今回は眼鏡ラティオス(以下ラティと略します)について考察して行きます。
役割
- 竜耐性がヌルい並びのサイクル崩し
- トリックによる補助技展開の阻害又は起点作り
前作から見るに耐えないほど露骨な弱体化を受けたので第五世代までのような制圧力は失ったが、相変わらず馬鹿に出来ない火力を持ち、半端な数値受けでは眼鏡流星群を受切らせない。輝石ポリ2すら流星2連打で乱数落ち(50%)する上、不一致弱点程度なら耐える耐久を持ち合わせているのでラティにロクな打点が無い電、地、水、草、炎、闘あたりには重い負担をかけることが出来る。
運用、立ち回り
耐性自体は割と豊富なので、半減技などを狙って繰り出し、火力を押し付けて負担をかけて行くのか基本。
しかし、ガブリアスが環境トップにいる現状、竜の一貫を切る駒はほぼ何かしらパーティーに組み込まれていることが多い上、こちらはガブより技範囲が狭く拘っているので、必然的に相手がパーティーの構築段階で意識していなくてもラティが動きづらくなるファクターはどんなパーティーを相手にした時もほぼ必ず存在すると言っても過言では無い。
従って、不特定多数とのタイマン性能より役割を重視したポケモンと言えるであろう。
ではラティを運用する場合になるべく安定行動を取りつつ勝ち筋を作って行くにはどうすればいいだろうか?
まず選出する目安として、流星群の通りがいいか、拘りトリックで有利な展開に出来そうか、この2点が大まかなポイントになると考えている。
例えばラティハッサムの場合、ラティが相手にダメージを与えず倒されて数的不利になっても、眼鏡トリックからハッサムで舞って全抜き出来るなら問題無い。
後は相手のパーティー並びから、繰り出せそうな相手、対面を作りたい相手、繰り出される受け駒などをマークしながら、どのように立ち回るかを考えていく。
- ラティが刺さっているが対面から釘を刺してくる相手がいる並び
(例 ガッサスイクン+ガルーラなど)
一番やりやすい。
この場合ガルーラ以外と対面を作ってしまえばなんらかの仕事が出来る可能性が高い。
- ラティが役割を持てる相手がいるが、苦しい拓になる並び
(バナバンギ、ラキムドーなど)
受けループなどを相手にする場合によくある。
例えばバナバンギの場合、バナに役割を持てているが、追い討ちバンギと対面作られた時点でかなり苦しくなり、かと言ってバンギに波乗りを打とうとすると拘りの小回りの効かなさに漬け込まれバナで受けられる、というような状況になりやすい。
殴るだけではこちらが圧倒的に不利な拓を迫られているので、トリックで相手の技を固定し、後続で積んで行くのが一番手っ取り早い。
例を挙げるとバナにラティを投げた場合、相手はラティがバナに役割を持っている事を察してバンギバックしてくる場合が多く、バンギに引いてきた所に眼鏡トリックを決めて追い討ちを縛って後続で積んでいくなど。
ラティ1匹で見ようとしてくる場合、誘った上で後続の起点に出来る。
- ラティが刺さっているが、ラティを止めてくる相手を潰せば崩していけそうな並び
(カバリザ+ガルドなど)
ラティに役割を持ってる相手を削り、ラティの一貫を作りに行く。
例えばこの並びでカバから入ってきてラティと対面作れた場合、波乗りが一貫しているため、一回ガルドを裏で受けて流せれば2回目はガルドを削り倒すことが出来るので、ラティの一貫を作れる。
ここからは、ざっと環境に多いラティに役割を持てる面子を紹介する。最低限でもパーティー構築の段階でこの辺りはカバー出来るようにしておきたい。
- ギルガルド
環境に多いため対策必須
波乗り3発や流星+波乗り2発でH252ギルガルドが落ちる(波乗りが一貫した場合は2回目の後出しは不可能)。
ただし毒守ガルドは残飯を回復ソースに確定数をズラしてくるので見せ合いの段階からポリ2やサンダーが重そうなら警戒が必要。
身代わり守る、積み技や高速再生技があるとキンシの拓に有利に立てる。
役割が持てるポケモン:ドラン、キザン、スイクン、ナット、グライなど
- ニンフィア
向こうは竜無効に対してスキンハイボは無効化できず、眼鏡だと半減でも割と持っていかれたり、たまに欠伸持ちもいるので流星群に無償降臨されるとかなり厳しい。
しかし、HB特化でもショックで高乱数2発なので、ショックが一貫していれば後出しを許さない。
上からの物理技には非常に脆い。
役割が持てるポケモン:ラムガルド、ハッサム、ラッキー、チョッキ持ちなど
- マリルリ
流星群を無効にしてくる上に1ターン隙を見せるだけでA6段階上がる恐怖の兎。
確定欄の技構成だとマリルリにロクな打点が無いので、ラティを選出するなら後ろにマリルリを受け切れる奴がいないと普通にサイクル負けする。
役割が持てるポケモン:ゴツメサンダー、バナ、ゴツメミトムなど
- ナットレイ
流星ショック波乗りを全て半減してくるがトリックは刺さる。
眼鏡を捨てても役割対象への遂行に問題が無ければトリックを狙ってもいい。
ただし対面からだと電磁波で麻痺入れられたり、メガポケにバックされると苦しくなるので、スイクンやサンダーなど、ある程度トリックの読み外しをしてもリカバリーの効く相手との対面から交代読みで決めるのが理想的。
