- 指定がない限りお互いに6Vであるとします。
- HP/攻撃/防御/特攻/特防/素早はH/A/B/C/D/Sという略称を用います。また、タイプのノーマル/電気/地面/格闘/エスパー/ゴースト/飛行/ドラゴン/フェアリーは無/電/地/格/超/霊/飛/竜/妖という略称を用います。
- 特化とは、そのステータスに上方補正のかかる性格で、関係するステータスに限界まで努力値を振った事を示します。
- 能力ランク上昇・下降を+・−で表示します。(ex.攻撃6ランク上昇=A+6)
前置き
こんにちは、いか鉄です。3回目の投稿になります。
今回はテンプレ型瞑想ゴチルゼルを紹介しますが、努力値の違いで役割範囲がかなり異なってくるため、
- 最近復権しつつある受けループ対策型
- 環境に多い物理アタッカーにも役割範囲を広げたB特化型
の2種類に分けて紹介していきます。
ゴチルゼルにとっての第6世代
<プラスに働いた要素>
- 高火力物理の蔓延による、高耐久低火力ポケモンの増加(クレセポリ2等)
- 特殊技の火力ダウンによる、相対的な特殊耐久上昇
厳選が簡単に。
<マイナスに働いた要素>
- 仕様変更によるゴーストタイプの拘束不可
- 同特性のメガゲンガーの登場による対策の流行
- 蜻蛉ルチェンの流行
- メガシンカポケモンの登場によるトリック型の弱体(型が読まれやすいという意味で)
向かい風ではありますが、役割対象も増えた、といったところでしょうか。
特性
夢特性「かげふみ」で確定です。
なお、同特性のソーナンスとは抜き性能の違い、メガゲンガーとは場に出たターンで拘束できるかどうかという違いで差別化が可能です。
技候補
技構成は、瞑想/眠る/(攻撃技)/(補助技)になります。優先度の高い技は太字。
- 確定技
瞑想
火力はほぼ無いため、特殊耐久と火力を同時に補える瞑想は確定です。これを抜くと、回復技持ちに対して突破が困難になってしまいます。技マシン。
眠る
ほぼ唯一の回復技。状態異常も回復するため、毒では死にません。技マシン。
- 選択攻撃技
サイコキネシス
サイコショック
一致技。基本的にはどちらかから選んでください。
パターン1では挑発でラッキーは完封できるので、B≧Dの相手意識でサイコキネシスの方を推奨します。
パターン2ではラッキー、瞑想ミラーを意識するのであればサイコショックでも構いませんが、6積みしても無振りガブリアスが乱数と、火力不足気味です。
ダメージ計算は最後に。
悪の波動
無効タイプ・特性が無い攻撃技。しかし火力不足。
参考)C+3からH252クレセリアが確2。
- 選択補助技
挑発
受けループ対策型の場合の推奨技。攻撃技を一つしか持たないラッキーや毒守ヒードラン、瞑想スイクン等のPP切れを狙います。また瞑想ミラー、吠える系、三日月の舞等の自主退場技持ちの場合などで相手の補助技を封じ、その間に積んでいきます。素眠りになってしまうと挑発が解ける前に起きられないため、完全に妨害することはできません。
甘える
B特化型での推奨技。ある程度の火力の物理アタッカーを完封することが可能になります。B特化すればメガガルーラの恩返し程度の火力は自力で起点にできます。またSで勝っているナットレイ、ローブシン、(技によってはドサイドンやクチート)といった低速高火力にも役割が持てます。
くすぐる(コメント欄より)
相手のABを下げる技。ラッキー意識で攻撃技としてサイコショックを選んだ場合、甘えるを採用すると、受けループのヤドランやエアームドを突破できないため、「物理アタッカーを起点にする能力」と「対受けループ」を両立したい場合に。
以下は候補にはなりますが、コンセプト的に優先度の低い技です。
パーティの他の枠で補助・補完の効く場合に検討してください。
寝言
食べ残しを持つ場合の候補。眠りながら瞑想を積める可能性ができるので、運が絡みますが、特殊方面で起点にできる範囲が広がります。
