初めに
- この考察ではHP/攻撃/防御/特攻/特防/素早さをH/A/B/C/D/Sと略記するなど比較的一般的と思われる略称・略号を用いたり、公式のカナ表記を漢字に改めたりします。あまり一般的ではないと思われる用語や意味の分からない部分がありましたら、コメント欄までお願いします。
- 二度目の投稿になります。まだまだ不慣れですので、至らない点はコメント欄にて優しくご指導願えると幸いです。
- ダメージ計算はトレーナー天国さん、基本的なポケモンのデータ(種族値、性格補正表、覚える技、タイプ相性表、目覚めるパワー表など)はポケモンWikiさんを参照しています。これら参照元の信ぴょう性問題については僕は一切ノーコメントですので検証したい方は各自でお願いします。
この型の採用理由
大きく分けて3つあります。ただし、テンプレートといえる珠マニュとの比較論になりがちですので、もしよろしければ(育成論ORAS・XY/350)を参考にしていただけるとわかりやすいかと思います。
- ガブガルをはじめとする環境上位ポケへのメタ性能
どの持ち物や型であってもマニューラを採用する最も自然な理由はこれです。
ガブリアスを上から氷技で縛れ、ガルーラにも(落とせるかは微妙なところですが)上からけたぐりが打てるなど環境上位に対して刺さっているといえます。
- 交換読みでの鉢巻はたきによる後続負荷
しかしマニューラというポケモンは刺さる範囲が限定的で覚える技の威力も足りないため、せっかく有利対面をとっても相手からは交代安定ということが往々にして多いです。とくにこいつは耐久の都合上ほかの選出二体に大きく負担をかける形(死に出しや後攻トンボル)以外で降臨するのが難しいため、相手にひかれるとこちらがどんどんダメージレースに不利になっていきます。
この意地っ張り鉢巻型では極限まで火力を引き上げることにより交代読みで打つはたき落とすの火力を底上げしています。これによって、悪タイプ技の一貫性と相まって、(読みレベルは必要ですが)相手の後続に負荷をかけることが可能になっています。物理受けといわれるポケモンたちに対するダメージ計算もつけていますが、安易な受け出しが難しいほどの削りであることがわかるかと思います。
- 対メガボーマンダ性能と対メガガルーラ性能の両立
最速を切ってまで意地っ張りを選択した理由として、A補正によってけたぐりで無振りガルーラを、氷の礫で無振りボーマンダを圏内にとらえていることがあります。
もともと、最初に挙げた通り、こいつは自分より遅く弱点を突いていけるやつらへのメタとして採用されるのですが、メガ勢はスペックが高すぎ、こちらの型を工夫しないと落としきれないことがあります。
逆に最速を切ったことで、対ゲンガー性能は地に落ちています。しかし、ゲンガーに関してはもともとメガシンカ後には抜けず、襷にも勝てないためこいつで処理をするポケモンではないと考えて、今回はこいつが処理をしうる採用率の高いメガ枠としてメガガルーラと、メガボーマンダを強くメタりました。詳しくは次の項目をどうぞ。
対メガガルーラ・対メガボーマンダ
先ほどメタ対象だと述べた、対ガルーラと対ボーマンダについて詳しく解説します。
まず、環境トップのメガガルーラに対する性能を考えます。最初にダメージ計算を出してしまいますと、
A特化鉢巻マニューラ→H4メガガルーラ
けたぐり・・・ 178〜210ダメージ(98.3〜116%) 高乱一(87.5%)
となっています。
ごらんのとおり、ASならほぼ持っていけますし、いわゆる209ガルーラに対してもステルスロックダメージ一回でほぼ無振りと同等の耐久に戻りますので状況次第ではありますが、上からガルーラを落とせる可能性は結構あるといえるでしょう。ABガルは犯罪。ABも数多くいるので相手の型を読みながら立ち回る必要があるのが難点ですが。
次に対メガボーマンダです。
タイプの関係上カモと思われがちなのですが、実際には一般的な珠マニューラでは若干の不安定要素があります。実はこの型の出発点はこの対面を安定させることでした。
まずあるダメージ計算を見てもらえればと思います。
A特化鉢巻マニューラ→H4メガボーマンダ
氷の礫・・・100.5%〜 確定一発
意地っ張り鉢巻の場合、かつその場合に限りメガボーマンダを礫で落とすことができるのです。
こんなことをせずとも、猫だまし+礫でなら珠でも落とせるじゃないかという考えもあるでしょうが、それはいくつかの点で不安定です。
