初めまして。R00TSと申します。今回は私のお気に入りのポケモン、スピアーに関する考察と育成論を書いていこうと思います。
初投稿ですので至らない点もあるかと思いますので、気がついた事があればコメントして頂けると幸いです。
はじめに
- この記事ではHABCDS(個体値)の略称や努力値などの非公式ワードも使いますのでご了承ください。
- また、この育成論は自分も相手も理想個体(31)の前提で記述しています。
追記(4/11)
- ダメージ計算の大幅修正、運用に関して加筆しました。ご指摘してくださった方ありがとうございます。
スピアーの概要
スピアーは初代から登場していたむし・どくタイプのポケモンですが、低い種族値、主力技が低威力、紙耐久、微妙な素早さとあらゆる面で運用に問題があり、対戦で日の目を浴びる事は滅多にありませんでした。
・・・第6世代までは。
オメガルビー・アルファサファイアにてメガシンカを獲得し、これまでとは比べ物にならないほど活躍の幅を広げました。
特攻を30も削り、攻撃に+60、素早さに+70、従って
65-150-45-15-80-145
という尖った種族値と新たな特性てきおうりょくにより、非常に先鋭的なステータスを手にしました。
さらにサン・ムーンでは、後述の理由により更に活躍の機会が増えています。
先日ついにメガストーンが解禁されましたが、メガスピアーの育成論がネット上に少ないような気がしたので今回投稿に至りました。
第7世代のスピアー
現環境のスピアーでは以下の強化点があります。
- メガシンカ時の素早さ判定の変更
これがスピアー自身の強化としては最も大きいです。メガシンカして、開幕からいきなり種族値145の超スピードで攻撃ができるようになりました。これにより、初手から相手の弱点をついて大きな負担をかけたり、苦手な相手と対面してもすぐとんぼがえりで負荷をかけつつ回避したりと、戦術の幅が大きく広まりました。
また、まもるを確定採用する必要がなくなり、ドリルライナーとはたきおとすを両方採用できるなど結果的に攻撃技の範囲が広くなりました。スピアーにとってはいい事づくめですね。
- とどめばりの強化
今回の育成論にはあまり関係ないですが、とどめばりの威力が30→50に上がったほか、追加効果のこうげき上昇が3段階に増加。
上記の素早さ仕様変更もあり使いやすくなりました。
- フェアリータイプの増加
現環境ではカプシリーズを筆頭に、フェアリータイプがわんさかいるので相対的に毒タイプのアタッカー需要が上がりました。スピアーもとんぼがえりが撃ちにくくなったなどデメリットが無いではないですが、倒せる相手は増えました。
- ファイアローなど天敵の減少
ORASでの天敵ファイアローが減り、選出の機会も増えてきました。また、はやてのつばさ自体が弱体化したので状況次第ではスピアーが逆にファイアローを狩ることも可能に。
また、特性弱体化によるいたずらごころ持ちの減少も状態異常に弱いスピアーにとっては追い風と言えるでしょう。
- 先制技無効フィールドの登場、先制技持ちの減少
サイコフィールドを始めとした先制技封じのお陰でスピアーが出鼻をくじかれる事態が少なくなりました。
このように追い風が吹きまくってるスピアーくんですが、以下のような向かい風もあります。
- はがねタイプの増加、テッカグヤの登場
前述のフェアリータイプ増加に伴い、はがねタイプもかなり増えています。スピアーは元々はがねタイプはとても苦手なポケモンですが、中でも環境にかなりの数が存在し、手の打ち様がないテッカグヤは天敵です。パーティ単位で対処する必要があります。
- スカーフ持ちが増えた
これはかなり厄介です。先制技無効が増えた代わりに高速アタッカーがスカーフを持ってる場合が少なくないです。つまり145という素早さ自体は高くても、道具によるインフレを考慮すると中堅くらいの位置です。
メガスピアーは最速でもスカーフ持ちは78族まで(カメックス、オーダイル辺り)しか抜けません。現環境ではガブリアスやカプ・テテフなどの一部メジャーなポケモンは50%近くがスカーフ持ちなので、上から叩かれてしまいます。
採用理由&役割
典型的な高速物理アタッカーですね。ただし普通に居座って殴るには少々技の威力と攻撃範囲が狭いのでサイクル戦重視の戦法となります。
フェローチェとの比較
今回投稿しようと思った理由の一つにフェローチェとの比較をちゃんと書き記したいと思った事もあります。
よくメガスピアーはフェローチェの劣化と言われていますが私はそうは思いません。(そもそも個人的に劣化とかは気にしないというのもありますが・・・)
メガスピアーは主に以下の点で差別化ができていると思います。
- どくづきの火力