影分身
相方で毒菱を撒くなどの補助が可能な場合は候補になります。今回は瞑想型なので見送り。急所により負ける確率も減らせます。
みがわり(コメント欄より)
低火力を起点にする場合の安定性が向上します。特に急所や一撃技で突破されにくくなる点は非常に優秀です。
持ち物候補
物理に有利 アッキの実>食べ残し>カゴの実>タラプの実 特殊に有利
といった感じです。
食べ残し
ゴチルゼルはH252振りでH16n+1という、まさにこのアイテムを持つために生まれてきたポケモンと言っていいでしょう。総合耐久が底上げされるため、物理方面に多少強くなる他、地球投げを4耐えするようになるため、ラッキーの地球投げ連打の中、1眠りに1回行動できます。
アッキの実(コメ欄より)
第6世代で増えた木の実。
物理方面には最も固くなります。具体的にはB特化、甘える採用時、A252ガブリアスの鉢巻逆鱗×2を高乱数耐えして起点にできるほどです。(食べ残しだと中乱数。)
カゴの実
特に特殊アタッカーを起点にする場合に、連続的に瞑想を積めるため優位になります。威嚇の入ったガブリアス等へ無理やり後出しから嵌める事も視野に入ります。
余談:タラプの実
今回は特殊アタッカーを起点にすることに重きを置いていないので候補外ですが、特殊アタッカーをハメる場合には有効です。使用する場合には仮想敵に合わせて調整しましょう。ちなみにD特化すれば特化眼鏡ヒードランのオーバーヒート2連を高乱数で耐えて起点にできます。Sで勝っていれば余裕。
※ここからが本題の型紹介になります。
パターン1:受けループ対策型
<性格・努力値> 図太いH252 B36 S220
<実数値> 177-x-132-115-130-113
<推奨技構成> 瞑想/眠る/サイコキネシス/挑発
<推奨持ち物>たべのこし
- 解説
最近レート上位に食い込み、注目を取り戻しつつある受けループをメタる型です。H252と最速ラッキー抜きは確定です。ここまでSに振ることで、Sに振らないエアームドやクレセリア、ゴツメギャラ等にも先制挑発できます。
ギロチンの無いグライオン、ヤドラン、フシギバナ辺りも役割対象になるので、幅広く受けループに対応できると言えます。
残りの性格補正と36の努力値は好みですが、Bに振ることで特化バンギラスの成功追い討ちを耐えるなど、ラッキーを突破した後に腐りにくいためBに振りました。B11nで美しい。
<採用理由>
- 対受けループ
- 高耐久つぶしによるエースの一貫性作り
- 被ダメージ計算
<物理>
〔特化メガガルーラ〕 捨て身タックル 85.2〜100.4%
〔特化バンギラス〕 噛み砕く=成功追い討ち 79%〜94.9%
〔特化メガバシャーモ〕 叩き落す 73.4%〜87%
〔A252ガブリアス〕 逆鱗 52.5%〜62.7%
↑陽気ガブは対面から甘えるを打つことで2耐えし、起点にできます。
<特殊>
〔特化ギルガルド〕 シャドーボール 88.1%〜105%
〔特化ニンフィア〕 ハイパーボイス 51.4%〜61%
〔C252珠化身ボルトロス〕 10万ボルト 50.8%〜60.4%
〔特化眼鏡ロトム〕 10万ボルト 57.6%〜67.7%
〔特化ポリゴン2〕 シャドーボール 45.1%〜54.2%
↑珠ボルトの10万までは、カゴの実があれば対面から起点にできます。
食べ残しもちでは、Sで勝っていれば、特化眼鏡ロトムの10万Vあたりから起点にできます。
参考)瞑想6積み時、C特化ギルガルドのシャドボ×2(1発目でD−1)+影うち
最大ダメージ: 28.2% + 31.6% + 40.6% =100.4%
食べ残しの回復があるので確定耐え。パターン2でも影うちのダメージが少ないので確定耐えです。
- 運用方法
