナとの差別化としては、フシギバナの回復方法では回復量が追いつかない場合があるため、やはり「羽休め」という回復手段の有無、物理方面への耐性が挙げられます。
2. クロバットとの差別化
タイプは言わずもがな一緒であり、進化形であることから技での差別化は不可能ですので、
互いの種族値を比較します.
【ゴルバット】 H75-A80-B70-C65-D75-S90
【クロバット】 H85-A90-B80-C70-D80-S130
種族値だけでみると全て負けていますね。しかし、
(1) BとDの値がそこまで大きな差が無いことと、
(2) 圧倒的に違うS
(1) B・Dの差を指数で表して、比較します。
【ゴルバット】
[性格]腕白
[努力値]H196-B252-D28
[実数値]H175-B201-D148
[物理耐久力指数]85583
[特殊耐久力指数]63017
【クロバット】
[性格]腕白
[努力値]H252-B252-D4
[実数値]H193-B145-D101
[物理耐久力指数]67737
[特殊耐久力指数]47182
〜攻撃力指数の目安〜
・特化ガブの逆鱗 36000
・特化ガブのエッジ 40000
・特化サザンドラの流星群 40740
・特化眼鏡サザンドラの流星群 61110
・252振りラティオスのサイコキネシス 32760
・252振り珠ラティオスのサイコキネシス 42588
比較まとめ
- エッジなどでも永続的に2耐えできるゴルバットの耐久力が優れており、何よりも後だしが可能な点が優秀です。
- ゴルバットならば羽休めで粘り、エッジを透かした後に催眠術を使えます。
- 不意のスカーフにも強く、スカーフ持ちの攻撃では2耐えできるものが多いです。
- クロバットを同じ型にするのはいいですが、クロバットは素早さに努力値をまわして、上から眠らせる事で試行回数を増やすようにする必要があります。しかし、そうすると耐久力が落ちてしまうので、催眠術を当てる運命力に頼ることになります。
- 特殊耐久の違いも大きいです。
(2) Sの差
後攻蜻蛉帰りによる無償降臨も評価できますが、特に決定的な理由として、「催眠術+吹き飛ばし」コンボの特徴が挙げられます。
「催眠術+吹き飛ばし」コンボの特徴について
まず、催眠の特徴として、先制で眠らせた場合と後攻で眠らせた場合で催眠ターン数が違います。
先制で眠らせた場合は、そのターンの相手は眠り状態で行動不可なので、「眠りターン1回」とカウントされます。つまり、攻撃を受けなくて済む分、そのターンがカウントされてしまうのです。
眠りターンは「2~4ターン」なので、次のターンで起きてしまう恐れがあります。
従って、先制で眠らせた場合は吹き飛ばしを行うまでに2ターンを必要とするため、起きてしまう可能性があるということです。
後攻で眠らせた場合は、眠らせたターンはカウントされず、次のターンの攻撃時が「眠りターン1回」な訳です。
つまり、そのターンに起きることはありませんので安全に確実に吹き飛ばせる訳です。もちろん羽休めをするターンにしてもいいです。
クロバットとの差別化まとめ
明確なのは(2)なので、(2)を使わせていただきます。
クロバットは「高いSによって試行回数を増やす」、ゴルバットは「高い耐久によって試行回数を増やす」ため、単純に眠らせて倒すのであれば、クロバットの方が、「催眠術」+「吹き飛ばし」コンボを行うのであればゴルバットの方が優秀であるということを差別化とさせていただきます。
長くなりましたが、このゴルバットについてまとめます。
- 進化の輝石を持たせることにより、行動回数を増やして催眠術の当たる期待値を上げる
- 「催眠術」+「吹き飛ばし」コンボによる催眠カウントのリセットで後続サポートを行う
- 物理方面に対しての耐久性に優れていることから、物理方面に対しての繰り出しが可能
