- 全編において常体を用い、また敬称を略す。
最初に
- この型は影踏みゴチルゼルと組ませることが大前提である。
- 影踏みゴチルゼルの論も投稿した(育成論サンムーン/740)。2体いないと成立しない型である関係上、2つで1つの論として評価願いたい。
- 害悪戦術のため、害悪戦術を許容できない人、切断される覚悟の無い人にはおすすめできない。
- 多少調べれば分かる程度の略称、用語を用いる。また、性格補正あり252振りを「特化」、性格補正なし252振りを「ぶっぱ」と呼称する。
- ダメ計についてはトレーナー天国のツールを使用した。
戦術
- アイアントを先発で出す。
- 仲間作りを選択、相手に怠けが伝染する。
- 相手の攻撃で脱出ボタンが発動、ゴチルゼルを後出しする。この時点で相手は影踏みで交代出来なくなる。
- 瞑想を積む。相手は怠けで行動不可。
- 守るを選択。相手はこちらへ干渉不可。
- 積み終えるまで4と5をループ。
- 殴りにいく。相手は怠けで行動不可。
- 相手が倒れるまで7と5をループ。
- 2体目以降は瞑想のD上昇を盾に殴り倒す。
言うなれば、「ずっと俺のターン」戦法の1つの完成系である。ここでは、この戦術を仮に「ゴチルアント」と呼ぶことにしよう。
ゴチルアントの凶悪な所は、相手がアイアントを攻撃した瞬間そのポケモンを起点にでき、しかも倒せることがほぼ確定であるということだ。例えそれがキャタピーでもガブリアスでもソルガレオでも、一部例外を除けばどのポケモンも等しく起点である。ボタンバグと守るで自主退場すら許さない。
アイアントの具体的な立ち回りは後述。ゴチルゼルの具体的な立ち回りはゴチルゼル論に譲ることにしよう。
差別化
不要。特性怠けで仲間作りを覚えるのはアイアントのみである。
性格・努力値
陽気H252A4S252。サポーターとしてはテンプレの振り方である。
ゴチルゼルがやられた後にもう一度出して削り役をしたい、と考えるとASぶっぱも頭をよぎるが、特性が怠けなのでやろうにも満足に出来ない。そうなると必然的にHSぶっぱに落ち着くだろう。余りだけ気休め程度にAに振る。
特性
ゴチルアントを行うためには怠けでなければならない。
持ち物
ゴチルアントには脱出ボタンが最適である。
スカーフで可能な限り上から仲間作りというのも選択肢には上がるが、そうなるとゴチルゼルが素交代か死に出しでしか出せない。素交代は相手も交換する可能性が非常に高く、死に出しはアイアントが仲間作りを打っただけで退場という何とも言えない感じになるので(戦術的にはそれでもいいのだが気分の問題である)、推奨はしない。もしどうしてもスカーフでやりたい場合はHBDの個体値0、せっかちASぶっぱで余りを振らない、となるだろう。
無論、ここでは脱出ボタンを前提に話を進める。
技構成
当然仕事である仲間作りは確定。レベル技である。
他3枠は最初が理想の動きにならなかった時に打つ技(先発技)と再び出た時に打つ技(後発技)からそれぞれ自由に選ぶ型になる。仲間作り/先発技/後発技/後発技 と選択するといいだろう。確定欄では、仲間作り/バトン/アイヘ/噛み砕く としておく。
以下、他3枠の候補技を列挙する。
まずは先発技。
- バトンタッチ
唯一の自主退場技。相手の先発が怠けになっても引いて来ない時に打つ。先制は出来るが起点は作れない、というポケモンと対面した際に交代のために打つ、ということも出来る。レディバ系統、アメタマ系統、テッカニン、ペンドラーから遺伝可能。
- こらえる
相手が引いて来ないが、攻撃はして来そうな時に役立つ。但し戦法的には別に落とされても何ら問題は無い。がむしゃら採用の場合は優先度が高い。ヘラクロス、クルミル系統、カブルモ系統から遺伝可能。
以下は後発技である。
- アイアンヘッド、シザークロス
一致技二種。この2つなら通りのいいアイヘの方が優先度が高い。レベル技。
- 噛み砕く
この戦法の弱点の1つ、霊に対する打点。レベル技。
- 馬鹿力
鋼への打点になる。ORASの教え技。
- ストーンエッジ
リザYピンポイント気味だが、採用価値はある。技マシン。
- ギガインパクト