まず、相手の交代との兼ね合いが難しくなる可能性があるという問題があります。鉢巻型でも交代されるリスク自体をなくすことはできるわけではありませんが、珠型では処理に二発かかるため、相手側が素直に交代するか、こちらの交代読み読みなどで居座るかという択ゲーの試行回数を相手に与えることになります。さらに言えば猫だまし自体を後ろで受けられた場合、相手の裏に全く負担をかけることができません。処理に二発かかるうえ、一発目には低負担降臨を許す技を打たされるため、通常の対面処理を考える場合以上に相手の交代に関する択が複雑化しやすく通された場合の負担も大きくなりやすいということです。
また、猫だましという技の性質上、相手が後続を一体捨てるだけで縛り関係をほどかれ、こちらも一度引かないと処理できなくなるという不安定性もあります。
さらにメガ前対面からでは、威嚇の関係上落とすことができなくなる問題があります。実は、完全な一対一の状況からだとテンプレ型のマニューラはメガボーマンダに対してよくて捨て身の反動込みの相打ちをとるぐらいがいい線で、型次第では対面負けもありえるのです。
そこで、鉢巻型にしてつらら落としを搭載することにより、(威嚇が入っているということはメガ前のSで動いていることになり、こちらが先行できるので)威嚇込みでも落とせるようにしました。
つまり、様々なメガボーマンダの型と状況ごとに次のような対処を行うことでかなり幅広い状況でもメガボーマンダに勝つことができます。
- 型を問わずメガ前での対面
→上からつらら落としで確一
- ASもしくはCSぶっぱのような型とのメガ後対面
→礫で確一
- 耐久調整された龍舞型との龍舞を積まれた状態でのメガ後対面
→(純粋な対面勝ちとは言えないが)完全に無傷で龍舞させるという失態さえ犯していなければ礫圏内のはず。1ダメージも与えずに龍舞させてしまった場合はさすがにやや厳しい。これはマニューラを出す以前の段階でプレイングもしくは運に差があったということなのであきらめよう。それでも耐久調整が比較的小さい場合なら有利よりな乱数と思われる。
- 耐久調整された龍舞型との龍舞を積まれていない状態でのメガ後対面
→(さすがに最速龍舞は切っていいという前提で)上からつらら落としで確一
実際には型判別自体も結構難しいので、型判断ミスで負けることもあり得ますが、その手の読み間違いに類するものや、こいつの前にメガボーマンダと対面していた奴が龍舞のタイミングでしびれるといった悪運、裏にメガボーマンダがいるのにこだわり地震を打ったりあくびループから脱出できなかったりするようなプレイングやPT構築の問題の結果として完全無償で積まれてしまったケースを除けば、こいつはメガボーマンダに対してかなりの確率で回答を与えてくれます。また、耐久に大きく回したメガマンダの一舞地震程度なら耐えることもあるので(一例をあげるとA補正あり92振り(準速、H191、余りAの場合)のメガマンダの一舞地震は乱数25%)捨て身を打ってくれれば、反動も入り先ほどは厳しいと書いた無傷での龍舞を許した場合でも、相打ち程度は取れる可能性は相当あります。
なお、龍舞時にこちらが多少ダメージを与える前提なのなら陽気でも同じことではないか?というコメントをいただき、私自身礫で確一に執着しすぎたと感じる部分もあるのですが、一方で龍舞型のメガボーマンダは大きな耐久調整をして、耐久型や起点づくり役に無力化してもらったポケモンを起点に、羽休めで粘りながら積んでくる型も十分も考えられるため、こちらが多少ダメージを与えるとは言っても(PT構成にもよるでしょうが)、せめて無振り想定ぐらい確一にしておかないと、ストッパーとしては若干不安だという考え方もできるかと思います。また陽気では上に述べたガルーラへの高乱数を取れないため、意地っ張り型の存在意義が否定されることはないと考えます。
鉢巻型が珠型に勝る点
注)この項目で説明することは、鉢巻型全体のメリットであってこの意地鉢型に固有のメリットではありません。
鉢巻マニューラの強みとして、
- 陽気ガブの地震程度は耐える耐久が削れないこと
珠型は猫だまし+何かという形での処理が多いため、襷からの逆襲などは比較的少ないのですが、それでも後続にゴツメ持ちの物理受けがいるなどの理由があれば常に猫だまし安定とも言えないため、たんに礫を打ってみたところ案の定襷で返しで一発などというパターンがありえます。
- 非役割対象へのごまかしが可能なこと
