9回目の投稿となります、E@3DSとポケモンです。前回の剣舞メガガブリアスではたくさんの高評価とブクマをしていただき、ありがとうございます。
さて、今回は少し番外編でさかさバトルに関する考察を行いたいと思います。取り上げるポケモンはスカーフメタモンと組ませることを想定したニャオニクスです。この育成論を機にさかさ考察が少しでも行われたらいいなと思います。(急がないとさかさバトル終わってしまう。)
おことわり
この育成論ではHP、攻撃、防御、特攻、特防、素早さをHABCDSという略称で呼び、また能力値の性格補正については上昇補正を↑、下降補正を↓で表します。。また、ポケモン名等についても、略称を用いることがあります。ダメージ計算は、『EVERY』を用いて行っています。また、ことわりのない限り理想個体を想定しています。
ニャオニクスとは
今世代初登場のオスメスで特性が異なるポケモンです。可愛いです。対戦では基本的に凶悪特性いたずらごころが使えるオスが主に使用されています。
しかし、ダブルはよく知りませんが通常のシングルバトルでは鬼火再生イカサマで疑似物理受けが可能なヤミラミ、優秀な耐性からの電磁波いばサマやスカーフ出落ちのない壁張りが可能なクレッフイ、アタッカーとしての汎用性・対面性能が高いボルトロスなど上をいくライバルが多いです。そのため、マイナー気味なポケモンになってしまっています。
さかさバトルでのスカーフメタモンの強さ
スカーフメタモンと組ませることが前提なので、まずはかわりものメタモンについて解説したいと思います。ご存知の通り、メタモンの特性かわりものは相手のHP以外の要素をすべて丸パクリする特性です(ただし、技のppは全て5)。これを利用することにより、例えば積み技で能力の上がった相手ポケモンに化けることで逆に相手を詰ませるといった芸当ができます。また、威張ると組み合わせて相手の能力をわざとあげておくといったコンボが非常に強力です。
しかし、アイテム無しの状態では50パーセントの確率で相手に先手を取られて全抜きの前に倒されてしまいます。そこで、まずは目の前の相手にタイマンで勝てるようにするためスカーフか襷を持たせる場合が一般的になっています。スカーフは相手を上から殴って一撃で倒す、襷は確実に一発耐えて反撃するという発想からきています。
では、次にそれぞれのデメリットがどのようにさかさバトルに効いてくるかを考えます。まず、襷のデメリットですが、連続技に弱いという点が挙げられます。これはつまり絶対王者でありかつ一番パクリたい対象であるメガガルーラに弱いということになり、かなり痛手となります。また、通常シングルよりもかなり使用率の伸びているキノガッサの種ガンに弱いのも結構厳しいです。あとは、Sが高くないポケモンに化けると全抜きが難しいことが挙げられます。
一方、スカーフのデメリットですが、拘ってしまうことです。つまり、技の一貫性を出すまで強力な相手をパクっても十分な抜き性能を発揮できないため、立ち回りが難しくなります。ですが、さかさバトルでは相性の反転により以下のようなタイプの技の一貫性が通常時と比べて異様に高くなります。
- ノーマル 半減 無し
- 草 半減 水・地面・岩
- 地面 半減 炎・電気・毒・岩・鋼
- 竜 半減 竜
まず、ノーマルは言わずもがなでしょう。草はバンギ・ゲッコウガ・草食くらいにしか耐性がないので、一貫性が高いといえます。地面は毒や鋼タイプが使われることが少なく、本来の欠点である飛行に無効にされなくなるので地震の性能の高さとあいまって制圧力が高いです。竜技もメタモンを出した時点で相手が削れていればかなりオススメです。そして、環境上位の物理アタッカーはメガガルーラ(ノーマル技)・キノガッサ(草技)・ガブリアス(地震・逆鱗)・カイリュー(神速・逆鱗)といったようにこれらのタイプの技を駆使するポケモンが多いので、スカーフメタモンが化けた際に腐りにくくなります。また、マンムー・ガッサ・ホルード等の中速ポケモンに化けてしまった場合でも、スカーフなので十分な抜き性能を確保できます。以上よりさかさバトルではスカーフに大きく軍配が上がるといえ、実際にPGLでもスカーフ>>襷となっています。
『電磁波』ではなく『毒みが』である理由
メタモン+いたずらごころの組み合わせの場合、電磁波威張るを想像する方が多いかと思いますので、今回毒みがにしている理由を説明します。
電磁波威張るにすると単純にメタモンが持ち物無しの状態でも対面している相手に先制技を打たれない限り、確実に先制できるようになります。そのため襷の場合、襷を温存しつつ目の前の敵を突破できるので、電磁波威張るがほぼ必須となります。今回想定しているスカーフの場合でも、襷の場合ほどのメリットはありませんが、スカーフ持ちの相手に化けた場合でも確実に先制できるので有用といえます。しかし、必須ではないことが分かるかと思います。