受けループ相手であれば、まず控えからスタートし、嵌められそうな相手が「交換しないタイミングを狙って」後出しします。いきなり後出ししようとすると読まれてバンギ等に交換されるので注意が必要です。死にだしでは数的不利により、逆にTODを仕掛けられると負ける可能性があるので、後出し推奨です。
できるだけHPを残したいので、ラッキーは挑発でPP切れから悪あがきで落とすのが理想ですが、TODを仕掛けられそうであればサイキネを当ててください。(Dダウン引かないと突破は無理。)
他にもクレセリアやポリゴン2を始めとした受けポケに役割が持て、後続エースの確実な一貫作りも可能です。ダウンロードポリ2のシャドボは辛いので、パーティ単位でダウンロード対策が必要です。
- 相性の良い味方
水ロトム
バンギラスに対して弱くない特殊アタッカーで、ボルトチェンジにより安全にゴチルゼルの降臨を狙えます。
メガガルーラ
一貫性を持たせたいエースNo.1。相手の耐久ポケで止まることを意識しないでいいので、陽気猫捨て身型が使いやすいです。
パターン2:B特化型
<性格・努力値> 図太いH252 B252 D4
<実数値> 177-x-161-115-131-85
<推奨技構成> 瞑想/眠る/サイコキネシスorサイコショック/甘えるor影分身
<推奨持ち物>アッキの実or食べ残しorカゴの実
- 解説
こちらのゴチルゼルの一番の役割対象は、高耐久低火力の受けポケです。
しかし、ゴチルゼルをパーティに組み込む場合、役割対象がそれらに限られてしまっていると、相手の選出により腐りやすく、結果として選出段階で数的不利な状況に陥る危険があると考えます。
なので今回は、ゴチルゼルの役割範囲をできるだけ広げ、本来の役割対象がいるパーティに対して選出しても腐りにくくすることで、選出負けを可能な限り防ぐことをコンセプトとしています。
今回の場合は、環境に多い物理アタッカーを起点にするために、B特化させました。B特化すると、A252ガブリアスの逆鱗を高乱数2耐え(食べ残し込み2耐え)し、甘える込みで起点にできる程度の耐久になります。
急所負けは一定割合で起きてしまうものの、本来の役割対象である高耐久ポケモン以外に対して、十分な勝ち筋を持てることになります。
パターン1に比べてラッキーに対してはあまり安定しませんので、ラッキーを突破したければ攻撃技はサイコショックにしましょう。(Dダウン引く自信のある方はサイキネでもいいですが、小さくなられると厳しいです。)
持ち物や技構成については味方の起点作りレベルと相談なので、パーティに応じて決めてください。
ちなみに麻痺と合わせるのならカゴの実+甘える、威嚇と合わせるならアッキの実or食べ残し+甘える、置き土産レベルのお膳立てがあればアッキの実+影分身がオススメです。
<採用理由>
- 高耐久つぶしによるエースの一貫性作り
- バシャナットサンダー、クレセドランなどの蜻蛉ルチェンを使わないサイクルメタ
- 害悪系エース
- 後続の起点作り(甘える採用時)
- 被ダメージ計算
<物理>
〔特化メガガルーラ〕
猫だまし 24.2〜29.3%
捨て身タックル 70.0〜82.4%
恩返し 59.8%〜71.6%
〔特化メガバシャーモ〕
叩き落とす 59.8%〜71.1%
フレアドライブ 55.9%〜66.1%
〔特化鉢巻ファイアロー〕 ブレイブバード 52.5%〜61.5%
〔特化ガブリアス〕 逆鱗 47.4%〜56.4%
〔A252ガブリアス〕 逆鱗 42.9%〜51.4%
↑最大ダメージが70%までであれば、後攻でも食べ残し+甘えるで受けきれます。
メガバシャは叩き+A−2フレドラが低乱数(20%)ですので対面は比較的有利です。
<特殊>
パターン1とほぼ同等なので割愛。
- 運用方法
他の味方で相手の型を見極めつつ、起点にできそうな相手に対して死に出しが基本です。
低火力ポケに対しては後出ししても起点にできますが、後出しがとても読まれるため、あえて後出しせずに相手の交代の可能性も視野に立ち回ることが重要です。(相手が相当意識してくれるため、ガルーラクレセ対面で捨て身押したら、交換読み交換で出てきた裏のゲッコウガが死んだなんてことがありました。)
