今回は私の使っているブースターを実践論を交えて書いていこうと思います。
既に育成論が上がっていますが、今回は耐久を重視してるので大丈夫かな? と。他の育成論のほうが優秀じゃない? と思う方もおられるかもしれませんが、『比較』することでそれがはっきりするだけでも私は意味があると思ってます。
もちろん、育成論の内容をおろそかにするつもりは毛頭ありません。
ブースターの特徴
・攻撃の種族値が130とかなり高く、特攻も平均より上の95
・特防の種族値が110とそこそこ高め
・HPと防御が低く、物理耐久がまったくない
・素早さが65とやや遅め
・イーブイの進化後なのであくびやねがいごとなど優秀なサポート技を覚える
・攻撃の種族値に反して、高火力な物理技が少ない
種族値に反して技がないので唯一王なんて言われちゃってたりします。
特に、ウインディがインファイト・ワイルドボルトの取得、ヒヒダルマというフレアドライブを最大限に活かしたスピードアタッカー、エンブオーというバランスの取れた耐久持ち、と第五世代でぐっと立場が狭くなってしまいました。
でも、炎は厄介な鋼に対して有利なのも事実。呼ぶ敵、誘う敵、その辺りを明確に意識してパーティ単位で調整すればしっかりと活躍出来るはず!
今回はパーティとの連携も絡めての補助しつつ殴りつつのサポートブースターで行きます。
性格
おとなしい
特殊耐久は落としたくないので。低い物理耐久はこの際諦めました。
ばかぢからを活かすならさみしがりやで。
特性
もらいび
確定技のばかぢからが教え技であるため、もらいび固定です。
しかしもらいびで繰り出し性能が上げられるかというと……おにび読みで出たところでおにび持ちの大半(ゴースト・炎)に読んで出たところでこちらから有効打を持たないことが多かったりします。(ブルンゲル・シャンデラなど)
こだわり系の炎(スカーフダルマのフレアドライブなど)くらいの非常なピンポイントなものとなっています。
ですが炎技搭載ポケモンにこだわり系の持ち物を持たせることは珍しいことではなく、存在だけで相手の炎に対するけん制にもなります。
また、今回の型ではもらい火を技のほうで腐らせないようにしました。
努力値
HP252 攻撃6 特攻156 特防44 素早さ52
どちらも特殊に出来うる限り強くしつつ、ある程度の火力はキープしました。
少ないHPを補い総合耐久を上げる意味でもHPに全振り、上のパターンでは特防はラティオスのメガネりゅうせいぐんを確2に持っていきました。タイプ的に特殊の弱点はほとんど水だけと言えるので、これである程度の特殊耐久は確保出来てると思います。
特攻はHP特防252振り補正ありハッサム×オッカの実持ちを帯補正込みのオーバーヒートで確1にできるよう調整。
残りはお好みで。今回はメタグロスを意識して素早さに強くまわしました。同速意識なら12振りで、残りは攻撃や特防の底上げに使うが吉。
なお、メガネスターミーのなみのりだと高乱1で沈んでしまいます。いのちのたまでも低乱1。
素早さ4振りメタグロスを抜きたい場合、攻撃を素早さにまわしてください。52振れば抜けます。
攻撃面を捨てHPと特防に全振りもありですが、そうすると鋼を倒しきれずパーティの負担が増してしまうのが難点。特にオーバーヒートでオッカ持ちが落ちなかったりします。どこに振っても何かが足りないので、どこかしら妥協するしかなさそうです。
持ち物
たつじんのおび
効果抜群時に威力を1.2倍にします。耐久を削りたくないのでいのちのたまではなくこちらを。帯でも鋼や悪といった本来狩るべき相手に充分なダメージを出せます。今回はこれ確定です。
オボンの実
たとえ特防に補正かけて252振りしても、火力増強アイテムを持った一致水技でも確定数が乱数の範囲にまでしか変動しません。
水技以外の特殊ダメージを意識するなら。けど火力が足りない。
たべのこし
あくびとの相性はいいですが、オーバーヒートの火力が不足します。帯やオボンが余ってないなら。たべのこしも競争率激しいんですが。
確定技
ばかぢから
前作の教え技。エンペルトとか、ヒードランとか、サザンドラとか、炎を受けてきてなおかつこちらへ圧力へかけられる相手に刺さります。
加えて水タイプに半減されず、水氷であれば抜群も狙える。ガブリアスなど飛行の入ってない龍にも通ります。そういった呼ぶ相手に一貫して有効です。
特殊受けの多いノーマルにも刺さりますね。
オーバーヒート