メガスピアーではメインウェポン、フェローチェではサブウェポンとして高確率で採用されているどくづき。どちらも基本はフェアリー狩りに使うと思います。
ここで、補正無しA252振りメガスピアーと補正ありA252振りフェローチェでどくづきを撃った時の火力を比較してみましょう。
メガスピアー:32320
フェローチェ:16560
こんだけ違います。フェローチェはいのちのたま持ちもそこそこいますがそれでも火力はメガスピアーが大きく上回っています。サイクル戦で相手にかけられる負担の差というのは中々無視できないものがあります。
- 特殊耐久
スピアーもフェローチェも物理耐久は壊滅的ですが、特殊耐久はスピアーが勝っています。試しに無補正エレキフィールド展開C252カプ・コケコの10まんボルトをH4振りした2名に喰らっていただきましょう。
- フェローチェ
割合: 133.3-157.8%
回数: 確定1発
- メガスピアー
割合: 79.4%-94.3%
回数: 確定2発
このようにフェローチェとメガスピアーでは受け出しできるポケモンが違ってきます。フェローチェは受け出し不能で、スピアーは可能といったケースが少なからずあります。
つまりフェローチェでは即死になりかねない攻撃をスピアーが耐える、というケースも少なくありません(タスキの場合は話が別ですが)。
- 役割を持てる対象
これはどちらが優れているという話ではないですが、フェローチェでは対処しづらいゴーストタイプ、具体的にはゲンガー、メガゲンガー、シャンデラなどにスピアーははたきおとすで役割を持てます。
- 総じてタイプや対象が異なっているので、少なくとも私なりの結論としては「有用な場面はフェローチェの方が多いかもしれないが、差別化自体は問題ない」とします。
持ちもの
- スピアナイト
確定です。合言葉を入力して入手しておきましょう。
性格
ようきで確定とします。いじっぱりでは上から殴れないポケモンが増えてしまいます。
努力値
H4 A252 S252
(メガシンカ前の)実数値 141-142-60-58-100-139
実数値 141-202-60-31-100-216
基本的にこれが一番使いやすいような気がしますが、他の調整案としては、
H52 A252 B36 D4 S164
実数値 147-202-65-31-101-204
のように準速フェローチェ抜きまで落として耐久に振るのが良いと思います。
H52 A252 B20 D4 S180
実数値 147-202-63-31-101-206
メガミミロップ、メガライボルトが解禁されたらこの配分(最速135族抜き)辺りも有力でしょう。
火力は削らない方がいいと思います。
技
- どくづき
タイプ・どく 威力80(160) 命中100
メガスピアーのメインウェポンですので確定とします。圧倒的火力で草やフェアリーを狩ります。ただしどくづき自体の威力は普通なので等倍相手への過信は禁物。
- とんぼがえり
タイプ・むし 威力70(140) 命中100
これも確定とします。特性のてきおうりょくが乗り、サイクル技にも関わらず驚異的な火力となります。
- ドリルライナー
タイプ・じめん 威力80 命中95
過去作限定。ORASでは選択技でしたがまもるが必須でなくなった事、はがねタイプが増えている事から今回は確定とします。
- はたきおとす
タイプ・あく 威力65(97) 命中100
過去作限定。主に交代先や輝石持ちに負担をかけます。メガストーンに加え、Zクリスタルの登場で使用できる範囲が狭まりましたので微妙ではありますが、下記の技に比べれば使い勝手はこれが一番良いかと。
- 以下はたきおとすとの選択
- とどめばり
タイプ・むし 威力50(100) 命中100
一応威力と追加効果は上がりました。ですがスピアーは居座って全抜きよりはサイクル戦の方が使いやすいように感じます。自分のパーティや仮想敵と照らし合わせて決めると良いでしょう。
- まもる
必要性はだいぶ下がりましたが一応。ねこだましなんかの事故を防げます。他にも運よくどくづきで毒が入った場合にターン稼ぎの手段なんかにもなったり。
- みがわり
相手の積み技や交代に合わせて。自身の耐久を補強するより殴った方が適任のように感じますが。
なお、シザークロスは技の通りが悪い、どくづきと火力が同じという理由から不採用とします。というかどくづきの通りが悪い場合は大体シザクロの通りも良くないので素直にとんぼがえりで引いた方が安全です。
ダメージ計算
- どくづき
H252 B252 カプ・コケコ 101.6%-119.7%
H252 B252 カプ・テテフ 108.4%-128.8%
H252 B252 カプ・ブルル 167.2%-198.8%
H252 カプ・レヒレ 102%-121.3%