つまり、物理耐久を活かし、物理技を放つ相手に繰り出して、「催眠術」+「吹き飛ばし」で後続のサポートを行う型ということです。
努力値、性格、特性
腕白@進化の輝石
≪精神力≫
【努力値】H196-A4-B252-C0-D28-S28
【実数値】H175-A101-B134-C*-D99-S114
努力値の説明
【H】 天候ダメ最小の16n-1
【B】 物理面に厚くするために極振り
【D】 C特化珠サザンドラの流星群を76.5%〜91.4%で羽休め連打で流せるように。補正有りC180振り眼鏡サザンドラの流星群なら耐えられるのでたいていのサザンドラ、特殊アタッカーは流せるかと。
【S】 準速バンギ、ノオー抜き。抜く意味はほとんど無いに等しいですが、余ったので。
【A】 余り。
技構成
催眠術/羽休め/吹き飛ばし/選択
【確定技】
・催眠術
進化の輝石によりなかなかの耐久を手に入れたため、多く打てます。催眠が弱体化したとはいえ、脅威には違いありません。相手に負荷をかけるためにも、起点作りサポートとしても必須技。遺伝技なので注意。
・吹き飛ばし
おなじみ催眠カウントのリセットを利用した害悪コンボ。吹き飛ばし先にすんなり倒されるのを防ぐためにも、羽休めで回復してから使うことが必要です。このループにはまると抜け出すのが非常に困難なため、強力です。積みの起点になることを防ぐことができるのも強み。遺伝技なので注意。
・羽休め
HPを半分回復する貴重な技。使ったターンは岩が等倍になる代わりに地面が2倍になるので注意。流星群を耐えてから使うことで確実に流すことができます。これも必須技。
【選択技】
・蜻蛉帰り
こいつを見ると、挑発を打たれる事が多いため、起点にならないためにも必要な技。個人的には必須級だと思います。クッション役としても必要な技。ダメージには期待しないでください。
H4サザンドラ 29.7%〜35.7%
H4ラティオス 35.8%〜42.3%
・毒毒
眠らせればいいじゃんと思うかもしれませんが、これがあればと思う機会が少なくないので候補入り。打つのはブルンゲルやサマヨール、ポリゴン2などに。羽休め連打で勝てます。
・熱風
ハッサムに対して非常に強いため、こいつで処理しようと思うならば。これを採用するなら性格は図太いにしてください。
※補正無しC4振りで計算
H252ハッサム 74.5%〜88.1%
特化ナットレイ 39.7%〜48.6%
H252ナットレイ 53%〜64%
・怒りの前歯≪逝かれるもけもけ様提供≫
催眠吹き飛ばしで相手のサイクルをまわす際に打つとそこそこのアドはとれます。(PLUTO様のコメントをそのまま活用させていただきました。)
被ダメ
【物理面】
A特化ガブリアスの逆鱗 38.2%〜46.2%
A特化ガブリアスのエッジ 43.4%〜51.4%
補正有りA244振り根性ローブシンのエッジ 67.4%〜80%
羽休め時のエッジ 33.7~40.0%
補正有りA244振り根性ローブシンのマッハパンチ 3.4~4.0%
補正有りA244振り根性ローブシンの空元気 47.4%〜56%
補正有りA244振り根性ローブシンのドレパン 9.1%〜10.8%
羽休め時のドレパン 12.5%〜14.8%
(羽休め連打の火傷ダメでいけるはず)
特化カイリューの逆鱗 39.4%〜46.8%
龍舞1積み 58.8%〜70.2%
龍舞2積み 78.8%〜93.1%
特化カイリューのしんそく 17.7%〜21.1%
特化珠ハッサムのバレパン 25.1%〜31.4%
剣舞1積み(+2) 49.7%〜60%
剣舞2積み(+4) 76%〜89.1%
補正有りA252振りメタグロスの思念の頭突き 52.5%〜62.8%
補正有りA252振りメタグロスのバレパン 13.7%〜16%