それではスカーフ持ちとの対面で5分5分になってしまうデメリットを背負ってでも毒みがにしている理由は何かと言いますと、高耐久低火力なポケモンを流すorはめ殺すことがてきるということです。さかさバトルでは先ほど説明したように、メタモンが化けたいノーマルを始めとした一貫性の高いアタッカーが積極的に採用されています。となると、これらポケモンを受けるためにはどうすればよいでしょうか。答えは一つで数値で受けるしかありません。そのため普段のバトル以上にクレセ、ポリ2、クレベース、ラッキー、レジアイスといったメタモンが化けると返って不利になってしまう受けポケも積極的に採用されています。つまり、メタモン視点でさかさ環境を眺めると『すごく化けたい』と『絶対化けたくない』との2極化が激しくなっていることが分かります。したがって、毒みがを採用することで、『絶対化けたくない』受けを流し、メタモンを『すごく化けたい』物理アタッカーとの対面に導いてあげることができます。
さらにメタモンサポートの要として採用している威張ると毒みがにはなかなかのシナジーがあります。威張るによる混乱が身代わりや回復アイテムとあいまって、毒のターンを稼ぎやすいです。また、相手がメタモンにパクられることを警戒して、物理アタッカーから化けられた際に被害が少なそうな受けポケへ交換するかもしれないという局面でも、威張るが一貫して刺さるので使い勝手が良いです。
他のいたずらごころとの差別化
毒いばみがをするということなら全てのいたずらごころ持ちが実行することができるので、差別化を書いておきたいと思います。
まず、ヤミカラス、レパルダスとは物理耐久の差で(∵ニャオニクスはお盆等を持てる分、実質耐久が高い)容易に差別化できます。ヤミラミ、エルフーン、クレッフィとはタイプ耐性の安定性で容易に差別化できます。
次に、ボルトルネですがタイプ耐性の安定性がやや勝っていますが、対クレセリア性能で見るとこいつらの方が上なので十分な差別化にはなりません。ではどうするのかというと、ここが割とミソなのですが、リフレクターを採用することで差別化できます。「スカーフで上から殴るだけなので必要ないのでは?」と思われるかもしれませんが、対メガガルーラにおいてかなり有用な技になります。耐久無振りガルーラに化けたH252メタモンは意地A2↑以上の火力のメガガルーラの不意打ちを耐えることができません。こちらも不意打ちを選択すれば確かに勝てるかもしれませんが、メタモンにスカーフを持たせているので、不意打ちのpp5を交換連打でやり過ごされる可能性があるので非常にリスキーです。また、全抜きのためにも不意打ちよりも威力・一貫性が高いノーマル技を選択しておきたいというのもあります。リフレクターを採用することで、A5↑不意打ちまでは意地っ張りであってもメタモンが耐えることができるので威張るの打ちすぎや相手の思わぬグロパンにも冷静に対処することができます。
性格
メガガルーラを始めとした物理アタッカーを意識し、図太いで確定とします。
特性
中途半端な素早さを気にせず、補助技を優先度1で打てるいたずらごころ一択です。オスのニャオニクス限定の夢特性です。
持ち物
オボンが基本ですが、その他にも候補があります。
オボン
単純に場持ちが良くなります。食べ残しよりも即効性があるので、対物理アタッカーと受けポケの両方に対して腐りにくいアイテムです。具体例を挙げると、陽気メガガルーラの猫捨て身を確定耐えします。
食べ残し
対受けでは威張るの混乱があり、ターン数が稼ぎやすいので総合的な回復量でオボンに勝る場合があります。即効性が無いのがややネック。
ホズのみ
ノーマル技を半減できる木の実です。メガガルーラに威張った後の恩返しをリフレクター無しで耐えられるのがメリットですが、猫だましで潰されることもしばしば。後は、カイリューの神速に対して威張っていきやすくなります。
努力値
HBぶっぱで余りをSかDに振ります。マッハパンチ・胞子が厄介な最速ガッサを抜くにはSに振る必要がありますが、物理耐久が大きく低下するのでこれを確定にしてあります。
技構成
- 確定技
威張る
メタモンをサポートする型なので外せません。これを物理アタッカーに打ち、メタモンに繋ぐのが目的です。もちろん、受けポケにも刺さったり、最悪運ゲーに持ちこめるのも強み。
毒々
今回のポイント。受けポケを流して、物理アタッカーに繋げやすくします。
みがわり
受けポケが持っていることの多い補助技をシャットアウトすると同時に、毒のターン稼ぎができます。他にもガッサの胞子を透かしたり、ラティの流星群をやり過ごしたりできるので便利。
リフレクター
ボルトルネとの差別化となる技。先ほど説明した通り、メガガルーラの不意打ちやガッサのマッハパンチに対して、メタモンが強気に恩返しや種ガンを選択できるようになります。また、物理耐久が高くないニャオニクス自身の行動回数を稼ぐのにも役立ちます。
全て補助技なのが少々気になりますが、どれも切れない技なので仕方ありません。他にも、たまにいる身代わりガルーラに有効なシャドボや、単純にターンを稼げる守るなどもありますが、なかなか搭載するのが難しいです。
ダメ計
今回は攻撃技が無いので、被ダメのみです。
- 物理方面
A252ガブリアス
逆鱗 48.61%-58.01%
地震 41.43%-48.61%
A252メガガルーラ(親/子)
猫だまし 16.57%-19.88%/8.28%-9.94%