H252 B252 補正カプ・レヒレ 76.8%-90.3%
・・・つまるところカプ系は概ね確殺できると思って大丈夫です。ここまで耐久に努力値を振っている場合はないかもしれませんが。
H252 ニンフィア 104.9%-124.7%
H252 マリルリ 119.8%-141%
H41 フェローチェ 145.5%-171.4%
H4 ミミッキュ(ばけのかわ貫通済み) 94.6%-111.4%
H252 ミミッキュ(ばけのかわ貫通済み) 70.7%-84.6%
H164 B12 霊獣ボルトロス 76.5%-90.2%
H252 B164 補正バシャーモ 54.5%-64.1%
H252 B164 防御1段階上昇補正バシャーモ 36.3%-42.7%
H4 メガリザードンY 81%-95.4%
H4 メガボーマンダ 48%‐57.3%
- とんぼがえり
H4 キノガッサ 86.7%-102.9%
H164 B36 メガギャラドス 83.7%-100.5%
H252 B76 ウォッシュロトム 51.8%-62.2%
H252 B6 カミツルギ 40%-47.4%
H6 ガブリアス 51%-60.8%
H252 メガガルーラ 42.4%-50%
H252 ブラッキー 56.4%-66.3%
H212 霊獣ランドロス 17.2%-20.4%
H252 B252 ナットレイ 32%-38.6%
H252 クレセリア 68.7%-81%
H108 B52 マンムー 51.2%-60.3%
H252 B252 補正クレセリア 56.3%-66.9%
H244 B236 補正テッカグヤ 5.4-6.4%
H252 ポリゴン2(輝石持ち) 39.5%-46.8%
- ドリルライナー
H252 メガゲンガー 81.4%-95.8%
H252 ヒードラン 109.5%-129.9%
H212 B4 補正ヒードラン 99.4%-118.1%
H4 ドリュウズ 81.7%-96.7%
H252 ヒードラン 72.7%-86.8%
H252 ジバコイル 101.6%-122%
H252 B252 ジバコイル 63.2%-74.5%
H76 ウインディ 46.8%-56%
H4 メガメタグロス 46.1%-55.1%
H252 メガクチート 54.7%-64.9%
H252 ギルガルド(シールド) 46.7%-56.2%
H132 B4 アローラベトベトン 71%-84.2%
- はたきおとす
・有効な道具持ち
H12 ゲンガー 148.9%-175.1%
H252 ギルガルド(シールド) 57.4%-68.2%
H252 シャンデラ 81.4%-95.8%
H4 カプ・テテフ 58.2%-69.1%
H252 B252 補正カバルドン 18.6%-22.3%
H252 B252 補正クレセリア 38.7%-45.8%
H244 B236 補正テッカグヤ 14.7%-17.7%
- とどめばり
H252 ゲッコウガ 109.4%-129.6%
H252 ジャローダ 81.3%-96.7%
H6 キノガッサ 61.7%-73.5%
H4 パルシェン 34.9%-41.2%
H252 補正クレセリア 49.3%-58.1%
H252 B252 補正ナットレイ 14.3%-17.6%
被ダメージ計算
- H4振り
- 特殊技
C252補正ウォッシュロトムのハイドロポンプ 77.1%-90.7%
c252補正ゲッコウガのみずしゅりけん 10.7%-12.8%(4発までなら確定耐え)
メガネC252補正ニンフィアのハイパーボイス 57.4%-68%
C252補正メガゲンガーのシャドーボール 77.3%-92.1%
C252フィールド展開カプ・コケコの10まんボルト 79.4%-94.3%
C252補正ギルガルドのシャドーボール 72.3%-85.1%
C4クレセリアのサイコキネシス 93.6%-110.6%
C252フィールド展開補正カプ・テテフのサイコキネシス 198.5%-235.7%
- 物理技
A252補正ミミッキュのじゃれつく 46.8%-55.3%
A4ギルガルドのかげうち 46.8%-55.3%
A252補正2段階上昇ミミッキュのかげうち 83.6%-98.5%
A252補正メガルカリオのしんそく 76.5%-90.7%
A252補正メガガルーラのねこだまし 51.7%-61.7% + 11.3%-14.8%
A252補正メガガルーラのふいうち 60.2%-71.6% + 14.8%-17.7%
ハチマキA252補正マリルリのアクアジェット 90%-106.3%
A252補正メガハッサムのバレットパンチ 89.3%-104.9%
A252補正メガクチートのふいうち 107%-126.2%