どうせ2ターンに1回しか動けないため、気軽に採用可能。実は最高打点でもある。技マシン。
- ハサミギロチン
史上最強の役割破壊・一撃必殺技の1つ。レベル技。
- がむしゃら
引く前に攻撃を受けているため、大きく削れる可能性大。こらえる採用の場合優先度が高い。ORASの教え技。
アイアントの立ち回り
- 先発時
1.仲間作りを打つ。
2-1.相手が攻撃して来たら交代出来る為メインの仕事終了。ゴチルゼルを出す。ここで瀕死になっても問題ない。
2-2.相手が攻撃して来なかった場合、次のターン居座り、交代するかどうか見る。
3-2-1.居座って来る場合、先発技を打つかゴチルゼルに交代。出来れば先発技の方が安定する。
3-2-2.交代してきた場合、起点にできるポケモンならば再び仲間作りをし、以後交代出来るまでループする。起点に出来ない場合は3体目に交代。
2-2〜3-2-1において、いちいち1ターン待ってまで先発技を打つぐらいなら1回目の怠けターンに交代した方がいいのではないかと思うだろうが、そこで相手に交代されてしまったらこの戦法は破綻する。そのため1回様子を見た方が確実である。
- 再登場時
再び怠けを撒いて退場するか、相手を削るかのどちらかになる。怠けである以上削り役としてそれほど大きく仕事は出来ないので、怠けを撒いたついでに削れたら削る、というのがいいだろう。
起点を作れないポケモン
上書き不可特性持ち
レート使用可能ポケモンではシルヴァディ、ヨワシ、ヒヒダルマ(ダルマモード)、ケッキング、アイアント(怠け)、ミミッキュ、ギルガルド、メテノ、ネッコアラ(情報提供:あ)、チェリムが該当する。抜けがあれば教えてほしい。ケッキングとアイアントはそもそも怠けなので寧ろ格好の起点だが、それ以外が来たら諦めるしかない。
S実数値177以上のアタッカー
自分より早いアタッカーには仲間作りする前に攻撃を食らって脱出ボタンが作動してしまう。これらに対抗できるポケモンがいるといい。
筆者は敢えてバレバレのトリル構築を裏選出として用意している。
マジックミラー・挑発持ち悪戯心
跳ね返されたり、上から挑発されたりしたらどうしようもない。ゴチルアントはともかく、怠け仲間作りは割と有名である以上、警戒の必要がある。
筆者は当たったらしょうがないと割り切って運用しているが、対策するならばこちらもこの系列を使ってやるといいだろう。
打ってこなければ問題ないが、猫騙しなどの先制技持ちも仲間作りをする前にボタンを作動させてくる可能性があるため注意が必要である。
また、相手がメガシンカしたターンに仲間作りで怠けを移すと、何故か相手がそのターンに怠ける(情報提供:桟敷の上の桟敷)。S関係を逆転されたり特性を変えたのを更に上書きされたりと中々面倒なこともあるため、メガシンカポケモンには注意が必要。
ダメ計
あくまでもサポーターであり、またダメージは受けることが前提、なんなら一撃で落ちて構わないというポケモンであるため、ほんの少しだけ指標程度に記載する。
- 被ダメ
ガブリアスのぶっぱ地震
47.2%〜56.3% 乱数2発 (78.9%)
メガボーマンダの特化すてみタックル
80.6%〜95.1% 確定2発
メガガルーラの特化炎のパンチ(親のみ)
101.8%〜121.2% 確定1発
カプ・テテフの特化サイコキネシス(サイコフィールド下)
67.2%〜80% 確定2発
霊獣ボルトロスのぶっぱ10万ボルト
89%〜105.4% 乱数1発 (37.5%)
- 与ダメ
アイヘ
→H4カプ・テテフ
86.3%〜102.7% 乱数1発 (18.8%)
噛み砕く
→H252ギルガルドブレードフォルム
67%〜80.2% 確定2発
馬鹿力
→H4ドリュウズ
78.4%〜93.5% 確定2発
エッジ
→H4メガリザードンY
119.4%〜142.8% 確定1発
ギガインパクト
→H4ガブリアス
34.7%〜41.3% 確定3発
筆者自身としても流石に少ないと思うが、乗せ過ぎて逆に見辛いということを避けるため、このぐらいに留める。不足しかないと思うが、各自のダメ計で補完して頂きたい。
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