恩返し 40.33%-48.06%/19.88%-23.75%
捨て身タックル 46.96%-56.35%/23.2%-28.17%
グロパン22.09%-26.51%/11.04%-13.25%
オボン込で猫捨て身まで耐えます。偶発した場合、受けがいるようなら一貫する威張るを打ちましょう。猫だましを打ってきた場合、そのまま突っ張ってくる可能性があるので壁を残してメタモンに繋げやすくするためリフレクターを貼るのが良いでしょう。
A252キノガッサ
マッハパンチ 49.72%-59.66%
抜群先制技があるので、残りHPに注意して立ち回りましょう。とりあえず、1ターン目は胞子意識で身代わりを貼ることもできます。
A252↑鉢巻カイリュー
神速 36.46%-43.09%
逆鱗 81.76%-96.68%
コイツに対してはホズの方が有効そうです。A4↑くらいのをパクれれば非常に強力です。
A252↑ハチマキファイアロー
ブレバ 58.56%-69.61%
A4クレベース
反撃でない雪雪崩 18.78%-23.2%
身代わりが残るので、かなり安定して処理できそうです。
- 特殊方面
C252ラティオス
メガネ流星群 109.39%-129.28%
特殊方面はさほど硬くないので注意。
C252ポリゴンZ
さわぐ(威力90音技) 76.24%-90.6%
皆さん、この技知ってましたか?実はトラアタよりも威力が高いんです。私は身代わり張ってあるからとのんびりしてたら、ファーーってなりました。
C4ポリ2
トライアタック 31.49%-37.01%
C4クレセリア
サイキネ 54.14%-64.08%
さすがに身代わりはすぐ潰れるので、後出し時に威張る→交換読みで誘う電磁波を身代わりで透かすといった展開でうまく処理しましょう。
運用
先発や死に出しの方がHPが多くあるので仕事をしやすいですが、状況によっては物理アタッカーに強引に後出しして、いたずらごころ威張るを入れてメタモンで全抜きという展開が考えられます。動きとしては物理アタッカーに対面させ、一貫性の高い威張るを打ち、メタモンにとって厄介な受けがでてきたら毒みがで嵌め殺した後、物理アタッカーに威張るを打ってメタモン無双が理想的です。
なお、メガガルーラに関しては90%以上が恩返し、捨て身タックル、空元気のいずれかをもっているので十分全抜きできるのですが、たまにメタモン意識で八つ当たりを採用している個体がいます。その場合でも何かしら威力の有る技が他にあれば何とかなるのですが、例えば、猫だまし/八つ当たり/冷B/グロパン や 八つ当たり/グロパン/ドレパン/身代わりのような技構成の場合はどうがんばっても詰みます。こればかりは、威張る+メタモンのコンボの宿命なので八つ当たりが見えたら他の物理アタッカーに化けれるよう頑張るしか対処法がありません。また、挑発にも注意してください。
相性の良い味方
メタモン
必須。育成論でも触れたようにスカーフが良いでしょう。
メガガルーラ
とりあえず強いので、他のメガシンカを採用する強い理由がなければパーティーに組み入れると良いでしょう。2回攻撃なので、ニャオニクスが苦手なグライオンや、猫だましや不意打ちにより身代わり持ちにもある程度強くでることができます。
ラッキー、ウルガモス等特殊アタッカーを対処できるポケモン
このニャオニクスは受けは確実に流せるのですが、特殊アタッカーを流せるかは相手のプレイスタイルによるところが大きく微妙です。そのため、ラッキーのように特殊を確実に受けたり、ウルガモスのように死に出しから特殊を起点にしたりするのが良いでしょう。ウルガモスでもホズか眠カゴを採用することで厄介なポリZをも起点にすることができます。
ゴーグルバンギラス
キノガッサに化けた場合、状況次第で非常に強力ではあるのですが、メガガルーラの不意打ちや相手の草食に妨害されることが多々あります。また、胞子・マッパのためニャオニクス自身の立ち回りも少し難しくなります。バンギラスはH252振りのみで意地ガッサの岩石封じを3回耐えることができ、後出しからの砂ダメ襷潰しができます。さらに追い打ち追い打ち採用で逃さず倒すこともできるので立ち回りが楽になります。また、対特殊性能が有る程度あるのもgood。
参考バトルビデオ(公開を終了しました)
QG2W-WWWW-WWW7-JLDD
なかなか危なっかしい試合ですが、クレセリアを流している様子がよく出ていたのでupしました。パルシェンが龍意識の水技採用型で助かりました。
R5RG-WWWW-WWW7-JLEB
後出しパターン。全抜きの自信があればこれでも問題ない。ゴーグルバンギが日頃のガッサへの恨みを晴らしている試合です。
最後に
いかがでしたでしょうか。さかさバトルは今シーズンだけということで育成論の需要があるかは分かりませんが、折角なので書いてみました。やってみるとなかなか楽しいので、みなさんも是非さかさポケモンを考えてみてください。
評価・コメントをお待ちしております。
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