主に鋼に対しての遂行技。草や虫などにも撃っていけます。ただ虫はじしんやエッジ持ちが多いので注意。
撃つと特攻がガクっと下がりますが、そこまで場にいられないため大文字より一発の火力を重視で。
あくび
イーブイ時の遺伝技。眠ったら隙だらけ、眠った後に控えに戻すと起床までのターンがリセット、ということもあって居座っても起点を作らせるだけとなってしまう。そうなるくらいなら、と多くの人が入れ替えると思います。
交代読みで交代先に当てる、とりあえず耐えてあくび、など用途は広い。互いに決定打の無いウルガモスも、これがあるだけで積んで強引の突破される……なんてことも防げる。
ねがいごと
イーブイ時の遺伝技。あくびとの同時遺伝にはドーブルが手っ取り早いです。
あくびで流したり、この子で一匹落としたりした後はブースターに有利な相手をぶつけてくるでしょう。
そこでねがいごとを使い、相手の攻撃を有利な仲間に受けてもらいます。ねがいごとの効果で仲間は回復し、あとだしのリスクをおさえられます。
特殊耐久を高めたのはこのためです。またねがいごとを併用することで、もらいびでこだわり炎を流すだけでなく、シャンデラやブルンゲルなど鬼火のクッションとしても使える時があります。
ラムを持たない積みポケモンを出しやすくなる……かも。読みも絡んでくるので言い切れないところが辛い。
シャワーズはナットレイで止まりがちなため、一応差別化にはなってるかと。回復量は劣るけど。
今回HPに252振っているのでHPは172、回復量は86となります。
候補技
おにび
抜くならねがいごとになるでしょうか。
タイプ相性も加わって物理耐久がペラペラなこの子は物理アタッカーを呼びます。そこを狙って機能停止にします。HPに振ってるのでそこそこの物理耐久も確保できます。
いうまでもありませんが根性注意。しかし命中難かつあくびの流し性能が強力なので候補止まり。
ダメージ計算
(個体値はお互い最大値で計算、計算にはダメージ計算機 JS-4BW for ポケモン ブラック/ホワイト をお借りしています)
あくまで目安として極端な例をのせています。それ以下なら大丈夫なんだな、これ以上は無理なんだ、とかそんな感じに見てください。
被ダメ
特攻252振りスターミー×こだわりメガネ
なみのり
割合: 95.3%〜112.7%
回数: 乱数1発(ハイドロポンプで確1)
攻撃252振り補正ありナットレイ
じならし
割合: 59.3%〜69.7%
回数: 確定2発
パワーウィップ
割合: 43.6%〜51.7%
回数: 乱数2発
特攻252振りラティオス×こだわりめがね
りゅうせいぐん
割合: 83.7%〜99.4%
回数: 確定2発
特攻252振りシャンデラ×こだわりメガネ
シャドーボール
割合: 52.3%〜61.6%
回数: 確定2発
攻撃252振り補正ありハッサム×テクニシャン
バレットパンチ
割合: 27.3%〜32.5%
回数: 確定4発
特攻252振りウルガモス×いのちのたま
サイコキネシス
割合: 35.4%〜42.4%
回数: 確定3発(ブースターにも決定打が無いと思って舞ってくるかもしれないので。あくび安定)
特攻252振りバンギラス×こだわりメガネ
なみのり
割合: 61.6%〜73.2%
回数: 確定2発(特殊型だったらばかぢからで突破可能)
与ダメージ(全部たつじんのおび込みで計算しています)
HP特防補正あり252振りハッサム+オッカの実
オーバーヒート
割合: 109.6%〜129.9%
回数: 確定1発
HP特防252振り補正ありメタグロス
オーバーヒート
割合: 88.7%〜105.3%
回数: 乱数1発
HP252振りウルガモス
割合: 44.2%〜53.1%
回数: 乱数2発
HP252振りエンペルト
ばかぢから
割合: 79%〜94.2%
回数: 確定2発
HP4振りサザンドラ
割合: 88.6%〜105.9%
回数: 乱数1発
おまけ こんじょう発動×からげんきの火力目安
H252振りサンダース
割合: 115.1%〜135.4%
回数: 確定1発
H252振りウルガモス
割合: 96.8%〜114%
回数: 乱数1発
H4振りサザンドラ
割合: 85.7%〜101.1%
回数: 乱数1発
B252振り シャワーズ
割合: 68.4%〜81%
回数: 確定2発
攻撃種族値130もあるんだから、こんじょう型の方が強いんじゃないの?