ハチマキA252補正カイリューのしんそく 108.5%-128.3%
A4テッカグヤのヘビーボンバー 121.9%-144.6%
晴れ下無振りメガリザードンYのニトロチャージ 124.8%-148.9%
A252補正メガボーマンダのすてみタックル 414.1%-489.3%
- H52 B36振りの場合
A252補正ミミッキュのじゃれつく 41.4%-48.9%
A4ギルガルドのかげうち 53%-63.2%
A252補正2段階上昇ミミッキュのかげうち 74.1%-87.7%
A252補正メガルカリオのしんそく 68%-80.2%
A252補正メガガルーラのねこだまし 45.5%55.1% + 10.8%-12.9%
A252補正メガガルーラのふいうち 53.7%-63.2% + 12.9%-15.6%
ハチマキA252補正マリルリのアクアジェット 79.5%-93.8%
A252補正メガハッサムのバレットパンチ 79.5%-93.8%
A252補正メガクチートのふいうち 95.2%-112.2%
ハチマキA252補正カイリューのしんそく 95.9%-113.6%
A4テッカグヤのヘビーボンバー 119%-140.8%
晴れ下無振りメガリザードンYのニトロチャージ 110.2%-130.6%
結論から言ってあまり確定数は変わりません。
仮想敵と主な運用
レートで使用率上位のポケモンですと、
カプ・コケコ、カプ・レヒレ、カプ・ブルル、カプ・テテフなどのフェアリー準伝、
ゲッコウガ、輝石ポリゴン2、キノガッサなどが対象で、
それ以下の中堅層ではニンフィア、ジャローダ、サザンドラ、マニューラ辺りの草、フェアリー、悪タイプが主な攻撃対象になると思います。とにかく一致で弱点つける相手ですね。
このうちカプ・テテフはこだわりスカーフ、キノガッサはきあいのタスキを持っている可能性が高いので注意しましょう。
スカーフテテフはスピアー単体ではどうしようもないので一度とんぼがえりをせずにはがねタイプかあくタイプのポケモンに引くか、他のポケモンで状態異常を浴びせてからスピアーで殴るなど工夫が必要になります。
基本的に弱点が突ける相手、確実に上から叩ける中耐久のポケモンにはどくづき、技の通りが悪い場合や確定で倒せなさそうな場合はとんぼがえりで引いて、タイミングを見計らってスピアーを降臨させ、次のサイクルで倒すというスタイルが主流となります。
ドリルライナーやはたきおとすは交換読みで使う事が中心になるかと思います。
物理先制技、いたずらごころ持ちと対面した場合はとんぼがえりより引いた方が安定と思われます。
後出しは相手の技次第ですが、不可能というわけではありません。自分の弱点を突かれない特殊技(水、電気、氷あたり)なんかの場合は比較的できます。敵が物理アタッカーの場合は死に出しが安定です。
とにかくできる事とできない事がハッキリしているポケモンなので対面で常に相手に有利か不利かを考えて立ち回る必要があります。
一緒に組んでみたいポケモン
- ウォッシュロトム
おにびでスピアーが苦手な物理アタッカーを止めたり、とんぼがえりサイクルで帰った先に降臨させたり。また、後攻ボルトチェンジで再びスピアーを無償降臨させたりと使い勝手が良いです。
- サンダー
ロトムの耐久では心配という方にはこちらを。ねっぷうとめざめるパワー氷では後者の方が使う機会が多いと思いました。ステロには注意。
- カバルドン
受け枠として。とどめばりを採用するなら起点作り要員は必須だと思います。
またカバルドンが苦手な草タイプ、高火力のフェアリー、ゲッコウガにスピアーが優位に立てるので上手く補い合ってると思います。
- ミミッキュ
同じく起点作りとして。のろいでじわじわ削ってメガスピアーに始末してもらうコンボが中々便利でした。
- パルシェン
サイクルで削った後のフィニッシャーとして。スピアーが苦手なひこう、ドラゴンなどに役割が持てます。反対にパルシェンが苦手な草タイプにスピアーを強気で出せます。
- ブラッキー
悪タイプはスカーフテテフのサイコキネシスを無効化し、フェアリー技をおびき寄せる上で役立ちます。
中でもブラッキーは特殊耐久に優れるのでどくどくやしっぺがえしなど単体でもそこそこ負担をかけてくれます。まぁ特殊耐久高い悪タイプなら何でもいいかもしれません。
- ヒードラン
ほのお、はがねタイプ対策に。けど地震が厄介なので持ちものはふうせんが良さげでした。
- カプ・テテフ
敵の敵は味方・・・みたいな。
スピアーにとっても厄介な相手ですが、先制技封じは同時に頼もしい味方でもあります。
最後に
メガスピアーを使ってみようか悩んでいる方に少しでも参考になれば幸いです。
というか少しでもメガスピアー使いが増えたら嬉しいです。
ここまで読んで頂き、本当にありがとうございました。