補正有りA252振りメタグロスのコメットパンチ 33.1%〜39.4%
A252振り捨て身ムクホークのブレバ 40%〜48%
A252振りマニューラの冷P 42.2%〜51.4%
A無振りユキノオーの礫 14.8%〜18.2%
補正有りA252振りパルシェンの氷柱針 13.7%〜17.1%
【特殊面】
補正有りC180振り眼鏡サザンドラの流星群 84%〜99.4%
特化珠サザンドラの流星群を76.5%〜91.4%
C252振り眼鏡ラティオスの流星群を82.8%〜98.2%
C252振りラティオスのサイコキネシス 72%〜85.7%
特化FCロトムのボルチェン 52.5%〜62.8%
特化FCロトムの10万V 72%〜85.7%
特化FCロトム眼鏡のボルチェン78.8%〜93.7%
C12振りヤドランのサイコキネシス 48%〜58.2%
C132振りヒードランの大文字 43.4%〜52%
C4振りヒードランのマグマストーム 39.4%〜46.8%
雨天時特化キングドラのドロポン 63.4%〜75.4%
雨天時特化眼鏡キングドラのドロポン 94.2%〜111.4%
C92振りポリゴン2の10万V 38.8%〜45.7%
立ち回り
先発、もしくは物理への後出しが基本です。
耐えて眠らせ、吹き飛ばしでの催眠リセットにより、相手を行動不能にして後続をサポートします。
先発起用の場合や繰り出した相手が挑発持ちだと予想した場合は、蜻蛉返りが安定します。後続にはパルシェンやウルガモスなどの積みエースや全抜きを狙える鉢巻きカイリューやヒヒダルマなど高速高火力アタッカーを置いておくとよいでしょう。相性補完に優れているのはジバコイルで、秋桜様のアナライズジバコイル(bw/2430)がオススメです。
このゴルバットのデメリット
(1)トリック、挑発持ちに弱い。≪y様提供≫
(2)不眠、ラム、カゴ、ポイズンヒールには弱いです。
(3)「眠り状態」の不安定さ
バトルビデオ
載せるかどうか悩んだのですが、立ち回りとして、こいつのしたい仕事ができたので載せさせていただきます。複数催眠というマナー違反をしており、切断せずに最後まで勝負をしてくださった@ジュン様、本当に申し訳ございませんでした。
VS @ジュン様
43-13911-58179
こちらの3体
ゴルバット@輝石
(催眠術/吹き飛ばし/羽休め/蜻蛉帰り)
クロバット@脱出ボタン
(日本晴れ/アクロバット/挑発/熱風)
葉緑素ウツボット@襷
(リーフブレード/ウェザーボール/めざパ氷/眠り粉)
苦手とする相手を眠らせ、吹き飛ばして機能停止にして、異常+空元気ガルーラは羽休め連打での毒ダメ死亡待ち、頃合いを見てダメージを受けての後攻蜻蛉帰りによるクロバットの無償降臨に成功。日本晴れ、ダメージ受ける、脱出ボタン発動の予定でしたが急所でクロバットが倒れる。結果的に最短で日本晴れターンをエースのウツボットに回す事ができ、ウツボットで全抜きというパターン。確2で倒せるエースが控えにいるなら、眠らす+吹き飛ばしコンボは非常に有効となることが証明されたかと思います。
が、やはり失礼ですので、使うなら自己責任でおねがいします。
最後に
またもやまとまりのない長文となってしまいました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメントお待ちしております。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・間違いを修正しました。≪E.T様、miira様ご指摘ありがとうございます≫
・差別化、怒りの前歯、トリックに弱いことを追記しました。
≪y様、逝かれるもけもけ様、PLUTO様ありがとうございます≫
・見やすく、全体を修正しました。
・再びダメ計すると合っていたので戻しました。
・バトルビデオ追加致しました。