こんじょうは仕様上ばかぢからを覚えることができません。更に、最高打点であるこんじょう発動時のからげんきではばかぢからで抜群を取れた鋼・岩にはいまひとつになってしまいます。
火力自体も思ったほどではなく、上記ダメージ計算を見ていただければわかりますがこんじょう発動時のからげんき(補正ありA252振り)でも無振りサザンドラを確定で落とせません。
そうそう長居できないブースターがこんじょうを発動させるのは難しく、発動させても鈍足かつ耐性面から活かす機会がなく、挙句火力も今ひとつ。加えて炎タイプなためやけど無効、つまりおにびでこんじょうを発動できません。
根性でなおかつばかぢからが使えたならまた話は違ってくるのですが、現状では環境を度外視してさえブースターのこんじょうを活かすのはかなり難しいと思います。
ただ、めざパを使わなくても広く高威力を取れるのは利点ではあるんですけどね。
相方考察
主に呼ぶのが水・龍あたり。岩・地面・水を等倍以下で受けられるポケモンがおすすめ。
ブースター自体が炎や草を呼ばない為、ハッサムやナットレイと相性が良いです。ラティ姉弟なんかも狩れる範囲的に相性がいいです。
スイクンやシャワーズやラグラージなど、水全般も相性が良いです。サブ技氷で呼ぶ龍も狙えます。防御が厚く、岩地面に強いリーフィアなんかも相性が良く、ブイズパーティも充分ありです。
ねがいごとやあくびを絡めてつるぎのまい型ガブリアスで全抜きを狙ってみてもいいでしょう。
その辺は自分に合うポケモンでうまくカバーしてあげてください。
運用
いくら耐久に振っているとはいえ、火力インフレなため後出しはかなり限られます。
こちらに決定打をもたない(確定3以上にもっていける)特殊炎・特殊草・虫あたりには強気に出て行けます。具体的にはウルガモスとか。
また、鋼に対しても鋼技読みや積み読みで出ていくことが出来ます。ハッサムとか。確定欄の努力値振りでは素早さ12振り以上のメタグロスを抜けないのですが、多くは4振りなので問題ないと思います。相手も炎を警戒しますしね。確実に抜きたい場合は特攻から割いてください。
加えて、味方の物理アタッカーを停止に追い込む鬼火に対してもらいびで受けるクッション役としても繰り出せます。
繰り出せる=役割を持てる相手なので相手は高確率で逃げます。そのため、交代読みであくびが安定行動です。
メタグロスやハガネールなどじしんやエッジでこちらを潰してくる可能性のある敵にはオーバーヒートをぶっぱなしておきましょう。
しかし、あくびを連打しているだけでは天候ダメージもないためPPが切れたら相手の起点になります。もちろん、ばかぢからなどで突破出きそうなら突っ込んでください。サザンドラ相手ならメガネりゅうせいぐん(なみのり)も耐えるので積極的に狙っていきましょう。
あくびで流しながら、今度は途中でねがいごとをうちます。次のターンには相手に有利なポケモンを繰り出し、仮にダメージを受けてもねがいごとで味方の負担はぐっと減らせます。
この時、状況によっては無理にあくびやねがいごとを撃たないで素直に引くことも視野に入れてください。メガネ持ちの一致水は耐えられませんので。
これが基本的な運用となるでしょうか。ラム・カゴ・ふみんなどには注意が必要です。個人的にはスターミーが怖いです。
ゴースト系に多いおにび読みやこだわり炎読みで出た場合、相手の耐久が低ければオーバーヒートを、そうでないならあくびもしくはねがいごとで味方のサポートにまわってください。
やけどに弱いパーティであっても、ブースターを間に挟むことで物理アタッカーの機能を維持出来るのは利点です。ねがいごとでお膳立てもしやすいのもポイント。
読みは思ったほど難しくないとおもいます。有利な相手には強気に出て、不利な相手にはサポートに回る方針で動けば思いっきり不利な状況になるなんてことは少ないはず。
読み外したリスクも考えると対鋼での安定行動はハッサム・ナットレイ・エアームドといった決定打を持たない相手にはあくび。メタグロス・ハガネールといった返り討ちにあう危険がある相手にはオーバーヒートといったところでしょうか。
あとは経験を積んでいくしかないですね。耐久に振ったことである程度の繰り出し性能を確保できているため、有利な相手にはとことん強いのがこのブースターです。有利不利がはっきりしている分、構築はしやすいかと。
まとめ
苦手なものに無理矢理張り合おうとして技構成や努力値がめちゃくちゃになる、なんてことが結構あります。
でもそれって、一匹だけでどうにかしようとするからなんですよね。負担の出ないように相互補完できるなら、何も一人で多くを相手にする必要は無いんです。
とはいえ、そうなるとパーティ単位での技構築になってきてすごく難しくなるんですけどね。
このブースターは単体では動かしづらいので、パーティに誰を入れるかが重要になってきます。
もちろん、見せ合いルールの場合動きづらいと思ったら選出しないのも一つの対策です。
ブースターは炎ともらいび、そしてばかぢからで鋼やこだわり持ちの炎に対してはかなり優位に立てるため、見せ合い時点でも充分牽制になります。
炎や鋼が苦手な相手のお膳立て、という意味でもパーティに採用する価値は充分あると思います。
個人的には、純粋なアタッカーにするならインファイトやワイルドボルトを習得しておなじもらいびを持ち、いかくにもまわれるウインディやちからづくフレアドライブで超火力のヒヒダルマの方が速くて使いやすいと思います。
攻撃の130に目が向きがちですが、高い特防も忘れないであげてください。そして元が高水準なので、努力値を割かなくても火力もそこそこ出る。
あとは愛情でカバーしてください。好きこそものの上手なれ。どんなに強いポケモンだって、ポケモンに振り回されてちゃ始まりませんから。
そんな理由もあって、あえて相方考察はこいつがお勧め! 的な書き方をしてません。ご了承ください。
この育成論が少しでも何かの参考になれば幸いです。