また、味方で麻痺や壁、威嚇等のサポートを行うことで、起点にできる範囲が一気に広がり、積みエースとして運用できます。
甘えるによって、万が一突破されてしまっても物理は後続の起点にすることができ、積みリレーのような動きが可能です。
一応、自滅できないポケモンに対してはTODも狙えます。無駄な負け筋を作らないために、覚えておいて損は無いです。(なお、急所を引かれても勝てるかどうか、十分にダメージ計算して立ち回ってください。)
- 相性の良い味方
メガミミロップ
ゴチルゼルが苦手なゴーストや悪タイプ(ゲンガー、ギルガルド、ヤミラミ等)に比較的強く、電磁波やアンコールなど起点作りの技も豊富で、高耐久がいなければエースとしての突破力もあります。
また、スカーフ持ちに突破されても、ゴチルゼルがそこを起点にできるため、相性良好です。
挑発持ちファイアローが激重になってしまうので、ロトムなどで牽制したいところです。
ジャローダ
ゴチルゼルが重いスイクンや水・電気タイプに強く出られる他、蛇睨みや壁貼りによる起点作りによってゴチルゼルのサポートが可能です。
霊獣ランドロス
威嚇+(後攻)とんぼがえりにより、ガブガル+クレセドランのような構築であれば、どこでもゴチルゼルの起点にしてしまえます。(ガルーラは急所率高いんでリスクあります。)馬鹿力による悪タイプの処理も魅力。
ボルチェンしてくる電気タイプに有利なチョッキか、蜻蛉やガルーラに強いゴツメが相性がいいです。
ゴロンダ
苦手なゴーストや悪を呼ばず、捨て台詞によるサポートからの読み不要のゴチルゼル降臨が強いです。高火力相手はACダウンと言えどゴチルゼルが受けてしまうとそのまま突破されかねないので、後攻捨て台詞が可能な型(育成論ORAS・XY/1934など)が良いと思います。
与えダメージ計算
C+6でのダメージのみ載せます。左:サイコキネシス/右:サイコショック
〔D4/B4ガブリアス〕 120.2%〜141.5%/97.2%〜115.3%(乱1 87.5%)
〔H4メガガルーラ〕 107.7%〜126.5%/95%〜112.7%(乱1 75%)
〔H252 B252↑ D4クレセリア〕 33.9%〜40%/23.7%〜28.6%
〔H244 B252↑輝石ポリゴン2〕 70.6%〜83.7%/47.1%〜55.4%
〔H252 B252↑ D4輝石ラッキー〕 34.7%〜41.1%/62.4%〜73.9%
〔B252↑ D252輝石ラッキー〕 30.7%〜36.3%/68.6%〜81.2%
〔H252ギルガルド(盾)〕 41.3%〜48.5%/36.5%〜43.1%
参考) C±0サイコキネシス→H252ファイアロー 36.2%〜42.7%
Dダウン1回引ければ羽休め連打は間に合わないので、挑発アローに対してもワンチャンあります。HDアローは無理。
この型の欠点
この型を使うに当たり、パーティや立ち回り、メンタルでカバーすべき内容についてまとめます。
- 自身は低火力のため、積み技持ちには起点にされる。
- ワンウェポンになるため、6積みしても突破できない相手もいる。
- 後出しが読まれやすい。
- 一撃技持ちは無理。(ドリュウズ等)
- 多数回攻撃されるので、急所で負けることが多々ある。
パーティ構築や選出段階から、5.以外は気をつけて扱ってください。
最後に
いかがだったでしょうか?
B, Sの種族値の都合、努力値配分が非常に使い勝手を左右するため、今回のような書き方にさせていただきましたが、両方の型の良さが伝われば幸いです。
また今回は、環境に物理アタッカーが多いためB振りのみの考察にさせていただきましたが、D振りを考察してみるのも面白いと思います。
ご質問、ご意見お待ちしております。