炎技が無いと処理に時間がかかるので炎技持ちは必須。
役割が持てるポケモン:アロー、ドラン、熱風サンダー、バシャなど
- バンギラス
こいつが来る可能性があれば、ラティオス切っても問題無い場合を除いて思考停止流星群は打たないほうがいい。
ラティオスに後出ししてくるバンギは追い討ちしてくる可能性が高いので安易に引くことが出来ず非常に厄介。大体波乗り3発で落ち、居座り時の追い討ちならA特化でも耐えるので、波乗りに後出しして来たら突っ張るのもあり。
メガで無く、後続の起点に出来れば全抜きが狙えそうな時はトリックで縛りに行ってもいい。
格闘には非常に弱い。
役割が持てるポケモン:ブシン、ハッサム、マリルリなど
- メガクチート
フェアリーの中でも格段に受けずらい。
クチートの取り巻きには刺さりやすいが、バシャを見るための駒であるクレセ、ギャラや竜などを相手にしたいため波乗りの一貫を作れない。
不利な択を迫られるので、基本的に出さないほうがいい。
役割が持てるポケモン:ヒードラン、ファイアロー、リザードン
- 上から縛って来る相手との対面
ガルーラ、ファイアロー、ゲッコウガ、メガゲンガーなどがこれに当たる。
勝てるか勝てないか相手の型などに依存するため、情報アドバンテージをしっかり掴んでおく必要がある。
ガルーラは不意打ちを持っていない可能性や、アローは鉢巻型でない可能性もあるが、最初は一度バックしたほうが無難。
ファイアローは割と受けやすく、型もすぐに判別が付きやすいが、ガルーラは不意打ち引き読みでグロパン積んでくるか不意打ち打つか分からないので、ガルーラに対しては猫不意打ちやグロパン両方に対応出来るゲンガーやガルドなどのゴーストを投げるといい。
ゲッコウガも相手がCに振っているかによって突っ張れるかが変わってくるが、こちらも基本的には一度引いてダメージ量から確認したほうがいい。
対メガゲンガーは一見不利に見えるが一応C191シャドボを最高乱数上から2つ切って耐える&メガ前なら同速勝負も出来るので、HSゲンガーにはこちらのほうが有利。
構成
- 努力値配分
CS252 端数4
基本的にこれで確定。
Cを落とすとH4カイリューに確1取れなくなり、Sもゲンガーなどを意識すると切れない。耐久調整を施すならラティアスでやったほうが良い。
- 技構成
確定技 流星群/ショック/波乗り
基本的にメインウェポンの流星と、受けに来た鋼に軒並み刺さる波乗り、格闘やバナ、ライコウなどへの遂行にショックまでは確定。
基本的に後1枠はトリックが入るが、パーティー単位で重い相手に合わせて他の技を採用するのもいいだろう。
妥協ライン
CSのVは言うまでもなく絶対。
HDもゲンガーの数を考えると切れず、妥協するとしたら物理方面だが、ここを妥協するとタイマンでキノガッサに勝てる確率がどんどん下がっていく(B4振り前提でV→80%の確率で岩封2耐え)。
妥協するとしたら、乱数を一つ切ってタイマンでガッサに勝てる可能性が70%確保できる個体値25以上は欲しい。
無振りの箇所はUでもVでも実数値が変わらないので、一つの妥協ラインとしては
30-×-25-31-30-31辺りになると考えている。
もちろん上記の個体値で無くとも捕獲した個体の個体値に合わせて微調整し、最終的に実数値が
H155-B98以上-C182-D130-S178になっていれば問題無い。
ダメ計
- 与ダメ
流星群
H252振り水ロトム
100%〜118.5%
H252振りサンダー
91.9%〜108.6%
H252振りスイクン
71.5%〜84.5%
H252振りギルガルド
35.3%〜41.3%
H4振りメガガルーラ
92.8%〜109.4%(乱数56.3%)
サイコショック
H252振りメガフシギバナ
93%〜110.2%(56.3%)
H252振りマリルリ
59.9%〜71%
H252振りライコウ
66%〜78.2%
H252振りローブシン
101.9%〜119.8%
波乗り
H212 D44振りヒードラン
72.5%〜86%
H252振りハッサム
52.5%〜62.1%
H12 D116振りチョッキドリュ
(メガサナのハイボ3耐え)
66.3%〜79.1%
HD特化バンギラス
36.7%〜43.5%
H252振りギルガルド
32.9%〜38.9%
- 被ダメ
A特化ガルドの影打ち
65.8%〜77.4%
A特化メガギャラの氷牙
72.3%〜85.2%
(A252振りまでのギャラなら一舞氷牙確定耐え)
C特化サンダーのめざ氷
43.9%〜52.9%
C特化メガリザードンYの竜波
73.5%〜87.7%
- 相手のいい味方
相性補完に優れる鋼や、蜻蛉ルチェンなどの対面操作出来るポケモン。悪、スカーフ竜技などを起点に出来るポケモン、ガルドが拘りトリックに出て来た後シャドボの一貫を切れるノーマルタイプを組み込むと動かしやすい。
以上で終わります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。