マニュというポケモンはいわゆるエースアタッカーではなく、役割対象を確実に処理することを求められているポケモンではあるのですが、それでも相手の交代を呼んで負担をかける性能が珠型では乏しいです。その点鉢巻型ははたき落とすの一貫性である程度押していくことができます。これが先ほどの採用理由の二番目で述べた、交代読みでの圧力になります。
があります。
意地っ張りのデメリット
意地っ張りにしたことで生じたことで抜けなくなったメジャーポケとして
- ジャローダ
- ボルトロス
- メガルカリオ
- ゲッコウガ
- ゲンガー
- ラティオス&ラティアス
などがいます。
しかしこのうち、ジャローダにはテンプレ型もこの型も礫しか打たないので関係なく、メガルカリオはバレパン&真空波を考えると突っ張れないので関係ありません。
またラティ兄妹はメジャーといっても6世代で大きく数を減らしています。
問題は最速ボルトに礫の上から電磁波を打たれることとゲッコウガ、メガ前ゲンガーを抜けなくなることですが、最近最速ボルトの個体数もいませんし、ゲンガーも先ほど述べた通り、そもそもメガ前しか抜けないだけでなく、対面を突っ張るだけでも襷気合玉や守るもちの滅び型など事故要素がかなり多くマニューラで処理すべきポケモンかといわれるとそもそも怪しいと考えています。大きな対面関係の入れ替わりがあるのはゲッコウガに対してです。ゲッコウガにも勝ちたい場合は普通に陽気型を使ってください。この型は先述のメガ勢2匹に対しての性能を追求した対価としてゲッコウガに対してまずまずあった勝率を捨てたとご理解ください。
性格・努力値ぶり
意地っ張り
AS252、HorB4で確定です。
先ほどのボーマンダへのダメージ計算を見てもらえばわかる通りAは僅かも妥協できず、Sも準速ボーマンダ抜きの173以上が必須(こちらの準速は177)で、となれば多少削っても仕方がないとの判断です。
技構成
氷の礫
メインウェポンその1。メガボーマンダへの遂行のためにも必須。ニューラのままLv47まで育てれば遺伝不要。
つらら落とし
メインウェポンその2。意地鉢と相まってかなりの火力が出る。
はたき落とす
メインウェポンその3。持ち物を落とせる追加効果が非常に便利です。
けたぐり
優秀なサブウェポン。ASガルならほぼ落とせます。
確定技のみで埋まってしまったため選択技はありません。どうしても切るならはたきになりますがそこまでして入れたい技もないでしょうし。
与ダメージ計算
氷の礫
→H4メガボーマンダ 172ダメージ〜(100.5%〜) 確定一発
当然ガブも確定です。
→H236B特化ボルト(いわゆる184ボルト) 98〜116ダメージ(53.2%〜63%) 確定二発
半分まで削った耐久ボルトなら電磁波を食らわずに処理できます。無振りボルトに対しては乱1。ただし、最速ボルトにはつぶてでも上から電磁波食らうのでやるかどうかは微妙ですが。
→H252ジャローダ 114〜134ダメージ(62.9〜74%) 確定二発
つらら落とし
→HB特化カバルドン 146〜174ダメージ(67.9〜80.9%) 確定二発
→H244メガボーマンダ(威嚇込み) 244ダメージ〜(121.3%〜) 確定一発
けたぐり
→H4メガガルーラ 178〜210ダメージ(98.3〜116%) 高乱一(87.5%)
はたき落とす
→HB特化クレセリア 164〜194ダメージ(72.2〜84.4%) 確定二発
→H252シールドギルガルド 186ダメージ〜(111.3%〜) 確定一発
→HB特化スイクン 85〜102ダメージ(41〜49.2%) 確定三発
→HB特化水ロトム 90〜106ダメージ(57.3〜67.5%) 確定二発
ギルガルドやクレセリアに打つだけでなく有利対面から交代読みで打って負担をかけたいところです。
被ダメージ計算(B4で計算)
A252ガブリアス
→地震 120〜142ダメージ(82.7〜97.9%) 確定二発
→逆鱗 144〜169ダメージ(99.3〜116.5%) 高乱一(93.8%)
ダメージ計算は順次追加予定です。コメント欄までリクエストをお願いします。
最後までお読みいただきありがとうございます。
追記
まだ装飾の仕方など、よくわかっていないため、とりあえず上げてしまい様子を見て見にくいなと自分で感じた部分を徐々に直していく形をとらせていただきます。レイアウトの変化などでご迷惑をおかけするかもしれませんがご容赦ください。